JPH0532086B2

JPH0532086B2 -

Info

Publication number: JPH0532086B2
Application number: JP469689A
Authority: JP
Inventors: Shinya Takenaka; Isao Ooba; Tomio Sekiguchi; Masao Taniguchi
Original assignee: Ebara Infilco Co Ltd
Current assignee: Ebara Corp
Priority date: 1989-01-13
Filing date: 1989-01-13
Publication date: 1993-05-14
Also published as: JPH02187115A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、都市ごみ焼却炉等の焼却炉から排
出される排ガスを処理する焼却炉の排ガス処理装
置及び排ガス処理方法に関する。

〔従来の技術〕

一般に、都市ごみ焼却炉では、焼却炉内にホツ
パ等から投入された都市ごみ等のごみは、給じん
装置によつて炉内に供給され、乾燥ストーカ、燃
焼ストーカ及び後燃焼ストーカを順次に移送され
ることによつて乾燥、燃焼及び後燃焼が行われ、
燃焼によつて発生した灰は固化あるいは灰ピツト
等で排出され、また、燃焼によつて発生した排ガ
スはガス冷却装置（ボイラ含む）、消石灰等を流
入させて排ガス中の有害物質を中和除去する有害
ガス除去装置、電気集じん機或いはバグフイルタ
等の濾過式集じん機、白煙防止装置等によつて処
理され、その結果、ごみの減量化、安定化が計ら
れている。即ち、焼却炉内では、ストーカの下方
から高温、高圧の空気を送り込み、ごみの乾燥、
燃焼及び後燃焼を強制的に行い、可燃物は焼却残
渣、飛灰或いは燃焼排ガスとなつて焼却炉外に導
かれる。排出される排ガスの温度は、通常、700
〜1000℃と高いため、排ガス処理装置等に導く前
に200〜300℃程度まで温度を下げる必要があり、
一般的にはガス冷却装置で水噴射により目的を達
成している。

従来の焼却炉における排ガス処理装置の一例
を、第４図を参照して概説する。この排ガス処理
装置は、焼却炉（図示せず）から排気された排ガ
スを、例えば、ガス冷却装置によつて一旦冷却
し、次いで冷却した該排ガスを処理するものであ
り、該ガス冷却装置の出口側の排ガス通路１０に
設置されたバグフイルタ１から構成されている。
この排ガス処理装置は、フイルタ２を内蔵したバ
グフイルタ１の入口側通路８に入口ダンパ５並び
に排ガス中の有害物質を中和除去するための消石
灰供給装置（図示せず）を、且つバグフイルタ１
の出口側通路１１に出口タンパ６を設けている。
更に、この排ガス処理装置は、バグフイルタ１を
バイパスするバイパス通路９を排ガス通路１０と
出口側通路１１とに接続し、該バイパス通路９に
バイパスダンパ７を設けている。出口ダンパ６の
下流には誘引フアン３が配設されており、誘引フ
アン３で吸引した排ガスは煙突４を通じて大気に
排気されている。

以下、この排ガス処理装置の作動について概説
する。まず、焼却炉の作動開始時の作動即ち立ち
上げ作動について、焼却炉内へごみ供給を開始
し、入口ダンパ５を閉鎖し、バイパスダンパ６及
び出口ダンパ７を開放して、誘引フアン３を作動
する。焼却炉内に設けた炉内バーナを作動し、焼
却炉内のごみに着火してごみの焼却を開始する。
ごみの燃焼が開始されると、炉内バーナの作動を
停止する。ごみの焼却が盛んになり、焼却炉から
排気される排ガス温度が上昇し、所定温度に到達
した時に、バグフイルタ１の入口ダンパ５を開放
し、バイパスダンパ７を閉鎖する。次いで、消石
灰を供給させる。この状態で、焼却炉は定常運転
となる。焼却炉は、所定のごみを焼却した後、焼
却炉の作動を停止するが、該停止時の作動即ち立
ち下げ作動については、以下のように行う。焼却
炉への新しいごみのごみ供給を停止するが、焼却
炉内には未燃焼のごみがまだ残つているので、燃
焼は継続するが、時間の経過と共にごみは燃焼し
てしまう。従つて、焼却炉から排気される排ガス
の温度は徐々に低下し、ついには所定温度にまで
到達する。この時、バグフイルタ１の入口ダンパ
５を閉鎖すると共に、バイパスダンパ７を開放す
ると同時に消石灰の供給を停止する。従つて、焼
却炉から排気される排ガスは、バグフイルタ１を
バイパスして誘引フアン３に吸引され、煙突から
大気に排気される。所要の時間経過後に、焼却炉
内に残つているごみが焼却されてしまい焼却炉か
ら排ガスが排気されなくなつた時、誘引フアン３
の作動を停止し、焼却炉の作動が終了する。

また、焼却炉の排ガス処理装置におけるバグフ
イルタ１は、例えば、第５図Ａ及び第５図Ｂに示
すように構成されている。即ち、バグフイルタ１
は、バグフイルタハウジング１２内にフイルタ２
が配設され、該フイルタ２によつてバグフイルタ
１内部は２つの室、即ち入口側室１６と出口側室
１７とに区分されている。入口側室１６には、入
口側通路８が接続される入口１４及び底部に開閉
バルブ１３を備えたダスト排出口２１が形成され
ている。また、出口側室１７には、出口側通路１
１に通じる出口１５を備え、該出口側室１７内か
らフイルタ２を通じて入口側室１６にエアを送り
込むため、エア供給パイプ１９が配設されてい
る。このエア供給パイプ１９には、フイルタ２を
清浄するため、エアを間歇的に吹き出すことがで
きるものであり、該エアはコンプレツサ２０及び
パルス開閉装置１８から成るフイルタ清浄エア供
給装置から送り込まれる。第５図Ａは、焼却炉の
作動時の排ガスの流れを示している。即ち、焼却
炉からの排ガスは、入口側通路８から入口１４を
通じて入口側室１６に流入し、次いで、排ガスは
フイルタ２によて濾過されて出口側室１７に流れ
込む。出口側室１７に流れ込んだ清浄された排ガ
スは出口１５から出口側通路１１へと排気され
る。

また、第５図Ｂは、上記フイルタ清浄エア供給
装置を作動した場合におけるバグフイルタ１内の
エア及び排ガスの流れを示している。即ち、焼却
炉の作動時、或いは非作動時に、バグフイルタ１
のフイルタ２がダスト等によつて目詰まりした場
合には、上記フイルタ清浄エア供給装置を作動す
る。焼却炉が作動している時には、焼却炉からの
排ガスは入口側通路８から入口１４を通じて入口
側室１６に流入し、次いで、排ガスはフイルタ２
によつて濾過されて出口側室１７に流れ込み、出
口側室１７に流れ込んだ清浄された排ガスは出口
１５から出口側通路１１へと排気されている。こ
の時、フイルタ清浄エア供給装置のコンプレツサ
２０が作動すると、パルス開閉装置１８の調節に
よつて、エアがエア供給パイプ１９から出口側室
１７に強力に且つ間歇的に吹き出される。吹き出
されたエアはフイルタ２を通つて入口側室１６に
吹き出されるが、適宜に再びフイルタ２を通つて
出口側室１７へと流出し、出口１５から出口側通
路１１へと排気される。この時、フイルタ２はエ
ア供給パイプ１９からの強力なエア流によつて、
フイルタ２に捕捉され付着しているダスト成分、
消石灰〔Ca（OH）₂〕等の反応剤、反応生成物の
塩化カルシウム（CaCl₂）が吹き落とされ、フイ
ルタ２が清浄される。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、排ガス、例えば、都市ごみ焼却
時に、発生する排ガス中には、体積比で水分とし
て15〜50％、SO_xとして20〜100ppm、HClとし
て100〜800ppmが含まれているので露点が高いた
め、従来の焼却炉において、焼却炉の作動開始時
即ち立ち上げ時及び作動停止時即ち立ち下げ時
に、焼却炉から排出される排ガスをバグフイルタ
にダイレクトに通して濾過すると、バグフイルタ
内で排ガスの温度が露点以下まで低下するため、
排ガス中の水分がバグフイルタ内で結露し、バグ
フイルタ自体或いはバグフイルタ内に配置されて
いるフイルタを腐食させる原因となり、更に、フ
イルタで捕捉されたダスト成分、消石灰〔Ca
（OH）₂〕等の反応剤、反応生成物の塩化カルシ
ウム（CaCl₂）が結露した水分で吸湿されフイル
タに固着し、フイルタにより圧力損失が大きくな
り、フイルタ清浄エアを供給しても圧力損失は改
善されず、排ガスの処理が不可能になる。そこ
で、バグフイルタを使用する排ガス処理装置で
は、如何にバグフイルタの機能を長期間にわたつ
て発揮させ、且つバグフイルタ自体及びバグフイ
ルタ内のフイルタの腐食を防止できるかの課題が
あつた。

また、従来の焼却炉において、焼却炉から排出
される排ガスをバグフイルタにダイレクトに通し
て濾過する通路と、バグフイルタを排ガスを通さ
ないバイパス通路を設けた排ガス処理装置におい
て、排ガスをバグフイルタに通さずにバイパス通
路を使用して排ガスを排気した場合には、HCl、
SO_x、煤塵、重金属、ダイオキシン等の有害物質
を除去することが不可能になり、また、焼却炉の
作動開始時即ち立ち上がり時及び作動停止時即ち
立ち下げ時には、不完全燃焼になり易く、煙突よ
り未燃カーボン、ハイドロカーボンを主体とする
煙が発生する。

更に、バツチ式焼却炉では、焼却炉の一日の稼
動は８時間程度であり、該焼却炉の立ち上げ時及
び立ち下げ時には、それぞれ１時間必要であり、
この所要時間は全体の稼動時間の25％は排ガス処
理が不機能となる。

この発明の目的は、上記の課題を解決すること
であり、都市ごみ等のごみを焼却炉内で燃焼処理
し、発生した排ガスを処理するバグフイルタに対
して排ガス中の水分が結露することによるバグフ
イルタの腐食を防止し、しかもフイルタで捕捉さ
れたダスト成分、消石灰〔Ca（OH）₂〕等の反応
剤、反応生成物の塩化カルシウム（CaCl₂）がフ
イルタに固着してフイルタ清浄エア供給手段を作
動しても除去できなくなるのを防止し、フイルタ
による圧力損失が大きくなつて排ガスの処理が不
可能になるのを防止すると共に、焼却炉の立ち上
げ、立ち下げ時においてもバイパスすることなく
排ガスの処理を可能にする焼却炉の排ガス処理装
置及び排ガス処理方法を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、上記の目的を達成するために、次
のように構成されている。即ち、この発明は、焼
却炉からの排ガスを濾過処理するためのバグフイ
ルタ及び該バグフイルタの上流側通路並びに誘引
フアンを備えた下流側通路から成る排ガス浄化通
路、前記バグフイルタの上流側に配設した加熱器
及びフアンを設けた温風通路、前記バグフイルタ
の上流側と下流側とに接続し且つ前記バグフイル
タにガスを循環させる加熱器及びフアンを設けた
温風循環通路、及び排ガスが前記バグフイルタを
バイパスするバイパス通路を備えたことを特徴と
する焼却炉の排ガス処理装置に関する。

また、前記バグフイルタの上流側に大気と連通
する加熱器及びフアンを設けた空気導入通路を有
するものである。

更に、この焼却炉の排ガス処理装置は、焼却炉
からの排ガス温度を検出する温度センサー、前記
加熱器の上流側ガス温度を検出する温度センサー
及び前記バグフイルタの下流側ガス温度を検出す
る温度センサーを設置したものである。

また、この発明は、バグフイルタの所定温度以
下の温度に応答して、加熱器で加熱されたガスを
循環させてバグフイルタを加熱する温風循環ライ
ンを作動状態に制御する温風循環工程、及び前記
バグフイルタの所定温度以上の温度及び排ガスの
温度に応答して、加熱器で加熱された排ガスを前
記バグフイルタに通して排気する温風排気ライ
ン、前記加熱器をバイパスした排ガスを前記バグ
フイルタに通して排気する通常排気ライン、前記
バグフイルタ及び前記加熱器をバイパスして排ガ
スを排気する緊急バイパスラインのいずれかを作
動状態に制御する排ガス処理工程、から成ること
を特徴とする焼却炉の排ガス処理方法に関する。

また、この焼却炉の排ガス処理方法は、排ガス
処理工程の終了時に、前記バグフイルタに空気を
通して前記バグフイルタ内のガスと空気とを置換
する空気置換ラインを作動状態に制御する空気置
換工程を有するものである。

〔作用〕

この発明により焼却炉の排ガス処理装置は、上
記のように構成されており、次のような作用を有
する。即ち、この焼却炉の排ガス処理装置は、焼
却炉からの排ガスを濾過処理するためのバグフイ
ルタ及び該バグフイルタ上の上流側通路並びに誘
引フアンを備えた下流側通路から成る排ガス浄化
通路、前記バグフイルタの上流側に配設した加熱
器及びフアンを設けた温風通路、前記バグフイル
タの上流側と下流側とに接続し且つ前記バグフイ
ルタにガスを循環させる加熱器及びフアンを設け
た温風循環通路、及び排ガスが前記バグフイルタ
をバイパスするバイパス通路を備えたので、焼却
炉の立ち上げ時及び立ち下げ時に前記加熱器を作
動することによつて、前記バグフイルタでの排ガ
スの結露を防止することができ、従つて最初から
バイパルス通路を使用することなく前記バグフイ
ルタに排ガスをダイレクトに通することができ、
排ガスの処理が可能となり、それ故に、焼却炉の
始動開始の最初から終了時まで、HCl、SO_x、煤
塵、重金属、ダイオキシン等の有害物質を除去す
ることができ、また、焼却炉の作動開始時即ち立
ち上がり時及び作動停止時即ち立ち下げ時の不完
全燃焼に起因する未燃カーボン、ハイドロカーボ
ンを主体とする煙が発生することもない。

また、この発明の排ガス処理方法は、バグフイ
ルタの所定温度以下の温度に応答して、加熱器で
加熱されたガスを循環させてバグフイルタを加熱
する温風循環ラインを作動状態に制御する温風循
環工程、前記バグフイルタの所定温度以上の温度
及び排ガスの温度に応答して、加熱器で加熱され
た排ガスを前記バグフイルタに通して排気する温
風排気ライン或いは前記バグフイルタ及び前記加
熱器をバイパスして排ガスを排気する緊急バイパ
スラインのいずれかを作動状態に制御する排ガス
処理工程から構成したので、前記バグフイルタの
温度に応答して前記バグフイルタのみに温風を循
環させる回路を構成でき、前記バグフイルタの温
度を好ましい設定温度にまで直ちに上昇させるこ
とがき、前記バグフイルタへの排ガス中の水分の
結露は発生しない。

〔実施例〕

以下、図面を参照して、この発明による焼却炉
の排ガス処理装置を説明する。

一般的に、焼却炉については、外壁を構成する
炉体枠、該炉体枠内に介在した断熱ボード及び耐
火断熱レンガ、及び内壁を構成する耐火レンガか
ら側壁が構成されている。焼却炉の床面には、ご
みを移送するストーカが配設されており、ストー
カは乾燥ストーカ、燃焼ストーカ及び後燃焼スト
ーカから構成されている。焼却炉の一側即ち乾燥
ストーカの上流には、給じん装置が設けられてお
り、ホツパから投入された都市ごみ等のごみは給
じん装置によつて乾燥ストーカに送り込まれる。
焼却炉には、排ガス冷却室（又はボイラ室）が形
成され、該排ガス冷却室を構成する煙道の周囲部
位には水噴射ノズルが設けられている。

第１図において、この発明による焼却炉の排ガ
ス処理装置の一実施例が示されている。なお、第
１図に示す機器に付した符号は、第４図に示す機
器と同一の機能を有するものに対しては同一の符
号を付している。この焼却炉の排ガス処理装置
は、焼却炉からの排ガスをバグフイルタ１に通し
て排ガスを浄化して排気する通常排気ラインＡ、
焼却炉からの排ガスをヒータ３０を通して加熱し
且つ該加熱された排ガスをバグフイルタ１に通し
て排ガスを浄化して排気する温風排気ラインＢ、
焼却炉からの排ガスをバグフイルタ１をバイパス
して排気する緊急バイパスラインＣ、温風をバグ
フイルタ１とヒータ３０間で循環させる温風循環
ラインＤ、及び、外気から導入した空気をヒータ
３０で加熱し且つ加熱された温風をバグフイルタ
１に流す空気置換ラインＥから構成されている。
焼却炉から排気される排ガスは、排ガス通路１０
を通つて、通常排気ラインＡ、温風排気ラインＢ
又は緊急バイパスラインＣを通じて出口側通路１
１から煙突４へと排気される。排ガス通路１０に
は、焼却炉から排気された排ガスの温度を検出す
る温度センサー２７が設置されている。更に、バ
グフイルタ１の出口側には、バグフイルタ１から
排気されるガスの温度を検出する温度センサー２
９が設置されている。また、出口側通路１１に
は、排ガス或いは加熱された空気を吸引して排気
するための誘引フアン３及び出口側通路１１を開
閉する出口ダンパ６が設置されている。

通常排気ラインＡは、焼却炉から排気される排
ガスをダイレクトにバグフイルタ１を通じて誘引
フアン３の吸引力によつて排気するものであり、
バグフイルタ１の入口側通路となる排ガス浄化通
路８に入口ダンパである第１ダンパ５と、出口側
の排ガス浄化通路２３に第２ダンパ２２とが設置
されている。従つて、通常排気ラインＡについて
は、焼却炉から排気された排ガスが排ガス通路１
０から排ガス浄化通路８の開放状態の第１ダンパ
５を通り、バグフイルタ１によて排ガスは浄化さ
れ、次いで浄化された排ガスが排ガス浄化通路２
３の開放状態の第２ダンパ２２及び出口側通路１
１の開放状態の出口ダンパ６を通つて誘引フアン
３へ吸引され、最後に煙突４から排気されるライ
ンを構成している。

温風排気ラインＢは、焼却炉から排気される排
ガスをヒータ３０で加熱し、加熱された排ガスを
バグフイルタ１を通じてフアン３１の吸引力によ
つて排気するものであり、バグフイルタ１の入口
側の温風通路３２にヒータ３０及び温風循環フア
ン３１が設置されると共に、ヒータ３０の上流側
にガス温度を検出する温度センサー２８が設置さ
れている。また、温風通路３２を排ガス通路１０
に接続する温風通路３５には第４ダンパ２４が設
置されている。従つて、温風排気ラインＢについ
ては、焼却炉から排気された排ガスが排ガス通路
１０から温風通路３５の開放状態の第４ダンパ２
４を通り、温風通路３２に設置されたヒータ３０
及び温風循環フアン３１を通つてバグフイルタ１
に送り込まれて排ガスは浄化され、次いで浄化さ
れた排ガスが排ガス浄化通路２３の開放状態の第
２ダンパ２２及び出口側通路１１の開放状態の出
口ダンパ６を通つて、煙突４から排気されるライ
ンを構成している。

緊急バイパスラインＣは、焼却炉から排気され
る排ガスをバグフイルタ１を通ることなくダイレ
クトに誘引フアン３の吸引力によつて排気するも
のであり、排ガス通路１０と出口側通路１１とを
接続してバグフイルタ１をバイパスするバイパス
通路９から成り、該バイパス通路９にバイパスダ
ンパである第３ダンパ７が設置されている。従つ
て、この緊急バイパスラインＣについては、バグ
フイルタ１の故障、排ガスの異常高温等の時に緊
急に機能させるラインであり、焼却炉から排気さ
れた排ガスが排ガス通路１０からバイパス通路９
の開放状態の第３ダンパ７を通つて出口側通路１
１の開放状態の出口ダンパ６を通つて誘引フアン
３へ吸引され、最後に煙突４から排気されるライ
ンを構成している。

温風循環ラインＤは、バグフイルタ１を所定の
温度以上に加熱するため、ヒータ３０の作動の下
で温風を循環させるものであり、一端を温風通路
３２に且つ他端をバグフイルタ１の出口側に接続
した温風循環通路３３を有しており、該温風循環
通路３３には第５ダンパ２５が設置されている。
従つて、温風循環ラインＤについては、ガスは温
風通路３２に設置されたヒータ３０によつて加熱
され、加熱された温風は温風循環フアン３１の作
動によつてバグフイルタ１に吹き込まれ、該温風
はバグフイルタ１を加熱して該バグフイルタ１か
ら温風循環通路３３を通つて開放状態の第５ダン
パ２５から再び温風通路３２に循環されるライン
を構成している。

空気置換ラインＥは、外気から導入した空気を
ヒータ３０で加熱し且つ加熱された温風をバグフ
イルタ１に流し、バグフイルタ１を浄化すると共
に、バグフイルタ１内に滞留している排ガスを清
浄な空気と置換しておくためのものであり、温風
通路３２の入口側を第６ダンパ２６を介して大気
に連通する空気導入通路３４から成るラインであ
る。

更に、この焼却炉の排ガス処理装置において、
焼却炉から排気された排ガスの温度を検出する温
度センサー２７、ヒータ３０の上流側ガス温度を
検出する温度センサー２８及びバグフイルタ１の
下流側ガス温度を検出する温度センサー２９で検
出された各温度信号は、コントローラに入力され
る。このコントローラは、各温度信号を受けて、
第１ダンパ５、第２ダンパ２２、第３ダンパ７、
第４ダンパ２４、第５ダンパ２５、第６ダンパ２
６及び出口ダンパ６の開閉作動を制御すると共
に、ヒータ３０、温風循環フアン３１及び誘引フ
アン３をオン・オフ制御するものである。

なお、排ガスの処理に消石灰をバグフイルタの
上流側に供給し、温風排気ライン、通常排気ライ
ンの作動時に、有害物質を除去するように構成す
るのは当然のことである。また、温風排気ライン
Ｂ、温風循環ラインＤ及び空気置換ラインＥに設
けるヒータ３０、フアン３１は、第１図に図示す
るように兼用するのが設備上好ましいが、別個に
それぞれ設けてもよい。

第２図において、焼却炉からの排ガス量とバグ
フイルタ１の入口側の排ガス温度の関係の一例を
示すグラフが示されている。排ガス処理装置にお
ける上記各ラインの作動状態とバグフイルタ１の
入口側の排ガス温度の関係は、通常排気ラインＡ
の作動状態では、排ガス温度線Ｑ，Ｒ，Ｓに相当
する。温風排気ラインＢの作動状態では、排ガス
温度線Ｐ，Ｔに相当する。温風循環ラインＤの作
動状態では、排ガス温度線Ｏ，Ｕに相当する。ま
た、排ガス温度については、バグフイルタ１にお
ける排ガスの露点即ち所定温度T₁は80℃前後で
あり、好ましい温度T₂は90〜150℃に相当し、更
に、フイルタの材質を考慮した耐熱温度即ち限界
温度T₃は180〜300℃に相当する。

なお、ここでは説明を省略するが、バグフイル
タ１の再生或いは浄化作動は、第５図Ａ及び第５
図Ｂを参照して説明した従来の工程で行うもので
ある。

この発明による焼却炉の排ガス処理装置は、上
記のように構成されており、該排ガス処理装置の
制御方法の一実施例を、第３図Ａ、第３図Ｂ及び
第３図Ｃのフローチヤートを参照して説明する。
なお、この発明による焼却炉の排ガス処理制御方
法は、以下の各作動工程に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された事項によつて構
成される技術的思想の範囲内で設計変更され得る
ことは勿論である。

まず、焼却炉の排ガス処理装置を作動するた
め、メインスイツチをオンしてコントローラを作
動状態にし、排ガス処理装置をオンする。この場
合には、第１ダンパ５、第２ダンパ２２、第３ダ
ンパ７、第４ダンパ２４、第５ダンパ２５、第６
ダンパ２６及び出口ダンパ６は全て閉鎖してお
り、ヒータ３０、温風循環フアン３１及び誘引フ
アン３の各作動はオフの状態であり、また、排ガ
ス通路１０の排ガスの温度を検出する温度センサ
ー２７、温風通路３２のガス温度を検出する温度
センサー２８及びバグフイルタ１の出口側室１７
のガスの温度を検出する温度センサー２９は、温
度検出状態であり、該温度度信号をコントローラ
に入力できるように設定されている（ステツプ
40）。

バグフイルタ１の出口側室１７の温度Tg₁を温
度センサー２９によつて検出し、該温度Tg₁が、
露点即ち所定温度T₁（例えば、80℃）以下である
か、濾過処理に好ましい温度T₂（例えば、120℃）
以上であるか、或いは所定温度T₁と好ましい温
度T₂との間であるかを判断し（ステツプ41）、温
度Tg₁が所定温度T₁以下の場合には、バグフイル
タ１に排ガスを通すとガス中の水分がバグフイル
タ１で結露し、バグフイルタ１のフイルタ２を腐
食の恐れがあると共に、捕捉されたダスト成分、
反応剤〔Ca（OH）₂〕、反応生成物〔CaCl₂〕等が
フイルタ２に固着し、フイルタ２の圧力損失が大
きくなり、濾過処理が不可能になるので、バグフ
イルタ１の温度を上昇させる処理を行うためステ
ツプ42に進む。また、温度Tg₁が所定温度T₁と好
ましい温度T₂との間である場合には、ヒータ３
０によつて排ガス加熱することが好ましので、温
風排気ラインＢを作動状態にしてバグフイルタ１
に排ガスを通し、排ガスの処理を行うためステツ
プ46に進む。更に、例えば、焼却炉の排ガス処理
装置の作動を停止した直後で、バグフイルタ１が
加熱された状態であり、バグフイルタ１が濾過処
理に好ましい温度T₂（例えば、120℃）以上であ
る場合には、ヒータ３０を作動させる必要がない
ので、直ちに通常排気ラインＡを作動させるた
め、ごみ投入、バーナ着火、ダンパの開閉、誘引
フアン３をオンしてステツプ55に進む（ステツプ
41）。

バグフイルタ１の温度Tg₁が所定温度T₁以下の
場合には、バグフイルタ１を所定温度T₁以上に
するため、第５ダンパ２５を開放し（ステツプ
42）、次いで、温風循環フアン３１及びヒータ３
０をオンし（ステツプ43）、温風循環ラインＤを
作動状態にする（ステツプ44）。この場合に、温
度センサー２９の温度信号によつてバグフイルタ
１の温度Tg₁、言い換えれば、温度センサー２８
によつて温風循環ラインＤにおけるるガス温度
Tg₂が所定温度T₁以上になるか否かの判断をし
（ステツプ45）、温度Tg₁及び／又は温度Tg₂が所
定温度T₁以上になるまで温風循環ラインＤの作
動を引き続き行い、温度Tg₁及び／又は温度Tg₂
が所定温度T₁以上になつた場合には処理はステ
ツプ46に進む。

バグフイルタ１の温度Tg₁が所定温度T₁以上に
なつた場合には、バグフイルタ１に排ガスを通し
て排ガスの処理を行うため、第５ダンパ２５を閉
鎖し、第４ダンパ２４、第２ダンパ２２及び出口
ダンパ６を開放し（ステツプ46）、温風排気ライ
ンＢを作動状態にする（ステツプ47）。この状態
に設定した後、焼却炉にごみを投入し（ステツプ
48）、焼却炉のバーナを着火してごみの焼却を開
始する（ステツプ49）。なお、ごみの投入は立ち
上げ時に予め投入してもよい。

焼却炉の燃焼が盛んになり、排ガスの温度即ち
温度センサー２８で検出した温度Tg₂が上昇すれ
ば、バグフイルタ１の温度Tg₁も上昇する。バグ
フイルタ１の温度Tg₁が好ましい温度T₂以上にな
れば、フイルタ２における結露の恐れがなくなる
ので、温度センサー２９で検出した温度Tg₁及
び／又は温度センサー２８で検出した温度Tg₂が
好ましい温度T₂以上になつたか否かを判断し
（ステツプ50）、温度Tg₂及び／又は温度Tg₁が好
ましい温度T₂以下の間は温風排気ラインＢの作
動を続行し、温度Tg₂及び／又は温度Tg₁が好ま
しい温度T₂以上になつた場合には通常排気ライ
ンＡに切り換えるため処理はステツプ51に進む。

ヒータ３０をオフし（ステツプ51）、次いで、
温風循環フアン３１をオフにする（ステツプ52）。
引き続き、第１ダンパ５を開放し、第４ダンパ２
４を閉鎖する（ステツプ53）。更に、排ガスをバ
グフイルタ１から強力に吸引するため、誘引フア
ン３を作動する（ステツプ54）。これによつて、
通常排気ラインＡ作動状態になり、焼却炉の作動
の立上がり操作が完了する（ステツプ55）。

焼却炉の作動の立上がり操作が完了すると、ご
みを焼却して発生した排ガスは、バグフイルタ１
によつて濾過することができる通常の排ガス処理
を行うようになり、この作動状態を維持して焼却
炉のごみの焼却を行い、排ガスをバグフイルタ１
によつて濾過処理する。バグフイルタ１は所定の
温度が維持されている以上、結露等の問題は発生
せず、バグフイルタ１はその機能を発揮できる
（ステツプ56）。

通常の排ガス処理中は、温度センサー２９でバ
グフイルタ１の温度Tg₁を検出し、バグフイルタ
１或いは焼却炉に何らかの故障、例えば、フイル
タ２の目詰まり、焼却炉の異常燃焼等で、バグフ
イルタ１の温度Tg₁が異常温度T₃（例えば、180
℃、300℃）に上昇しないか否かを判断し（ステ
ツプ57）、バグフイルタ１の温度Tg₁が異常温度
T₃以上、即ち、フイルタ２の耐熱温度以上、例
えば、フイルタ２がライトン製であれば180℃以
上、グラスウールであれば300℃以上になればフ
イルタ２が破壊されるので、焼却炉の排ガス処理
装置の作動を停止するため、処理はステツプ58へ
進む。

バグフイルタ１の温度Tg₁が異常温度T₃以上に
なつた場合には、第３ダンパ７を開放し、第１ダ
ンパ５及び第２ダンパ２２を閉鎖し（ステツプ
58）、通常排気ラインＡを閉鎖し、緊急バイパス
ラインＣを作動状態に設定する（ステツプ59）。
ある一定時間経過後、異常温度T₃以下になれば、
通常排気ラインＡに戻し、異常温度T₃以上なら
ば、焼却炉へのごみの投入を停止し（ステツプ
60）。排ガス処理装置の作動をオフにして、バグ
フイルタ１、焼却炉等に異常が発生してないか否
かの点検をする（ステツプ61）。

バグフイルタ１の温度Tg₁が異常温度T₃以下で
あれば、焼却炉の作動を引き続き行うため、通常
排気ラインＡでの作動を続行し、また、焼却炉で
のごみの焼却を停止する場合には、焼却炉の立下
げ操作を行うため、処理はステツプ63へ進む（ス
テツプ62）。なお、異常温度T₃の検出は、温度
Tg₁で検出することが好ましいが、温度Tg₃で検
出してもよい。

焼却炉の立下げ操作を行う場合には、焼却炉へ
のごみの投入を停止し、焼却炉内に残つて燃焼し
ているごみは消火することなく焼却を続行する
（ステツプ63）。

焼却炉から排気される排ガスの温度Tg₃が好ま
しい温度T₂以下になれば、排ガスをバグフイル
タ１に直接送り込むのは好ましくないので、温度
センサー２７によつて排ガスの温度Tg₃を検出
し、排ガスの温度Tg₃が好ましい温度T₂以下であ
るか否かを判断し（ステツプ64）、排ガスの温度
Tg₃が好ましい温度T₂以下になれば、通常排気ラ
インＡから温風排気ラインＢに切り換えるため、
処理はステツプ65へ進む。

誘引フアン３の作動をオフにして排ガスの強力
な吸引作動を停止し（ステツプ65）、第４ダンパ
２４を開放し、第１ダンパ５を閉鎖する（ステツ
プ66）。次いで、温風循環フアン３１をオンにし
（ステツプ67）、更にヒータ３０をオンにし（ステ
ツプ68）、温風排気ラインＢを作動状態にする
（ステツプ69）。

焼却炉内の残つたごみの焼却が終わり、焼却炉
からの排ガスの風量が少なくなり、排ガスの温度
Tg₃が所定温度T₁以下になると、もはや排ガスを
バグフイルタ１で濾過処理する必要がないので、
排ガスの温度Tg₃を温度センサー２７で検出して
所定温度T₁以下であるか否かを判断し（ステツ
プ70）、排ガスの温度Tg₃が所定温度T₁以下にな
ると温風排気ラインＢを切り換えるため処理はス
テツプ71に進む。

第４ダンパ２４及び第２ダンパ２２を閉鎖し、
第３ダンパ７及び第５ダンパ２５を開放し（ステ
ツプ71）、温風排気ラインＢを温風循環ラインＤ
と緊急バイパスラインＣに切り換える。ここで、
バグフイルタ１に対しては、バグフイルタ１内に
残されたガスを所定温度T₁以上に上昇させるた
め温風循環ラインＤの作動の下でヒータ３０によ
つてガスを加熱する。一方、焼却炉から排気され
る排ガスはほとんど風量がなく、低温になつてお
り、バグフイルタ１で濾過処理する必要がないの
で、緊急バイパスラインＣを通じて煙突４へと排
気させる（ステツプ72）。

タイマを作動して所定の期間だけ温風循環ライ
ンＤと緊急バイパスラインＣを作動状態にしてお
く（ステツプ73）が、引き続いて焼却炉の排ガス
処理装置を作動することになれば、処理はステツ
プ41に戻り、また、このまま焼却炉の排ガス処理
装置の作動を停止するならば、処理はステツプ75
に進む（ステツプ74）。

第６ダンパ２６及び第２ダンパ２２を開放し、
第５ダンパ２５を閉鎖し（ステツプ75）、バグフ
イルタ１内に残存する排ガスを空気と入れ換える
空気置換ラインＥが作動状態になる。排ガスを新
気と入れ換えることによつて、バグフイルタ１の
清掃を行うことができる（ステツプ76）。

バグフイルタ１が完全に浄化され、残存排ガス
がなくなるまで、タイマを作動して所定の期間だ
け空気置換ラインＥを作動状態にしておく（ステ
ツプ77）。次に、ヒータ３０をオフにし（ステツ
プ78）、更に温風循環フアン３１をオフにする
（ステツプ79）。

次いで、第６ダンパ２６、第２ダンパ２２及び
出口ダンパ６を閉鎖して、焼却炉の排ガス処理方
法が終了する（ステツプ80）。

なお、ヒータ３０、フアン３１のオフは、ステ
ツプ75の後に行つてから空気置換ラインを作動さ
せてもよい。また、空気置換ラインはバグフイル
タ内に排ガスが残留していると長時間（24時間以
上）放置すると、排ガスの温度が徐々に低下して
露点に達し、バグフイルタ内で水分が結露する恐
れがあるので、必要に応じて行うのがよい。しか
し、温風排気を十分に行つておけば、排ガスは系
外へ排気されているので省略しても差し支えな
い。この実施例では、加熱器としてヒータを例に
説明したが、ヒータは直接加熱、間接加熱のいず
れの方式でもよく、また間接加熱方式としては、
加熱源に蒸気、高温気体等で熱交換して排ガスの
温度を昇温させることも可能なことは勿論のこ
と、この場合に作用される蒸気、高温ガスは、他
の焼却炉のボイラより発生する蒸気又は排ガスを
利用することも可能である。

〔発明の効果〕

この発明による焼却炉の排ガス処理装置は、上
記のように構成されており、次のような効果を有
する。即ち、この焼却炉の排ガス処理装置は、焼
却炉からの排ガスを濾過処理するためのバグフイ
ルタ及び該バグフイルタの上流側通路並びに誘引
フアンを備えた下流側通路から成る排ガス浄化通
路、前記バグフイルタの上流側に配設した加熱器
及びフアンを設けた温風通路、前記バグフイルタ
の上流側と下流側とに接続し且つ前記バグフイル
タにガスを循環させる加熱器及びフアンを設けた
温風循環通路、及び排ガスが前記バグフイルタを
バイパスするバイパス通路を備えたので、焼却炉
の立ち上げ時及び立ち下げ時に前記加熱器を作動
することによつて、バグフイルタでの排ガスの結
露を防止することができ、従つて最初からバイパ
ス通路を使用することなくバグフイルタに排ガス
をダイレクトに通すことができ、排ガスの処理が
可能となり、それ故に、焼却炉の始動開始の最初
から終了時まで、HCl、SO_x、煤塵、重金属、ダ
イオキシン等の有害物質を除去することができ、
また、焼却炉の作動開始時即ち立ち上がり時及び
作動停止時即ち立ち下げ時に、不完全燃焼はな
く、しかも、煙突より未燃カーボン、ハイドロカ
ーボンを主体とする煙が発生することもない。

また、この焼却炉の排ガス処理装置は、各通路
を流れる排ガスを所定の部位に配設された各ダン
パによつて制御できるように構成できるので、各
ダンパを単に切り換える作動のみで簡単に各処理
通路を切り換えることができ、しかも確実に且つ
信頼性に富んだ制御が可能になる。

また、焼却炉からの排ガス温度を検出する温度
センサー、前記加熱器の上流側ガス温度を検出す
る温度センサー及び前記バグフイルタの下流側ガ
ス温度を検出する温度センサーを設置したので、
各ガス温度を確実に且つ正確に検出できると共
に、各検出温度に応じて迅速に制御可能になり、
レスポンスの良好な排ガス処理を行うことができ
る。

また、この発明の排ガス処理方法は、バグフイ
ルタの所定温度以下の温度に応答して、加熱器で
加熱されたガスを循環させてバグフイルタを加熱
する温風循環ラインを作動状態に制御する温風循
環工程、及び前記バグフイルタの所定温度以上の
温度及び排ガスの温度に応答して、加熱器で加熱
された排ガスを前記バグフイルタに通して排気す
る温風排気ライン或いは前記バグフイルタ及び前
記ヒータをバイパスして排ガスを排気する緊急バ
イパスラインのいずれかを作動状態に制御する排
ガス処理工程から構成したので、前記バグフイル
タの温度に応答して前記バグフイルタのみに温風
を循環させる回路を構成でき、前記バグフイルタ
の温度を好ましい設定温度にまで直ちに上昇させ
ることができ、前記バグフイルタへの排ガス中の
水分の結露、フイルタで捕捉されたダスト成分、
消石灰〔Ca（OH）₂〕等の反応剤、反応生成物の
塩化カルシウム（CaCl₂）が前記フイルタに固着
することを防止でき、前記フイルタにより圧力損
失は発生せず、排ガスの処理が不可能になること
もない。

更に、前記バグフイルタ及び排ガスが所定の温
度以上になれば、排ガスは前記バグフイルタを通
過するのみであつて前記加熱器及び前記誘引フア
ン等をバイパスできるので、無用な障害物は排気
系に存在していないのでスムーズに排ガスの濾過
処理を行うことができると共に、排ガスによつて
前記加熱器及び前記誘引フアンを腐食させること
もなく、装置そのものを耐久性に富んだものに構
成できる。しかも、特に、緊急バイパスラインの
作動制御工程を備えているので、装置そのものに
対して或いは自動運転等において安全上極めて好
ましいものである。

更に、排ガス処理工程の終了時に、前記バグフ
イルタに外部の新鮮な空気通して前記バグフイル
タ内のガスと空気とを置換する空気置換ラインを
作動状態に制御する空気置換工程を有するので、
排ガス処理装置を常に新鮮な空気で清浄な状態に
維持しておくことができ、残留排ガスによる結露
をも防止でき、耐久性に富んだ排ガス処理装置を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による焼却炉の排ガス処理装
置の一実施例を示す概略図、第２図は焼却炉から
の排ガス量とバグフイルタの入口側の排ガス温度
の関係を示すグラフ、第３図Ａ、第３図Ｂ及び第
３図Ｃはこの発明による焼却炉の排ガス処理制御
方法の作動工程を示すフローチヤート、第４図は
従来のバグフイルタを用いた排ガス処理装置の一
例を示す概略図、並びに第５図Ａ及び第５図Ｂは
バグフイルタの一例を示す概略図である。１……バグフイルタ、２……フイルタ、３……
誘引フアン、４……煙突、５……第１ダンパ、６
……出口ダンパ、７……第３ダンパ、１０……排
ガス通路、１１……出口側通路、１６……入口側
室、１７……出口側室、２２……第２ダンパ、２
４……第４ダンパ、２５……第５ダンパ、２６…
…第６ダンパ、２７，２８，２９……温度センサ
ー、３０……ヒータ、３１……温風循環フアン、
Ａ……通常排気ライン、Ｂ……温風排気ライン、
Ｃ……緊急バイパスライン、Ｄ……温風循環ライ
ン、Ｅ……空気置換ライン、Tg₁……バグフイル
タ温度、Tg₂……ガス温度、Tg₃……排ガス温
度、T₁……露点温度、T₂……好ましい温度、T₃
……耐熱限界温度。

Claims

【特許請求の範囲】１焼却炉からの排ガスを濾過処理するためのバ
グフイルタ及び該バグフイルタの上流側通路並び
に誘引フアンを備えた下流側通路から成る排ガス
浄化通路、前記バグフイルタの上流側に配設した
加熱器及びフアンを設けた温風通路、前記バグフ
イルタの上流側と下流側とに接続し且つ前記バグ
フイルタにガスを循環させる加熱器及びフアンを
設けた温風循環通路、及び排ガスが前記バグフイ
ルタをバイパスするバイパス通路を備えたことを
特徴とする焼却炉の排ガス処理装置。２前記バグフイルタの上流側に大気と連通する
加熱器及びフアンを設けた空気導入通路を有する
ことを特徴とする請求項１に記載の焼却炉の排ガ
ス処理装置。３焼却炉からの排ガス温度を検出する温度セン
サー、前記加熱器の上流側ガス温度を検出する温
度センサー及び前記バグフイルタの下流側ガス温
度を検出する温度センサーを設置したことを特徴
とする請求項１に記載の焼却炉の排ガス処理装
置。４バグフイルタの所定温度以下の温度に応答し
て、加熱器で加熱されたガスを循環させてバグフ
イルタを加熱する温風循環ラインを作動状態に制
御する温風循環工程、及び前記バグフイルタの所
定温度以上の温度及び排ガスの温度に応答して、
加熱器で加熱された排ガスを前記バグフイルタに
通して排気する温風排気ライン、前記加熱器をバ
イパスした排ガスを前記バグフイルタに通して排
気する通常排気ライン、前記バグフイルタ及び前
記加熱器をバイパスして排ガスを排気する緊急バ
イパスラインのいずれかを作動状態に制御する排
ガス処理工程、から成ることを特徴とする焼却炉
の排ガス処理方法。５排ガス処理工程の終了時に、前記バグフイル
タに空気を通して前記バグフイルタ内のガスと空
気とを置換する空気置換ラインを作動状態に制御
する空気置換工程を有することを特徴とする請求
項４に記載の焼却炉の排ガス処理方法。