JPH05320619A - 難昇華性ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 - Google Patents

難昇華性ベンゾフェノン系紫外線吸収剤

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JPH05320619A
JPH05320619A JP12383592A JP12383592A JPH05320619A JP H05320619 A JPH05320619 A JP H05320619A JP 12383592 A JP12383592 A JP 12383592A JP 12383592 A JP12383592 A JP 12383592A JP H05320619 A JPH05320619 A JP H05320619A
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ultraviolet absorber
sublimation
temperature
resin
parts
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JP12383592A
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Yoshio Abe
喜夫 阿部
Naoki Tanaka
直樹 田中
Takayoshi Kamano
誉祥 鎌野
Katsuaki Okawa
勝昭 大川
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Osaka Seika Kogyo KK
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Osaka Seika Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来と比べて昇華温度が著しく高く、耐熱性を
備えた紫外線吸収剤を提供する。 【構成】次の一般式(A)で示される難昇華性ベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤。 (式中、R1 は水素又はC1 〜C4 のアルキル基、R2
は直鎖又は分岐した炭素数2〜10のアルキレン基を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はベンゾフェノン系紫外
線吸収剤において、特に高温において昇華性の少ない難
昇華性ベンゾフェノン系紫外線吸収剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より2、4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
などのベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、合成樹脂等の
有機物質に添加すれば紫外線による劣化を防ぐ効果が認
められていることから、フィルム材やシート材、容器、
包装材などの原材料であるポリプロピレン樹脂やポリエ
チレン樹脂などに添加して使用したり、ポリエステル繊
維を分散染料で染色するとき添加して繊維に染料と共に
吸収させて光堅牢度を向上させることで知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしポリエチレンテ
レフタレート(PET)樹脂やポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂で
薄いフィルムに化工するときや、ポリアミド、PC樹脂
を押出し化工するときの化工温度が例えば300℃以上
に上がる場合、昇華温度が200℃前後等である従来の
紫外線吸収剤では配合時や成型時に昇華が起り、添加濃
度の低下を起すほか、分散状態が不均一となるなどの点
で問題があった。これらの問題点は紫外線吸収剤のロス
による不経済に止まらず、樹脂の加工現場で色々なトラ
ブルの原因となる。例えば、PET樹脂、PBT樹脂や
PC樹脂などの加温混合時や、製品フィルムやシートの
成型時に、昇華した紫外線吸収剤の結晶が落下すると、
製品フィルムやシートの汚れとなる。この様な製造は連
続作業なので大量の不良品を出すことになり、大きな問
題である。
【0004】また一方、紫外線吸収剤はポリエステル繊
維を分散染料で染色する場合、製品の光堅牢度を向上さ
せるために、分散染料と共に、分散化させたものを使用
するが、上記の樹脂加工の場合と同様に、染料を熱固着
する工程で、紫外線吸収剤の蒸散が問題になり、初期の
目的が達せられず、また前述と同様に作業環境の問題も
生じる。
【0005】この発明の目的は耐熱性を備えた紫外線吸
収剤を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
鋭意検討した結果、次の一般式(A)で表した化合物が
従来のものと比較して著しく昇華温度が高く、高温での
耐熱堅牢度が大きく、紫外線吸収性能も十分保有し、し
かも簡単な合成法によって得られることを見出だした。
【0007】
【化3】 (式中、R1 は水素又はC1 〜C4 のアルキル基、R2
は直鎖又は分岐した炭素数2〜10のアルキレン基を示
す。)
【0008】本発明の難昇華性紫外線吸収剤を構造式で
例示すれば、
【化4】
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
【化15】 などが挙げられる。
【0020】なお、上記化合物の場合、アルキレン基R
2 の炭素数がC1 では従来の紫外線吸収剤と同様に昇華
温度が低く、耐熱堅牢性の点で好ましくない。アルキレ
ン基R2 の炭素数がC11より大きい場合は、昇華温度は
高く良い効果はあるが、この様に炭素数を多くしても一
層の好結果はなく、原料事情、製造面での取扱いが厄介
になって実益が少ない。
【0021】本発明の化合物は例えば下記の製法で簡単
に得られる。
【0022】本発明の出発原料は、次の一般式(B)
を、下記の反応式で示される様に、不活性有機溶剤中に
おいて脱酸剤の存在下、一般式X−R2 −Xと昇温下で
反応させることによって得られる。なお、式中、R1
水素又はC1 〜C4 のアルキル基、R2 は直鎖又は分岐
した炭素数2〜10のアルキレン基、Xはクロル原子、
ブロム原子、−OSO2 アリル基を示す。
【0023】
【化16】
【0024】
【化17】
【0025】ここで一般式(B)で示した2,4−ヒド
ロキシベンゾフェノン類としては、2、4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、4′−メチル−2,4−ジベンゾフ
ェノン、4′−エチル−2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノンなどが挙げられる。なお、これらの2,4−ジヒ
ドロベンゾフェノン類はX−R2 −Xと反応させる場
合、単独で使用するほか、2種以上を混合して使用する
こともできる。
【0026】2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンと反
応させるアルキル化剤としては、一般式X−R2 −Xで
示される化合物が用いられる。ここでXは塩素、臭素な
どのハロゲン原子やアリルスルフォネート基を示す。好
適なものとしては次の化合物が使用できる。例えば1,
3−ジブロモプロパン、1,3−ジクロロプロパン、
1,4−ジブロモブタン、1,4−ジクロロブタン、
1,5−ジブロモペンタン、1,5−ジクロロペンタ
ン、1,4−ジブロモペンタン、1,4−ジクロロペン
タン、1,6−ジブロモヘキサン、1,6−ジクロロヘ
キサン、1,8−ジブロモオクタン、1,8−ジクロロ
オクタン、1,10−ジブロモデカン、1,10−ジク
ロロデカン、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブ
ロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−5−クロロペン
タン、1−ブロモ−6−クロロヘキサン、1,3−ビス
(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−プロパン、
1,4−ビス(4メチルフェニルスルホニルオキシ)−
ブタン、2,3−ビス(4メチルフェニルスルホニルオ
キシ)−ブタン、1,6−ビス(4メチルフェニルスル
ホニルオキシ)−ブタン、1,10−ビス(4メチルフ
ェニルスルホニルオキシ)−デカンのグリコール類のビ
ストシレートである。
【0027】反応は脱酸剤の存在下に不活性の有機溶剤
中で加熱して行なうが、脱酸剤として、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、カセイソーダ、カセイカリウムのほ
か、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウムなどが使用できる。
【0028】不活性の有機溶剤は、アルキル化剤と反応
しないトルエン、キシレン、クロルベンゼン、シクロヘ
キサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、アセトフェノンや1,2−ジメトキシエ
タン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル類を挙
げることができる。トルエン、キシレンなど極性の小さ
い溶剤の場合、ジメチルホルムアミドを混合することに
より、反応は一段と加速される。好適な溶剤としては特
にメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げら
れる。
【0029】反応はアルキル化剤1モルに対し2−4−
ジヒドロキシベンゾフェノンを2モル、好ましくは2.
1モル程度使用し、脱酸剤と共に有機溶剤中で加熱す
る。このとき80〜150℃位に加熱するのが好まし
く、数時間で反応が完了する。反応が終了したら、冷却
してから、水を加え、複生する無機塩を溶解除去した
後、濾過することで粗製品が得られる。トルエン、キシ
レン、メタノール、イソプロパノールなどで再結して精
製品が得られる。
【0030】ところでこの紫外線吸収剤は、加工温度の
高いPET樹脂フィルムやPBT樹脂フィルム、PC樹
脂、不飽和ポリエステル等に好適であるが、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
アクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアミド、ポリウレタン、SBR、NBR、I
R、アルキド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂や、写真フィルム塗膜や塗料用など等に添加して
使用することもできる。また単独で使用する以外に、他
の公知のベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サ
リチル酸系等の紫外線吸収剤や酸化防止剤、光安定剤な
どと併用することもできる。また各種の乳化剤、可塑
剤、増量剤、潤滑剤、帯電防止材、難燃剤などと併用す
ることができる。
【0031】
【作用】この発明は前記一般式で示される紫外線吸収剤
であるので、従来と比べて昇華温度が著しく高く、高温
での耐熱堅牢度が大きい。従って、配合温度が例えば3
00℃を越えるPET樹脂やPC樹脂、PBT樹脂、ポ
リエステルフィルム等のに添加する場合でも、配合時に
昇華するおそれがなくなり、配合時に添加濃度の低下や
分散状態が不均一となるなどの問題が解消され、また配
合時や成型時に昇華した紫外線吸収剤の結晶が析出する
ことが防止されるので、高温安定性にすぐれた製造工程
を確保することができる。また高温使用時における耐熱
堅牢性が大であるので、紫外線吸収剤の適用範囲が更に
広がり、樹脂加工への応用のほか、塗料に混合したり、
染色加工等広範囲な用途に適用することができる。また
この化合物は簡単な合成により得ることができるので工
業的価値がきわめて大きい。
【0032】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。なお本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。文中、部
とあるのは特に断らないかぎり重量部を示す。
【0033】(実施例1)2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノンを214部を、メチルイソブチルケトン300
部、無水炭酸カリウム69部を100℃で加熱してお
き、この中に1,5−ジブロモペンタン115重量部を
逆流冷却下の130℃の条件下で反応させ、反応を完了
させる。次に100℃に冷却してから300部の水を加
え無機塩を溶解した後、油層を冷却濾過し、粗結晶を2
20部を得る。この粗結晶をトルエンで再結晶し、1,
5−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキ
シ)ペンタンの精製物を得る。
【0034】この化合物は外観が黄色の結晶であり、融
点148℃、最大吸収波長291、327mμであっ
た。
【0035】この化合物をDTA(示差熱分析)により
昇温速度20℃/min で昇華状態を試験した。図1は実
施例1のDTAチャートである。なお比較のため従来の
紫外線吸収剤2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン及び2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノ
ンについても試験した。その結果、比較例の化合物では
それぞれ165℃、190℃であるのに対し、本実施例
1では昇華開始温度341.9℃、昇華時間17.2mi
n で、昇華率は0.3%であった。これによりこの実施
例の化合物は昇華温度が従来に比して高く、昇華率が著
しく低いことが認められた。
【0036】(実施例2)実施例1において、1,5−
ジブロモペンタンの代りに1,6−ジブロモヘキサン2
20部を使用した以外は同じ条件で反応を行った。その
結果、粗製品として220部が得られ、これをトルエン
で再結晶し、1,6−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒド
ロキシフェノキシ)ヘキサンの精製物を得る。
【0037】この化合物の外観は白色であり、融点14
8.5℃であった。この化合物についてDTA(示差熱
分析)をした結果を図2に示す。図2よりこの実施例の
化合物では、昇華開始温度は332.5℃、昇華時間は
16.9min 、昇華率は0.3%であった。これにより
この実施例の化合物も昇華温度が従来に比して高く、昇
華率が著しく低いことが認められた。
【0038】(実施例3)実施例2において、1,6−
ジブロモヘキサンの代りに、1,6−ビス(トルエン−
4−スルホニルオキシ)ヘキサン200部を使用したほ
かは同様の条件で合成し、融点148℃の1,6−ビス
(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサ
ンを得る。
【0039】この化合物のDTA(示差熱分析)は、上
記実施例2と同様に、昇華開始温度は332.5℃、昇
華時間は16.9min 、昇華率は0.3%であった。こ
れによりこの実施例の化合物も昇華温度が従来に比して
高く、昇華率が著しく低いことが認められた。
【0040】(実施例4)2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン214部をシクロヘキサノン300部、無水炭
酸カリウム69部を100℃で攪拌しておき、この中に
1,4−ジクロロブタン64部、臭化カリウム10部を
加え、150〜155℃に加熱攪拌し、10時間反応を
続けた。その後冷却して濾過し、無機塩を除いてから、
減圧しながら溶剤を除去し、1,4−ビス(4−ベンゾ
イル−2−ヒドロキシフェノキシ)ブタンの粗結晶20
8部が得られた。これをトルエンを使用して再結晶し精
製物を得た。
【0041】この化合物は外観が淡黄色針状結晶であ
り、融点163.5℃、最大吸収波長288、327m
μであった。
【0042】この化合物をDTA(示差熱分析)により
前記実施例1と同様にして解析した結果、図3に示す様
に、昇華開始温度290.5℃であった。これによりこ
の実施例の化合物は昇華温度が従来に比して高く、昇華
率が著しく低いことが認められた。
【0043】(実施例5)2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン214部をシクロヘキサノン300部、無水炭
酸カリウム69部を100℃で攪拌しておき、この中に
1,4−ジブロムペンタン(bp2598℃)115部を
加えて、140〜150℃で5時間加熱攪拌した。反応
終了後、実施例4と同様に無機塩を除いてから、減圧
下、溶剤を除去した後、トルエンから再結晶を行い、
1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノ
キシ)ペンタンを200部、極淡黄色の微結晶で得られ
た。この化合物の融点は141℃、昇華開始温度は32
0℃であった。
【0044】(実施例6)実施例5において1,4−ジ
ブロムペンタンの代りに1,10−ジブロムデカン(m
p27℃)150部を使用した以外は同じ条件で反応を
行なった。その結果、粗製品として、1,10−ビス
(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)デカン
180部を得た。トルエンで再結晶を行い、淡黄色の板
状結晶(融点145℃)が得られた。このものをDTA
で示差熱分析した結果、昇華開始温度は342℃を示し
た。
【0045】(実施例7)実施例1において、1,5ジ
ブロモペンタンの代りに1,2−ジブロモエタン(bp
131℃)95部を使用した以外は同じ条件で反応を行
った。その結果、粗製品として1,2−ビス(4−ベン
ゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エタンが200部
得られた。これをトルエンで再結晶し、淡黄色の結晶
(融点182℃)が得られた。TGA分析(20℃/mi
n )での昇華開始温度は345℃であった。
【0046】(耐光性試験)本発明の化合物は、上述の
通り、昇華性が小さく、そのため優れた耐熱性を有す
る。すなわち過酷な加工条件下でも紫外線吸収剤として
の効果を減ずることがない。そこで、次に、通常行われ
ている押出し加工を高温で行ないその影響をみた。
【0047】以下の処方で示す配合により樹脂と添加剤
をスーパーミキサー(1500RPM)で2分間混合した後、同
方向2軸押し出し機でコンパウンドを作成した。なお押
し出し条件は、シリンダー温度200℃、ダイズ温度2
30℃、その時の樹脂温度が260℃、スクリューの回
転数250RPMである。また同条件で8回押し出しを
繰り返した後のコンパウンドも作成した。
【0048】 ポリプロピレン(ホモポリマー)ML.8 100部 ステアリン酸カルシウム 0.1部 ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4− ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 0.1部 ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート) 0.2部 紫外線吸収剤 0.3部 次にこれらのコンパウンドを用いて射出成形して試験片
を作成し、高温水銀ランプで耐光性試験を行なった。射
出成形条件はシリンダー温度220℃、ノズル温度23
0℃、射出圧1200 kg/cm2 である。
【0049】表1はその結果を示す。なお比較のため2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンを紫外線
吸収剤とした場合についても同条件下で試験片を作成
し、同様に耐光性試験をした。
【0050】
【表1】
【0051】表1から本発明の紫外線吸収剤が比較例に
比して紫外線吸収性能として優れており、また繰り返し
の過酷な加工条件下でも熱安定性に優れていることが認
められる。
【0052】
【発明の効果】以上の通り、この発明の紫外線吸収剤
は、従来と比べ昇華温度が著しく高く、高温での耐熱堅
牢度が大きい。従って、配合温度が例えば300℃を越
えるPET樹脂やPC樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂
に添加する場合でも、配合時に昇華するおそれがなくな
り、配合時に添加濃度の低下や分散状態が不均一となる
などの問題が解消され、また配合時や成型時に昇華した
紫外線吸収剤の結晶が析出することが防止されるので、
高温安定性にすぐれた製造工程を確保することができ
る。また高温使用時における耐熱堅牢性が大であるの
で、紫外線吸収剤の適用範囲が更に広がり、広範囲な用
途に適用することができる。またこの化合物は簡単な合
成により得ることができるので工業的価値がきわめて大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のDTAチャートである。
【図2】実施例2のDTAチャートである。
【図3】実施例4のDTAチャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(A)で表される難昇華性ベン
    ゾフェノン系紫外線吸収剤。 【化1】 (式中、R1 は水素又はC1 〜C4 のアルキル基、R2
    は直鎖又は分岐した炭素数2〜10のアルキレン基を示
    す。)
  2. 【請求項2】次の一般式(B)で表される2,4−ジヒ
    ドロキシベンゾフェノンを不活性有機溶剤中において脱
    酸剤の存在下、一般式X−R2 −Xと昇温下で反応させ
    ることを特徴とする請求項1記載の難昇華性ベンゾフェ
    ノン系紫外線吸収剤の製造方法。 【化2】 (式中、R1 は水素又はC1 〜C4 のアルキル基、R2
    は直鎖又は分岐した炭素数2〜10のアルキレン基、X
    はクロル原子、ブロム原子、−OSO2 アリル基を示
    す。)
JP12383592A 1992-05-15 1992-05-15 難昇華性ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 Pending JPH05320619A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6495622B1 (en) 1999-11-29 2002-12-17 Ciba Specialty Chemicals Corporation Dimeric light stabilizers for polyolefines and polyolefine copolymers
JP2013512558A (ja) * 2009-11-27 2013-04-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア Uv安定化封止材を有する光起電モジュール
CN118388880A (zh) * 2024-05-06 2024-07-26 安徽和盛新材料科技有限公司 一种聚丙烯色母粒及其制备方法

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