JPH05319862A - 非耐熱性標本入りガラス先駆体とその製造方法 - Google Patents

非耐熱性標本入りガラス先駆体とその製造方法

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JPH05319862A
JPH05319862A JP14693692A JP14693692A JPH05319862A JP H05319862 A JPH05319862 A JP H05319862A JP 14693692 A JP14693692 A JP 14693692A JP 14693692 A JP14693692 A JP 14693692A JP H05319862 A JPH05319862 A JP H05319862A
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phosphoric acid
glass precursor
methyl
alkyl silicate
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Eiji Takeuchi
栄次 竹内
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T S B KK
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  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非耐熱性の標本、例えば生花,ドライフラワ
ー,昆虫,装飾品等を亀裂等を生ぜず保存性の高い透明
なガラス先駆体に封じ込めること。 【構成】一般式(1)で示されるアルキルシリケート及
び/または一般式(2)で示されるシラン化合物をリン
酸と共縮合させ、その共縮合物中に非耐熱性標本を没入
し、かつその全体を密閉状態で静置してゲル化する。 Si(OR)4 (1) ここで、Rはメチルまたはエチル基を表す。 R′n Si(OR″)4-n (2) ここで、R′、R″はメチルまたはエチル基、nは1ま
たは2を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非耐熱性標本入りガラス
先駆体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラスは、原料となるシリカやソ
ーダ灰などを溶融してガラス化しこれを所定の型に流し
込むか、成型することによって作られてきているが、こ
の方法では、ガラス製造工程で数100℃以上の高温を
必要とするため大量の熱エネルギーを消費し、経済的に
好ましくないのに加え、成型加工も熟練を要するなど多
くの問題がある。
【0003】これに対し、近年、ゾル・ゲル法と呼ばれ
るガラスの低温での製造方法が注目されている。ゾル・
ゲル法は、一般式Si(OR)4 (ここでRは、メチル
またはエチル基)で示されるアルキルシリケートを主成
分とし、これに水、溶剤、触媒などを加えたゾルを加水
分解・重縮合によってゲル化させ、さらに乾燥させて乾
燥ゲルとしこれを加熱焼結してガラスを得る方法であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ゾル・ゲル法によるガ
ラス製造においては、ゾルが乾燥ゲルに移行する段階
で、溶剤や縮合反応生成物の気散のために、その分の容
積が減ることによりクラックやワレを生じやすいという
問題があり、また、加熱焼結してガラス化するものであ
るから、非耐熱性の標本、例えば生花,ドライフラワ
ー,昆虫,装飾品等を封じ込めことができなかったし、
特に大型のに成型することは困難であった。
【0005】本発明は、ゾル・ゲル法によるガラス製造
におけるかかる欠点を改善することを目的としてなされ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、アルキルシ
リケート及び/またはシラン化合物をリン酸と低級アル
コールを溶剤として共縮合させることによって、上記の
問題を解決することを知見し完成に至ったもので、さら
に詳しくは、一般式(1)で示されるアルキルシリケー
ト及び/または一般式(2)で示されるシラン化合物を
リン酸と共縮合させ、その共縮合物中に非耐熱性標本を
没入し、かつその全体を密閉状態で静置してゲル化する
ことを内容とする。 Si(OR)4 (1) ここで、Rはメチルまたはエチル基を表す。 R′n Si(OR″)4-n (2) ここで、R′、R″はメチルまたはエチル基、nは1ま
たは2を表す。
【0007】アルキルシリケート(1)及び/またはシ
ラン化合物(2)に対するリン酸の割合は、アルコキシ
(OR基)または(OR″基)の1モルに対してリン酸
が1/3〜1モルの範囲で組み合わされる。リン酸が少
なければゲル化に長い時間を要し、多くなればゲル化時
間が短くなる。
【0008】シラン化合物(γ−グリシドキシプロピル
トリアルコキシシラン及び/又はメチルトリメトキシシ
ラン)60%とエチルシルケートの加水分解物(SiO
2 として10%含む)40%の混合液をX液とする。一
方、85%リン酸10%とイソプロピルアルコール90
%との混合物をY液とする。X液及びY液それぞれの比
率によってゾルから湿潤ゲルまでの時間は表1のように
変化した。
【0009】
【表1】
【0010】リン酸としては化学用純85%リン酸が好
ましいが75%、89%、100%のリン酸や105
%、115〜116%のポリリン酸も使用できる。
【0011】アルキルシリケート(1)及び/またはシ
ラン化合物(2)に対するリン酸の反応は複雑で正確な
表現は困難であるが、例えば、アルキルシリケート
(1)及び/またはシラン化合物(2)のアルコキシ基
とリン酸が反応して
【0012】これが、さらにアルキルシリケート(1)
及び/またはシラン化合物(2)のアルコキシ基と反応
して、
【0013】また、さらにリン酸と反応して、 のような反応が繰り返されることによって、次式の構造
を含む無機ポリマーが完成されるものと考えられる。
【0014】
【0015】本発明において、必要に応じて染料、顔料
などの着色剤、無機フィラー、あるいは消泡剤、チクソ
性付与剤などを併用することもできる。
【0016】
【作用】本発明によれば、アルキルシリケート及び/ま
たはシラン化合物をリン酸と共縮合させ、その共縮合物
中に非耐熱性標本を没入し、かつその全体を密閉状態で
静置してゲル化することにより、当該非標本入りガラス
先駆体を製造できるもので、ゲル化するまでの時間を調
節することができ、しかも、乾燥ゲルに移行する段階で
はゲル中の溶剤や縮合反応生成物の気散に起因するクラ
ックやワレを生じにくく、したがって、大型に成型する
こともできる。
【0017】
【実施例】
実施例1 γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン400
gにメチルトリメトキシシラン100gを加え良く撹拌
・混合した(A液という)。一方、エチルシリケートの
加水分解物(SiO2 として10%含む)300gと8
5%リン酸100gをIPA(イソプロピルアルコー
ル)100gに溶解した(B液という)。
【0018】A液とB液を静かに混合して得られたゾル
を、密閉のできるガラスあるいはポリエチレン等の透明
容器に入れるとともに、その中に新鮮な生花一輪を下向
きにして没入設置して室温に静置した。ゾルは48時間
後にはゲル化し流動性がなくなった。その後、透明容器
の蓋の一部に穴を開けることによってこの容器を外部に
対して開放し、室温で4週間静置することにより湿潤ゲ
ルを乾燥ゲルとした。その乾燥ゲルを容器から取り出し
た。上記生花一輪は上記没入時の新鮮さ及び立体的状態
をそのまま保持している様子を外部から見ることができ
た。
【0019】実施例2 蒸留水99gに酢酸1gを加えて撹拌し、これをγ−グ
リシドキシプロピルトリアルコキシシラン400gに滴
下し、撹拌混合した(A2 液という)。一方、85%リ
ン酸100gを蒸留水400gに溶解した(B2 液とい
う)。A2 液とB2 液を静かに混合して得られたゾル
を、実施例1と同様に、透明容器に入れ、かつその中に
新鮮な生花一輪を下向きにして没入設置して室温に静置
した。ゾルは72時間後にはゲル化し流動性がなくなっ
た。
【0020】実施例3 γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン400
gにメチルトリメトキシシラン100gを加え、良く撹
拌・混合した(A3 液という)。一方、エチルシリケー
トの加水分解物(SiO2 として10%含む)480g
に85%リン酸80gを良く混合撹拌した(B3 液とい
う)。A3 液とB3 液を静かに混合して得られたゾル
を、実施例1と同様に、透明容器に入れ、かつその中に
ドライフラワーを下向きにして没入設置して室温に静置
した。ゾルは36時間後にはゲル化し流動性がなくなっ
た。
【0021】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、アルキルシリケート及び/またはシラ
ン化合物をリン酸と共縮合させ、その共縮合物中に非耐
熱性標本を没入し、かつその全体を密閉状態で静置して
ゲル化することにより、当該標本入りガラス先駆体を製
造できるもので、ゲル化するまでの時間を調節すること
ができ、しかも、乾燥ゲルに移行する段階ではゲル中の
溶剤や縮合反応生成物の気散に起因するクラックやワレ
を生じにくく、したがってまた、大型に成型することも
できる。その上、本発明ガラス先駆体は、透明度が高く
当該標本を外部からよく見ることができるとともに、そ
の封じ込みも完全であるから当該標本の長期保存に有効
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で示されるアルキルシリケー
    ト及び/または一般式(2)で示されるシラン化合物と
    リン酸との共縮合物中に非耐熱性標本を封じ込んでなる
    ことを特徴とする非耐熱性標本入りガラス先駆体。 Si(OR)4 (1) ここで、Rはメチルまたはエチル基を表す。 R′n Si(OR″)4-n (2) ここで、R′、R″はメチルまたはエチル基、nは1ま
    たは2を表す。
  2. 【請求項2】一般式(1)で示されるアルキルシリケー
    ト及び/または一般式(2)で示されるシラン化合物を
    リン酸と共縮合させ、その共縮合物中に非耐熱性標本を
    没入し、かつその全体を密閉状態で静置してゲル化する
    ことを特徴とする非耐熱性標本入りガラス先駆体の製造
    方法。 Si(OR)4 (1) ここで、Rはメチルまたはエチル基を表す。 R′n Si(OR″)4-n (2) ここで、R′、R″はメチルまたはエチル基、nは1ま
    たは2を表す。
  3. 【請求項3】アルキルシリケート及び/またはシラン化
    合物のアルコキシ基1モルに対してリン酸が1/3〜1
    モルである請求項1記載の共縮合物からなる非耐熱性標
    本入りガラス先駆体。
  4. 【請求項4】アルキルシリケート及び/またはシラン化
    合物のアルコキシ基1モルに対してリン酸が1/3〜1
    モルである請求項2記載の非耐熱性標本入りガラス先駆
    体の製造方法。
JP4146936A 1992-05-13 1992-05-13 非耐熱性標本入りガラス先駆体とその製造方法 Expired - Lifetime JPH0791071B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0628248A1 (en) * 1992-12-16 1994-12-14 Shiseido Company Limited Dry flower and process for producing
WO2009023082A3 (en) * 2007-07-25 2009-04-09 Corning Inc Apparatus and method for making nanoparticles using a hot wall reactor

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6225616A (ja) * 1985-07-24 1987-02-03 Shimizu Constr Co Ltd ブレ−ド内蔵型オ−ガ掘削機

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