JPH05319894A - 易焼結性マイクロ波誘電体用粉体 - Google Patents

易焼結性マイクロ波誘電体用粉体

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JPH05319894A
JPH05319894A JP4151208A JP15120892A JPH05319894A JP H05319894 A JPH05319894 A JP H05319894A JP 4151208 A JP4151208 A JP 4151208A JP 15120892 A JP15120892 A JP 15120892A JP H05319894 A JPH05319894 A JP H05319894A
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hours
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dielectric
slurry
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JP4151208A
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English (en)
Inventor
Masahiro Orita
政寛 折田
Kazuhiro Aizawa
一裕 相沢
Kouhei Ametani
公兵 飴谷
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結体とした時に、比誘電率が80以上を有
する、易焼結性のマイクロ波誘電体用粉体を得る。 【構成】 焼結体とした時に、比誘電率が80以上を有
するマイクロ波用誘電体、例えば、BaO-Sm2O3-TiO2系、
BaO-Sm2O3-TiO2-X系、PbCaZrO3系、その他マイクロ波用
誘電体用の粉体であって、水熱合成法によって合成する
ことによって、比較的低温で容易に焼結することができ
る粉体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波誘電体用粉
体、特に水熱合成法により合成され、焼結体としたとき
の比誘電率が80以上で、かつ易焼結性を有するマイク
ロ波誘電体用粉体に関する。
【0002】
【従来の技術】通信情報量の増加及び個性化に伴い、携
帯電話、自動車電話等が急速に発達しており、通信、電
話装置の共振素子に比誘電率が80以上で、誘電損失が
小さい(Q値が大きい)誘電体が用いられている。この
誘電体用の粉体には、BaO −R2O7−TiO2系(Rは希土類
元素)やPb(Ca)ZrO3系が用いられている。また、これら
はその一部のイオンを置換したり、添加物を加えたりす
ることによって特性を改善して、使用されている。
【0003】従来、上記した組成系を有するマイクロ波
誘電体用粉体は普通のセラミックスと同様に、原料の秤
量、混合、成形及び焼成などの工程を経て製造されてい
た。すなわち、まず入手した固体原料中の有効成分を定
量分析し、所望の化学組成比になるように秤量採取す
る。次に固相反応を均一に行わせるために、らいかい機
などによる乾式混合、或はボールミルなどによる湿式混
合を行う。混合の終った原料は焼成温度よりやや低い約
1000℃の温度で仮焼した後粉砕する。
【0004】仮焼の条件は焼結時に炭酸塩の熱分解でガ
ス発生がなく、粉末の焼結性が失われないように、90
0℃〜1100℃の温度で2〜10時間焼成される。仮
焼後の粉砕は粉末の粒度を調製し平均粒径を2〜10μ
mとし、その後の工程での異常膨張や収縮が減少し、緻
密なセラミックスを得られやすくする。以上により、マ
イクロ波誘電体用粉末が得られる。
【0005】マイクロ波誘電体用粉末から焼結体を得る
には、結合剤や潤滑剤や水分を加えて顆粒を作る。結合
剤にはポリビニルアルコールや澱粉など、潤滑剤にはス
テアリン酸塩、カーボワックス等が使用される。造粒粉
末は所定の形状の金型に入れ、油圧プレスや機械プレス
で加圧圧縮して成形する。厚手の板や柱状或は円筒状の
試料を成形するときは、金型の中の粉体流動を滑らかに
し、応力分布を均一にすることが必要である。
【0006】応力分布が不均一のときは、焼成歪を生
じ、焼結体の密度などの分布が不均一になる。成形圧力
は1〜3t/cm2 程度を使用する。成形体はふた付きの
マグネシヤまたはアルミナのさやにいれて、結着剤や潤
滑剤を焼尽ののち酸化性雰囲気中で、1400〜170
0℃の所定の温度で所要時間2〜120時間焼成する。
これらの焼結体は所要の寸法に研削や研磨で仕上げられ
最終製品とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法により製造
されたセラミックス誘電体用粉末は、平均粒径が2〜1
0μmと大きく、かつその粒度分布は広いので焼成温度
は1400℃〜1700℃とかなり高く、SiC など通常
の発熱体を使用した焼成炉では焼成できず、より高価な
焼成炉が必要であり、消費されるエネルギーも大きいと
いう問題があった。
【0008】さらに、従来は上述のように固体粉末原料
を混合、仮焼してマイクロ波誘電体用粉体を製造してい
たため、混合・仮焼工程中で種々の不純物を含みやす
く、焼成中に組成変動が起こしやすく、焼結体としたと
きに特性が劣化するという問題も有していた。
【0009】本発明者らは、前記した従来のマイクロ波
誘電体用粉体の問題を解決すべく、鋭意努力した結果、
不純物含有量が少なく、平均粒径が小さく、粒度分布が
狭く、焼成温度が低く、焼成中に組成変動を起こしにく
く、焼結体としたときに緻密になりやすく、かつQ値が
大きくなる比誘電率が80以上のマイクロ波誘電体用粉
体を製造する方法を見出し、本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
を要旨とするものである。水熱合成法により合成された
粉体であって、焼結体としたときの比誘電率が80以上
で、かつ易焼結性であることを特徴とするマイクロ波誘
電体用粉体。
【0011】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明にいうマイクロ波誘電体用粉体とは、マイク
ロ波回路用の誘電体共振器に使用され、比誘電率が80
以上と高い易焼結性のセラミックスの原料粉体である。
本発明が適用できる粉体の組成を具体的に下記に示すな
らば、例えば、BaO-Sm2O3-TiO2系、BaO-Sm2O3-TiO2-SrO
系、BaO-Nd2O3-TiO2-PbO系、BaO-Nd2O3-TiO2-Bi2O3-MnO
系、BaO-Sm2O3-CeO2-La2O3-TiO2 系、PbCaZrO3系などが
あげられる。しかしながら、本発明は上記組成のみに限
定されるものではない。
【0012】本発明の易焼結性マイクロ波誘電体用粉体
を製造するに当たっては、水熱合成法を用いる。水熱合
成法は高温高圧の水あるいは水溶液が反応に関与する単
結晶合成法としてよく知られているが、粒度分布が狭
く、純度が高いマイクロ波誘電体用粉体の合成にも適し
た方法である。
【0013】BaSm2Ti4O12 を合成する場合を例にして詳
細について説明する。水熱合成の原料にはBa、SmとTiの
水酸化物が好ましく、水酸化物の結晶を購入して用いて
も良く、酸性溶液などを中和して水酸化物沈澱を合成し
ても良い。酸性溶液を中和する場合には、沈澱を一旦ろ
過し、塩素イオン等の不純物イオンが10 ppm以下とな
るように十分に洗浄することが好ましい。この様なイオ
ンが残存すると、製造されたマイクロ波誘電体用粉体の
焼結性を著しく阻害することがあるからである。洗浄の
際、Baなどの塩基性の元素の水酸化物は水に溶解してし
まうので、水に溶解しやすい元素の水酸化物原料は、中
和によって沈澱を得るのではなく、純度の高い水酸化物
結晶を用いる方が好ましい。目的とするマイクロ波誘電
体用粉体の組成を化学量論的に合わせやすいからであ
る。
【0014】次に、購入した水酸化物結晶または水酸化
物の沈澱を純水に分散させる。Baなど塩基性の元素は水
への溶解度が高いので、pH及び水酸化物の量と水の量の
比を適当に選び、水熱合成後もBa等の塩基性元素が水媒
体中に溶存し、目的とする組成を有する粉体を合成でき
ないことを防ぐ必要がある。
【0015】BaとTiの水酸化物を分散した水をオートク
レーブに仕込み、水熱反応を進行させる。反応温度及び
反応圧力の条件は反応速度や粉体粒径を制御するだけで
なく、合成される粉体の結晶系を変えるので、合成すべ
き結晶系にあった温度と圧力の条件を選ばなければなら
ない。BaSm2Ti4O12 の場合には、150℃〜300℃、
10〜100kg/cm2 で反応させれば、結晶粒径0.2μ
m程度の粉体を合成できる。オートクレーブの容積に対
する水の充填率によって、反応温度における系の圧力が
決定されるので、水の充填率は反応させるべき温度と圧
力に従って適当な値を選ばねばならない。BaTi4O9 を2
00℃かつ30kg/cm2 程度で反応させる場合には、充
填率を50%程度に選べばよい。
【0016】本発明の易焼結性マイクロ波誘電体用粉体
の場合、反応は100℃以上の高温で行う。100℃以
下では反応速度が小さすぎ、実用に適さないからであ
る。高温にすると反応速度が大きくなると共に、製造さ
れる粉体の粒径が大きくなる。水の臨界点である374
℃以上では、反応速度及び粉体の粒径は特に大きくな
る。粉体に低温焼結性を与えるには0.2μm程度の平均
粒径を与える必要があるので、反応温度は臨界点以下に
抑えることが必要である。合成した粉体はろ過または遠
心分離などにより取り出し乾燥させる。必要に応じてス
プレードライ法により造粒しても良い。オートクレーブ
はバッチ型のものでもよく、連続型のものでも良い。一
般には多品種の製品を少量ずつ製造する場合にはバッチ
型のものが適当であり、少品種のものを大量に製造する
場合には連続型のものが適当である。
【0017】
【実施例】以下、更に実施例をあげて本発明を具体的に
説明する。 (実施例1)16%塩化チタン水溶液100.00gに塩
化サマリウム6水和物(99.9%、和光純薬工業)14.
848gを加えて溶解し、2NのNaOH水溶液をpH=10
となるまで攪拌しながら滴下し、共沈物を得た。このス
ラリーを遠心分離器にかけ、上澄み液を除いて沈澱物を
分離した。次にこの沈澱物にイオン交換水を加え、超音
波洗浄器中で攪拌しながら分散させ、再びスラリーとし
た。この様に沈澱物の遠心分離と再分散の工程を3度繰
り返して、沈澱物に付着した塩素イオンを洗浄した。4
度目に遠心分離した後の上澄み液を採取して、硝酸銀を
滴下したところ白色の沈澱を生じなかったので、沈澱に
付着していた塩素イオンがほぼ除かれたことが分かっ
た。更に、この沈澱物のスラリーに純度98%のBa(OH)
2 ・8H2O を7.085g混合し、この沈澱混合物にイオ
ン交換水を加えて全量を500mlとし、超音波洗浄器で
攪拌して分散させて得たスラリーを、ハステロイC製の
4リットルのオートクレーブ内に入れたアルミナビーカ
ー内に仕込んで、100〜150 rpmで攪拌しながら1
20分で240℃まで昇温し、0.5時間水熱処理した。
【0018】反応終了後、スラリーを濾別して水洗し、
真空乾燥器内で乾燥させた後、理学電気製RAD−2B
型回折装置によりX線回折パターンを測定し、更に化学
組成を蛍光エックス線測定により分析したところ、BaSm
2Ti4O12 の結晶相が確認され、期待した通りBa:Sm:Ti
=1.00:1.83:3.83の組成を保有しており、含有
不純物量はいずれの元素も10 ppm以下であり、その平
均粒径は0.3μmであった。この粉体にPVAの5wt%
水溶液を粉体重量に対して5wt%加えて造粒した。造粒
粉末を直径8mmの円筒形状の金型に入れ、油圧プレス1
t/cm2 で加圧圧縮して成形した。成形体をふた付のマ
グネットのさやにいれて、酸化性雰囲気中、1200℃
で5時間焼成すると焼結体の密度は5.75g/cm3 に達
した。また、YHP社製ネットワークアナライザーを用
いて、誘電特性を測定したところ、共振周波数3GHz で
の室温での比誘電率は86であり、Q値は2,300であ
った。
【0019】(比較例1)BaCO3 (99%、和光純薬工
業)384.32g、Sm2O3 (99.9%)614.96g、
TiO2(99.8%)596.31gを出発原料とし10リッ
トルのボールミルでクロロセンを用いて20時間混合を
行い、乾燥後、950℃で2時間仮焼した。これを10
リットルのボールミルで2時間水解砕したところ、平均
粒径は1.9μmとなった。5%PVA溶液を用いて造粒
し、1t/cm2 でディスク状に成形して、1,350℃で
5時間焼成すると、焼結体の密度は5.72g/cm3 とな
った。実施例1と同様の方法で誘電特性を測定したとこ
ろ、共振周波数3GHz での室温比誘電率は86であり、
Q値は1,920であった。
【0020】(実施例2)16%塩化チタン水溶液10
0.00gに塩化ネオジム6水和物(99.5%、和光純薬
工業)15.20gと塩化鉛(和光純薬工業)1.992g
を加えて溶解し、2NのNaOH水溶液をpH=10となるま
で攪拌しながら滴下し、実施例1と同じ方法で沈澱に付
着した塩素イオンを洗浄した。更にこの沈澱物のスラリ
ーにBa(OH)2 ・8H2O (98%、和光純薬工業)を4.5
26g混合し、この沈澱混合物にイオン交換水を加えて
全量を500mlとし、超音波洗浄器で攪拌して分散さ
せ、得られたスラリーをオートクレーブに実施例1と同
様に仕込んで、100〜150 rpmで攪拌しながら12
0分で240℃まで昇温し、0.5時間水熱処理した。
【0021】反応終了後、スラリーを濾別して水洗し、
真空乾燥器内で乾燥させた。実施例1と同様の方法で分
析したところ、BaNd2Ti4O12 の結晶相が確認され、期待
した通りBa:Nd:Ti:Pb=1.00:3.00:6.00:0.
509の組成を保有しており、含有不純物量はいずれの
元素も10 ppm以下であり、その平均粒径は0.3μmで
あった。この粉体を実施例1と同様の方法で成形し、1,
300℃で5時間焼成すると、焼結体の密度は5.66g
/cm3 に達した。また、実施例1と同様の方法で誘電特
性を測定したところ、共振周波数3GHz での室温比誘電
率は86であり、Q値は2,300であった。
【0022】(比較例2)BaCO3 、Nd2O3 、PbO 及びTi
O2を原料として秤量し、クロロセンを媒体としてボール
ミルで24時間混合し、150℃で乾燥させた後、90
0℃で仮焼した。水を媒体として3時間解砕すると平均
粒径は2.4μmとなった。5%PVA溶液を用いて造粒
し、1t/cm2 で円板状に成形して、1,450℃で5時
間焼成したところ、焼結体の密度は5.62g/cm3 とな
った。実施例1と同様の方法で誘電特性を測定したとこ
ろ、共振周波数3GHz での室温比誘電率は85であり、
Q値は1,460であった。
【0023】(実施例3)16%塩化チタン水溶液10
0.000gに塩化ネオジム6水和物(99.5%、和光純
薬工業)12.634g、オキシ塩化ビスマス(和光純薬
工業)1.661gと塩化マンガン(和光純薬工業)0.0
348gを加えて溶解し、2NのNaOH水溶液をpH=10
となるまで攪拌しながら滴下し、共沈物を得、pH=7の
イオン交換水を用い、実施例1と同じ方法で沈澱に付着
した塩素イオンを洗浄した。更にこの沈澱物のスラリー
にBa(OH)2 ・8H2O (98%、和光純薬工業)を5.64
0g混合し、この沈澱混合物にイオン交換水を加えて全
量を500mlとし、超音波洗浄器で攪拌して分散させ
て、得られたスラリーをオートクレーブに、実施例1と
同様に仕込んで、100〜150 rpmで攪拌しながら1
20分で240℃まで昇温し、0.5時間水熱処理した。
【0024】反応終了後スラリーを濾別して水洗し、真
空乾燥器内で乾燥させた。実施例1と同様の方法で分析
したところ、BaNd2Ti4O12 の結晶相が確認され、期待し
た通りBa:Nd:Ti:Bi=1.00:2.00:4.81:0.1
82の組成を保有しており、含有不純物量はいずれの元
素も10 ppm以下であり、その平均粒径は0.3μmであ
った。この粉体を実施例1と同様の方法で成形し、酸化
性雰囲気中、1200℃で5時間焼成すると、焼結体の
密度は5.37g/cm3 に達した。また、実施例1と同様
の方法で誘電特性を測定したところ、共振周波数3GHz
での室温比誘電率は91であり、Q値は1,900であっ
た。
【0025】(比較例3)BaCO3 (99.98%、石原産
業)11.307g、Nd2O3 (99.9%、三井金属鉱業)
19.264g、Bi2O3 (99.9%、添川理化学)4.85
0g、MnO (99%、半井化学)0.050g及びTiO
2(99.82g、堺化学)22.030gを原料として秤
量し、クロロセンを媒体としてボールミルで24時間混
合し、150℃で乾燥させた後、900℃で仮焼した。
水を媒体として3時間解砕すると、平均粒径は2.5μm
となった。5%PVA溶液を用いて造粒し、1t/cm2
で円板状に成形して1,350℃で5時間焼成したとこ
ろ、焼結体の密度は5.31g/cm3となった。実施例1
と同様の方法で誘電特性を測定したところ、共振周波数
3GHz での室温比誘電率は91であり、Q値は1,530
であった。
【0026】(実施例4)16%塩化チタン水溶液10
0.00gに塩化サマリウム6水和物(99.9%、和光純
薬工業)13.052g、塩化セリウム7水和物(98
%、和光純薬工業)1.415g、塩化ランタン7水和物
(99.9%、和光純薬工業)1.296gを加えて溶解
し、2NのNaOH水溶液をpH=10となるまで攪拌しなが
ら滴下し、共沈物を得た。このスラリーを遠心分離器に
掛け、上澄み液を除いて沈澱物を分離した。pH=10に
調製したイオン交換水を用い、実施例1と同じ方法で洗
浄し、塩素イオンを取り除いた。更にこの沈澱物のスラ
リーに純度98%のBa(OH)2 ・8H2O を6.6917g混
合し、この沈澱混合物にイオン交換水を加えて全量を5
00mlとし、超音波洗浄器で攪拌して分散させて得たス
ラリーを、オートクレーブに実施例1と同様に仕込ん
で、100〜150 rpmで攪拌しながら120分で24
0℃まで昇温し、0.5時間水熱処理した。
【0027】反応終了後スラリーを濾別して水洗し、真
空乾燥器内で乾燥させた。実施例1と同様の方法で分析
したところ、Ba(Sm、Ce、La)2Ti4O12の結晶相が確認さ
れ、期待した通りBa:Sm:Ce:La:Ti=1.00:1.6
8:0.18:0.16:3.98の組成を保有しており、含
有不純物量はいずれの元素も10 ppm以下であり、その
平均粒径は0.3μmであった。この粉体を実施例1と同
様の方法で成形し、酸化性雰囲気中、1200℃で5時
間焼成し、実施例1と同様の方法で誘電特性を測定した
ところ、共振周波数3GHz での室温比誘電率は94であ
り、Q値は4,010であった。
【0028】(比較例4)BaCO3 (99.98%、石原産
業)13.720g、Sm2O3 (99.9%、三井金属鉱業)
20.329g、CeO2(99.9%、三井金属鉱業)2.09
9g、La2O3 (99.9%、三井金属鉱業)1.862g及
びTiO2(99.8%、堺化学)22.084gを出発原料と
して、250mlボールミルでクロロセンを用いて20時
間混合を行い、乾燥後950℃で2時間仮焼した。これ
をボールミルで2時間水解砕したところ、平均粒径は2.
0μmとなった。5%PVA溶液を用いて造粒し、1t
/cm2 でディスク状に成形して、1350℃で2時間焼
成し、実施例1と同様の方法で誘電特性を測定したとこ
ろ、共振周波数3GHz での室温比誘電率は94であり、
Q値は3,400であった。
【0029】(実施例5)オキシ塩化ジルコニウム(9
7%、メルク)18.363gの塩酸酸性水溶液に塩化鉛
(和光純薬工業)175.203gを加えて溶解し、2N
のNaOH水溶液をpH=8となるまで攪拌しながら滴下し、
水酸化チタンと水酸化鉛の共沈物を得た。このスラリー
を遠心分離器に掛け、上澄み液を除いて沈澱物を分離し
た。次にこの沈澱物にpH=8に調製したイオン交換水を
加え、実施例1と同様の方法で洗浄し、塩素イオンを取
り除いた。更にこの沈澱物のスラリーに純度95%のCa
(OH)2 (和光純薬工業)28.853gを混合し、イオン
交換水を加えて全量を500mlとし、超音波洗浄器で攪
拌して分散させて得たスラリーを、オートクレーブに実
施例1と同様に仕込んで、100〜150 rpmで攪拌し
ながら120分で240℃まで昇温し、0.5時間水熱処
理した。
【0030】反応終了後スラリーを濾別して水洗し、真
空乾燥器内で乾燥させた。実施例1と同様の方法で分析
したところ、Pb(Ca)ZrO3の単相からなり、期待した通り
Pb:Ca:Zr=0.63:0.37:1.00の組成を保有して
おり、含有不純物量はいずれの元素も10 ppm以下であ
り、その平均粒径は0.3μmであった。この粉体を実施
例1と同様の方法で成形し、1,200℃で5時間焼成
し、実施例1と同様の方法で誘電特性を測定したとこ
ろ、共振周波数3.5GHz での室温比誘電率は111であ
り、Q値は1,220であった。
【0031】(比較例5)PbO (99.9%、添川理化
学)111.4906g、CaCO3 (99.0%、半井化学)
29.6283g及びZrO2(98.7%、第一稀元素)98.
8811gを出発原料として、1リットルのボールミル
でクロロセンを用いて20時間混合を行い、乾燥後85
0℃で2時間仮焼した。これを1リットルのボールミル
で2時間、水解砕したところ、平均粒径は2.5μmとな
った。5%PVA溶液を用いて造粒し、1t/cm2 で円
板状に成形して、1,350℃で2時間焼成し実施例1と
同様の方法で誘電特性を測定したところ、共振周波数3
GHz での室温比誘電率は110であり、Q値は1,080
であった。
【0032】(実施例6)16%塩化チタン水溶液10
0.00gに塩化サマリウム6水和物(99.9%、和光純
薬工業)13.251を加えて溶解し、2NのNaOH水溶液
をpH=10となるまで攪拌しながら滴下し共沈物を得
た。このスラリーを遠心分離器に掛け、上澄み液を除い
て沈澱物を分離した。実施例1と同じ方法で洗浄し、塩
素イオンを取り除いた。更にこの沈澱物のスラリーに純
度98%のBa(OH)2 ・8H2O 5.236gとSr(OH)2 ・8
H2O (和光純薬工業)0.480gを混合し、この混合物
にイオン交換水を加えて全量を500mlとし、超音波洗
浄器で攪拌して分散させて得たスラリーをオートクレー
ブに、実施例1と同様に仕込んで、100〜150 rpm
で攪拌しながら120分で240℃まで昇温し、0.5時
間水熱処理した。
【0033】反応終了後スラリーを濾別して水洗し、真
空乾燥器内で乾燥させた。実施例1と同様の方法で分析
したところ、BaSm2Ti4O12 の結晶相が確認され、期待し
た通りBa:Sr:Sm:Ti=1.00:0.11:2.22:5.1
9の組成を保有しており、含有不純物量はいずれの元素
も10 ppm以下であり、その平均粒径は0.2μmであっ
た。この粉体を実施例1と同様の方法で成形し、酸化性
雰囲気中、1,300℃で5時間焼成し、実施例1と同様
の方法で誘電特性を測定したところ、共振周波数3GHz
での室温比誘電率は81であり、Q値は3,900であっ
た。
【0034】(比較例6)BaCO3 (99.98%、石原産
業)11.682g、SrCO3 (半井化学)0.969g、Sm
2O3 (99.9%、三井金属鉱業)22.918g、TiO
2(99.8%、堺化学)24.536gを出発原料とし、
250mlボールミルでクロロセンを用いて20時間混合
を行い、乾燥後、950℃で2時間仮焼した。これをボ
ールミルで2時間水解砕したところ、平均粒径は1.5μ
mとなった。5%PVA溶液を用いて造粒し、1t/cm
2 で円板状に成形して、1,400℃で2時間焼成し、実
施例1と同様の方法で誘電特性を測定したところ、共振
周波数3GHz での室温比誘電率は80であり、Q値は3,
510であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の易焼結性マイクロ波誘電体用粉
末は、平均粒径が1μm以下と小さく、粒度分布が狭
く、低温焼結性に優れ、不純物を含まない高純度の粉体
であり、焼結体としたとき緻密で、Q値が高い比誘電率
80以上のマイクロ波誘電体用粉体を得ることができ、
その産業上の意義は極めて大きい。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01P 7/10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水熱合成法により合成された粉体であっ
    て、焼結体としたときの比誘電率が80以上で、かつ易
    焼結性であることを特徴とするマイクロ波誘電体用粉
    体。
JP4151208A 1992-05-20 1992-05-20 易焼結性マイクロ波誘電体用粉体 Pending JPH05319894A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002326868A (ja) * 2001-05-01 2002-11-12 Samsung Electro Mech Co Ltd 誘電体磁器組成物及びそれを用いた磁器コンデンサ並びにそれらの製造方法
CN107188560A (zh) * 2017-07-24 2017-09-22 宝鸡市金得利新材料有限公司 一种陶瓷电容器材料制备方法
JP2020019673A (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 太陽誘電株式会社 誘電体材料の製造方法および積層セラミックコンデンサの製造方法

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CN107188560A (zh) * 2017-07-24 2017-09-22 宝鸡市金得利新材料有限公司 一种陶瓷电容器材料制备方法
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