JPH05321975A - 位相変換型流体封入式防振装置 - Google Patents

位相変換型流体封入式防振装置

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JPH05321975A
JPH05321975A JP15269192A JP15269192A JPH05321975A JP H05321975 A JPH05321975 A JP H05321975A JP 15269192 A JP15269192 A JP 15269192A JP 15269192 A JP15269192 A JP 15269192A JP H05321975 A JPH05321975 A JP H05321975A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 受圧室の内圧を制御する振動板の共振現象に
起因する防振特性の著しい低下が防止される位相変換型
流体封入式防振装置を提供すること。 【構成】 第一の支持金具12と第二の支持金具14と
を、それらの間に介装されたゴム弾性体16にて連結す
ると共に、該ゴム弾性体16にて壁部の一部が構成され
た流体室48を設ける一方、該流体室48の壁部の一部
を、前記第二の支持金具14に対して変位可能に支持さ
れた振動板62にて構成すると共に、かかる振動板62
の背後に、該振動板62を加振するアクチュエータ72
を配設せしめてなる位相変換型流体封入式防振装置にお
いて、前記流体室48の内部に、振動入力時に流体流動
が生ぜしめられる流体流路94を形成し、かかる流体流
路94を通じて流動せしめられる流体の共振周波数を、
前記振動板62の固有振動周波数に対応してチューニン
グした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に形成された流体室に内圧
を発生させて、振動入力時に流体室に惹起される内圧変
化の位相を変換せしめることにより、マウント防振特性
を制御するようにした位相変換型流体封入式防振装置に
関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振装置の一種として、それぞれ防振連結乃
至は支持される部材の各一方に取り付けられる第一の支
持金具と第二の支持金具とを、それら両金具間に介装さ
れたゴム弾性体にて、弾性的に連結せしめてなる防振装
置が知られており、例えば、自動車用エンジンマウント
やサスペンション・ブッシュ等として用いられてきてい
る。
【0003】また、近年では、より高度な防振特性を実
現するための一つの手法として、かかる防振装置に対し
て、壁部の一部がゴム弾性体にて構成された、内部に所
定の非圧縮性流体が封入されてなる流体室を設ける一
方、該流体室の壁部の一部を、前記第二の支持金具に対
して変位可能に支持された振動板にて構成すると共に、
かかる振動板の背後にアクチュエータを配設し、該振動
板を加振することにより、流体室に内圧を発生させて、
振動入力時に流体室に惹起される内圧変化の位相を変換
せしめることにより、マウント防振特性を制御するよう
にした、位相変換型流体封入式防振装置が、提案されて
いる。例えば、特開昭59−1828号公報や特開昭5
9−1829号公報、特開昭60−8540号公報、実
開平3−73741号公報等に開示されている防振装置
が、それである。
【0004】ところで、このような防振装置において
は、振動板を第二の支持金具に対して変位可能に支持せ
しめる必要があり、そのために、従来では、前記公報に
も示されているように、振動板を、ゴム板等の弾性部材
を介して、第二の支持金具に連結支持させたり、所定寸
法の間隙(ガタ)をもって第二の支持金具に支持せしめ
てなる構造が、採用されている。
【0005】ところが、このような防振装置では、振動
板が変位可能に配設されているために、入力振動の周波
数が振動板の固有振動数に一致すると、かかる振動板が
共振現象を起こしてしまう恐れがあったのであり、その
ために、この振動板の共振現象によって、入力振動の増
幅作用等が生ぜしめられて、防振装置の防振特性が、著
しく悪化してしまうという問題を内在していたのであ
る。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、振動板の共振現象に起因する防振特性の著
しい低下が解消乃至は軽減され得る、改良された構造の
位相変換型流体封入式防振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、第一の支持金具と第二の支
持金具とを、それらの間に介装されたゴム弾性体にて連
結すると共に、内部に所定の非圧縮性流体が封入された
流体室を、かかるゴム弾性体にて壁部の一部を構成して
設ける一方、該流体室の壁部の一部を、前記第二の支持
金具に対して変位可能に支持された振動板にて構成する
と共に、かかる振動板の背後に、該振動板を加振するア
クチュエータを配設せしめてなる位相変換型流体封入式
防振装置において、前記流体室の内部に、振動入力時に
流体流動が生ぜしめられる流体流路を形成し、かかる流
体流路を通じて流動せしめられる流体の共振周波数を、
前記振動板の固有振動周波数に対応してチューニングし
たことにある。
【0008】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0009】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の自動車用筒型エンジンマウント10が、示されてい
る。かかるエンジンマウント10は、互いに径方向に所
定距離を隔てて、且つ所定量だけ偏心して配された内筒
金具12と外筒金具14とが、それらの間に介装された
ゴム弾性体16にて、互いに弾性的に連結されることに
よって構成されたマウント本体18を備えており、かか
るマウント本体18が、ブラケット20に対して、一体
的に組み付けられて成る構造とされている。そして、か
かるエンジンマウント10にあっては、マウント本体1
8の内筒金具12が、ボデー側およびパワーユニット側
の何れか一方に取り付けられると共に、外筒金具14
が、ブラケット20を介して、ボデー側およびパワーユ
ニット側の何れか他方に取り付けられることにより、パ
ワーユニットをボデーに対して防振支持せしめることと
なる。
【0010】なお、そのような装着状態下、マウント本
体18にあっては、内外筒金具12,14間に及ぼされ
るパワーユニット重量にてゴム弾性体16が変形するこ
とにより、内外筒金具12,14が略同軸的に位置せし
められる。また、かくの如き装着状態下、このエンジン
マウントには、内外筒金具12,14の偏心方向(図1
中、上下方向)に、防振すべき主たる振動が入力される
こととなる。
【0011】より詳細には、内筒金具12は、厚肉の円
筒形状を呈している。また、この内筒金具12には、そ
の軸方向中央部分に、支持金具22とストッパ金具24
が、溶接等によって固着されており、内筒金具12を径
方向に挟んだ両側外方に向って、それぞれ所定高さで突
出する状態で、取り付けられている。
【0012】さらに、この内筒金具12の径方向外方に
は、薄肉円筒形状の金属スリーブ26が、前記支持金具
22とストッパ金具24の突出方向に所定量偏心して配
されている。そして、これら内筒金具12と金属スリー
ブ26との間に、全体として厚肉円筒形状を呈するゴム
弾性体16が介装されており、それら内筒金具12と金
属スリーブ26に対して加硫接着された一体加硫成形品
として形成されている。
【0013】また、かかる金属スリーブ26には、内筒
金具12を偏心方向に挟んで対向位置する両側に、第一
の窓部28および第二の窓部30が設けられている。更
に、ゴム弾性体16には、内筒金具12を偏心方向に挟
んで対向位置する両側に、第一の窓部28を通じて外周
面に開口する第一の凹所32と、第二の窓部30を通じ
て外周面に開口する第二の凹所34が、設けられてい
る。
【0014】更にまた、第一の凹所32には支持金具2
2が、第二の凹所34にはストッパ金具24が、それぞ
れ、底部側から所定高さで突出して位置せしめられてい
る。そして、支持金具22の突出端面上には、突出方向
に対して直角な方向に広がる平板状の傘金具36が、か
しめ固定されていると共に、該傘金具36の外面上に
は、緩衝ゴム38が、固着されている。また、ストッパ
金具24の突出端面上には、所定厚さのストッパゴム4
0が、ゴム弾性体16と一体的に形成されている。
【0015】さらに、前記ゴム弾性体16には、第一の
凹所32と第二の凹所34とを仕切る底壁部において、
金属スリーブ26の内周面に沿うようにして、第一の凹
所32と第二の凹所34の対向方向に延び、それら両凹
所32,34を相互に連通するオリフィス通路42が、
設けられている。
【0016】また、かかる底壁部には、内筒金具12を
挟んだ両側部分において、軸方向に貫通する肉抜部4
4,44が形成されている。そして、これらの肉抜部4
4,44によって、第二の凹所34の底壁部が薄肉化さ
れており、以て、容易に弾性変形せしめられる可撓性壁
部46とされている。
【0017】そうして、このような一体加硫成形品に対
して、外筒金具14が外挿され、金属スリーブ26に対
して嵌着固定されている。そして、この外筒金具14に
より、第一の凹所32および第二の凹所34の開口が覆
蓋されている。
【0018】それによって、それぞれ内部に所定の非圧
縮性流体が封入されてなる受圧室48と平衡室50が、
形成されている。また、それら受圧室48と平衡室50
は、オリフィス通路42によって相互に連通されてお
り、かかるオリフィス通路42を通じて、それら両室4
8,50間で、封入流体が相互に流動せしめられるよう
になっている。なお、かかる封入流体としては、一般
に、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコ
ール、シリコーン油等が用いられる。
【0019】すなわち、かかる受圧室48にあっては、
内外筒金具12,14間への振動入力時に、ゴム弾性体
16の変形に基づいて内圧変動が惹起されることとなる
のであり、また、このことから明らかなように、本実施
例では、かかる受圧室48によって、流体室が構成され
ている。一方、平衡室50にあっては、可撓性壁部46
の弾性変形に基づいて容積変化が容易に許容されること
により、その内圧変動が軽減乃至は解消される。それ
故、振動入力時には、受圧室48と平衡室50との間に
内圧差が惹起されることとなり、それら両室48,50
間で、オリフィス通路42を通じての流体の流動が生ぜ
しめられるのであり、以て、かかる流体の共振作用に基
づいて、所定の防振効果が発揮されることとなるのであ
る。
【0020】なお、特に本実施例では、オリフィス通路
42を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づい
て、シェイク等の低周波大振幅振動に対する高減衰効果
が発揮され得るように、かかるオリフィス通路42の長
さや断面積が設定されている。
【0021】そうして、このような構造とされたマウン
ト本体18は、ブラケット20に対して、該ブラケット
20に設けられた円形の装着孔54内に圧入固定される
ことにより、組み付けられている。また、このブラケッ
ト20には、外方に突出する取付部56が、一体的に設
けられており、かかる取付部56により、ボデー側或い
はパワーユニット側に取付固定されるようになってい
る。
【0022】さらに、このブラケット20には、その装
着孔54に装着されたマウント本体18における受圧室
48の外側に位置する部分において、周壁部を貫通して
延びる透孔58が設けられている。また、この透孔58
の内側開口部に位置するマウント本体18の外筒金具1
4には、貫通孔60が設けられており、該貫通孔60を
通じて、透孔58が、マウント本体18の受圧室48に
連通せしめられている。
【0023】また一方、かかる透孔58の外側開口部
は、所定寸法拡径されており、そこに略平板形状を呈す
る振動板62が、配設されている。そして、この振動板
62の外周縁部には、支持ゴム64を介して、取付リン
グ66が取り付けられており、この取付リング66が、
ブラケット20に対してボルト固定されることにより、
かかる振動板62が、ブラケット20に装着されてい
る。即ち、この振動板62は、ブラケット20に対し、
支持ゴム64の弾性変形に基づいて変位可能に、取り付
けられているのである。なお、かかる振動板62は、合
成樹脂やアルミニウム合金等の非磁性材料にて形成され
ている。
【0024】そして、この振動板62の装着により、ブ
ラケット20に設けられた透孔58の外側開口部が流体
密に覆蓋されており、それによって、かかる透孔58の
内部にも、前記受圧室48の一部が形成されているので
ある。
【0025】なお、かかるブラケット20に形成された
透孔58の内部には、ゴムスリーブ68が挿入配置され
ており、ブラケット20にボルト固定された略環状の押
え金具70と、マウント本体18の外筒金具14との間
で、軸方向に挟圧されている。それによって、外筒金具
14に設けられた貫通孔60とブラケット20に設けら
れた透孔58との間が、流体密にシールされている。
【0026】さらに、ブラケット20には、振動板62
の背後に位置して、アクチュエータとしての電磁駆動手
段72が装着されている。この電磁駆動手段72は、円
形ブロック状の永久磁石74を備えており、かかる永久
磁石74が、逆カップ形状の蓋金具76の内部に収容さ
れ、その一方の磁極側端面が、蓋金具76の底部中央に
当接する状態で固設されている。
【0027】また、永久磁石74における他方の磁極側
端面には、略円板形状を呈する端部金具80が、当接し
て配置されている。この端部金具80の外径は、永久磁
石74よりも大径とされており、永久磁石74から径方
向外方に所定寸法突出せしめられている。
【0028】更にまた、蓋金具76の開口部には、略円
環形状の周縁金具82が配設されており、蓋金具76の
開口周縁部に設けられたフランジ部75上に重ね合わさ
れて、取り付けられている。また、この周縁金具82の
内径は、蓋金具76の周壁部よりも小径とされており、
該蓋金具76の内周面から径方向内方に所定寸法突出せ
しめられることにより、その内周面が、上記端部金具8
0の外周面に対して、径方向に所定距離を隔てて対向位
置せしめられている。
【0029】また、これら蓋金具76、端部金具80お
よび周縁金具82は、何れも、鉄等の強磁性材料にて形
成されている。それによって、永久磁石74の周囲に、
略閉磁路形態の磁路が形成されていると共に、かかる磁
路上に位置する端部金具80と周縁金具82との径方向
対向面間において、周方向に連続した円環状乃至は円筒
状のギャップ部86が形成されているのである。
【0030】さらに、かかる磁路を形成する端部金具8
0の軸方向外方には、合成樹脂やアルミニウム等の非磁
性材料にて形成された可動部材88が、所定距離を隔て
て配設されている。この可動部材88は、全体として略
有底円筒形状をもって形成されており、その筒壁部90
が、磁路上のギャップ部86内に挿入されて、位置せし
められている。そして、可動部材88の筒壁部90と、
ギャップ部86を形成する対向面との間には、僅かな隙
間が形成されており、それによって、かかる可動部材8
8が、軸方向に変位可能とされている。
【0031】また、この可動部材88の筒壁部90の外
周面には、コイルが巻回されており、そこに可動コイル
92が形成されている。それによって、この可動コイル
92と可動部材88とが、ギャップ部86内で、一体的
に変位可能とされているのである。
【0032】そして、このようにして形成された電磁駆
動手段72は、図示されている如く、蓋金具76のフラ
ンジ部75が、ブラケット20における透孔58の外側
開口部周縁に重ね合わされて、ボルト固定されることに
より、該ブラケット20に対して、固設されている。ま
た、かかる電磁駆動手段72の可動部材88は、振動板
62の背面に重ね合わされてボルト固定されている。
【0033】すなわち、本実施例においては、この電磁
駆動手段72における可動コイル92に交番電流を通電
することにより、可動コイル92に対してフレミングの
左手の法則に従う電磁力(ローレンツ力)が発生し、そ
れによって、かかる可動コイル92が装着された可動部
材88を介して、振動板62に対して駆動力が及ぼされ
ることとなる。
【0034】そして、かかる振動板62が駆動されるこ
とにより、受圧室48の内圧が変化せしめられることか
ら、可動コイル92に対する通電制御により、受圧室4
8の内圧を制御することができるのであり、それによっ
て、マウントの防振特性を、適宜、変更することが可能
となるのである。具体的には、例えば、低周波振動の入
力時には、振動板62を、入力振動と同位相で振動させ
て、受圧室48の内圧を積極的に発生せしめ、オリフィ
ス通路42を通じて流動せしめられる流体の流通量の増
大を図ることにより、高減衰特性を発揮させることがで
きるのであり、また、中乃至高周波振動の入力時には、
振動板62を、入力振動と逆位相で振動させて、受圧室
48の内圧を吸収乃至は軽減せしめることにより、低動
ばね特性を発揮させることができるのである。
【0035】ところで、そこにおいて、本実施例のエン
ジンマウント10にあっては、かくの如き振動板62の
加振にて内圧制御される受圧室48の内部が、前記傘金
具36によって、該傘金具36の内側と外側とに略二分
されていると共に、受圧室48の内周面と傘金具36の
外周部分との間に、それら内側部分と外側部分とを相互
に連通する環状の狭窄流路94が形成されている。
【0036】それによって、内外筒金具12,14間に
振動が入力された際、受圧室48内で傘金具36が変位
せしめられることに基づいて、かかる狭窄流路94を通
じての流体の流動が生ぜしめられるようになっている。
換言すれば、この狭窄流路94により、振動入力時に加
振せしめられる、該狭窄流路94を通じて流動せしめら
れる流体をマス成分とする一つの共振系が構成されてい
るのである。
【0037】そして、本実施例においては、かかる狭窄
流路を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、上
記支持ゴム64によって弾性支持された振動板62の固
有振動周波数に対応して、チューニングされている。具
体的には、振動板62の固有振動周波数域の振動入力時
に、この狭窄流路94を流動せしめられる流体の共振作
用に基づいて、低動ばね効果が発揮され得るように、か
かる狭窄流路94の断面積や長さが設定されているので
ある。
【0038】それ故、このような構造とされたエンジン
マウント10においては、振動板62の共振現象によっ
て惹起される、受圧室48の内圧上昇による高動ばね化
等に起因する入力振動の増幅作用が、狭窄流路94を通
じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮さ
れる低動ばね効果に基づいて、軽減乃至は解消され得る
こととなるのであり、以て、かかる振動板62の共振現
象に起因するマウント防振特性の低下が、効果的に軽減
乃至は防止され得て、所期の防振特性が、広い周波数域
に亘って有利に且つ安定して発揮され得ることとなるの
である。
【0039】因みに、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10について試験を行ない、その防振性能の周
波数特性を測定した結果を、図2に示す。なお、かかる
図においては、従来構造とされた比較例として、傘金具
36が装着されていないこと以外は、上記エンジンマウ
ント10と同様な構造とされたエンジンマウントについ
て、同一の試験を行なった結果を、併せ示すこととす
る。
【0040】かかる図からも、本実施例におけるエンジ
ンマウント10にあっては、比較例のエンジンマウント
において130Hz前後の周波数域に惹起されていた、振
動板62の共振現象に起因する著しい高動ばね化が、極
めて有効に解消され得ることが、明らかに認められると
ころである。
【0041】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0042】例えば、前記実施例では、受圧室48の内
面と、該受圧室48内に配設された傘金具36との間に
形成された環状の狭窄流路94により、流体流路が構成
されていたが、かかる流体流路を、例示の構造以外の構
造をもって、形成することも可能である。具体的には、
前記実施例において、受圧室48の一部を構成する、ブ
ラケット20に設けられた透孔58の断面積や長さを適
当に調節することにより、かかる透孔58によって、上
記流体流路を構成すること等も、可能である。
【0043】さらに、前記実施例では、受圧室48に対
して、オリフィス通路42を通じて連通された平衡室5
0が設けられていたが、それらオリフィス通路42や平
衡室50は、必ずしも設ける必要はない。
【0044】また、振動板を加振するアクチュエータと
して、前記実施例では電磁駆動手段72が用いられてい
たが、それに代えて、電歪素子等の電磁駆動手段以外の
アクチュエータを採用することも、勿論、可能である。
【0045】更にまた、前記実施例では、筒型の流体封
入式防振装置に対して、本発明を適用したものの具体例
を示したが、本発明は、筒型以外の防振装置、例えば前
記公開公報等に開示されている如き各種の防振装置に対
しても、有利に適用され得るものであることは、言うま
でもないところである。
【0046】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであるとこ
は、言うまでもないところである。
【0047】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた位相変換型流体封入式防振装置にお
いては、流体流路により、その内部を流動せしめられる
流体をマス成分とする一つの振動系が構成されており、
振動板の固有振動周波数域の振動入力時に、かかる流体
流路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、マ
ウント防振特性の低動ばね化が発揮されることとなる。
【0048】それ故、かかる位相変換型流体封入式防振
装置によれば、振動板の共振現象に起因するマウント防
振特性の著しい低下が、軽減乃至は解消され得るのであ
り、以て、振動板の駆動(加振)による受圧室の内圧制
御に基づく所期の防振特性が、広い周波数域に亘って有
利に且つ安定して発揮され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す横断面図である。
【図2】図1に示されている如き構造のエンジンマウン
トにおける防振効果の周波数特性を測定した結果を、比
較例の測定結果と共に示すグラフである。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 内筒金具 14 外筒金具 16 ゴム弾性体 18 マウント本体 20 ブラケット 36 傘金具 48 受圧室 62 振動板 64 支持ゴム 72 電磁駆動手段 74 永久磁石 86 ギャップ部 88 可動部材 92 可動コイル 94 狭窄流路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の支持金具と第二の支持金具とを、
    それらの間に介装されたゴム弾性体にて連結すると共
    に、内部に所定の非圧縮性流体が封入された流体室を、
    かかるゴム弾性体にて壁部の一部を構成して設ける一
    方、該流体室の壁部の一部を、前記第二の支持金具に対
    して変位可能に支持された振動板にて構成すると共に、
    かかる振動板の背後に、該振動板を加振するアクチュエ
    ータを配設せしめてなる位相変換型流体封入式防振装置
    において、 前記流体室の内部に、振動入力時に流体流動が生ぜしめ
    られる流体流路を形成し、かかる流体流路を通じて流動
    せしめられる流体の共振周波数を、前記振動板の固有振
    動周波数に対応してチューニングしたことを特徴とする
    位相変換型流体封入式防振装置。
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