JPH053206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はビルデイングの事務所等の天井裏内に
設けられた天井埋込形空気調和機のフイルタ固定
装置に関するものである。

従来の技術 従来、この種の天井埋込形空気調和機用の吸込
グリルにおけるフイルタ固定装置は第４図に示す
ような構成となつている。すなわち、天井裏１内
に吊下装置（図示せず）によつて吊下げられた天
井埋込形空気調和機の本体２が備えられ、室内３
の天井面４に前記本体２から延出したダクト２ａ
と接合した化粧枠５を設けている。この化粧枠５
はヒンジ６を有しておりねじ７をゆるめることに
より、グリル枠８の開閉を行うようになつてい
る。さらにグリル枠８の内部に室内空気を吸込む
ときの除じん用に設けた粗フイルタ９を有し、こ
の粗フイルタ９の上方に、高性能フイルタ１３を
載置し、この載置の方法はアングル形の板１０を
設け、前記グリル枠８に遮蔽板１１を設け、前記
アングル形の板１０と平板１１を化粧ネジ１２で
固定し、高性能フイルタ１３が着脱時に傾斜して
も落下しないようにするものであつた。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、高性能フイルタ１
３の高さＧが定められているグリル枠８の開閉の
際に高性能フイルタ１３が端部５ａにあたらない
ように高性能フイルタ１３の幅Ｋを限定しなけれ
ばならなく、高性能フイルタ１３を着脱するため
の有効開口面積Ｌが広い割合に高性能フイルタ１
３の容積は小さくなり、この高性能フイルタ１３
の構成上、幅Ｋの寸法が限定されてしまいそのた
めに高性能フイルタ１３の圧力損失を増加させる
という問題点があつた。さらにフイルタの有効開
口面積Ｌの減小分Ｓだけ風漏れ対策用の遮蔽板１
１を設ける必要があり高性能フイルタを着脱する
ための構造も複雑な構成となるという問題点があ
つた。本考案はこのような問題点を解決するもの
で、フイルタの圧力損失を最小にし、かつ着脱構
造をできるだけ簡単にした天井埋込形空気調和機
のフイルタ固定装置を提供することを目的とす
る。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本考案は、化粧枠
内に、グリルと粗フイルタをとりつけ、かつ開閉
可能に設けたグリル枠を備え、前記化粧枠の固定
枠の一側端の内側に折曲げられて形成された支え
片を設け、高性能フイルタに前記支え片と対応す
る保持片を設け、支え片と保持片をねじ止めして
粗フイルタの上方に前記高性能フイルタを配置し
た構成としたものである。

作 用 この構成により、化粧枠の固定枠に設けた支え
片と、高性能フイルタに設けた保持片とをネジに
よつて固定して前記高性能フイルタを支えるとと
もに、この高性能フイルタを取出すときは、化粧
枠内のグリル枠を垂直方向に開き、前記ネジを取
りはずしたのち、高性能フイルタをほぼ90°角に
回転してから垂直下方向に引き出すこととなる。

実施例 以下本考案による一実施例を第１図〜第３図に
もとづいて説明する。図において、２１はビルデ
イングなどの天井裏２０にスラブなどから吊下げ
られた天井埋込形空気調和機の本体２１であり、
この本体２１と天井面２２との間にはダクト２３
を設けている。このダクト２３は上方が本体２１
と、下方は化粧枠２４にネジ２５（第２図）によ
つて固定されている。化粧枠２４の内側にはグリ
ル２６と、粗塵除去用の粗フイルタ２７とを設け
たグリル枠２８を設け、このグリル枠２８の一端
を化粧枠２４にヒンジ２９で連結し、他端を化粧
ネジ３０で固定している。そして化粧ネジ３０を
取りはずすことにより、グリル枠２８が点線位置
まで垂直方向に開くようにしている。前記粗フイ
ルタ２７の上方には高性能フイルタ３２が設けら
れることになるが、この高性能フイルタ３２の保
持部３１は第２図に示すように構成されている。
すなわち化粧枠２４は略四角形状になつており、
その上方端の内側に折曲げられた支え片３３が形
成され、高性能フイルタ３２側には前記支え片３
３と対応したＬ形状の保持片３４が設けられ、支
え片３３に設けられた貫通状態の支え片穴３５
と、保持片３４側に保持片ねじ穴３６に固定ネジ
３７を通して結合することにより高性能フイルタ
３２は支えられている。なお固定ネジ３７は、前
記保持板３４を受けるために途中に受けワツシヤ
ー３８を有している。またＬ形状になつた前記保
持片３４の他片は高性能フイルタ３２の枠と接着
剤、あるいは溶接３４ａなどによつて固定してい
る。

前記高性能フイルタ３２の保持部３１は第３図
に示すように手前側と、長手方向の奥側にも設け
られ、一対の保持部３１を形成している。

上記構成において高性能フイルタ３２は粗フイ
ルタ２７の真上にあつて、室内空気が粗フイルタ
２７で除塵されたのち、さらに高性能フイルタ３
２で微塵埃を除去する。また高性能フイルタ３２
は有効開口面積Ｌに対し、ほとんどの面積を占有
した大きさにしている。

こうした状態から、仮に高性能フイルタ３２を
メンテナンスをしたり、取替えなどをするとき
は、グリル枠２８をまず第１図に示すように点線
位置の垂直位置にまで開口する（化粧枠２４はそ
のまま）。そうして両側のネジ３７を２個取り去
り、そのまま高性能フイルタ３２を垂直に引出す
ことはグリル枠２８に当つて不可能であるから、
一旦右方向に90°角を矢印Ａのように回転させな
がら、かつ保持部３１側は（矢印Ｂ）上方へ上げ
ながらＱ面を下方向に向かわせてから垂直に引き
出すのである。

この結果、高性能フイルタ３２を取り出すとき
は、グリル枠２８を開口しても一旦保持した状態
にすることができる。そのあと、ネジ３７をはず
してから右側を下にするように（矢印Ａ）、そし
て高性能フイルタ３２を少し持ち上げるように
（矢印Ｂ）してダクト２３内で90°角を曲げてＱ面
を下にして垂直方向に引き出すことができるよう
にしたから、有効開口面積Ｌを十分に対応した高
性能フイルタ３２の大きさとすることが可能とな
るのである。

考案の効果 前記実施例の説明より明らかなように本考案
は、化粧枠の上方端の内側に折曲げた支持片を設
け、高性能フイルタの枠の一側端であつて前記支
え片と対応する保持片とを設けて両者を結合する
ことにより高性能フイルタを保持し、前記高性能
フイルタの幅を有効面積口にほぼ同じ大きさにす
るようにして着脱時は、一方側へ90°角の回転を
させながら着脱させるように形成したから、高性
能フイルタの容積は大きく構成することができ、
このことにより、吸込空気の損失抵抗を小さくす
ることができる。さらには従来のように着脱する
際に周囲に当るために高性能フイルタを小さくし
て、かつ遮蔽板を設けるという必要もなくなると
いう効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のフイルタ固定装置
の断面図、第２図は同フイルタ固定装置の要部拡
大断面図、第３図は同フイルタ固定装置の斜視
図、第４図は従来のフイルタ固定装置の断面図で
ある。 ２１……本体、２３……ダクト、２４……化粧
枠、２８……グリル枠、３１……保持枠、３２…
…高性能フイルタ、３３……支え片、３４……保
持片、３５……支え片穴、３６……保持片ねじ
穴、３７……固定ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略四角形状になつた化粧枠内に、グリルと粗フ
   イルタを取付け、かつ、開閉可能に設けたグリル
   枠を備え、前記化粧枠の上方端の内側に支え片を
   折りまげて形成されるとともに、前記化粧枠の上
   方に備えた高性能フイルタを保持し、前記支え片
   と重なり合う保持片とを備え、前記支え片には固
   定ねじが貫通する支え片穴と、前記保持片には固
   定ねじと螺合する保持片ねじ穴とを設けてなる天
   井埋込形空気調和機のフイルタ固定装置。