JPH05320051A - 悪性腫瘍転移抑制剤 - Google Patents

悪性腫瘍転移抑制剤

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Publication number
JPH05320051A
JPH05320051A JP9271691A JP9271691A JPH05320051A JP H05320051 A JPH05320051 A JP H05320051A JP 9271691 A JP9271691 A JP 9271691A JP 9271691 A JP9271691 A JP 9271691A JP H05320051 A JPH05320051 A JP H05320051A
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JP
Japan
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formicinyl
cells
metastasis
malignant tumor
formula
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Pending
Application number
JP9271691A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Kumai
裕司 熊井
Akitoshi Ito
彰敏 伊藤
Yoshinari Tsuzaki
芳成 津崎
Shozo Shiozaki
正三 塩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 毒性が低く、癌細胞の転移抑制に対して高い
活性を示す薬剤を提供する。 【構成】 図示の構造式を有するフォルマイシニル−ホ
モシスティンを活性成分とする悪性腫瘍転移抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフォルマイシニル−ホモ
システィンを有効成分とする悪性腫瘍転移抑制剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】癌細
胞が原発巣から遊離し血流にのって体内の随所に遠隔転
移を形成することが大きな問題となっており、この癌細
胞の転移を抑制する薬剤として、オキセザピン化合物
(特開昭58−206520号)、α−アミノ酸(特開
昭62−48622号)、抗生物質(特開昭61−83
125号、特開平1−224319号)等が知られてい
る。しかしながら、これらの癌細胞転移抑制剤に十分満
足し得るとは言い難い。
【0003】本発明者らは、フォルマイシニル−ホモシ
スティンの物理学的性質とS−アデノシルホモシスティ
ン(SAHase)ハイドロラーゼ、DNAメチラーゼ
に対する作用について検討を加え、その結果を1990
年度日本農芸化学会で発表したが、さらに検討を加えた
結果、フォルマイシニル−ホモシスティンは驚くべきこ
とに癌細胞の転移を抑制する活性をもつことを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0004】フォルマイシニル−ホモシスティンはメチ
ルチオアデノシンのアナログの酵素合成の中間体として
知られているが、〔Bull,Mol,Biol,Me
d.,,199−209(1983)〕、その生理活
性については知られていない。フォルマイシニル−ホモ
システィンを構成する一成分であるフォルマイシンはH
eLa細胞、Ehlich肉腫細胞、吉田肉腫の増殖を
抑制する作用を示し、Xanthomonas ory
zaeに対し抗菌作用を示し、また、インフルエンザウ
イルスの生成を抑制することが知られている。フォルマ
イシニル−ホモシスティンを構成する他の成分であるホ
モシスティンは含硫アミノ酸の代謝中間体として知られ
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、フォルマイシ
ニル−ホモシスティンを有効成分とする悪性腫瘍転移抑
制剤を提供する。フォルマイシニル−ホモシスティン
は、特開昭60−70096号に記載される方法に従っ
て、微生物菌体内に産生されたS−アデノシルホモシス
ティンハイドラーゼ(SAHase)の作用によりフォ
ルマイシンA(For)とホモシスティン(Hcy)を
水性媒体中で接触させて調製することができる。この反
応は下記式で表される。
【0006】
【化1】
【0007】本発明の活性成分は、通常ヒト成人1日当
り100〜2000mgの範囲で経口または非経口的に
投与される。この活性成分は散剤、錠剤、カプセル剤、
液剤、注射剤などとして投与され、普通の賦形剤または
補助剤、安定剤などを配合することができる。賦形剤ま
たは補助剤としては、例えば、ぶどう糖、蔗糖、乳糖、
澱粉、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、タルク、植物油、ポリエチ
レングリコールなどが挙げられる。
【0008】
【実施例】(1)フォルマイシニル−ホモシスティン調
製 特開昭60−70096号記載の方法によって下記のよ
うにフォルマイシニル−ホモシスティン調製した。グル
コース1g/dl、ペプトン1.5g/dl、酵母エキ
ス0.3g/dl、K2 HPO4 0.3g/dl、Na
Cl 0.2g/dl、MgSO4 ・7H2 O 0.0
2g/dl、寒天2g/dlからなる寒天斜面培地(p
H7.0)を用い、28℃、24時間培養したシュード
モナス・プチダ(IFO12996)の1白金耳を、グ
ルコース1g/dl、ペプトン1.5g/dl、酵母エ
キス0.3g/dl、K2 HPO4 0.3g/dl、N
aCl 0.2g/dl、MgSO4 ・7H2 O 0.
02g/dlからなり、pH7.0に調整、加熱滅菌し
た液体培地10mlに植菌し、28℃で40時間振盪培
養を行った。遠心分離にて集菌し、0.1Mリン酸カリ
ウムバッファー(pH8.0)で洗浄した後、菌体をフ
ォルマイシンA10mM、DL−ホモシスティン10m
M、リン酸カリウムバッファー(pH8.0)100m
Mからなる基質溶液1mlに懸濁し、30℃で2時間振
盪して反応させた。フォルマイシニル−ホモシスティン
収量は1.32μモル/mlであった。
【0009】(2)癌細胞転移抑制活性試験 癌細胞の転移抑制活性の評価に常用されるマウスメラノ
ーマB16高転移株を用いて、以下の実験条件に従って
フォルマイシニル−ホモシスティン(For−Hcy)
の肺転移抑制効果を測定した。 動物:C75BL/マウス(6〜8週齢、雄、体重21
〜25g) 実験群: I.B−16高転移株を3.4×106 /mlとなるよ
うに生理食塩水に懸濁し、その0.1mlをマウスの尾
静脈に注射した(無処理群n=8) II.B−16高転移株をRPMI1640培地(10%
牛胎児血清を含む)に5.0×106 /mlとなるよう
に植え、同時にFor−Hcyを10μg/mlとなる
ように加えて5%CO2 の存在下37℃で20時間培養
した。培養細胞をトリプシン−EDTAで培養容器より
剥がし、3.4×106 /mlとなるように生理食塩水
に懸濁し、その0.1mlをマウスの尾静脈に注射し
た。(n=8) III.B−16高転移株をRPMI1640培地(10%
牛胎児血清を含む)に5.0×106 /mlとなるよう
に植え、同時にFor−Hcyを1000μg/mlと
なるように加えて5%CO2 の存在下37℃で20時間
培養した。培養細胞をトリプシン−EDTAで培養容器
より剥がし、3.4×106 /mlとなるように生理食
塩水に懸濁し、その0.1mlをマウスの尾静脈に注射
した。(n=7) IV.B−16高転移株を3.4×106 /mlとなるよ
うに生理食塩水に懸濁し、同時にFor−Hcyを10
μg/mlとなるように加え、0.04mg/kgにな
るようにマウスの尾静脈に注射した。(n=5) V.B−16高転移株を3.4×106 /mlとなるよ
うに生理食塩水に懸濁し、同時にFor−Hcyを10
00μg/mlとなるように加え、4.0mg/kgに
なるようにマウスの尾静脈に注射した。(n=7) 各群のマウスは、14日間飼育後に屠殺し、両肺を摘出
し、顕微鏡下で肺に形成された腫瘍の転移結節数を測定
した。結果を表1に示すが、本薬剤は無処理群に比べて
癌細胞の肺への転移を著明に抑制した。
【0010】
【表1】 *1 抑制率(%)={〔対照群(実験I)平均結節数
(56.3)−各群平均結節数〕/56.3}×100
【0011】(3)毒性試験 マウス(7週令、18〜22g)に100mg/kg腹
腔投与し(一群5匹)、さらに、別の同種のマウス(C
F−1、7週令、18〜22g)に300mg/kg経
口投与して(一群5匹)、それぞれ投与後3日間に亘っ
て症状の観察を行ったが、いずれにも死亡例はみられな
かった。
【0012】
【発明の効果】本発明の活性成分であるフォルマイシニ
ル−ホモシスティンは、癌細胞の転移抑制に対してかな
り高い活性を示し、かつ毒性が低い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月30日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】本発明者らは、フォルマイシニル−ホモシ
スティンの物理学的性質とS−アデノシルホモシスティ
ンハイドロラーゼ(SAHaSe)、DNAメチラーゼ
に対する作用について検討を加え、その結果を1990
年度日本農芸化学会で発表したが、さらに検討を加えた
結果、フォルマイシニル−ホモシスティンは驚くべきこ
とに癌細胞の転移を抑制する活性をもつことを見出し、
本発明を完成するに至った。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】(3)毒性試験 マウス(CF−1、7週令、18〜22g)に100m
g/kg腹腔投与し(一群5匹)、さらに、別の同種の
マウス(CF−1、7週令、18〜22g)に300m
g/kg経口投与して(一群5匹)、それぞれ投与後3
日間に亘って症状の観察を行ったが、いずれにも死亡例
はみられなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩崎 正三 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォルマイシニル−ホモシスティンを有
    効成分とする悪性腫瘍転移抑制剤。
JP9271691A 1991-03-30 1991-03-30 悪性腫瘍転移抑制剤 Pending JPH05320051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9271691A JPH05320051A (ja) 1991-03-30 1991-03-30 悪性腫瘍転移抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

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JP9271691A JPH05320051A (ja) 1991-03-30 1991-03-30 悪性腫瘍転移抑制剤

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JPH05320051A true JPH05320051A (ja) 1993-12-03

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ID=14062183

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JP9271691A Pending JPH05320051A (ja) 1991-03-30 1991-03-30 悪性腫瘍転移抑制剤

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