JPH0532082A - オフセツト印刷版用アルミニウム支持体の連続電解粗面 化処理方法 - Google Patents

オフセツト印刷版用アルミニウム支持体の連続電解粗面 化処理方法

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JPH0532082A
JPH0532082A JP21265991A JP21265991A JPH0532082A JP H0532082 A JPH0532082 A JP H0532082A JP 21265991 A JP21265991 A JP 21265991A JP 21265991 A JP21265991 A JP 21265991A JP H0532082 A JPH0532082 A JP H0532082A
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electrolytic
aluminum
counter electrode
treated
treatment
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JP21265991A
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Jun Yamada
旬 山田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オフセット印刷版用アルミニウム支持体の製
造において、被処理アルミニウム面に流入する電流密度
を正確に制御し、幅方向の処理ムラの無い均一な砂目を
安定して得る。 【構成】 対電極を上側、被処理アルミニウム板帯を下
側に配置し、該被処理アルミニウム板帯の上面を電解処
理する、連続電解粗面化処理において、該被処理アルミ
ニウム板帯上方に分割して配置された複数の対電極群の
前後に、電解液供給口または排出口を有する電気絶縁
体、或は分割して配置された複数の対電極群の中間に、
一方の面に電解液供給口、他方の面に排出口を有する少
なくとも1個の電気絶縁体を供給口と排出口が互いに向
き合うように設置し、電解液を循環させながら電解粗面
化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオフセット印刷版用アル
ミニウム支持体の製造方法に関するものであり、特に、
その電解粗面化において複数の対電極群の前後、さらに
は中間に、電解液の供給口と排出口を有する電気絶縁体
スリットを設置したオフセット印刷版用アルミニウム支
持体の連続電解粗面化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オフセット印刷版用の支持体には
アルミニウム板が広く使用されており、その上に感光層
組成物を薄層状に塗布した、いわゆるPS版が実用に供
されている。上記アルミニウム板には通常、感光層の接
着性、非画像部の保水性或は耐摩耗性を増すために表面
処理するのが一般的である。このような表面処理では、
表面洗浄するために脱脂処理された後、表面に凹凸を付
けるために粗面化(砂目立てともいう)処理され、その
後表面硬度を増すために陽極酸化処理を施した後、必要
に応じて親水化処理されて、オフセット印刷版用支持体
とされる。
【0003】これらの処理のなかで粗面化処理は印刷版
の上記要求を満たすため各種の方法が実用化されてい
る。即ち、ブラシグレイニング、ボールグレイニング、
液体ホーニング等の機械的粗面化方法、塩酸或は硝酸等
による化学的エッチングによる化学的粗面化方法、或は
これらの酸による電気化学的エッチングによる電解粗面
化方法、或はこれらを組合せて粗面化する方法が知られ
ている。これらの中で電解粗面化方法は他の方法に比較
して電解液組成及び電解条件によって、砂目の形状及び
表面粗さを微妙に調整する事が可能であって、近年では
粗面化方法の中心となっている。例えば、ブラシグレイ
ニングと電解粗面化(特開昭53-123204号公報)、化学
エッチングと電解粗面化(特開昭60-208294号公報)、
液体ホーニングと電解粗面化(特開昭60-18390号公報)
等の組合せが知られている。電解粗面化法では、アルミ
ニウム表面にピットが形成され、電解時の電流密度、液
濃度、液組成、液温度等によってピットの大きさ、深
さ、ピットの分布状態を変えることが出来る。このよう
にして作られた表面の形状がオフセット印刷版用支持体
の特性に大きな影響を与えることは広く知られており、
一般には中心線平均粗さ;Raの値で0.3〜1.0μに
調整される。しかし実用上はRaの値のみでは表わせな
い複合した砂目がより好ましく、さらにより複雑な粗面
を得るために電流密度を変化させて2段階に分けて電解
粗面化を行う多段処理の方法(特公昭56-51119号公報)
も考案されている。一般に電解粗面化方法では、塩酸叉
は硝酸を主体とする電解液を使用し、直流或は交流電流
(単相或は3相)を流して電解される。電解粗面化処理
では連続的に移動するアルミニウム板帯に大電流を供給
する必要がある為その給電法に工夫が凝らされ、直接ア
ルミニウム板に給電端子を接触する直接給電法、或い
は、直接アルミニウム板に給電端子を接触することな
く、対電極との間の電解液を介して、例えば単相交流電
流の場合には処理槽を2つに分けて、その両方の電極の
間に電源を接続し、3相交流の場合にはその3相の各端
子を3つの槽に分けて接続し、電解液を供給して通電す
る、いわゆる間接給電法(金属表面技術 Vol30,No.10,1
979,P541〜P546)も採用される。
【0004】電解による連続粗面化処理においては、一
般に被処理アルミニウム板帯を下に、対電極を上に配置
して該被処理アルミニウム板帯の上面を粗面化処理する
ように電解槽が組まれる。対電極が下、該被処理アルミ
ニウム板帯が上の場合には、電解処理中に発生する多量
のガスの排出場所がなく、該被処理アルミニウム板帯の
対電極に面する処理面表面にガスが滞留し、電解処理に
ムラが生じたり、はなはだしい場合には電解処理の進行
を阻害し、電解処理出来ない状態となる。
【0005】叉、対電極を上に、該被処理アルミニウム
板帯を下に配置しても、従来は平板な対電極を該被処理
アルミニウム板帯と平行に、しかも電解液の液面に対し
て平行に配置され、やはり対電極面で発生するガスが電
極面に滞留し、電解処理の進行を阻害する。このような
弊害を避ける為、例えば特開昭47-29001号公報のように
対電極と該被処理アルミニウム板帯を上下に垂直となる
ように配置する方法も考案されている。しかしこの場合
にはガスが該被処理アルミニウム板帯の出入りする電解
液面付近に集中し、やはり電解処理にムラを生ずる。し
かも、該被処理アルミニウム板帯を一度電解液中深く浸
漬し、液中で方向転換させて、液外へ取り出すために液
中ロールが必要であって、このような液中ロールは電解
液の腐食性の故にメンテナンスに手間を要し、腐食によ
る電解液への不純物の混入、ロール寿命の短いこと、さ
らには被処理アルミニウム板帯のラインに対するパスが
上下に大きく変化するため、大きなテンションを必要と
し、ライン全体にかかる力にも大きな力が必要となる。
叉、新たに被処理アルミニウム板帯をラインに通す際に
はアルミニウムの腰の強さ故に上下の曲率の小さいライ
ンに通す作業が困難となる等問題が多い。対電極と被処
理アルミニウム板帯は水平に配置される場合でも電解液
の供給と排出は側面から行われる事が多く、搬送方向に
対する循環が悪く、幅方向に処理ムラを生ずる事が多
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、対電極を
上、被処理アルミニウム板帯を下に配置した、電解粗面
化処理において、分割して配置した複数の対電極の前
後、さらには中間に電解液の供給口と排出口を各々片面
に或は両面に有する絶縁体スリットを配置し、隣合う絶
縁体スリットの供給口と排出口が互いに向き合うように
設置し、電解処理中の被処理アルミニウム板帯の処理面
に流入する電流密度を規制し、且つ電解処理中の電解液
の搬送方向に対する循環を迅速ならしめた、オフセット
印刷版用アルミニウム支持体の複合砂目を安定に得るた
めの連続電解処理方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は対電極を上側、
被処理アルミニウム板帯を下側に配置し、該被処理アル
ミニウム板帯の上面を電解処理する連続電解粗面化処理
において、該被処理アルミニウム板帯上方に前記対電極
を分割して複数配置し、該複数の対電極群の前と後に、
それぞれ電解液供給口と排出口を有する電気絶縁体を配
置し、これらの供給口と排出口が互いに向き合うように
設置して電解液を循環させながら電解粗面化処理するオ
フセット印刷版用アルミニウム支持体の連続電解粗面化
処理方法である。さらに本発明は該複数の対電極群の中
間に、少なくとも1対の電解液供給口と排出口を両面に
有する電気絶縁体を少なくとも1個配置し、隣合う電気
絶縁体の供給口と排出口が互いに向き合うように設置し
て電解液を循環させながら電解粗面化処理するオフセッ
ト印刷版用アルミニウム支持体の連続電解粗面化処理方
法である。
【0008】本発明に使用するアルミニウム板としては
純アルミニウム及び各種の金属、例えば、珪素、マグネ
シウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、クロム、チタン等を
少量含むアルミニウム合金が適当である。アルミニウム
に含まれる微量の不純物金属或は任意に添加された少量
の金属は電解により得られる砂目のピットの大きさ、形
状、分布に大きな影響を与え、さらにはアルミニウム板
の強度にも大きな影響を与える。
【0009】本発明の連続処理方法では脱脂、粗面化、
デスマット、陽極酸化の各処理が行われ、各処理の間で
適宜、水洗されるが、発生ガスの被処理アルミニウム表
面への滞留を避ける為、被処理面が上になるように通板
される。従って電解処理を必要とする、電解粗面化、陽
極酸化処理の場合には対電極は被処理アルミニウム表面
の上に配置される。
【0010】脱脂処理ではアルミニウム表面の圧延油を
除去し、清浄なアルミニウム板の表面を露出させる。脱
脂処理の方法としては、例えばトリクロロエチレン、パ
ークロロエチレン、等による溶剤脱脂、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸三ナト
リウム、ピロ燐酸四ナトリウム、石鹸等、或はこれらの
混合物によるアルカリ脱脂、界面活性剤、ケロシン、ト
リエタノールアミン、水酸化ナトリウム等を組合せたエ
マルジョン脱脂、さらに上記の化学脱脂では取れない汚
染を除く仕上げ脱脂と呼ばれる電解脱脂、等の方法があ
る。叉超音波洗浄も有効である。
【0011】次に本発明において粗面化処理としては電
解粗面化処理がピット状の砂目を得る上で好適である
が、補助的にさらに機械的或は化学的粗面化処理を電解
粗面化の前或は後或は前後に加えてもよい。電解粗面化
処理に於ては一般にファラデーの法則が成立して、電流
密度と処理時間の積が等しければ、処理により溶解する
アルミの量は一定である。しかし、電解処理による表面
粗さの変化は一定ではなく、低電流密度、長時間処理と
高電流密度、短時間処理では表面粗さは異なる。
【0012】更に、長尺の被処理アルミニウムに対して
発生ガスの滞留を防止し、排出を容易ならしめる為、短
い対電極を配置し、対電極と被処理アルミニウムの間隔
を大きくした場合には、通常電気力線は広がり、処理面
の電流密度の大きさは必ずしも対電極面の電流密度の大
きさにはならず、処理面の表面粗さには分布が生じ、適
正処理面が小さくなったり、或は適正処理面が得られな
くなる。更に、電解液の溶質イオンの組成、濃度、温度
等が変化すると、電気力線の広がりも変化し、又電解の
進行により溶け込んだアルミニウムイオンや不純物によ
る電解液の疲労によっても電気力線の広がりも変化し、
その結果被処理アルミニウム面に於ける電流密度の管理
が困難になり、制御困難となる。この場合、対電極の周
りに本発明の絶縁体を設置すると、これによって電気力
線の方向が被処理面方向に規制され適正処理面の管理が
容易になる。
【0013】対電極の大きさに対するこのような処理面
の変化の様子は静止状態で電解することにより平滑性の
変化として観察することができる。数値的に評価をする
ためには表面粗さを測定すればよい。このような処理面
の変化の様子と本発明の絶縁体設置の効果を相対的な表
面粗さにより図1に示す。曲線1は絶縁体がない場合で
あって、対電極への供給電流密度に対して、面積の大き
い被処理アルミニウム面では電流が広がって電流密度が
大きく低下し、電極に対面した直下でも処理アンダーに
なる。曲線2は電極端近くに本発明の絶縁体設置した場
合であって、被処理アルミニウム面からの高さを変えた
場合の変化を示す。曲線2−aは高い場合、曲線2−b
は低い場合を示し、本発明の絶縁体の設置により被処理
アルミニウム面へ流入する電流の広がりが規制されて被
処理アルミニウム面に於ける電流密度が上昇し、対電極
への供給電流に規制された適正な処理面が対電極全面積
に渡って得られることが判る。図1より、被処理アルミ
ニウム面からの高さは小さい方が好ましいことが判る。
【0014】本発明では電解処理を行なうに際して、対
電極を上側に配置し、被処理アルミニウム板帯を下側に
通して、該被処理アルミニウム板帯の上面を粗面化す
る。対電極は発生ガスの滞留を避ける為搬送方向に対し
て5〜25cmの幅のブロックとし、必要な処理時間が得
られる数だけ並べられる。各対電極の間隔は任意の間隔
でよいが、間隔を広げ過ぎる事は、いたずらに電解槽の
長さを長くするだけで、好ましくない。本発明の絶縁体
は必ずしも対電極1個に対してそれぞれ設置する必要は
ないが、設置する箇所には該絶縁体が設置出来る間隔を
取ることが必要であり、該絶縁体の少なくとも一部は電
解液の液面を幅方向に仕切るように設置することが必要
である。
【0015】次に、本発明の絶縁体は対電極の搬送方向
に対して前後に一対、被処理アルミニウム板帯の幅方向
の大きさをカバーする長さで設置する。更に、該絶縁体
にはその搬送方向或は搬送方向と逆方向の片面或は両面
に電解液の供給口叉は排出口を有し、この供給口と排出
口の間で各電極ブロック内の電解液を流動循環させる。
供給口の数、位置、形には特に制限はないが、幅方向の
一様な電解液の循環を考慮すると、幅方向にスリット状
に設けることが好ましい。排出口も同様であるが、電解
液の循環量が十分であれば、オーバーフロー形式でもよ
い。又、電解液の循環流量には特に制限は無いが、電流
密度、処理時間、処理速度により電解中の電解液の疲労
度が異なるため、電解液組成、温度等が変化しないよう
に流量を設定する必要が有る。
【0016】本発明の絶縁体は被処理アルミニウム板帯
を連続的に移動させる為、被処理アルミニウム板帯が接
触しない程度に間隔を設けて設置される。本発明の効果
を得る為には、被処理アルミニウム板帯と対電極の間隔
より狭くなるように設置する必要が有る。本発明の電解
粗面化処理には直接給電及び間接給電の何れも適用可能
である。間接給電では2又は3槽の電解槽の各電極に電
源が接続され、電解液を通して被処理アルミニウム板に
電流が流れる。従って、この1個の電源に対する2又は
3槽の電解槽には同一の電解液を供給しても良いし、或
は異なる電解液を供給して、異なる処理を行うことも可
能である。間接給電に於ける電解槽には槽間でアルミ板
帯を一度液外上方のロールに持ち上げて次の槽に通す2
槽或は3槽式と、処理面の高さを変えることなく槽間を
間隔の狭いスリットで仕切り、電流の漏洩を極力少なく
して電解処理するスリット式があるが、本発明の絶縁体
はこれら各槽の対電極のいずれにも設けることが出来
る。本発明の絶縁体で仕切られた各対電極群の間では、
被処理アルミニウム板帯と対電極の間隔が小さい場合は
電解液を通して漏洩する電流は小さく、上記間接給電に
よるスリット式電解槽と同じ構成をとることができる。
即ち複数の本発明の絶縁体で仕切られた各対電極群の間
に於て、たがいに異なる2つの対電極群の間に、例えば
電圧、電流密度、電流波形、周波数等の異なる電源を接
続し、粗面化条件を変え、複合砂目処理を行うことが出
来る。
【0017】電解粗面化処理に使用する電流としては単
相或は3相の商業用交流或はこれらを含めた 1 0〜300Hz
の範囲内の正弦波、サイリスター等により交流の波形の
一部がカットされた波形の電流、正負の電流比が等しく
ない非対称形、対称形正弦波、及び非正弦波、対称形非
正弦波などが使用出来る。アルミニウム板に供給される
電力は電解液の組成、温度、電極間距離等により変わる
が、印刷版として適切な砂目を得るためには、一般に、
電圧では1〜60V、処理面における電流密度では5〜
60A/dm2、電気量では50〜4000クーロンの範囲で使
われる。又電解液の温度は0〜60℃、電極とアルミニ
ウム板との距離は1〜10cmの範囲が好ましい。
【0018】電解液としては硝酸或はその塩、塩酸或は
その塩、或はそれらの1種或は2種以上の混合物の水溶
液が使用出来る。さらに必要に応じて硫酸、燐酸、クロ
ム酸、ほう酸、有機酸、或はそれらの塩、硝酸塩、塩化
物、アンモニウム塩、アミン類、界面活性剤、その他の
腐食促進剤、腐食抑制剤、安定化剤等を加えて使用して
もよい。電解液の濃度としては上記の酸類の濃度が0.
1〜10重量%であり、電解液中のアルミニウムイオン
の濃度を0〜10g/リットル範囲に維持したものが好
ましい。電解粗面化処理では電解の進行により、アルミ
ニウムがとけ込み、酸類が消費されるので、電解液の組
成が所定の設定範囲をはずれないように、電解液の一部
を廃棄しながら、酸類を補給していく、電解液の液管理
のための補充装置の設置が好ましい。
【0019】上記のようにして電解粗面化処理されたア
ルミニウム板帯は充分に水洗されるが、その表面には通
常スマットが付着して、水洗のみでは取れず、ピットを
塞いでいる。そのスマットを除去するため、デスマット
処理が施される。デスマット処理には、通常、脱脂処理
に使用される、アルカリ剤が使用できる。デスマット処
理ではスマットが溶解し、ピット面が現われる。その溶
解量は前記電解液による処理条件によって異なるが、
0.1〜1g/m2が適当である。
【0020】デスマットされた粗面化されたアルミニウ
ム板帯は、通常次に陽極酸化処理が施される。陽極酸化
処理ではアルミ表面にアルミの酸化膜が生成し、表面の
変性を防止するだけでなく、表面硬度が著しく向上し、
印刷時の耐刷性が向上する。酸化膜は陽極にのみ生成す
るので、電流は通常直流電流が使用される。電解液とし
ては、硫酸、蓚酸、クロム酸、燐酸等の生成酸化膜の溶
解性の低い酸が使用される。陽極酸化の条件としては、
液濃度1〜40%、電流密度0.1〜10A/dm2の範囲で
使用され、必要な膜厚を得るまで陽極酸化される。温度
は酸化膜の硬度に影響を与え、低温の方が硬度は高くな
るが、可撓性に劣るため、通常は常温付近の温度で陽極
酸化される。陽極酸化膜の厚みは印刷版の耐刷グレード
によって適宜調整されるが、0.1〜2μm で充分であ
る。本発明の電解液の供給口、排出口を有する絶縁体は
陽極酸化処理においても設置可能であり、電解液の循
環、発生ガスの効率的な排出に有効である。
【0021】このようにして得られたオフセット印刷版
用支持体には、従来より知られている感光層を設けて、
オフセット印刷版、或は感光性平版印刷版とし、実用に
供せられる。感光層としては、例えばポリビニルアルコ
ールと重クロム酸塩類、ジアゾ樹脂とアクリル酸エステ
ル類、o−キノンジアジド化合物とノボラック型フェノ
ール又はクレゾール樹脂、フェニレンジアクリル酸型光
架橋性ポリマー、付加重合性エチレン化合物とアルカリ
可溶性樹脂から成る光重合型フォトポリマー、等があ
る。さらに、光導電性感光層として、無機或は有機の光
導電性物質とアルカリ可溶性樹脂から成る感光層を設け
ることが出来る。さらにハロゲン化銀感光層も設けるこ
ともできる。このようにして得られた平版印刷版はポジ
あるいはネガのフィルム原稿を密着露光したり、レーザ
ーによる画像露光により、画像形成され、アルカリ、ア
ルコール等の溶出液により非画像部を溶出して、製版さ
れ、印刷機に供給される。
【0022】
【実施例】本発明の連続電解粗面化方法を実施例により
さらに詳しく説明するが、本発明はこれによって制限さ
れるものでは無い。
【0023】実施例1 幅300mm、厚み0.3mmのA1050タイプアルミニ
ウム板帯を1.3m/min の処理速度で移動させ、50
℃、4%苛性ソーダ水溶液に30秒間浸漬した後、水洗
し、それぞれ下記の大きさの対電極と電解液供給口(a)
と排出口(b)を有する絶縁体、及びを配した直接
給電方式の電解槽(図2)に、5℃の2.0%塩酸(c)
を満たし、電源より600A、50Hzの単相交流電
流を各電極端子に流して、交流電解粗面化し、水洗し、
その後25℃、4%苛性ソーダ水溶液に30秒間浸漬し
てデスマットし、水洗し、その後25℃、15%硫酸中
に45秒間通して90Aの直流電流で陽極酸化し、水洗
し、その後乾燥して、オフセット印刷版用アルミニウム
支持体を得た。
【0024】対電極−被処理アルミニウム間距離:
50mm 対電極:第1〜第6電極;幅300mm、長さ150mm
(前方側から第1電極、最後方を第6電極とした) 対電極間:各100mm 絶縁体、及び:第1対電極前方に供給口(a)のみ
有する絶縁体、第1〜第6の各電極間に一方の面に排
出口(b)、他方の面に供給口(a)を有する絶縁体及び第
6電極後方に排出口(b)のみ有する絶縁体を図2のよ
うに設置 搬送方向に対して前方の各供給口(a)(高さ20mm、幅
300mmのスリット状)より電解液を供給 搬送方向に対して後方の各排出口(b)(高さ20mm、幅
300mmのスリット状)より電解液(c)を排出 絶縁体、及び下端−被処理アルミニウム間距
離:10mm
【0025】このようにして得られた支持体の表面粗さ
はムラなく幅方向にも均一であった。この支持体の上に
フタロシアニンとアルカリ可溶性アクリル樹脂よりなる
電子写真感光層を塗布し、感光版を作製し、帯電、露
光、液体トナー現像、定着の各工程を経る電子写真方式
によりトナー画像を形成し、無機アルカリ系の溶出液で
非画像部を溶出して製版したところ良好な平版印刷版適
性を示した。
【0026】比較例1 比較のため実施例1の供給電流をそのままとし、絶縁体
、及びを取り外して、電解粗面化処理したところ
被処理アルミニウム板帯に流入する電流の電流密度が
低下し、粗大ピットが残り、粗面化不足となり、均一な
粗面は得られなかった。
【0027】比較例2 更に比較のため実施例1の絶縁体、及びを通して
電解液を循環する代わりに、搬送方向と並行の側面片側
に電解液供給口を設け、反対側へオーバーフローさせな
がら電解液を循環させて、実施例1と同じ供給電流を流
して電解粗面化処理したところ、供給側から排出側に向
かって幅方向に表面粗さにムラが発生し、電解条件を変
化させても解消することは出来なかった。
【0028】実施例2 幅300mm、厚み0.3mmのA1100タイプアルミニ
ウム板帯を2.4m/min の処理速度で移動させ、50
℃、4%苛性ソーダ水溶液に30秒間浸漬した後、水洗
し、それぞれ下記の大きさの対電極と電解液供給口
(a)と排出口(b)を有する絶縁体、及びを配した、
スリットタイプの液体間接給電方式の各電解槽(図3)
に、20℃の2.2%硝酸(c)を満たし、電源より1
200A、50Hzの単相交流電流を各電極端子に流し
て、交流電解粗面化し、水洗し、その後25℃、4%苛
性ソーダ水溶液に30秒間浸漬してデスマットし、水洗
し、その後25℃、15%硫酸中に30秒間通して12
0Aの直流電流で陽極酸化し、水洗し、その後乾燥し
て、オフセット印刷版用アルミニウム支持体を得た。
【0029】対電極−被処理アルミニウム間距離:
60mm 対電極:第1〜第8電極;幅300mm、長さ50mm
(前方側から第1電極、最後方を第8電極とした) 対電極間:第1〜第4電極、第5〜第8電極間;10mm
第4〜第5電極間;150mm 絶縁体、及び:第1対電極前方に供給口(a)のみ
有する絶縁体、第4〜第5電極間に、一方の面に排出
口(b)、他方の面に供給口(a)を有する絶縁体、第8電
極後方に排出口(b)のみ有する絶縁体を図3のように
設置搬送方向に対して前方の各供給口(a)(高さ20m
m、幅300mmのスリット状)より電解液を供給 搬送方向に対して後方に各排出口(b)(高さ20mm、幅
300mmのスリット状)より電解液を排出 絶縁体、及び下端−非処理アルミニウム間距
離:15mm
【0030】このようにして得られた支持体の表面粗さ
は実施例1と同様に均一であった。この支持体にフタロ
シアニンとアルカリ可溶性アクリル樹脂よりなる電子写
真感真感光層を塗布し、感光版を作製し、帯電、露光、
液体トナー現像、定着の各工程を経る電子写真方式によ
りトナー画像を形成し、無機アルカリ系の溶出液で非画
像部を溶出して製版したところ良好な平版印刷版適性を
示した。
【0031】実施例3 幅300mm、厚み0.3mmのA1050タイプアルミニ
ウム板帯を1.3m/min の処理速度で移動させ、5
0℃、4%苛性ソーダ水溶液に30秒間浸漬した後、水
洗し、それぞれ下記の大きさの対電極と電解液供給口
(a)と排出口(b)を有する絶縁体、及びを配した電
解槽(図4)に、5℃の2.0%塩酸(c)を満たし、電
流値の異なる2個の電源より600A、及び1200
A、50Hzの単相交流電流を各電極端子に流して、交
流電解粗面化し、水洗し、その後25℃、4%苛性ソー
ダ水溶液に30秒間浸漬してデスマットし、水洗し、そ
の後25℃、15%硫酸中に45秒間通して90Aの直
流電流で陽極酸化し、水洗し、その後乾燥して、オフセ
ット印刷版用アルミニウム支持体を得た。
【0032】対電極−非処理アルミニウム間距離:
50mm 対電極:第1〜第4電極;幅300mm、長さ150mm
(前方側から第1電極、最後方を第4電極とした) 対電極間:各100mm 絶縁体、及び:第1対電極前方に供給口(a)のみ
有する絶縁体、第1〜第4電極間に、一方の面に排水
口(b)、他方の面に供給口(a)を有する絶縁体設置 第4電極後方に排出口(b)のみ有する絶縁体を図4の
ように設置搬送方向に対して前方の各供給口(a)(高さ
20mm、幅300mmのスリット状)より電解液を供給 搬送方向に対して後方の各排出口(b)(高さ20mm、幅
300mmのスリット状)より電解液を排出 絶縁体、及び下端−被処理アルミニウム間距
離:5mm 電源接続:第1及び第3対電極間に600A電源接続 第2及び第4対電極間に1200A電源接続
【0033】このようにして得られた支持体の表面粗さ
はムラなく幅方向にも均一であった。この支持体の上に
フタロシアニンとアルカリ可溶性アクリル樹脂よりなる
電子写真感光層を塗布し、感光版を作製し、帯電、露
光、液体トナー現像、定着の各工程を経る電子写真方式
によりトナー画像を形成し、無機アルカリ系の溶出液で
非画像部を溶出して製版したところ良好な平版印刷版適
性を示した。
【0034】
【発明の効果】本発明の電解粗面化処理法により、処理
面に流入する電流密度を正確に制御でき、且つ幅方向の
処理ムラを解消した、局部ピットのない均一な細かい砂
目を安定して得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】静止状態に於ける電解粗面化処理において、被
処理アルミニウムと対電極のあいだの電気力線の広がり
による被処理アルミニウム面処理状態と本発明の絶縁体
設置の効果による被処理アルミニウム面処理状態の変化
を表面粗さの相対値(%)で示した図
【図2】実施例1の電解粗面化処理における電解槽の対
電極と絶縁体の配置図
【図3】実施例2の電解粗面化処理における電解槽の対
電極と絶縁体の配置図
【図4】実施例3の電解粗面化処理における電解槽の対
電極と絶縁体の配置図
【符号の説明】 電解槽容器 被処理アルミニウム板帯 対電極 送りロール 給電ロール 電源 供給口のみを有する絶縁体 排出口のみを有する絶縁体 排出口及び供給口を配した絶縁体 a電解液供給口 b電解液排出口 c電解液 d電解液面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対電極を上側、被処理アルミニウム板帯
    を下側に配置し、該被処理アルミニウム板帯の上面を電
    解処理する連続電解粗面化処理において、該被処理アル
    ミニウム板帯上方に前記対電極を分割して複数配置し、
    該複数の対電極群の前と後に、それぞれ電解液供給口と
    排出口を有する電気絶縁体を配置し、これらの供給口と
    排出口が互いに向き合うように設置して電解液を循環さ
    せながら電解粗面化処理するオフセット印刷版用アルミ
    ニウム支持体の連続電解粗面化処理方法。
  2. 【請求項2】 該複数の対電極群の中間に、少なくとも
    1対の電解液供給口と排出口を両面に有する電気絶縁体
    を少なくとも1個配置し、隣合う電気絶縁体の供給口と
    排出口が互いに向き合うように設置して電解液を循環さ
    せながら電解粗面化処理する請求項1記載のオフセット
    印刷版用アルミニウム支持体の連続電解粗面化処理方
    法。
JP21265991A 1991-07-30 1991-07-30 オフセツト印刷版用アルミニウム支持体の連続電解粗面 化処理方法 Pending JPH0532082A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19930296B4 (de) * 1998-07-03 2005-10-06 Samsung Electronics Co. Ltd., Suwon Verfahren und Photomaske zur Herstellung eines integrierten Schaltkreisbauelements mit einer Stufe

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE19930296B4 (de) * 1998-07-03 2005-10-06 Samsung Electronics Co. Ltd., Suwon Verfahren und Photomaske zur Herstellung eines integrierten Schaltkreisbauelements mit einer Stufe

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