JPH05320712A - 金属粉末成形体の焼結方法 - Google Patents
金属粉末成形体の焼結方法Info
- Publication number
- JPH05320712A JPH05320712A JP15307492A JP15307492A JPH05320712A JP H05320712 A JPH05320712 A JP H05320712A JP 15307492 A JP15307492 A JP 15307492A JP 15307492 A JP15307492 A JP 15307492A JP H05320712 A JPH05320712 A JP H05320712A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compact
- sintering
- jig
- metal powder
- powder compact
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属粉末焼結体の表面の光沢と平滑性を損な
わない焼結方法を得て、寸法精度と表面状態の良好な焼
結体を提供する。 【構成】 焼結したい金属粉末成形体の組成に近似する
蓋状の治具で成形体を他の治具等から隔絶した状態で焼
結する。蓋状の治具の成分が不純物を消費し、状気圧の
分圧を満たして、成形体を保護する。
わない焼結方法を得て、寸法精度と表面状態の良好な焼
結体を提供する。 【構成】 焼結したい金属粉末成形体の組成に近似する
蓋状の治具で成形体を他の治具等から隔絶した状態で焼
結する。蓋状の治具の成分が不純物を消費し、状気圧の
分圧を満たして、成形体を保護する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、金属粉末成形体の焼結
方法に関する。
方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の代表的な金属粉末成形法である射
出成形法について説明する。射出成形法は、金属材料粉
末に相当量のバインダを添加して可塑性を与え、射出成
形機の射出口から製品形状に加工された金型に注入、固
化させることにより形状を得る方法である。成形体には
多量のバインダが含まれているので、焼結前に脱脂工程
を経てバインダを除去する必要がある。脱脂後、適切な
焼結温度と雰囲気下で焼結し、焼結体を得る。
出成形法について説明する。射出成形法は、金属材料粉
末に相当量のバインダを添加して可塑性を与え、射出成
形機の射出口から製品形状に加工された金型に注入、固
化させることにより形状を得る方法である。成形体には
多量のバインダが含まれているので、焼結前に脱脂工程
を経てバインダを除去する必要がある。脱脂後、適切な
焼結温度と雰囲気下で焼結し、焼結体を得る。
【０００３】射出成形法はあらゆる成形法の中でも寸法
精度に優れる等の長所がある。そのため、焼結後、特に
機械加工や処理をしなくても、製品寸法を得ることが出
来る。ただし、商品価値を高めるために研磨加工を行
い、焼結体に金属材料の光沢をもたせて製品とする。
精度に優れる等の長所がある。そのため、焼結後、特に
機械加工や処理をしなくても、製品寸法を得ることが出
来る。ただし、商品価値を高めるために研磨加工を行
い、焼結体に金属材料の光沢をもたせて製品とする。
【０００４】金属粉末を型に充填し加圧成形する粉末プ
レス成形法は、バインダを用いなくても少量の滑剤を添
加するだけで成形できるため、比較的単純な形状の製品
の大量生産に適している。プレス成形法には脱脂工程は
必要ないが、一軸加圧であるため、複雑形状に成形する
場合は射出成形法のほうが一般的である。いずれの成形
法にせよ、金属粉末を成形し焼結する粉末冶金方法は、
成形可能な形状が比較的自由であることから、特に複雑
な形状や寸法精度を要する場合に有効な手段である。
レス成形法は、バインダを用いなくても少量の滑剤を添
加するだけで成形できるため、比較的単純な形状の製品
の大量生産に適している。プレス成形法には脱脂工程は
必要ないが、一軸加圧であるため、複雑形状に成形する
場合は射出成形法のほうが一般的である。いずれの成形
法にせよ、金属粉末を成形し焼結する粉末冶金方法は、
成形可能な形状が比較的自由であることから、特に複雑
な形状や寸法精度を要する場合に有効な手段である。
【０００５】焼結は適切な焼結温度と雰囲気の下で行う
必要がある。適当な温度下に置くことにより金属粉末が
拡散により一体化し、強度を得る。また成形体に含有さ
れる成分と雰囲気中の成分が反応しないように焼結温度
を設定し、雰囲気を選択する。例えば、ステンレス鋼等
は酸化され易いＣｒ等の金属を多量に含むため、焼結に
より周りの物質と反応し汚染され易い。ＣｒのほかＴｉ
やＶ、Ｓｉ、Ｍｎなども酸化されやすい物質なので、こ
のような成分を含む成形体を焼結する際は、真空炉ある
いは真空と不活性ガス雰囲気を組み合わせている。
必要がある。適当な温度下に置くことにより金属粉末が
拡散により一体化し、強度を得る。また成形体に含有さ
れる成分と雰囲気中の成分が反応しないように焼結温度
を設定し、雰囲気を選択する。例えば、ステンレス鋼等
は酸化され易いＣｒ等の金属を多量に含むため、焼結に
より周りの物質と反応し汚染され易い。ＣｒのほかＴｉ
やＶ、Ｓｉ、Ｍｎなども酸化されやすい物質なので、こ
のような成分を含む成形体を焼結する際は、真空炉ある
いは真空と不活性ガス雰囲気を組み合わせている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】真空や不活性ガス雰囲
気で焼結しても、ステンレス鋼の表面は汚染されてしま
い、光沢のある焼結体を得ることは困難である。炉材や
各種の治具等を介して侵入する微量のアウトガスや不活
性ガスに含まれる不純物が焼結体の表面と反応してしま
う。また、高真空中で焼結すると、Ｃｒのように蒸気圧
の高い成分が蒸発し、表面に微小なポアが多数発生する
ため、表面の光沢が損なわれている。
気で焼結しても、ステンレス鋼の表面は汚染されてしま
い、光沢のある焼結体を得ることは困難である。炉材や
各種の治具等を介して侵入する微量のアウトガスや不活
性ガスに含まれる不純物が焼結体の表面と反応してしま
う。また、高真空中で焼結すると、Ｃｒのように蒸気圧
の高い成分が蒸発し、表面に微小なポアが多数発生する
ため、表面の光沢が損なわれている。
【０００７】本発明は、金属粉末焼結体の表面の光沢と
平滑性を損なわない焼結方法を得て、寸法精度と表面状
態の良好な焼結体を提供することを目的とする。
平滑性を損なわない焼結方法を得て、寸法精度と表面状
態の良好な焼結体を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、焼結したい金属粉末成形体の組成に
近似する蓋状の治具で成形体を他の治具等から隔絶した
状態で焼結する。焼結炉内の温度が上昇し、蓋状の治具
に含まれる活性金属とアウトガスや雰囲気中の不純物が
反応し、成形体を不純物から守ることが出来る。
めに、本発明では、焼結したい金属粉末成形体の組成に
近似する蓋状の治具で成形体を他の治具等から隔絶した
状態で焼結する。焼結炉内の温度が上昇し、蓋状の治具
に含まれる活性金属とアウトガスや雰囲気中の不純物が
反応し、成形体を不純物から守ることが出来る。
【０００９】また、成形体中の蒸気圧の高い成分に関し
ても、治具から蒸発が起こり、炉内の蒸気圧を満たすた
め、成形体からの蒸発を抑制することが出来る。
ても、治具から蒸発が起こり、炉内の蒸気圧を満たすた
め、成形体からの蒸発を抑制することが出来る。
【００１０】本発明の金属粉末成形体の焼結方法をステ
ンレス鋼の金属粉末成形体を例に採って説明する。図１
は本発明の焼結方法の一例における金属粉末成形体と蓋
状の治具の配置を説明する断面図である。ステンレス鋼
粉末成形体１をアルミナ等のセラミックス製セッター３
の上に載置し、ステンレス鋼製の蓋状の治具２で成形体
１を覆う。この場合、セッターと治具の間には真空排気
を行うための間隙を有する。
ンレス鋼の金属粉末成形体を例に採って説明する。図１
は本発明の焼結方法の一例における金属粉末成形体と蓋
状の治具の配置を説明する断面図である。ステンレス鋼
粉末成形体１をアルミナ等のセラミックス製セッター３
の上に載置し、ステンレス鋼製の蓋状の治具２で成形体
１を覆う。この場合、セッターと治具の間には真空排気
を行うための間隙を有する。
【００１１】図中のカーボン治具４・５はセッター、蓋
状の治具と成形体を積み重ねるための治具である。カー
ボン以外のタングステン、モリブデン、セラミックス等
焼結温度で溶融、変形を起こさない材質の治具を用いて
積み重ねをおこなってもよい。炉内温度をあげていく
と、炉内の不純物は治具と反応する。また、蒸気圧の高
い成分も蓋状の治具から蒸発が起こり、蒸気圧の分圧を
満たす。そのため、成形体の表面は不純物に汚染されに
くく、成分の蒸発も抑えられる。
状の治具と成形体を積み重ねるための治具である。カー
ボン以外のタングステン、モリブデン、セラミックス等
焼結温度で溶融、変形を起こさない材質の治具を用いて
積み重ねをおこなってもよい。炉内温度をあげていく
と、炉内の不純物は治具と反応する。また、蒸気圧の高
い成分も蓋状の治具から蒸発が起こり、蒸気圧の分圧を
満たす。そのため、成形体の表面は不純物に汚染されに
くく、成分の蒸発も抑えられる。
【００１２】
【実施例】本発明の実施例について以下に説明する。平
均粒径が５〜１５μｍのＳＵＳ６３０（析出硬化型ステ
ンレス鋼）粉末に対して、熱可塑性樹脂および滑剤およ
び可塑剤からなるバインダを３０〜５０体積％添加して
加熱、混練して成形材料とする。この成形材料を射出成
形機を用いて外径約１５ｍｍのリング形状に成形した。
均粒径が５〜１５μｍのＳＵＳ６３０（析出硬化型ステ
ンレス鋼）粉末に対して、熱可塑性樹脂および滑剤およ
び可塑剤からなるバインダを３０〜５０体積％添加して
加熱、混練して成形材料とする。この成形材料を射出成
形機を用いて外径約１５ｍｍのリング形状に成形した。
【００１３】得られた成形体を１５０ｃｍ2の板状のア
ルミナセッター上に並べて、加熱脱脂で処理した。脱脂
後、本発明の金属粉末成形体の焼結方法の実施例とし
て、ＳＵＳ６３０製の蓋状の治具をかぶせて、カーボン
製の容器内に収め、焼結炉内にセットした。
ルミナセッター上に並べて、加熱脱脂で処理した。脱脂
後、本発明の金属粉末成形体の焼結方法の実施例とし
て、ＳＵＳ６３０製の蓋状の治具をかぶせて、カーボン
製の容器内に収め、焼結炉内にセットした。
【００１４】比較例として同一の工程を経た成形体を、
ＳＵＳ６３０製の蓋状の治具を使用しないで同様に炉内
に配した。高真空中で１１００℃まで加熱した後、アル
ゴンガス雰囲気で１３００℃、１時間の焼結を行った。
得られた各焼結体について観察、評価を行った。
ＳＵＳ６３０製の蓋状の治具を使用しないで同様に炉内
に配した。高真空中で１１００℃まで加熱した後、アル
ゴンガス雰囲気で１３００℃、１時間の焼結を行った。
得られた各焼結体について観察、評価を行った。
【００１５】その結果、実施例のＳＵＳ６３０製の蓋状
の治具を用いて焼結したものは表面が滑らかで良好な光
沢があり、酸化物等の付着は認められない。比較例とし
て治具を用いずに焼結したものは灰白色で光沢がなく、
表面が酸化物に覆われていた。各焼結体の表面をＳＥＭ
写真を撮影し、観察したところ各焼結体表面の平滑性の
明かな違いを確認することが出来た。実施例、比較例の
焼結体はともに焼結密度が９８％と十分に緻密化されて
おり、表面状態以外の差異は認められなかった。
の治具を用いて焼結したものは表面が滑らかで良好な光
沢があり、酸化物等の付着は認められない。比較例とし
て治具を用いずに焼結したものは灰白色で光沢がなく、
表面が酸化物に覆われていた。各焼結体の表面をＳＥＭ
写真を撮影し、観察したところ各焼結体表面の平滑性の
明かな違いを確認することが出来た。実施例、比較例の
焼結体はともに焼結密度が９８％と十分に緻密化されて
おり、表面状態以外の差異は認められなかった。
【００１６】
【発明の効果】以上のように、本発明の金属粉末成形体
の焼結方法によれば、焼結体の表面に酸化物の析出が起
こらないので、光沢があり平滑な焼結体を得ることが出
来る。焼結体の商品価値が向上し、そのままで完成品と
なるため、研磨等の後加工が不要となる。研磨による寸
法変化もなく、ミクロン単位の寸法精度を要求される部
品の焼結にも十分対応できる等の効果がある。
の焼結方法によれば、焼結体の表面に酸化物の析出が起
こらないので、光沢があり平滑な焼結体を得ることが出
来る。焼結体の商品価値が向上し、そのままで完成品と
なるため、研磨等の後加工が不要となる。研磨による寸
法変化もなく、ミクロン単位の寸法精度を要求される部
品の焼結にも十分対応できる等の効果がある。
【図１】本発明の焼結方法の一例における金属粉末成形
体と蓋状の治具の配置を説明する断面図である。
体と蓋状の治具の配置を説明する断面図である。
１ ステンレス鋼粉末成形体 ２ 蓋状の治具 ３ セラミックス製セッター ４ カーボン治具 ５ カーボン治具
Claims (2)
- 【請求項１】 金属粉末成形体の焼結方法において、該
金属粉末成形体の組成に一致する蓋状の治具を用いて、
セッター上に載置した金属粉末成形体を覆って隔離し、
焼結することを特徴とする金属粉末成形体の焼結方法。 - 【請求項２】 前記金属粉末がステンレス鋼であること
を特徴とする請求項１記載の金属粉末成形体の焼結方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15307492A JPH05320712A (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 金属粉末成形体の焼結方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15307492A JPH05320712A (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 金属粉末成形体の焼結方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05320712A true JPH05320712A (ja) | 1993-12-03 |
Family
ID=15554413
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15307492A Pending JPH05320712A (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | 金属粉末成形体の焼結方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05320712A (ja) |
-
1992
- 1992-05-21 JP JP15307492A patent/JPH05320712A/ja active Pending
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP1252952B1 (en) | Binder Composition for powder metallurgy | |
| JPH07164196A (ja) | とちの製造方法 | |
| US5174952A (en) | Process for the powder-metallurgical production of a workpiece | |
| JP2007521389A (ja) | アルミニウム材およびアルミニウム合金材の焼結方法 | |
| JPH05320712A (ja) | 金属粉末成形体の焼結方法 | |
| JP2677675B2 (ja) | 粉末成形用バインダー及び金属粉末またはセラミック粉末からなる焼結品の製造方法 | |
| WO2006003703A1 (ja) | 焼結相対密度の異なる部分が併存する焼結品及びその製造方法 | |
| JPH0770610A (ja) | 射出成形品の焼結方法 | |
| JP3265463B2 (ja) | Ｔｉ焼結体の製造方法 | |
| JPH05320710A (ja) | 金属粉末成形体の焼結方法 | |
| JP2921041B2 (ja) | Ｎｂ‐Ａｌ系金属間化合物焼結成形体の製造方法 | |
| JP3788929B2 (ja) | 金属粉末成形体の焼結方法 | |
| KR100477941B1 (ko) | 크롬카바이드계 세라믹스 제조방법 | |
| JPH06122903A (ja) | 金属粉末成形体の脱脂方法 | |
| JP2585132B2 (ja) | 粉末焼結品の製造方法 | |
| JPH01184204A (ja) | 焼結部材製造のための射出成形体予備処理方法 | |
| JPH05171334A (ja) | 硬質焼結部品及びその製造方法 | |
| JPS5819409A (ja) | 等方性Ｍｎ−Ａｌ−Ｃ系磁石の製造法 | |
| JP2644806B2 (ja) | セラミックと金属からなる複合摺動材の製造方法 | |
| JP2924054B2 (ja) | 金属粉末射出成形用原料 | |
| JPH11323407A (ja) | 熱間押出粉末成形方法 | |
| JPH0539503A (ja) | 刻印用パンチの製造方法 | |
| JPH05195017A (ja) | 焼結時形状変形の少ない高密度鉄系金属粉末焼結体の製造方法 | |
| JPH01168845A (ja) | 鉄−鉄酸化物焼結体及びその製造方法 | |
| JPH05171215A (ja) | セラミックス粉末を用いた射出成形体の脱バインダー方法 |