JPH05321026A - 耐熱性繊維 - Google Patents

耐熱性繊維

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JPH05321026A
JPH05321026A JP12746992A JP12746992A JPH05321026A JP H05321026 A JPH05321026 A JP H05321026A JP 12746992 A JP12746992 A JP 12746992A JP 12746992 A JP12746992 A JP 12746992A JP H05321026 A JPH05321026 A JP H05321026A
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JP
Japan
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fiber
aromatic polyamide
soluble resin
mechanical properties
properties
Prior art date
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Application number
JP12746992A
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English (en)
Inventor
Takahiro Nakawa
孝宏 名川
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、機械特性、耐候性などが優れバラン
スのとれた特性を有する繊維を製造する。 【構成】 5〜90重量%の芳香族ポリアミドと可溶性
樹脂とのブレンド樹脂からなる繊維とする。 【効果】 高温での乾熱収縮率も小さく荷重下の高温で
の寸法安定性に優れており、機械特性、特に引張強さや
初期引張抵抗度が優れる。また、湿度特性(特に吸湿
性)もよく、耐候性もよくバランスのとれた繊維が得ら
れる。また、本発明の芳香族ポリアミドと可溶性樹脂は
相溶性が非常によいためにブレンド溶液の長期安定性に
優れ、得られる繊維中でも2種のポリマが微分散しやす
く界面でのミクロボイドの発生が抑えられるため機械特
性や透明性に優れる。さらに、安価な可溶性樹脂を使用
しているため製造コストを下げることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性の低い樹脂と芳
香族ポリアミドがブレンドされた樹脂からなる耐熱性繊
維に関するものであり、低収縮率、高弾性率、良好な耐
候性などを有する繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は強度、弾性率、寸法
安定性(低収縮性)においてバランスがとれており、そ
の優れた特性を生かしタイヤ、Vベルトなどの補強材や
テグス、漁網、ネットなどの素材として広く使用されて
きた。また、年々高まる特性向上の要求には、特開平2
−41413号公報などにあるように製造条件を工夫す
ることで、強度や耐熱性の向上を図ってきた。また、さ
らに高い要求特性に対しては、芳香族ポリアミド(アラ
ミド)繊維が開発され使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−4
1413号公報を始めとする製造方法の工夫による改良
では、ポリエステルを基にした繊維のためおのずとポリ
マ素材に由来した限界があり、飛躍的な特性の向上は見
込めなかった。また、アラミド繊維は確かに機械特性は
優れているが、アミド結合の存在により耐候性や湿度特
性が悪く寸法安定性に劣り、さらに特殊な製造方法によ
ってコストアップするという問題があった。
【0004】本発明は、かかる課題を改善し、機械的特
性、化学的特性(主に吸湿特性)、、耐候性、さらに経
済性(コスト)などに優れた耐熱性繊維を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリア
ミドと可溶性樹脂とのブレンド樹脂からなる繊維であっ
て、該芳香族ポリアミドの量がブレンド樹脂の5重量%
以上90重量%以下の範囲であることを特徴とする耐熱
性繊維である。
【0006】本発明の芳香族ポリアミドとは、一種以上
の、一般式
【化1】 で示される繰り返し単位を50モル%以上含むものが好
ましく、70モル%以上から成るものがより好ましい。
【0007】ここでAr1 、Ar2 は少なくとも一個の
芳香環を含む一種以上の構造からなり、同一組成でも異
なっていてもよく、これらの代表例としては次のものが
挙げられる。
【0008】
【化2】 また、これらの芳香環の環上の水素の一部が、ハロゲン
基(特に塩素)、ニトロ基、C1 〜C3 のアルキル基
(特にメチル基)、C1 〜C3 のアルコキシ基などの置
換基で置換されているものも含む。また、Xは、−O
−、−CH2 −、−SO2 −、−S−、−CO−などで
ある。これらは単独または共重合の形で含まれる。
【0009】本発明の目的である耐熱性向上という観点
から、Ar1 、Ar2 は主としてパラ配向で剛直な構造
が好ましく、また、芳香環にハロゲン基やアルキル基な
どの置換基を有するものは、耐候性、湿度特性の向上の
点でより好ましい。さらに、特にハロゲン基は得られる
繊維の湿度特性を飛躍的に向上させるので好ましい。
【0010】また、製造時における溶媒に対する溶解
性、可溶性樹脂との相溶性が高くなる点では、 −O−、−CH2 −、−SO2 −、−S−、−CO− などを介して2個の芳香環が結合している構造が共重合
されているのも好ましいが、多過ぎると逆に熱特性、機
械特性、湿度特性を悪化させることになる。
【0011】すなわち、 Ar1 :(Ar3 a (Ar4 b (Ar5 c Ar2 :(Ar6 d (Ar7 e ただし、a+b+d+e>0.5 b+e>0.5 c<0.4 Ar3 ,Ar6
【化3】 Ar4 、Ar7 :Ar3 、Ar6 が核置換(ハロゲンな
ど)された基 Ar5
【化4】 を満たす芳香族ポリアミドが好ましい。なお、Ar1
Ar2 を構成する、Ar3 、Ar4 、Ar5 、Ar6
Ar7 以外の基は、上式を満足していれば特に制限はな
い。
【0012】例えば、
【化5】 (ここでp、qは1〜4の整数、p+q≧1)
【化6】 (ここでq=0〜4の整数)などで表わされる一種以上
の芳香族ポリアミドと、可溶性樹脂との溶液は、長時間
保存してもポットライフは極めて安定であり、得られる
繊維も強靭で耐熱性、耐候性、湿度特性の良好なものと
なる。
【0013】また、本発明の可溶性樹脂とは、前述した
芳香族ポリアミドを溶解する溶媒に、1重量%以上溶解
する樹脂一種以上を意味し、特に限定されるものではな
い。芳香族ポリアミドと可溶性樹脂の両者を溶解する溶
媒としては、取り扱いやすさなどを考慮すると有機系の
溶媒が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチ
ルアセトアミド、ヘキサメチレンホスホルアミド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノンなどのア
ミド系極性溶媒やジメチルスルホンなどが挙げられる
が、特にN−メチル−2−ピロリドンおよびN−メチル
−2−ピロリドンと他のアミド系極性溶媒の混合物が好
ましい。これらの溶媒を用いた場合特に、ポリカーボネ
ート、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタアクリレ
ート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリエー
テルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリス
ルフィドスルホン、ポリエーテルイミドなどが好まし
く、高温での機械特性の改良が顕著で湿度特性の優れて
いる非晶性樹脂、例えば、ポリカーボネート、ポリエー
テルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリス
ルフィドスルホンがより好ましい。特に、
【化7】 の基本骨格Aと
【化8】 の構造を両方有する樹脂は、該芳香族ポリアミドとの相
溶性が非常によいために、芳香族ポリアミドと可溶性樹
脂を上記溶媒に溶解して得られるブレンド溶液は長期保
存安定性に優れ、また機械特性や透明性に優れた繊維が
得られるなどの理由で、より好ましい。例えばビスフェ
ノールAを原料としたポリカーボネート、ポリアリレー
トなどが挙げられ、経済性の点からポリカーボネートが
さらに好ましい。上記基本骨格Aには置換基があっても
よく、例えばハロゲン基などが挙げられる。また、上記
芳香族ポリアミドと可溶性樹脂とのブレンド樹脂にさら
に、第3成分として別の樹脂が該可溶性樹脂の好ましく
は40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さ
らに好ましくは20重量%以下添加されていてもよく、
例えば、可溶性樹脂としてポリカーボネートを用いた場
合、これにポリエーテルスルホン、ポリスルホンなどを
添加すると、機械特性が向上する。また、上記溶媒の他
に、可溶性樹脂の良溶媒、例えばジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、1,1,2-トリ
クロロエタン、トリクレン、アセトン、トルエンなど
を、可溶性樹脂と芳香族ポリアミドが相溶するのを妨げ
ない範囲内で、好ましくは全溶媒量の20重量%以内、
より好ましくは15重量%以内でなら含まれてもさし支
えない。
【0014】上述したブレンド溶液を、溶液製糸するこ
とでブレンド樹脂からなる繊維が得られる。
【0015】本発明の繊維中の芳香族ポリアミドの量
は、ブレンド樹脂の5重量%以上90重量%以下の範囲
であることが必要である。芳香族ポリアミドの量がこの
範囲より少ない場合、もはや耐熱性向上の効果は見られ
ず、高温での機械特性が極端に悪化する。好ましくは7
重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。ま
た、芳香族ポリアミドの量がこの範囲より多い場合は経
済的メリットがなくなりまた、湿度特性が悪化する。好
ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以
下である。
【0016】本発明で得られる繊維の200℃の乾熱収
縮率は20%以下であるのが好ましい。より好ましくは
10%以下、最も好ましくは5%以下である。20%を
越えると寸法安定性が悪くなる。また、荷重下(0.1
g/d)の200℃の熱寸法変化率は50%以下である
のが好ましい。+50%より大きいと、タイヤコードの
ような高温で張力がかかるような場合使用に耐えない。
好ましくは40%以下、より好ましくは20%以下であ
る。
【0017】本発明の繊維の吸湿率は5%以下が好まし
く、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以
下である。5%より大きいと吸湿による寸法変化が大き
くなり実用に耐えない。
【0018】本発明の繊維の引張強さは0.5g/d以
上が好ましく、より好ましくは0.7g/d以上、さら
に好ましくは0.9g/d以上である。また、初期引張
抵抗度は10g/d以上が好ましく、より好ましくは1
5g/d以上である。
【0019】次に、本発明の耐熱性繊維の製造方法につ
いて説明するが、これに限定されるものではない。
【0020】まず、本発明の芳香族ポリアミドはジイソ
シアネートとジカルボン酸、あるいはジ酸クロリドとジ
アミンとの反応で得られる。ジ酸クロリドとジアミンと
からの場合は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
アセトアミドなどのアミド系極性溶媒中で、溶液重合し
たり、水系媒体を使用する界面重合などで合成される。
ジ酸クロリドとジアミンを低水分のアミド系極性溶媒中
で低温下(通常50℃以下、好ましくは30℃以下)で
1〜2時間撹拌し重合される。モノマの添加順序は特に
限定されるものではない。重合後発生した塩酸を無機ア
ルカリあるいは有機系の中和剤で中和する。また、ジイ
ソシアネートとジカルボン酸との反応は、アミド系極性
溶媒中、触媒の存在下、通常は高温下(50〜200
℃)で行なわれる。これらのポリマ溶液はそのままブレ
ンド用原液にしてもよく、またポリマーを一度単離して
から溶媒に再溶解してブレンド用原液を調製してもよ
い。ブレンド用原液には、溶解助剤として無機塩、例え
ば塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどを添加する場
合もある。
【0021】耐熱性繊維の機械的特性を向上させるため
にはポリマの分子量を一定以上にしておく必要があり、
この尺度としては固有粘度(ηinh)をもって表わす
のが便利である。すなわち、固有粘度が、N−メチル−
2−ピロリドンに溶解する場合は、好ましくは1.0〜
10.0、より好ましくは1.5〜7.0である。
【0022】上記芳香族ポリアミドと可溶性樹脂とのブ
レンドの方法としては、芳香族ポリアミドと可溶性樹脂
のそれぞれのブレンド原液を別個に調製しその原液同士
をブレンドする方法、可溶性樹脂を溶解したアミド系極
性溶媒溶液を調整し、その中で前述した芳香族ポリアミ
ドの重合を行ない、重合とブレンドを同時に行なう方法
などが挙げられる。こうして得られた製糸原液から得ら
れる見かけの固有粘度は0.1〜8.0が好ましく、よ
り好ましくは0.2〜5.0である。溶液粘度は、自由
に選べるが流延性の点から5〜50000ポイズ/30
℃が望ましく、10〜20000ポイズが更に望まし
い。樹脂濃度は1〜50%が望ましく、5〜30%が更
に望ましい。
【0023】この製糸原液は以下の方法で繊維にする。
まず、湿式法であるが、口金から直接、水系の媒体中へ
浸漬されて無機塩および溶媒が抽出される。口金は媒体
中にあっても媒体表面上の空気中にあってもよい。媒体
表面上にある場合を特に乾湿式法と呼ぶことがありこの
場合口金は媒体表面上1〜10mmに位置される。な
お、水系の媒体とは、水を主成分とする液体であり、ポ
リマに対しては貧溶媒であるが、無機塩やアミド系極性
溶媒には親和性のある液体のことである。例えば、水単
独、水と原液を構成しているアミド系極性溶媒との混合
物、水とエチレングリコール、アセトン、低級アルコー
ルとの混合物が挙げられるが、水の比率として少なくと
も50%以上が脱塩・脱溶媒速度や溶媒回収を考慮する
と望ましい。また、多量のアミド系極性溶媒や無機塩な
どが水系の媒体中で急激に媒体と置換し最終の繊維にボ
イドの発生が起こる場合があり、前述の水系の媒体中に
置換速度を制御するため必要に応じて無機塩、例えば、
塩化カルシウム、塩化リチウム、臭化リチウムなどを含
有したり、水槽を多段にして、水とアミド系極性溶媒・
無機塩の混合物などに濃度勾配を持たせたりする。湿式
浴の温度は通常5〜90℃が適当である。該湿式工程で
は溶解助剤となる無機塩とアミド系極性溶媒が抽出され
る訳であるが、該湿式工程終了直後のフィルム中で無機
塩残存量はポリマ当り3%以下、より好ましくは1%以
下がよい。アミド系極性溶媒の残存率は特に規定されな
いが溶媒回収を考慮すれば出来るだけ抽出した方が有利
である。該湿式工程中の繊維は水系媒体で膨潤した状態
にあるため湿式温度範囲での延伸が行いやすく最終繊維
の機械特性向上のため、一般的に工程中で1.01〜3
0倍に延伸される。湿式工程を終了した繊維は、水系媒
体の蒸発、アミド系極性溶媒の蒸発のため加熱乾燥が行
われる。この乾燥工程では最終的に100℃以上、好ま
しくは200℃以上500℃以下で行なわれる。この乾
燥時にさらに1.0〜20倍の延伸が行なわれる。
【0024】次に、乾式法である。この方法は、有機系
溶媒を使用し製糸原液中に溶解助剤である無機塩を含ま
ないものに限って可能となる方法である。口金から出た
繊維は50〜500℃の熱風で乾燥され、1.01〜5
0倍の延伸が行なわれる。
【0025】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明の実施態様を説
明するが、これに限定されるものではない。なお、実施
例中の特性の測定法は以下の通りである。
【0026】(1)固有粘度(ηinh) N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として0.5g/1
00ml、30℃の条件下にウベローデ型粘度計を用い
て、溶媒のみの流下時間t0 と溶液の流下時間t1 とを
測定し、下式により算出した。 固有粘度=ln(t1 /t0 )/濃度 [dl/g]
【0027】(2)溶液粘度(ポイズ) 回転式B型粘度計(東京計器)を用い、温度30℃で測
定した。
【0028】(3)引張強さ、初期引張抵抗度 JIS−L1017の定義による。荷重−伸度曲線は次
の条件で測定して得られたものである。試料を綛状にと
り、20℃、65%RHの温調室で24時間放置後、
“テンシロン”UTM−4L型引張試験機(東洋ボール
ドウイン製)用い、試長25cm、引張速度30cm/
分で測定した。
【0029】(4)乾熱収縮率、荷重下の寸法変化率
(%) 試料を綛状にとり、20℃、65%RHの温調室に24
時間以上放置した後、試料の0.1g/dに相当する荷
重をかけて測定された長さl0 の試料を、乾熱収縮率の
場合は無張力状態で、荷重下の寸法変化率の場合は0.
05g/dの荷重をかけて、200℃のオーブン中に1
0分放置した後、オーブンから取り出して前記温調室で
4時間放置し再び上記荷重をかけて測定した長さl1
ら次式により算出した。 乾熱収縮率=(l0 −l1 )/l0 ×100(%) 荷重下の熱寸法変化率=|l0 −l1 |/l0 ×100
(%)
【0030】(5)吸湿率(%) 150℃、60分絶乾後の繊維重量w0 と、75%RH
中に48時間放置後の繊維重量w1 を測定し、下記の計
算式により算出した。 吸湿率=(w1 −w0 )/w0 ×100(%)
【0031】なお、以下の実施例で用いた部は全て重量
部を表わす。
【0032】実施例1 70mol%の2−クロロパラフェニレンジアミン(以
下CPAと略す)と30mol%の4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル(以下4,4'- DAEと略す)を、1
00mol%の2−クロロテレフタル酸クロリド(以下
CTPCと略す)とN−メチル−2−ピロリドン(以下
NMPと略す)中で20℃以下で反応させ、芳香族ポリ
アミドのNMP溶液を得た。この溶液を多量の水に投入
し、再沈・乾燥して粉体状のポリマを得た。このポリマ
20部をNMP200部に溶解させ、この中に別に調整
しておいたポリカーボネート30部を含むNMP溶液2
00部を加えてブレンド溶液を得た。固有粘度は1.4
であり溶液粘度は600ポイズであった。
【0033】この製糸用原液を、孔径1.0mmφの水
中に浸した口金より紡糸した。水中で2倍延伸した後、
さらに250℃の熱風中で延伸(5倍)、乾燥を行ない
繊維を得た。得られた繊維の特性は表1のごとく強靭で
湿度特性、耐熱性に優れた繊維であった。
【0034】実施例2 CPA80mol%、4、4’−ジアミノジフェニルス
ルホン(以下DASと略す)20mol%とCTPC6
0mol%,テレフタル酸クロリド(以下TPCと略
す)40mol%との反応後単離して得られた芳香族ポ
リアミドを35部を300部のNMPに溶かした溶液
と、ポリカーボネート15部を含むNMP溶液100部
をブレンドした。このブレンド溶液を実施例1と同様な
方法で紡糸し、水中で1.5倍、250℃の熱風中で1
5倍延伸し乾燥した。得られた繊維は、表1に示すよう
に優れた特性を有していた。
【0035】実施例3 CPA100mol%とCTPC100mol%を反応
させる際に、得られる芳香族ポリアミド30部に対して
ポリカーボネート70部を予め溶解したNMP中で重合
した。こうして得られた溶液を、実施例1と同様な方法
で紡糸、延伸、乾燥した。表1に示すような非常に特性
の優れたフィルムであった。
【0036】実施例4 実施例1と同様な方法で、4,4'- DAE100mol%
とCTPC100mol%から得られた芳香族ポリアミ
ド30部とポリエーテルスルホン(以下PESと略す)
70部からなる繊維を作製した。表1に示すような非常
に特性の優れた繊維であった。
【0037】実施例5 実施例2と同様な方法で、3,4'- DAE100mol%
とTPC100mol%から得られた芳香族ポリアミド
20部とポリエーテルイミド(以下PEIと略す)80
部からなる繊維を作製した。なお、縦横とも1.6倍の
延伸を行なった。表1に示すように特性の非常に優れた
繊維であった。
【0038】実施例6 実施例1でポリカーボネートをポリアリレート(“Uポ
リマ”)に変える以外は全く同様な方法で繊維を作製し
たところ、表1に示すような非常に優れた特性を有する
繊維であった。
【0039】比較例1 ポリカーボネートのNMP溶液から実施例1と同様な条
件で紡糸、延伸し乾燥しようとしたが溶融してしまい繊
維が得られなかった。
【0040】比較例2 実施例2で、芳香族ポリアミドの量を1部に変えた以外
は同様な方法で繊維を作製しようとしたが、250℃で
は溶融し繊維が得られなかった。そこで加熱温度を20
0℃に変えて繊維を得たが、表1に示したように熱特性
の非常に悪いものであった。
【0041】比較例3 実施例1と同様な方法で、4,4'- ジアミノジフェニルメ
タン100mol%とTPC100mol%の反応から
得られる芳香族ポリアミド95部と、ポリカーボネート
5部からなる繊維を作製したが、湿度特性の悪い繊維で
あった。
【0042】
【表1】 以上のように、本発明の範囲外の繊維は、熱特性、湿度
特性のいずれかが劣るものであった。
【0043】
【発明の効果】本発明で得られる芳香族ポリアミドと可
溶性樹脂とのブレンド樹脂からなる繊維は、高温での乾
熱収縮率も小さく荷重下の高温での寸法安定性に優れて
おり、また、可溶性樹脂の単体繊維に比較して機械特
性、特に引張強さや初期引張抵抗度が優れている。さら
に、湿度特性(特に吸湿性)もよく、また、耐候性もよ
くバランスのとれた繊維が得られる。
【0044】また、本発明の芳香族ポリアミドと可溶性
樹脂は相溶性が非常によいためにブレンド溶液の長期安
定性に優れ、また、得られる繊維中でも2種のポリマが
微分散しやすく界面でのミクロボイドの発生が抑えられ
るため機械特性や透明性に優れている。
【0045】さらに、安価な可溶性樹脂を使用している
ため製造コストを下げることが可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミドと可溶性樹脂とのブレ
    ンド樹脂からなる繊維であって、該芳香族ポリアミドの
    量がブレンド樹脂の5重量%以上90重量%以下の範囲
    であることを特徴とする耐熱性繊維。
JP12746992A 1992-05-20 1992-05-20 耐熱性繊維 Pending JPH05321026A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005026418A1 (ja) * 2003-09-16 2005-03-24 Teijin Limited 全芳香族ポリアミド繊維およびその製造方法
US8293042B2 (en) 2002-09-04 2012-10-23 Kermel Articles comprising fibres and/or fibrids, fibres and fibrids and process for obtaining them

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US8293042B2 (en) 2002-09-04 2012-10-23 Kermel Articles comprising fibres and/or fibrids, fibres and fibrids and process for obtaining them
WO2005026418A1 (ja) * 2003-09-16 2005-03-24 Teijin Limited 全芳香族ポリアミド繊維およびその製造方法

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