JPH05320187A - 治療用ヌクレオシド化合物 - Google Patents

治療用ヌクレオシド化合物

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JPH05320187A
JPH05320187A JP3216700A JP21670091A JPH05320187A JP H05320187 A JPH05320187 A JP H05320187A JP 3216700 A JP3216700 A JP 3216700A JP 21670091 A JP21670091 A JP 21670091A JP H05320187 A JPH05320187 A JP H05320187A
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JP3216700A
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Saad George Rahim
ジョージ ラヒム サード
Mirjana V Bogunovic-Batchelor
ブラディミラ ボグノビック−バッチェロー ミアジャナ
George Edward Tranter
エドワード トランター ジョージ
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Wellcome Foundation Ltd
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
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    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
    • C07H19/06Pyrimidine radicals

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ヒト免疫不全ウィルス感染症の治療に有用な
化合物の提供。 【構成】 式(I)で示される3′−フルオロヌクレオ
シド類似化合物、その医薬用途、特にヒト免疫不全ウィ
ルス及びB型肝炎ウィルスの感染症の治療もしくは予
防、その製造法、並びにそれを含有する製剤。 〔式中、Rは、C1〜4アルキルチオメチル、C
1〜4アルコキシメチル、シアノメチル、アジドメチ
ル、モノ−、ジ−またはトリ−ハロメチル、ニトロ、2
−ハロアルキニル、アミノメチル、C1〜4アルコキシ
あるいはC1〜4アルキルチオ基を表わす〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、或る群の3′−フルオ
ロヌクレオシド類縁体、その医薬として許容される誘導
体、およびこれらの類縁体および誘導体化合物を、治
療、特に或る種のウィルス感染の処置または予防に、使
用することに関するものである。
【0002】
【従来技術】最近、特に重要であると見做されているウ
ィルスの1群にレトロウィルスがある。レトロウィルス
はRNAウィルスのサブグループを構成しており、複製
するためには、それらのゲノムのRNAをDNAに、先
ず「逆転写」しなければならない(「転写」はDNAか
らのRNAの合成を意味するものとして慣用されてい
る)。DNAの形成において、ウィルスゲノムをホスト
細胞ゲノム中に組込むことができたならば、複製の目的
に係るホスト細胞の転写/翻訳の利点が得られる。組込
まれると、このウィルスDNAは、ホストDNAとほと
んど区別できなくなり、この状態で、ウィルスは、細胞
が生きているかぎり、生き続けることができる。
【0003】レトロウィルスの1種である、ヒト免疫不
全ウィルス(HIV)は、後天性免疫不全症候群(AI
DS)の人間またはしばしばAIDSに進行する症候を
有する人間から、複製可能で単離されている。AIDS
は、対象を胎児日和見感染しやすくする、免疫抑制性も
しくは免疫不全性の疾患である。特徴的に、AIDS
は、T−細胞、特にOKT表面マーカーを有するヘル
パーインデューサブセットの漸進的枯渇を付随する。H
IVは、細胞変性であり、OKTマーカーを有するT
−細胞に好んで感染し、これを破壊する。従って、HI
VはAIDSの病因体であることが、現在一般に認めら
れている。
【0004】HIVがAIDSの病因体であることが発
見されて以来、AIDSの処置に有効であることができ
る抗−HIV化学治療剤に関して多大の提案がなさてい
る。すなわち、たとえば、ヨーロッパ特許衝19618
5明細書には、3′−アジド−3′−デオキシチミジン
(この化合物はジドバジン〔ZidoVudine〕の
名前で認められている)、その医薬として許容される誘
導体、およびこれらの化合物を、AIDSおよび関連臨
床症状を含むヒトレトロウィルス感染の処置に使用する
ことが記載されている。HIV感染の処置に示唆されて
いる、その他のヌクレオシド誘導体には、たとえばヨー
ロッパ特許No0254268および国際特許明細書8
8/0050に記載の3′−フルオロヌクレオシド化合
物が包含される。
【0005】世界的に極めて重要であるウィルス病原体
のもう一つの群に、肝炎ウィルス、特にB型肝炎ウィス
ル(HBV)がある。HBVは、アジア諸国で最も一般
的であり、アフリカサハラ地域にも広く流行している。
このウィルスは、病因学的に、原発性肝細胞癌に関連し
ており、全世界の肝癌の80%を発症させていることが
報告されている。米国においては、1万人以上の人々
が、毎年、HBV疾患で入院しており、平均250人が
激症疾患で死亡している。米国では、近年、推定して5
00,000〜1,000,000人の感染キャリヤが
存在している。慢性の活性肝炎がキャリヤの25%以上
において発症しており、しばしば癌にまで進行してい
る。米国では、毎年、5000人がHBV関連硬変によ
って死亡しており、また多分、1000人がHBV関連
肝癌によって死亡している。従って、慢性感染をコント
ロールし、そして肝細胞癌への進行を減少させる効果的
な抗ウィルス剤が、極めて求められている。
【0006】HBVによる感染の臨床症状は、頭痛から
発熱、倦怠感、はき気、嘔吐、食欲不振、および腹痛の
範囲にわたる。このウィルスの複製は、通常、人間にお
いて数週間または数ヶ月の回復持続期間で、免疫応答に
よりコントロールされるが、感染が重篤であると、前記
に概述したように、永続する慢性肝疾患を導く。「Vi
ral Infections of Humans」
(第2版、Evans,A.S.編集、(1982
年)、Plenum Publishing Corp
oration,New York)の第2章には、ウ
ィルス性肝炎感染症の病因が記載されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による、ここに、
以下に示す3′−フルオロ−2′,3′−ジデオキシヌ
クレオシド化合物がHIVなどのレトロウィルスおよび
HBVに対して強力な活性を有することが驚くべきこと
に見い出された。
【0008】従って、本発明に従い、下記の式Iに示さ
れる3′−フルオロ−2′,3′−ジデオキシヌクレオ
シド化合物またはその医薬として許容される誘導体を、
レトロウィルス感染、特にヒト免疫不全ウィルス感染ま
たはB型肝炎ウィルス感染の処置または予防用の医薬の
製造に使用することが提供される:
【化8】 式中、Rは、Cアルキルチオメチル(たとえ
ば、メチルチオメチルまたはエチルチオメチル)、C
アルコキシメチル(たとえば、メトキシメチル、エ
トキシメチル)、シアノメチル、アジドメチル、モノ
−、ジ−またはトリ−ハロメチル(たとえば、トリフル
オロメチル)、ニトロ、2−ハロアルキニル(たとえ
ば、2−クロロエチニル)、アミノメチル、C
ルコキシ(たとえば、メトキシ)、あるいはC
ルキルチオ(たとえば、メチルチオ)基を表わす。
【0009】以下の記載において、式(I)で示される
化合物およびそれらの医薬として許容される誘導体を、
本発明に係る化合物と記する。
【0010】本明細書において、「アルキル」の用語
は、直鎖状または分枝鎖状アルキル基を表わすものとし
て使用する。
【0011】本発明は、もう一つの態様において、人間
を包含する哺乳動物のウィルス感染、特にレトロウィル
スまたはB型肝炎ウィルス感染の処置方法を包含し、こ
の方法は、本発明に係る化合物の抗ウィルス有効量で噛
乳動物を処置することよりなる。
【0012】式(I)において、Rがアジドメチルま
たはアミノメチルである化合物は、東ドイツ国特許出願
DD268475に記載されており、この特許出願で
は、これらの化合物がウィルス抑制剤であることが記載
されている。
【0013】式(I)において、Rがメチルチオメチ
ル、メトキシメチルまたはトリフルオロメチルである化
合物は、ヨーロッパ特許出願No.0322384の記
載に一般的に包含されているが、ここには、具体的には
記載されていない。本発明によって、これらの化合物
が、特に強力な抗−HIV活性を包含する有利な性質を
示すことが見い出された。この発見にもとづいて、HI
V関連症状の処置にこれらの化合物を使用することは、
本発明のさらに別の態様を構成する。
【0014】ヨーロッパ特許No.0254268に
は、式(I)において、Rがブロモメチルを表わす化
合物が、或る種の3′−フルオロヌクレオシド化合物を
製造するための中間体として記載されているが、この化
合物の医療用途は、全く記載されていない。
【0015】式(I)において、RがCアルキ
ルチオメチルまたはCアルコキシメチルである化
合物はまた、本発明に包含される。
【0016】本発明はさらに、下記の式(IA)で示さ
れる3′−フルオロ−2′,3′−ジデオキシヌクレオ
シド化合物、またはその医薬として許容される誘導体
を、特にウィルス感染、特にレトロウィルスおよびB型
肝炎ウィルス感染の処置または予防に、医療で使用する
ことを包含する。
【化9】 式中、RはCアルキルチオメチル(たとえば、
メチルチオメチルまたはエチルチオメチル)、C
アルコキシメチル(たとえば、メトキシメチル、エトキ
シメチル)、シアノメチル、モノ−、ジ−またはトリ−
ハロメチル(たとえぼ、トリフルオロメチル)、ニト
ロ、2−ハロアルキニル(たとえば、2−クロロエチニ
ル)、Cアルコキシ(たとえば、メトキシ)ある
いはCアルキルチオ(たとえば、メチルチオ)基
を表わす。
【0017】本発明に従い処置することができるレトロ
ウィルス感染の例には、HIV−I、HIV−2および
ヒトT−細胞好リンパ球ウィルス(HLTV)、たとえ
ばHTLV−IまたはHTLV−II感染が含まれる。
【0018】本発明に係る化合物は、レトロウィルス感
染に付随する臨床症状、たとえばAIDS、カポジ肉
腫、血小板減少性紫斑症、AIDS関連複合症候群(A
RC)、進行性全身リンパ節障害(PGL)の処置に、
およびHIV−抗体を有する患者またはHIVウィルス
に対して血清反応陽性の人、ならびに慢性神経症、たと
えば多発性硬化症または部分的けいれん性不全対マヒ症
の処置にも有用である。
【0019】本発明に係る化合物はまた、レトロウィル
スと同様に、ウィルスの生命サイクル期間中にホストゲ
ノム中に入り込む、DNAウィルス、すなわちB型肝炎
ウィルスなどのDNAウィルスによる感染の処置または
予防にも使用することができる。従って、本発明によっ
て、このようなレトロウィルス類似のウィルスによって
生じる感染の処置または予防に使用するための化合物が
また、提供される。
【0020】本発明はさらにまた、下記の式(IB)で
示される化合物あるいはその医薬として許容される誘導
体を、新規化合物として提供する:
【化10】 式中、RはCアルキルチオメチル(たとえば、
メチルチオメチルまたは、エチルチオメチル)、C
アルコキシメチル(たとえば、メトキシメチル、エト
キシメチル)、シアノメチル、モノ−、ジ−またはトリ
−ハロメチル(ただし、ブロモメチルは除く、たとえば
トリフルオロメチル)、ニトロ、2−ハロアルキニル
(たとえば、2−クロロエチニル)、Cアルコキ
シ(たとえば、メトキシ)およびCアルキルチオ
(たとえば、メチルチオ)を表わす。
【0021】上記式(IB)で示される化合物の例に
は、下記の式(IC)で示される化合物またはその医薬
として許容される誘導体が包含される:
【化11】 式中、Rはシアノメチル、ジ−ハロメチル、ニトロ、
2−ハロアルキニル(たとえば、2−クロロエチニ
ル)、Cアルコキシ(たとえば、メトキシ)およ
びCアルキルチオ(たとえば、メチルチオ)基を
表わす。
【0022】上記式(IB)で示される化合物の中の別
の例には、下記の式(ID)で示される化合物およびそ
の医薬として許容される誘導体が含まれる:
【化12】 式中、Rはシアノメチル、ニトロ、2−ハロアルキニ
ル(たとえば、2−クロロエチニル)、Cアルコ
キシ(たとえば、メトキシ)およびCアルキルチ
オ(たとえば、メチルチオ)基を表わす。
【0023】上記式(I)、(IA)、(IB)、(I
C)および(ID)は、ケト互変異性体の化合物を示し
ている。これらの化合物がまた、相当するエノール互変
異性体形態で存在できることは明白である。
【0024】式(IB)で示される化合物の中の好まし
い化合物は、RがCアルキルチオメチルまたは
アルコキシメチルを表わす化合物あるいはその
医薬的に許容される誘導体が包含される。
【0025】式(IB)で示される化合物の中の特に好
ましい化合物には、下記の化合物が包含される:(1)
2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロ−5−メトキ
シメチルウリジン(2)2′,3′−ジデオキシ−3′
−フルオロ−5−エトキシメチルウリジン(3)2′,
3′−ジデオキシ−3′−フルオロ−5−メチルチオメ
チルウリジン。
【0026】「医薬として許容される誘導体」の用語
は、式(I)で示される化合物の、医薬として許容され
る塩、エステルまたはこのようなエステルの塩、あるい
は受容者に投与されると、(直接的に、または間接的
に)、当該化合物、または抗ウィルス活性の代謝物ある
いはその残基を提供することができるその他の化合物の
いずれをも、意味するものとする。
【0027】式(I)で示される化合物の好ましいエス
テルは、カルボン酸エステルであり、このエステル基の
カルボニルでない部分は直鎖状または分枝鎖状アルキル
(たとえば、メチル、n−プロピル、n−ブチルまたは
t−ブチル)、アルコキシアルキル(たとえば、メトキ
シメチル)、アラルキル(たとえば、ベンジル)、アリ
ールオキシアルキル(たとえば、フェノキシメチル)、
アリール(たとえば、置換基として、ハロゲン、C
アルキルまたはCアルコキシあるいはアミノを
有していてもよいフェニル)から選ばれるエステル;ス
ルホネートエステル、たとえばアルキル−またはアルキ
ルアリ−ル・スルホニル(たとえば、メタンスルホニ
ル);アミノ酸エステル(たとえば、L−バリルまたは
L−イソロイシル);およびモノ−、ジ−またはトリ−
ホスフェートエステルを包含する。これらのエステルに
おいて、別段の記載がないかぎり、存在するアルキル部
分はいずれも、有利には、炭素原子1〜18個、特に炭
素原子1〜4個を有する。これらのエステル中に存在す
るアリール部分はいずれも、有利には、フェニル基より
なる。上記化合物のいずれかを示す記載はいずれも、そ
の医薬として許容される塩を包含するものとする。
【0028】式(I)で示される化合物およびその医薬
として許容される誘導体の医薬として許容される塩は、
塩基塩、たとえばアルカリ金属(たとえば、ナトリウ
ム)、アルカリ土類金属(たとえば、マグネシウム)、
アンモニウムおよびNX (ここで、XはC
ルキルである)などの適当な塩基から誘導される塩を包
含する。水素原子またはアミノ基の生理学的に許容され
る塩は、有機カルボン酸、たとえば酢酸、乳酸、酒石
酸、マレイン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸および
コハク酸の塩;有機スルホン酸、たとえばメタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp
−トルエンスルホン酸の塩、および無機酸、たとえば塩
酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸の塩を包含す
る。ヒドロキシル基を有する化合物の生理学的に許容さ
れる塩は、適当はカチオン、例えばNa、MH
よびNX (ここで、XはCアルキル基であ
る)と組合されている該化合物のアニオンを包含する。
【0029】本発明による化合物は、前記感染または症
状を処置するための、別の治療剤と組合せて使用するこ
とができる。このような別種の治療剤の例は、HIV感
染または関連症状の処置の有効な薬剤、たとえば3′−
アジド−3′−デオキシチミジン(ジドバジン)、その
他の2′,3′−ジデオキシヌクレオシド類(たとえ
ば、2′,3′−ジデオキシシチジン、2′,3′−ジ
デオキシアデノシンおよび2′,3′−ジデオキシイノ
シン)、カルボヴィール(Carbouir)、アクリ
ル系ヌクレオシド類(たとえば、アシクロヴィール)、
2′,3′−ジデヒドロチミジン、インターフェロン類
(たとえば、α−インターフェロン)、腎臓排泄抑制剤
(たとえば、プロベニシド)、ヌクレオシド運搬抑制剤
(たとえば、ジピリダモール)、ならびに免疫調節剤
(たとえば、インターロイキンIIおよび顆粒球マクロ
ファージコロニイ刺激因子)、エリスロポエチン、ホス
ホノギ酸および可溶性CDおよびその遺伝子工学誘導体
を包含する。これらの組合せ治療用の成分化合物は、分
離したまたは組合せ配合されている、製剤として同時
に、あるいは組合せ効果が得られるように、異なる時機
に、たとえば順次的に、投与することができる。
【0030】本明細書において、活性成分の用語でも表
わされている、本発明の化合物は、経口、直腸、鼻、局
所(口腔内および舌下を含む)、膣、非経口(皮下、筋
肉内、静脈内および皮内を含む)および肺を包含するい
ずれか適当な経路で投与することができる。好適経路
は、受容者の状態および年令、感染の種類および選ばれ
る活性成分によって変わることは認識される。
【0031】一般に、前記に挙げたウィルス感染、たと
えばHIV、HBVに対する適当な抗ウィルス投与量は
それぞれ、0.5〜120mg/受容者の体重kg/日
の範囲、好ましくは1〜90mg/体重kg/日の範
囲、最も好ましくは2〜60mg/体重kg/日の範囲
である。望ましい投与量は、好ましくは、1日を通して
適当な間隔で、2回、3回、4回、5回、6回または7
回以上に分けて投与する。これらの分割投与量は、単位
投与形態、たとえば単位投与形態1個当りで、活性成分
1〜1500mg、好ましくは5〜1000mg、最も
好ましくは10〜700mgを含有する単位投与形態で
投与することができる。
【0032】理想的には、活性成分は、約0.25〜約
100μM、好ましくは約0.5〜70μM、最も好ま
しくは約1〜約50μMの活性化合物ピーク血漿濃度が
得られるように投与されるべきである。これは、たとえ
ば場合により塩類溶液中の、活性成分の0.1〜5%溶
液を静脈注射することにより、あるいは、たとえば活性
成分約0・5〜約100mg/kgを含有する錠剤、カ
プセルまたはシロップを、経口投与することにより、達
成することができる。望ましい血中レベルは、連続灌流
によって、約0.01〜約5.0mg/kg/時間を得
るか、または活性成分約0.4〜約15mg/kgを含
有する間渇的灌流によって、維持することができる。
【0033】活性成分は単独で投与することができる
が、上記定義のとおりの活性成分の少なくとも1種を、
調剤用のI種または2種以上の医薬的に許容される担体
および任意に、別種の治療剤とともに含有する医薬組成
物として存在させると好ましい。担体はそれぞれ、組成
物中のその他の成分と両立することができ、かつまた患
者に対して有害ではないという観点で、「許容されう
る」ものでなければならない。組成物は、経口、直腸、
鼻、局所(口腔および舌下を含む)、膣または非経口
(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投与に適す
るものを包含する。これらの組成物は、単位投与形態で
都合良く提供することができ、調剤技術で周知の方法の
いずれによっても調製することができる。このような方
法は、1種または2種以上の補助成分を構成する担体と
活性成分とを一緒にする工程を包含する。一般に、これ
らの組成物は、液状担体または微粉砕した固形担体ある
いはその両方と、活性成分とを、均一にかつまた均質に
配合し、次いで必要に応じて、生成物を成形することに
よって調製される。
【0034】経口投与に適する本発明の組成物は、カプ
セル、カシェ剤または錠剤のような、予め定められた量
の活性成分を含有する分離した単位として、粉末または
顆粒として、水性あるいは非水性液体中の溶液または懸
濁液として、あるいは水中油型液体エマルジョンまたは
油中水型液体エマルジョンとして提供することができ
る。活性成分はまた、塊剤、舐剤またはペーストとして
提供することもできる。
【0035】錠剤は、任意に、1種または2種以上の補
助成分とともに、圧縮または成型することによって製造
することができる。圧縮錠剤は、任意に結合剤(たとえ
ば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース)、滑剤、不活性稀釈剤、保存剤、崩壊剤(た
とえば、ナトリウムデンプングリコレート、交さ結合ポ
ビドン、交さ結合ナトリウムカルボキシメチルセルロー
ス)、界面活性剤または分散剤と混合されている、粉末
または顆粒のような自由流動形の活性成分を、適当な機
械で圧縮することによって製造することができる。成型
錠剤は、不活性液状稀釈剤で湿らせた粉末状化合物の混
合物を、適当な機械で成型することによって製造するこ
とができる。錠剤は、所望により、被覆することがで
き、または刻み目を入れることができ、またその中の活
性成分がゆっくりと、または制御されて放出されるよう
に、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロースを、
所望の放出様相が得られるように割合を変えて使用して
調剤することもできる。所望により、錠剤は、腸溶被覆
を有することができ、これによって、胃よりも腸の部分
で放出させるようにすることができる。
【0036】口内に局所投与するのに適する製剤は、風
味付与した基剤、通常ショ糖およびアラビアゴムまたは
トラガカント中に活性成分を含有するトローチ剤、ゼラ
チンおよびグリセリン、あるいはショ糖およびアラビア
ゴムなどの不活性基剤中に活性成分を含有するパスチ
ル、および適当な液状担体中に活性成分を含有する口腔
洗浄剤を包含する。
【0037】本発明に係る局所投与用医薬組成物は、軟
膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、ペースト、
ゲル、スプレイ、エアゾルまたは油状物として調剤する
ことができる。別様には、組成物は、活性成分および任
意に、1種または2種以上の助剤または稀釈剤を含浸さ
せたバンドエージまたは接触性プラスターなどの包帯状
物であることができる。使用できる担体は、たとえばポ
リエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグ
リセロールなどの多価アルコールを包含する。適当な助
剤は適当であることが当業者に知られているものであ
る。
【0038】直腸投与用組成物は、たとえばカカオ脂ま
たはサリシレートを含む適当な基材を用いる坐薬として
提供することができる。
【0039】膣投与に適する組成物は、活性成分に加え
て、適当であることが当業者に知られている担体を含有
する、ペッサリイ、タンポン、クリーム、ゲル、フォー
ムまたはスプレイ製剤として、提供することができる。
【0040】非経口投与に適する組成物は、酸化防止
剤、緩衝剤、静菌剤および組成物を意図する受容者の血
液を等張にする溶質を含有することができる、水性およ
び非水性の等張殺菌注射溶液、および分散剤および増粘
剤を含有することができる水性または非水性の殺菌懸濁
液、およびまた、活性化合物が血液成分または1種また
は2種以上の器管に目標を定めて投与されるようにデザ
インされているリポゾームまたはその他の微粒子系を包
含する。これらの組成物は、単位投与量または多回投与
量を含有する、密封容器、たとえばアンプルおよびバイ
アルとして提供することができ、また使用の直前に、無
菌液体担体、たとえば注射用水を添加する必要があるだ
けである、凍結乾燥(真空凍結乾燥)状態で保存するこ
とができる。その場で注射できる溶液および懸濁液は、
前記の種類の、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製す
ることができる。
【0041】好適な単位投与製剤は、活性成分を一日薬
用量で、または前記したように、一日分割投与量で、あ
るいはその適当な一部分の量で含有するものである。
【0042】本発明の組成物は、特に前記した成分に加
えて、対象製剤のタイプに関連して、当技術で慣用のそ
の他の成分を含有することができ、たとえば、経口投与
に適する製剤は、甘味剤、増粘剤および風味付与剤など
の追加の成分を含有することができるものと理解される
べきである。
【0043】本発明に係る化合物はまた、動物用組成物
の形態で使用するために提供することができ、このよう
な組成物は、たとえば当技術で慣用の方法によって調製
することができる。
【0044】式(I)で示される化合物およびそれらの
医薬として許容される誘導体は、たとえば下記の方法に
よって、製造することができる。
【0045】(A)式(I)において、RがC
アルキルチオメチル、Cアルコキシメチル、シア
ノメチル、アジドメチル、モノ−、ジ−またはトリ−ハ
ロメチル、ニトロ、2−ハロアルキニルまたはアミノメ
チル基を表わす化合物を製造する場合に、式(II)
【化13】 式中、ORは保護されているヒドロキシ基であり、そし
てXは生成する式(I)の化合物中のRと同一の意味
を有する、で示される化合物から、保護基を分離する;
【0046】(B)式(I)において、RがC
アルコキシ基を表わす化合物を製造する場合に、式(I
V)
【化14】 式中、Yはヒドロキシ基である、で示される化合物を、
ウラシル塩基の5−ヒドロキシ基をアルキル化する作用
をする作用剤(1種または2種以上)と、そして(ある
いは)このような作用をする条件の下に、反応させる;
【0047】(C)式(I)において、RがC
アルキルチオ基を表わす化合物を製造する場合に、式
(IV)において、Yが脱離性基を表わす化合物を、5
−位置にCアルキルチオ基を導入する作用をする
作用剤(1種または2種以上)と、そして(または)こ
のような作用をする条件の下に、反応させる;
【0048】(D)式(V)
【化15】 式中、Rは前記定義のとおりであり、そしてZはフル
オロ基の前駆基を表わす、で示される化合物を、この前
駆基をフルオロ基に変換する作用をする作用剤(1種ま
た2種以上)と、そして(または)このような作用をす
る条件の下に、反応させる;
【0049】(E)式(VI)
【化16】 式中、Rは前記定義のとおりである、で示されるピリ
ミジン塩基またはその官能性同等物を、式(VI)で示
されるピリミジン塩基の1位置に所望のリボフラノシル
環を導入する作用をする化合物を反応させる;
【0050】その後で、または上記反応と同時的に、下
記の任意の変換のうちの1つまたは2つ以上を行なう:
(1)残留する保護基をいずれも、分離する;(2)式
(I)で示される化合物が生成される場合に、この化合
物をその医薬として許容される誘導体に変換する;
(3)式(I)で示される化合物の医薬として許容され
る誘導体が生成される場合に、この誘導体を式(I)で
示される化合物、またはその異なる誘導体に変換する。
【0051】本発明は、式(I)で示される化合物およ
びそれらの医薬として許容される誘導体の製造に係り前
記した方法に従う、式(IB)で示される化合物および
それらの医薬として許容される誘導体の製造方法を包含
する。
【0052】本発明に係る前記方法において、式(I
I)、(III)、(IV)、(V)および(VI)で
示される出発化合物、ならびに前記作用剤および条件
が、ヌクレオシド合成化学の技術で知られているものの
中から選択されることは明らかである。たとえば、次の
刊行物に記載されている。:Nucleic Acid
Chemistry:Improued New Sy
nthetic Procedures,Method
s and Techniques,L.B.Town
sendおよびR.S.Tipson著、Wiley
lnterscience(1978年)およびNuc
leoside Analoques:Chemist
ry:Biology and Medica1 Ap
plication,R・T・Walker,E de
ClercqおよびF・Eckstein著、NAT
O Aduanced Study Institut
ed,Plenum press(1979年)。これ
らの変換方法の例は、以下に指針として示すが、これら
の方法は、所望の式(I)で示される化合物によって、
慣用のやり方で変えることができるものと理解されるべ
きである。特に、記載されている変換が、別の点で、変
化しやすい基の望ましくない反応をもたらす場合には、
このような基は、慣用の方法で保護することができ、変
換の完了後に、この保護基を、引続いて分離することが
できる。
【0053】方法Aにおいて、保護されているヒドロキ
シ基(OR)は、たとえばエステル基、特にC
ルカノイルオキシ(たとえば、アセチルオキシ)または
アロイルオキシまたはアルカロイルオキシ(たとえば、
トルオイルオキシ)、あるいはアルコキシカルボニルオ
キシ(たとえば、メトキシカルボニルオキシ);あるい
はエーテル基、たとえばトリアルキルシリルオキシ(た
とえば、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、あるいは
アラルキロキシ基(たとえば、トリフェニルメチルオキ
シ);あるいはホスフェート基であることができる。
【0054】これらの基は、たとえば加水分解により、
所望のヒドロキシ化合物に変換することができる。特に
好適なヒドロキシ保護基は、アセチルオキシ基であり、
この基は、たとえばナトリウムメトキシド/メタノー
ル、水性メチルアミンまたはアンモニアのような塩基性
条件の下に、加水分解することができる。この基はま
た、たとえばエステラーゼにより、酵素により加水分解
することもできる。
【0055】もう一種の好適なヒドロキシ保護基は、t
−ブチルジメチルシリルオキシ基であり、この基は、た
とえば酸加水分解により、あるいはテトラブチルアンモ
ニウムフルオライド(TBAF)を用いて、分離するこ
とができる。
【0056】方法Aにおいて、式(II)において、X
がCアルキルチオメチル、Cアルコキシメ
チル、シアノメチル、アジドメチルまたはアミノメチル
である出発化合物は、適当には、式(III)
【化17】 式中、ORは前記定義のとおりであり、そしてLはヒ
ドロキシ以外の適当な脱離性基、たとえばハロ基(たと
えば、ブロモ)、アルキル−またはアリ−ルスルホニル
オキシ基(たとえば、トリフルオロメタンスルホニル、
メタンスルホニルまたはp−トルエンスルホニル)、あ
るいは二級非環状または環状アミノ基(たとえば、ジメ
チルアミノまたはピロリジニル)である、で示される化
合物から、代表的には、適当な親核性反応剤で処理す
る、たとえばXがアジドメチルである場合には、アセト
ンなどの極性溶媒中で高められた温度においてナトリウ
ムアジドで処理する、あるいはXがアミノメチルである
場合には、同一条件の下に、アンモニアで処理する、こ
とによって製造することができる。
【0057】式(II)において、XがCアルキ
ルチオメチル、たとえばメチルチオメチルである化合物
は、適当には、式(III)において、Lが前記定義
のとおりである、たとえばブロモ、メタンスルホニルま
たはピロリジニルである相当する化合物から、ナトリウ
ムチオメトキシドで処理することによって、製造するこ
とができる。同様に、式(II)において、XがC
アルコキシメチル、たとえばメトキシメチルまたはエ
トキシメチルである化合物は、式(III)においてL
が適当な脱離性基、たとえばブロモ、メタンスルホニ
ルまたはピロリジニルである化合物から、メタノールま
たはエタノールでそれぞれ処理することによって製造す
ることができる。
【0058】式(II)において、Xが1個または2個
以上のハロ原子により置換されているメチル基である化
合物は、適当には、たとえばMatulic Adam
ic等により、J・Med・Chem.31、1642
〜1647頁(1988年)に記載の方法によって、製
造することができる。
【0059】一例として、式(II)において、Xがハ
ロメチル基、たとえばフルオロメチルである化合物は、
好ましくは、式(III)において、Lが、たとえば
ブロモまたはヒドロキシである化合物、代表的にはL
がブロモである化合物から、室温において、極性溶媒、
たとえばアセトニトリル中で、フッ化銀などのフッ素化
剤で処理することによって、製造することができる。L
がヒドロキシである場合には、減じられた温度におい
て、不活性溶媒、たとえばジクロロメタン(DCM)の
存在の下に、ジエチルアミノサルファトリフルオライド
(DAST)などのフッ素化剤で処理する。
【0060】式(III)において、Lがヒドロキシ
である化合物は、適当には、式(III)において、L
がハロである化合物から、代表的に、塩基、たとえば
炭酸水素ナトリウム(NaHCO)の存在の下に、水
性有機溶媒、たとえば水性テトラヒドロフラン(TH
F)中で、室温において、製造することができる。
【0061】式(II)において、Xがジハロメチル
基、たとえばジフルオロメチルである化合物は、減じら
れた温度において、不活性溶媒、たとえばDCMの存在
の下に、DASTなどのフッ素化剤との反応によって、
式(II)において、Xがホルミル基である化合物のフ
ッ素化により製造することができる。この化合物それ自
体は、式(III)において、Lがヒドロキシである
化合物の酸化により、代表的には、室温において、不活
性溶媒、たとえばDCM中で、酸化剤、たとえばテトラ
プロピルアンモニウムパールテネート(TPAP)と、
補助酸化剤、たとえば4−メチルモルホリノ−N−オキ
シドを用いて反応させることにより、製造することがで
きる。式(III)において、Lがヒドロキシである
化合物は、前記のようにして製造することができる。
【0062】式(II)において、Xがトリハロメチル
基、たとえばトリフルオロメチル基である化合物は、好
ましくは式(II)において、Xが脱離性基、たとえば
ヨー素などのハロゲン原子である化合物を、高められた
温度において、極性溶媒、たとえばヘキサメチルホスホ
ルアミド中で、銅などの金属の存在の下に、相当するト
リハロメチル前駆化合物、たとえばヨードトリフルオロ
メタンで処理することによって、製造することができ
る。
【0063】式(II)において、Xがハロゲン原子で
ある化合物は、たとえばRobin等によってCan・
J.Chem・60、554頁(1982年)に記載さ
れている方法により、すなわち式(II)において、X
が水素である化合物を、たとえばDCM中で一塩化ヨー
素を用いてヨー素化することにより、あるいはたとえば
氷酢酸中で、臭素を用いて臭素化することにより、ある
いは、たとえば氷酢酸中で、ヨードベンゼンの塩素複合
化合物を用いて塩素化することにより、製造することが
できる。式(II)において、Xが水素である化合物
は、式(IV)において、Yが水素である化合物の5′
−位置を慣用の方法でブロッキングすることにより、た
とえばアシルブロッキング基の場合には、相当するアシ
ルハライド、たとえばクロライド、または酸無水物で処
理することによって、製造することができる。
【0064】式(IV)において、Yが水素である化合
物は、たとえばKowollick等によりJ・Pra
ckt・Chem.315(5)、895〜900頁
(1973年)に記載されているとおりにして製造する
ことができる。
【0065】式(III)において、ORが前記定義の
とおりであり、そしてLが、ヒドロキシ以外の適当な
脱離性基である化合物は、当技術で周知の方法によっ
て、たとえばLがハロゲンである場合には、式(I
I)において、Xがメチルである化合物を適当なハロゲ
ン化剤で処理することによって、たとえばLがブロモ
であるべき場合には、アゾビスイソブチロニトリルの存
在および紫外部光の照射の下に、N−ブロモスクシンイ
ミドで処理することによって、製造することができる。
【0066】式(III)において、Lがアルキル−
またはアリ−ルスルホニルオキシ基である化合物は、適
当には、式(III)において、Lがヒドロキシであ
る相当する化合物から、代表的には、塩基性条件の下
に、相当するスルホニルハライドで処理することによっ
て、たとえばLがメタンスルホニルであるべき場合に
は、メタンスルホニルクロライドで処理することによっ
て、製造することができる。式(III)において、L
がヒドロキシである化合物は、前記のとおりにして、
あるいは別法として、式(II)において、Xが水素で
ある化合物を、Kahilainen等の方法〔Act
a Chamica Scandinavian B.
39、477頁(1985年)〕に従いヒドロキシメチ
ル化することによって、製造することができる。
【0067】式(III)において、Lが二級アミノ
基である化合物は、Badman等の方法〔J.Che
m・Soc・Chem.Commun.1732頁(1
987年)〕に従い、式(II)において、Xが水素で
あり、そしてORがヒドロキシまたは保護されているヒ
ドロキシ基である化合物から、ホルミル化剤、たとえば
ホルムアルデヒドの存在の下に、相当するアミン、たと
えばジメチルアミンまたはピロリジンと反応させること
によって、製造することができる。
【0068】式(III)において、Lが二級アミノ
基である化合物中の基Lの脱離性は、このアミノ基の
窒素原子の四級化により、たとえば、代表的にアルコー
ル性溶媒、好ましくはメタノール中でヨー化メチルのよ
うなアルキルハライドと反応させ、このアミンの相当す
るメチオダイドを生成させることによって、改善するこ
とができる。
【0069】式(II)において、Xが水素またはメチ
ルであり、そしてORが保護されているヒドロキシ基で
ある化合物は、式(II)において、ORがヒドロキシ
である相当する化合物から、相当するアシルハライド、
たとえばクロライド、または酸無水物で処理し、相当す
るエステルを生成させるか、あるいは相当するアルキル
またはシリルハライドで処理し、相当するエーテルまた
はシリルエーテルを生成させることによって製造するこ
とができる。
【0070】式(II)において、Xが水素またはOR
であり、そしてORがヒドロキシである化合物は、たと
えばKowollick等によりJ.Prackt C
hem.315(5)、895(1973年)に記載さ
れているとおりにして製造することができる。
【0071】式(II)において、Xがニトロである化
合物は、好ましくは、HuangおよびTorrenc
eによって開示された方法〔J.Org.Chem.4
2(24)、3821頁(1977年)〕によって、す
なわち式(II)において、Xが水素であり、そしてR
がホスフェートなどのブロッキング基である化合物を、
不活性溶媒、たとえばスルホラン中で、室温において、
ニトロ化剤、たとえばニトロニウムテトラフルオロボレ
ートで処理することによって、製造することができる。
【0072】式(II)において、Xが水素である化合
物は、好ましくは、式(IV)において、Yが水素であ
る化合物の5′位置を慣用の方法でブロッキングするこ
とによって、たとえばホスフェートブロッキング基の場
合には、減じられた温度において、ホスフェート溶媒、
たとえばトリエチルホスフェートなどのホスホリル化剤
で処理することによって、製造することができる。
【0073】式(IV)において、Yが水素である相当
する化合物は、Kowollick等によって記載のと
おりにして(1973年)、製造することができる。
【0074】式(II)において、Xが2−ハロアルキ
ニルである化合物は、式(II)において、Xが相当す
る対称性1,2−ジハロビニル基である化合物の脱ハロ
ゲン化水素により、代表的には、室温で、ジクロロメタ
ンなどの不活性溶媒の存在の下に、1,8−ジアザビシ
クロ〔5・4.0〕ウンデクー7−エン(DBU)で処
理することによって、製造することができる。この1,
2−ジハロビニル前駆化合物は、好ましくは、式(I
I)において、Xが相当するエチニル基である化合物
を、室温で極性両性溶媒、たとえばジメチルスルホキシ
ド(DMSO)の存在の下に、臭素化剤、たとえばte
rt−ブチルブロマイドを反応させることによって、ジ
ハロゲン化することにより製造することができる。
【0075】式(11)で示される後者の化合物は、相
当するアルコール化合物の5′−ヒドロキシ基を、相当
するアシルハライド、たとえばクロライド、または酸無
水物により、室温でピリジンの存在の下に処理すること
によって、ブロッキングすることにより製造することが
できる。このアルコール化合物は、たとえばヨーロッパ
特許出願No88850370・3に記載のとおりにし
て、または同様の方法によって、製造することができ
る。
【0076】方法Bは、たとえばLin等によりJ・M
ed.Chem.31,336〜340頁(1988
年)に記載された方法により、すなわち式(IV)にお
いて、Yがヒドロキシである化合物を、室温で、塩基、
たとえば水性メタノール中の水酸化ナトリウムの存在の
下に、アルキルハライド、たとえばメチルブロマイドな
どのアルキル化剤で処理することにより、行なうことが
できる。
【0077】式(IV)において、Yがヒドロキシであ
る化合物は、適当には、式(IV)において、Yがハロ
ゲンである化合物を、たとえば室温で水性メタノール中
においてトリエチルアミンで処理することによって、ヒ
ドロキシル化することにより、製造することができる。
式(IV)で示される後者の化合物は、式(IV)にお
いて、Yが水素である化合物を、たとえば臭素を水性T
HF中で使用することによって、ハロゲン化することに
より、製造することができる。式(IV)において、Y
が水素である化合物は、前記のとおりに製造することが
できる。
【0078】方法Cは、式(IV)において、Yが適当
な脱離性基、たとえば塩化水銀である化合物を、このよ
うな脱離性基をCアルキルチオ基で置き換えるこ
とができるチオール化剤で処理することにより、たとえ
ばYが塩化水銀である場合には、メタノールのような極
性溶媒中で、パラジウム触媒、たとえばリチウムパラジ
ウム−テトラクロライド(LiPdCl)の存在の
下に、Cジアルキルジスルフィドで処理すること
によって、行なうことができる。
【0079】式(IV)において、Yが脱離性基である
化合物は、式(IV)において、Yが水素である化合物
から製造することができ、たとえば、Yが塩化水銀であ
る場合には、溶媒、たとえば水中で、高められた温度に
おいて、塩化ナトリウムなどのクロライド塩の存在の下
に、酢酸水銀で処理することによって、製造することが
できる。
【0080】式(IV)において、Yが水素である化合
物は、前記のとおりに製造することができる。
【0081】方法(D)に関して、この方法は、たとえ
ば式(V)において、Zが脱離性基、たとえばヒドロキ
シまたはメタンスルホニルオキシあるいはトリフルオロ
メタンスルホニルオキシのような有機スルホニルオキシ
を表わす化合物を、相当するフッ素化剤、たとえばジエ
チルアミノサルファトリフルオライド、フッ化カリウ
ム、フッ化水素カリウム、またはテトラ−n−ブチルア
ンモニウムフルオライドで処理することによって、行な
うことができる。
【0082】方法(E)は、たとえば式(IV)で示さ
れるピリミジン塩またはその保護されている誘導体を、
たとえば相当するペントシル運搬酵素、あるいはトリメ
チルシリルトリフルオロメタンスルホネートのような有
機触媒の存在の下に、緩衝されている水溶液中で、3′
−デオキシ−3′−フルオロチミジンで処理することに
より、行なうことができる。
【0083】別法として、式(IV)において、R
前記定義のとおりである化合物あるいはその塩またはそ
の保護されている誘導体は、当技術で周知の方法によ
り、たとえばNucleoside Analogue
s:Chemistry,Bio1ogy,Medic
al Application,R.T.Walke
r,E・de C1ercqおよびF・Eckstei
n著、NATO Advanced Study In
stituted,Plenum Press(197
9年)から周知の方法により、2′,3′−ジデオキシ
−3−フルオロリボースの適当に活性化されている誘導
体と、化学的にカップリングさせることができる。適当
に活性化されている2′,3′−ジデオキシ−3−フル
オロリボース誘導体は、日本国特許出願No.JPO
129390に記載のAsahi Glassの方法に
従い製造することができる。式(IV)において、R
が前記定義のとおりである化合物、あるいはその塩また
はその誘導体は、相当するR置換基を有する式(I)
で示される化合物に係り、方法(A),(B)または
(C)に記載の方法と同様の方法により製造することが
できるか、あるいは市販されている。
【0084】式(I)で示される化合物は、相当するエ
ステル化剤、たとえば酸ハライドまたは酸無水物との反
応によって、その医薬として許容されるエステルに変換
することができる。そのエステルを包含する、式(I)
で示される化合物は、慣用の方法により、たとえば相当
する塩基で処理することにより、その医薬として許容さ
れる塩に変換することができる。式(I)で示される化
合物のエステルまたは塩は、たとえば加水分解により、
親の化合物に変換することができる。
【0085】
【実施例】次例は本発明を説明するだけのものと解釈さ
れるべきであり、本発明の範囲をいずれの方法でも制限
しようとするものではない。これらの例において使用さ
れているものとして、「活性剤」の用語は、式(I)で
示される化合物またはその医薬的に許容される誘導体を
意味するものとする。
【0086】本発明のさらに別の態様に従い、a)治療
に使用するための、式(I)で示される化合物またはそ
の医薬として許容される誘導体;b)式(IA)または
式(IB)で示される化合物あるいはその医薬として許
容される誘導体を、調剤用の医薬的に許容される担体と
ともに含有する医薬組成物;c)レトロウィルス感染、
特にヒト免疫不全ウィルスあるいはB型肝炎ウィルス感
染の処置または予防用の医薬の製造において、式(I
A)または式(IB)で示される化合物あるいはその医
薬として許容される誘導体を使用すること;d)式(I
A)または式(IB)で示される化合物、あるいはその
医薬として許容される誘導体の抗ウィルス有効量で、哺
乳動物を処置することよりなる、人間を含む哺乳動物に
おけるウィルス感染、特にレトロウィルスまたはB型肝
炎ウィルス感染の処置または予防方法。
【0087】
【実施例】次例は本発明を説明するために示すものであ
り、本発明を制限しようとするものではない。
【0088】例1a)2′,3′−ジデオキシ−3′−
フルオロ−5−メチル−5′−O−(tert−ブチル
ジフェニルシリル)ウリジン2′,3′−ジデオキシ−
3′−フルオロ−5−メチルウリジン(15g、0.0
6モル)およびtert−ブチルクロロジフェニルシラ
ン(19.2ml)の、乾燥DMF(210m1)中の
撹拌溶液に、窒素雰囲気の下に、イミダゾール(8.4
g、0.12モル)を加えた。撹拌を、室温で一夜にわ
たり継続し、溶媒を蒸発させ、次いで残留物を酢酸エチ
ル/水(それぞれ、450ml)に分配する。この水性
層を、酢酸エチル(200ml)でさらに抽出し、有機
フラクションを集め、乾燥させ、(NaSO)、次
いで蒸発乾燥させた。残留物をエーテルとすりまぜ、次
いで0℃で保存し、標題の化合物を白色固形物として得
た。200HMz NMR δ(dDMSO) 1
1.35(1H,bs,NH),7.7−7.35(1
0H,m,芳香族,Ms),7.45(1H,s,H−
6),6.2(1H,dt,H−l′),5.4(1
H,dm,H−3′,J−54Hz),4.25
(1H,dt,H−4′,J−27.5),3.
87(2H,m,H−5′),2.6−2.1(2H,
m,H−2′),1.5(3H,s,−CH),1.
05ppm(9H,s,tBu).
【0089】b)2′,3′−ジデオキシ−3′−フル
オロ−5−ヒドロキシメチル−5′−O−(tert−
ブチルジフェニルシリル)ウリジン窒素雰囲気の下に、
100Wタングステンバルブで照射されている、N−ブ
ロモスクシンイミド(3.76g、0.02モル)およ
びAIBN(0.005g)の乾燥CCl(50m
l)中の撹拌され、還流している懸濁液中に、乾燥CC
(120ml)中の2′,3′−ジデオキシ−3′
−フルオロ−5−メチル−5′−O−(tert−ブチ
ルジフェニルシリル)ウリジン(8g、0.016モ
ル)の溶液を、20分間にわたり滴下して加える。添加
が完了した時点で、この反応混合物をさらに20分間撹
拌し、冷却させ、次いで濾過し、濾液を蒸発乾燥させ
る。残る残留物をTHF(150ml)中に溶解し、次
いで水(51ml)中のNaHCO(1.7g)を加
える。この混合物を室温で、一夜にわたり撹拌し、濃縮
し、次いでジクロロメタン(3×30ml)で抽出す
る。有機層を集め、乾燥させ(NaSO)、蒸発乾
燥させ、残留物をカラムクロマトグラフィにより、アセ
トン/ジクロロメタン(3:17)で溶出することによ
って精製し、標題の化合物を得る。200HMz NM
R δ(dDMSO) 11.4(1H,bs,N
H),7.7−7.35(10H,m,芳香族,H),
7.53(1H,s,H−6),6.16(1H,d
t,H−1′),5.3(1H,dm,H−3′,
−54Hz),4.83(1H,t,CH
),4.2(1H,dt,H−4′,J−27
Hz),4.05(2H,d,CH 0H),3.8
(2H,m,H−5′),2.65−2.1(2H,
m,H−2′),1.02ppm(9H,s,tB
u).
【0090】c)2′,3′−ジデオキシ−3′−フル
オロ−5−フルオロメチル−5′−O−(tert−ブ
チル−ジフェニルシリル)ウリジン乾燥CHCl
(5ml)中のDAST(0.19ml、1.6ミリ
モル)の撹拌溶液に、−15℃でN雰囲気の下に、乾
燥CHCl(10ml)中の2′,3′−ジデオキ
シ−3′−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−5′−O
−(tert−ブチルジフェニルシリル)ウリジン
(0.8g、1.6ミリモル)の溶液を滴下して加え
る。この反応混合物を、−5℃で30分間、次いで室温
で1時間、撹拌する。この混合物を、氷/水(14m
l)上に注ぎ入れ、有機層を分離し、水(10ml)で
洗浄し、乾燥させ(NaSO)、次いで蒸発乾燥さ
せる。残る残留物をカラムクロマトグラフィ処理し、ア
セトン/ジクロロメタン(3:17)で溶出することに
よって精製し、標題の化合物(570mg、71%)を
得る。200HMz NMR δ(dDMSO) 1
1.6(1H,bS,NH),7.6(1H,d,H−
6),7.7−7.35(10H,m,芳香族,H),
6・15(1H,dt,H−1′),5.35(1H,
dm,H−3′,J−54Hz),4.8(2
H,d,CHF),4.25(1H,dt,H−
4′,J,−27Hz),3.88(2H,m,H−
5′),2.7−2.2(2H,m,H−2′),1.
03ppm(9H,s,tBu).
【0091】d)2′,3′−ジデオキシ−3′−フル
オロ−5−(フルオロメチル)ウリジTHF(2.5
ml)中の2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロ−
5−フルオロメチル−5′−O−(tert−ブチルジ
フェニルシリル)ウリジン(0.33g、0.66ミリ
モル)の撹拌溶液に、0℃で、THF(1.6ml)中
のテトラブチルアンモニウムフルオライドの1M溶液を
滴下して加え、撹拌を0℃で40分間、次いで室温で1
0分間撹拌を継続する。この反応混合物を次いで、ジク
ロロメタンで充填したシリカゲルカラム上に直接に適用
し、テトラヒドロフラン/ジクロロメタン(3:7)で
溶出し、標題の化合物を得る。200HMZ NMR
δ(dDMSO) 11.58(1H,bs,N
H),8.15(1H,d,H−6),6.18(1
H,dt,H−1′),5.32(1H,dd,H−
3′),5.15(1H,m,OH−5′),5.06
(2H,d,CH F),4.15(1H,m,H−
4′),3.61(2H,m,H−5′),2.6−
2.1ppm(2H,m,2′)・FAB質量スペクト
ル:実測値(M+Na)285。
【0092】例22′,3′−ジデオキシ−3′−フル
オロ−5−メトキシメチルウリジン乾燥THF(5m
l)中の2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロ−5
−フルオロメチル−5′−O−(tert−ブチルジフ
ェニルシリル)ウリジン(この化合物は上記例1の工程
c)に記載のようにして製造される)(0.55g、
1.1ミリモル)の撹拌溶液に、0℃で、THF(2.
5ml)中のテトラブチルアンモニウムフルオライドの
1M溶液を加える。撹拌を0℃で45分間継続し、この
混合物を蒸発乾燥させ、残留物をカラムクロマトグラフ
ィ処理し、メタノール/ジクロロメタン(1:19)で
溶出することによって精製する。生成物フラクションを
濃縮し、この固形物をメタノールから再結晶させ、標題
の化合物を得る。融点:142〜143℃微量分析:計
算値:C,48.17;H,5・52;N,10.22
%実測値:C,48.13;H,5.4;N,9.82
%NMR δ(DDMSO) 11.4(1H,b
s,NH),7.9(1H,s,H−6),6・2(1
H,dt,H−1′),5.3(1H,dm,H−
3′,J−54Hz),5.2(1H,m,OH
−5′)、4.17(1H,dt,H−4′,J
−27Hz),4.03(2H,s,CH
),3.63(2H,m,H−5′),3.23
(3H,s,CHCH ),2.6−2.2ppm
(2H,m,H−2′).
【0093】例3a)5′−O−アセチル−2′,3′
−ジデオキシ−3′−フルオロ−5−メチルウリジン
燥ピリジン(100ml)中の2′,3′−ジデオキシ
−3′−フルオロ−5−メチルウリジン(11g,45
ミリモル)の撹拌溶液に、0℃で、無水酢酸(6.2m
l)を滴下して加える。この混合物を次いで、室温まで
温めさせ、撹拌を48時間継続する。この反応混合物を
氷/水混合物上に注ぎ入れることによって冷却させ、次
いで塩化メチレン(3×80ml)で抽出する。有機層
を集め、乾燥させ(NaSO)、次いで蒸発乾燥さ
せ、得られる固形物を、エタノールから再結晶させ、標
題の化合物を得る。融点:123℃200MHz NM
R δ(dDMSO) 11.35(1H,bs,N
H),7.45(1H,s,H−6),6.2(1H,
bt,H−1′),5.3(1H,dd,H−3′),
4.3(1H,m,H−4′),4.25(2H,m,
H−5′),2.58−2.3(2H,m,H−
2′),2.05(3H,s,OAc),1.75pp
m(3H,s,CH).
【0094】b)5′−O−アセチル−5−ブロモメチ
ル−2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロウリジン
5′−O−アセチル−2′,3′−ジデオキシ−3′−
フルオロ−5−メチルウリジン(0.286g、1ミリ
モル)、N−ブロモスクシンイミド(0.356g、2
ミリモル)およびAIBN(0.005g)の乾燥ジク
ロロメタン(15ml)中の溶液を、N雰囲気の下に
4時間、還流させながら撹拌する。この混合物を冷却
し、蒸発させ、粗製の標題の化合物を得る。この生成物
は、さらに精製することなく、直ちに使用する。
【0095】c)2′,3′−ジデオキシ−5−エトキ
シメチル−3′−フルオロウリジン乾燥エタノール(2
0ml)中の5′−O−アセチル−5−ブロモメチル−
2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロウリジン
(0.36g、1ミリモル)の溶液を、N雰囲気の下
に3時間、還流させながら撹拌する。7日間放置した後
に、溶媒を蒸発乾燥させ、残留物をカラムクロマトグラ
フィ処理し、酢酸エチルで溶出することによって精製す
る。生成物フラクションを濃縮し、標題の化合物を得
る。融点:162℃200MHz NMR δ(d
MSO) 11.45(1H,bs,NH),7.9
(1H,s,H−6),6.25(1H,dt,H−
1′),5.35(1H,dd,H−3′),5.15
(1H,m,OH−5′),4.19(1H,m,H−
4′),4.09(2H,s,CH ,CH),3.
65(2H,m,H−5′),3.45(2H,q,O
CH CH),2.6−2.1(2H,m,H−
2′),1.15(3H,t,OCHCH).質量
スペクトル:実測値 m/z 288。
【0096】例4a)5−O−アセチル−2′,3′−
ジデオキシ−3′−フルオロ−5−メチルチオメチルウ
リジン5′−O−アセチルー5,ブロモメチル−2′,
3′−ジデオキシ−3′,フルオロウリジン(0.36
g、1ミリモル;この化合物は例3b)に従い製造され
る)とナトリウムチオメトキシド(84mg、1.2ミ
リモル)との混合物を、乾燥ジオキサン(25m1)中
で、N雰囲気の下に室温において0.5時間撹拌す
る。この反応混合物を濾過し、濾液を蒸発乾燥させる。
残る残留物を、カラムクロマトグラフィ処理し、酢酸エ
チルで溶出することによって精製し、標題の化合物を得
る。200MHz NMR δ(dDMSO) 1
1.5(1H,bs,NH),7.6(1H,s,H−
6),6.2(1H,dt,H−1′),5.35(1
H,dd,H−3′),4.35(1H,m,H−
4′),4.2(2H,m,H−5′),3・3(2
H,m,CH CH),2.6−2.1(2H,m,
H−2′),2.08(3H,s,OAc),2.00
ppm(3H,s,CHCH ).質量スペクト
ル:実測値 m/z 332。
【0097】b)2′,3′−ジデオキシ−3′−フル
オロ−5−メチルチオメチルウリジン乾燥メタノール
(10m1)中の5′−O−アセチル−2′,3′−ジ
デオキシ−3′−フルオロ−5−メチルチオメチルウリ
ジン(0.04g、0.12ミリモル)の撹拌溶液に、
室温でN雰囲気の下に、ナトリウムメトキシドの溶液
(メタノール中の1M溶液0.1ml)を加える。45
分後に、この反応混合物をDOWEX50(H)樹脂
で中性にする。この樹脂を濾別し、メタノールで洗浄
し、次いで濾液を蒸発乾燥させる。残留物を、カラムク
ロマトグラフィ処理し、酢酸エチルで溶出することによ
って精製し、標題の化合物を得る。融点:176〜17
7℃200MHz NMR δ(dDMSO) 1
1.45(1H,bs,NH),7.85(1H,s,
H−6),6.2(1H,dd,H−l′),5.3
(1H,dd,H−3′),5.15(1H,m,OH
−5′),4.2(1H,m,H,4′),3.6(2
H,m,H−5′),3.25(2H,s,C SC
),2.6−2.1(2H,m,H−2′),2p
pm(3H,s,CHCH ).質量スペクトル:
実測値 m/z 290。
【0098】医薬組成物下記の組成物例において、「活
性成分」は、式(I)で示される化合物またはその医薬
として許容される誘導体の中のいずれでもあることがで
き、たとえば例1〜4の化合物であることができる。
【0099】例5 錠剤製剤下記の製剤A,BおよびC
は、諸成分をポビドンの溶液で湿式顆粒形成し、次いで
ステアリン酸マグネシウムを加え、次いで圧縮すること
によって調製する。
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】下記の製剤DおよびEは、混合された諸成
分を直接圧縮することによって調製する。
【0104】
【0105】
【0106】製剤F(制御放出性製剤)この製剤は、下
記の成分をポビドンの溶液で湿式顆粒形成し、引続い
て、ステアリン酸マグネシウムを加え、次いで圧縮する
ことによって調製する。 薬物の放出は約6〜8時間にわたって生じ、12時間後
に完了する。
【0107】例6 カプセル製剤製剤Aこのカプセル製
剤は、上記例5の製剤Dの成分を混合し、次いで2部式
硬質ゼラチンカプセル中に充填することによって調製す
る。
【0108】 このカプセルは、上記成分を混合し、次いで2部式硬質
ゼラチンカプセル中に充填することによって調製する。
【0109】 このカプセルは、マクロゴール4000BPを溶融さ
せ、この溶融物中に活性成分を分散し、次いでこの溶融
物を2部式ゼラチンカプセル中に充填することによって
調製する。
【0110】 このカプセルは、活性成分をレシチンおよびアラキス油
中に分散し、この分散物を軟質で弾性のゼラチンカプセ
ル中に充填することによって調製する。
【0111】製剤E(制御放出性カプセル)この制御放
出性カプセル製剤は、下記の成分(a),(b)および
(C)を押出機により押出し成型し、引続いて押出成型
物を球状にし、次いで乾燥させることによって調製す
る。これらの乾燥ペレットを2部式硬質ゼラチンカプセ
ル中に充填する。
【0112】例7 注射用製剤製剤A活性成分
0.200g塩酸溶液、0.1M
DHを4.0〜7.0にする適量水酸化
ナトリウム溶液、0.1M DHを4.0〜7.0に
する適量殺菌水 全量を1
0mlにする適量活性成分を、大部分の水(35°〜4
0℃)に溶解し、そのpHを、場合により塩酸または水
酸化ナトリウムを使用し、4.0〜7.0に調整する。
この全体を水で相当容量にし、次いで無菌の10mlコ
ハク色ガラスバイアル(タイプ1)中に、殺菌微孔フィ
ルターに通して濾過し、次いで無菌の槍およびオーバー
シールで密封する。
【0113】製剤B活性成分
0.125g無菌の、発熱性物質を含有してい
ない 全量を25mlにする適量リン酸塩緩衝液
(pH7)
【0114】例8 筋肉注射用製剤活性成分
0.20gベンジルアルコ
ール 0.10gグリコフロ
ール(Glycofurol)75 1.45g注射用
水 全量を3.0
0mlにする適量活性成分をグリコフロール中に溶解す
る。次いで、ベンジルアルコールを加え、溶解し、次い
で水を3m1まで加える。この混合物を次いで、殺菌微
孔フィルターに通して、無菌の3m1コハク色ガラスバ
イアル(タイプ1)中に濾過し、次いで密封する。
【0115】例9 シロップ剤活性成分
0.25gソルビトール溶液
1.50gグリセロール
2.00g安息香酸ナトリウム
0.005gフレーバー、ピーチ
(Peach) 0.0125ml17,42.
3169精製水 全
量を5.00mlにする適量活性成分をグリセロールと
大部分の精製水との混合物に溶解する。安息香酸ナトリ
ウムの水溶液を次いで、この溶液に加え、引続いてソル
ビトール溶液を、次いでフレーバーを加える。精製水で
目標容積にし、次いで充分に混合する。
【0116】例10 坐 薬 Witepsol Hl5の1/5を水蒸気ジャッケッ
ト付きパン内で、最高45℃で溶融する。活性成分を2
00μmの篩に通し、カティングヘッドを備えたシルバ
ーソンを用いて、混合しながら、上記溶融物に加え、な
めらかな分散物を得る。この混合物を45℃に維持しな
がら、この懸濁物に残りのWitepsol H15を
加え、撹拌し、均一な混合物が確実に得られるようにす
る。この懸濁物を、250μmのステンレス鋼スクリー
ンに通し、次いで連続撹拌しながら、40℃まで冷却さ
せる。38℃〜40℃の温度において、この混合物2.
02gを、適当な2mlプラスティック型中に充填す
る。この坐薬を室温まで冷却させる。
【0117】例11 ペッサリイ 上記成分を直接に混合し、生成する混合物を直接圧縮す
ることによって、ペッサリイを調製する。
【0118】例12抗ウィルス試験および毒性試験a)
抗ウィルスMT4検定および毒性試験ヒト免疫不全ウィ
ルス(HIV)に対する抗ウィルス活性は、Pauwe
ls等の方法〔J・Virol.Methods,
,309〜321頁(1988年)〕に従い測定し
た。この方法は、HIV感染による細胞変性効果を逆行
させる化合物の能力を測定することによる方法である。
この能力は、感染後の5日目に、テトラゾリウム染料
(MTT)取り込み試験によって追跡される。細胞増殖
の定量的評価によって決定された。HIVを感染させ
た、準集約的(20〜40,000細胞/ウエル)ヒト
Tリンパ細胞ラインMT4細胞を、96個のウエルを有
する微量滴定皿で増殖させ、稀釈度の異なる薬物にさら
した。5日後に、薬物処理培養物に対して、ならびにH
IV感染したMT4細胞および擬偽感染MT4細胞に対
して、染料取り込み試験を行なった。試験条件の下に、
HIV感染は、多大の細胞変性効果が生じさせ、細胞増
殖を>80%まで妨げた。薬物の抗ウィルス効果は、I
C−50として、すなわち非感染MT4細胞対照に係り
測定された細胞増殖の50%として測定して、細胞の5
0%を細胞殺滅から防護する阻止濃度として、記録す
る。
【0119】細胞毒性は、96個のウエルを有する微量
滴定皿において、非感染MT4細胞またはベロ(ver
o)細胞に係り細胞増殖抑制試験で評価した。同一細胞
数の非感染細胞を異なる稀釈度の薬物にさらし、MTT
取り込みを用いて、細胞生存率を複製培養物で毎日測定
した。5日目に、細胞生存の50%を阻害するのに要す
る濃度を、CCID−50の用語で示す。
【0120】(b)抗ウイルス化合物に対するHIVの
感受性を評価するためのHeLa−CD4細胞検定
制剤に対するHIVの感受性は、Larder B.
A.,Chesebro B.およびRichman
D.D.によりAntimicrob.Agents
Chemother,34,436〜441頁(199
0年)に記載されているように、HT4−6C細胞単層
の感染によって測定した。簡単に言えば、細胞を、24
個のウエルを有する多穴板において、5×10細胞/
ウエルで接種し、増殖培地(DMEM10)中におい
て、37℃で一夜にわたりインキュベートした。この単
層を、5%ウシ胎児血清+抗生物質を含有するDMEM
(DMEM5)0.2ml中の細胞を含有していないウ
ィルス100〜200pfuで感染させ、37℃で1時
間インキュベートし、ウィルスを吸着させた。この時点
に引続いて、各ウエルに、DMEM5(抑制剤を含有し
ているものか、または含有していないもの)0.8ml
を加え、培養物を37℃で2〜3日間、インキュベート
した。単層をPBS中の10%ホルムアルデヒド溶液で
固定させ、次いで0.25%クリスタルヴァイオレット
で染色し、ウィルスプラークを見えるようにした。多核
化した巨細胞(プラーク)は、この染色法を用いて明白
になる。ID50値は、プラーク減少%対抑制剤濃度の
グラフから誘導される。
【0121】(c)PBL検定Hartmann H・
等によりAids Research and Hum
an Retrouiruses,,457〜466
頁(1988年)に記載されているように、フィコール
(Ficoll)勾配で新鮮なヒト血漿を分留すること
によって調製された、ヒト末梢血液リンパ球(PBL
s′)で、HIV検出を行なった。単離されたPBL
s′を増殖因子IL2およびPHAで3日間刺激し、そ
の後で、HIVを感染させた。37℃で4日間インキュ
ベートした後に、キャプシド抗原、P24の定量的EL
ISA検定によって、ウィルスの増殖を追跡測定した。
既知モル濃度の濃度範囲の化合物を、培地中に配合し
た。各濃度におけるP24の生成率を対照に対するパー
セントとして表わし、投与量応答曲線を作成する。この
曲線から、50%抑制濃度(IC50)を推定する。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミアジャナ ブラディミラ ボグノビック −バッチェロー イギリス国 ビーアール3 3ビーエス, ケント ベッケンハム,ラングリィ コー ト,(番地なし) ザ ウェルカム リサ ーチ ラボラトリーズ 気付 (72)発明者 ジョージ エドワード トランター イギリス国 ビーアール3 3ビーエス, ケント ベッケンハム,ラングリィ コー ト,(番地なし) ザ ウェルカム リサ ーチ ラボラトリーズ 気付

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 式中、Rは、Cアルキルチオメチル、C
    アルコキシメチル、シアノメチル、アジドメチル、モノ
    ー、ジーまたはトリーハロメチル、ニトロ、2−ハロア
    ルキニル、アミノメチル、Cアルコキシあるいは
    アルキルチオ基を表わす、で示される化合物あ
    るいはその医薬として許容される誘導体を、レトロウィ
    ルス感染の処置または予防用の医薬の製造に使用するこ
    と。
  2. 【請求項2】 請求項1に定義されている式(I)で示
    される化合物またはその医薬として許容される誘導体
    を、ヒト免疫不全ウィルス感染の処置または予防用の医
    薬の製造に使用すること。
  3. 【請求項3】 請求項1に定義されている式(I)で示
    される化合物またはその医薬として許容される誘導体
    を、B型肝炎ウィルス感染の処置または予防用の医薬の
    製造において使用すること。
  4. 【請求項4】 医薬に使用するための、式(I) 【化2】 式中、Rは、Cアルキルチオメチル、C
    アルコキシメチル、シアノメチル、モノ−、ジ−または
    トリ−ハロアルキル、ニトロ、2−ハロアルキニル、C
    アルコキシあるいはCアルキルチオ基を表
    わす、で示される化合物あるいはその医薬として許容さ
    れる誘導体。
  5. 【請求項5】 式(IB) 【化3】 式中、Rは、Cアルキルチオメチル、C
    アルコキシメチル、シアノメチル、モノ−、ジ−または
    トリ−ハロメチル(ただし、ブロモメチルを除く)、ニ
    トロ、2−ハロアルキニル、Cアルコキシまたは
    アルキルチオ基を表わす、で示される化合物あ
    るいはその医薬として許容される誘導体。
  6. 【請求項6】 RがCアルキルチオメチルまた
    はCアルコキシメチル基を表わすことを特徴とす
    る式(IB)で示される化合物あるいはその医薬として
    許容される誘導体。
  7. 【請求項7】 該化合物が、2′,3′−ジデオキシ−
    3′−フルオロ−5−メトキシメチルウリジン;2′,
    3′−ジデオキシ−3′−フルオロ−5−エトキシメチ
    ルウリジン;または2′,3′−ジデオキシ−3′−フ
    ルオロ−5−メチルチオメチルウリジン;から選ばれ
    る、請求項5に定義されている式(IB)で示される化
    合物あるいはその医薬として許容される誘導体。
  8. 【請求項8】 医薬に使用するための、請求項5〜9の
    いずれか一項に定義されている化合物あるいはその医薬
    として許容される誘導体。
  9. 【請求項9】 請求項5〜7のいずれか一項に定義され
    ている化合物あるいはその医薬として許容される誘導体
    を、レトロウィルス感染の処置または予防用の医薬の製
    造において使用すること。
  10. 【請求項10】 請求項5〜7のいずれか一項に定義さ
    れている化合物あるいはその医薬として許容される誘導
    体を、ヒト免疫不全ウィスル感染の処置または予防用の
    医薬の製造において使用すること。
  11. 【請求項11】 請求項5〜7のいずれか一項に定義さ
    れている化合物あるいはその医薬として許容される誘導
    体を、B型肝炎ウィルス感染の処置または予防用の医薬
    の製造において使用すること。
  12. 【請求項12】 請求項5〜7のいずれか一項に定義さ
    れている化合物あるいはその医薬として許容される誘導
    体を、医薬的に許容される調剤用担体とともに含有する
    医薬組成物。
  13. 【請求項13】 請求項5に記載の式(IB)で示され
    る化合物、あるいはその医薬として許容される誘導体の
    製造方法であって、(A) 式(IB)において、R
    がCアルキルチオメチル、Cアルコキシメ
    チル、シアノメチル、モノ−、ジ−またはトリ−ハロメ
    チル、ニトロまたは2−ハロアルキニル基を表わす化合
    物を製造するにあたり、式(II) 【化4】 式中、ORは、保護されているヒドロキシ基であり、そ
    してXは、生成する式(I)で示される化合物中のR
    と同一である、で示される化合物から保護基を脱離させ
    る;(B) 式(IB)において、RがCアル
    コキシ基を表わす化合物を製造するにあたり、式(I
    V) 【化5】 式中、Yはヒドロキシ基である、で示される化合物を、
    該ウラシル塩基上の5−ヒドロキシ基をアルキル化する
    作用をする作用剤(1種または2種以上)と、そして
    (または)このような作用をする条件の下に、反応させ
    る;(C) 式(IB)において、RがCアル
    キルチオ基を表わす化合物を製造するにあたり、式(I
    V)において、Yが脱離性基を表わす化合物を、5−位
    置にCアルキルチオ基を導入する作用をする作用
    剤(1種または2種以上)と、そして(または)このよ
    うな作用をする条件の下に、反応させる;(D) 式
    (V): 【化6】 式中、Rは前記定義のとおりであり、そしてZは、フ
    ルオロ基の前駆基を表わす、で示される化合物を、上記
    前駆基をフルオロ基に変換する作用をする作用剤(1種
    または2種以上)と、そして(または)このような作用
    をする条件の下に、反応させる;あるいは(E) 式
    (VI): 【化7】 式中、Rは前記定義のとおりである、で示されるピリ
    ミジン塩基またはその官能性同等物を、この式(VI)
    で示されるピリミジン塩基の1位置に所望のリボフラノ
    シル環を導入する作用をする化合物を反応させる;その
    後、あるいはこれらの反応と同時的に、下記の任意の変
    換のうちの1つまたは2つ以上を行う:(i) 残存す
    る保護基をいずれも、分離する;(ii) 式(IB)
    で示される化合物が生成される場合に、この化合物をそ
    の医薬として許容される誘導体に変換する;(iii)
    式(IB)で示される化合物の医薬として許容される
    誘導体が生成される場合に、この誘導体を式(IB)で
    示される化合物またはその異なる誘導体に変換する;こ
    とよりなる製造方法。
JP3216700A 1990-02-16 1991-02-15 治療用ヌクレオシド化合物 Pending JPH05320187A (ja)

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EP0442757A2 (en) 1991-08-21
PT96783A (pt) 1991-10-31
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HUT56578A (en) 1991-09-30
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AU7112891A (en) 1991-08-22
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