JPH0531948U - 印刷機のインキ壺装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インキ皮膜の変化による濃度低下を防止す
る。 【構成】 インキ壺本体７は、支持ピン１６を中心とし
てサイドフレーム１５に回動自在に支持され、つまみ２
０を締付けることによりサイドフレーム１５に一体化さ
れている。サイドフレーム１５は、第２のカムフォロァ
ー２４によりサブフレーム３に矢印Ｄ方向に揺動自在と
なっている。そして、サイドフレーム１５は、圧縮スプ
リング２９により、サブフレーム３からＥ方向の付勢力
を付与されている。インキ壺本体７の上面には、ブレー
ド台３３が取付けられ、また、インキブレード３４がイ
ンキ壺ローラ１の周面と隙間を有して設けられている。
ブレード台３３には、ベアリング台３５が取付けられ、
ベアリング台３５には追従ベアリング３６が回動自在に
支持されている。追従ベアリング３６は、圧縮スプリン
グ２９の付勢力により、インキ壺ローラ１の周面に圧接
されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、印刷機においてインキ壺内のインキを所定量づつ連続して流出させ るインキ壺装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

オフセット輪転機の版胴に装着された版に印刷用インキを供給するインキ装置 は、インキ壺に蓄えられたインクを所定量づつ流出させるインク壺装置を備えて いる。このインク壺装置は、フレーム間に軸架されて回転するインキ壺ローラと 、インク壺ローラの周面に臨ませてブレード台上に固定されたインキブレードと を備えている。 そして、インキ壺に蓄えられたインキは、インキ壺ローラの回転によりその周 面とインキブレードとの隙間から流出してインキ壺ローラの周面にインキ皮膜を 形成する。 ところで、近年オフセット印刷機は高速化が進み、これにともないゴムローラ の発熱による熱変形でインキ転移変化が発生し、また、移しローラの往復運動に よる急減速、急加速による発熱でこれに接するインキ壺ローラが熱変形し、その 結果としてインキ皮膜が変化し濃度低下という問題が発生してきている。

【０００３】 この問題を解決するために、特開昭５９−４１２６９号および特開平２−１８ ４４３９号にインキ皮膜を一定にする技術が提案されている。 ここで提案された印刷機のインキ壺装置は、インキ壺ローラまたはインキ壺ロ ーラの軸受ブッシュに当接する調整棒または調整ローラを備え、インキ壺ローラ またはインキ壺ローラの軸受ブッシュの熱による変形を、調整棒または調整ロー ラを介しインキ壺を軸を中心として回動させることにより、インキ壺ローラの周 面とインキ調量部材との間隔を一定に保持しようとするものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上述した従来の印刷機のインキ壺装置においては、インキ壺ロ ーラの変形にともなうインキ調量部材の直線移動量をインキ壺の回転移動量に変 換する構造であるために、インキ壺ローラの変形量とインキ壺ローラ周面からの インキブレードの移動量とが一致せず、このため、インキ壺ローラ周面とインキ ブレードとの隙間を一定に保持することが困難となる欠点がある。 本考案は上記した従来の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると ころは、常にインキ壺ローラ周面とインキブレードとの隙間を一定に保持して、 インキ皮膜の変化による濃度低下を防止した印刷機のインキ壺装置を提供するこ とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案に係る印刷機のインキ壺装置は、インキ壺 ローラの周面と一定の隙間を有して配設されるインキブレードを有するインキ壺 を前記インキ壺ローラの周面に対して遠近自在に進退可能とし、このインキ壺に 前記インキ壺ローラの周面に当接してこのインキ壺ローラの周面の形状に追従す る追従コロを備え、この追従コロを前記インキ壺ローラの周面に圧接するように 前記インキ壺を常時付勢したものである。

【０００６】

【作用】

本考案においては、インキ壺をインキ壺ローラの周面に対して遠近自在に進退 可能としたので、追従ローラの移動量とインキブレードの移動量が一致する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。図１は本考案に係る印刷機 のインク壺装置の側面図、図２は同じく平面図である。これらの図において、イ ンキ壺ローラ１は、片側の基台フレーム２ａに回転自在に支持され、かつ両側の サブフレーム３間に回転自在に支持されて図中矢印Ａ方向に回転する。 サブフレーム３は、基台フレーム２に植設された複数のピン４により回動を規 制され、円形ステー５によって左右を連結した状態で固定されている。 インキ壺本体７の上面には、インキ肉セキ８が固定され、これらインキ肉セキ ８、インキ壺本体７およびインキ壺ローラ１の周面に囲まれたインキ壺９に図示 を省略したインキが蓄えられている。

【０００８】 インキ壺本体７の両側面に固定されたブラケット１１には、第１のカムフォロ ァー１２が回動自在に支持されており、この第１のカムフォロァー１２はサブフ レーム３に固定されたプレート１３に当接し、図２中インキ壺本体７の左右方向 の動きを規制して上下方向のガイドとして機能する。 サイドフレーム１５の側面に植設された支持ピン１６の突出端に、インキ壺本 体７の側面に凹設した嵌合孔１７が嵌合しており、インキ壺本体７は支持ピン１ ６を中心としてサイドフレーム１５に回動自在に支持されている。

【０００９】 サイドフレーム１５の後端部に取り付けたブラケット１９には、ハンドル２０ が回動自在に設けられていて、また、ボルト２１が螺入されており、ハンドル２ ０をインキ壺本体７のＵ字溝２２と係合させて締めることにより、インキ壺本体 ７を図の位置に固定できる。 また、インキ壺９を清掃する際には、ハンドル２０を緩めることにより、ハン ドル２０を矢印Ｂ方向に回動させ、インキ壺本体７を支持ピン１６を中心として 矢印Ｃ方向に回動させて行う。

【００１０】 サイドフレーム１５の下部に回動自在に支持された第２のカムフォロァー２４ は、サブフレーム３の水平面３ａに当接しており、サイドフレーム１５は、サブ フレーム３上に第２のカムフォロァー２４にて載置されて、サイドフレーム１５ に一体化されたインキ壺本体７と共に、矢印Ｄ方向、すなわちインキ壺ローラ１ に対して遠近自在に進退可能となっている。

【００１１】 サイドフレーム１５の側面に固定されたブラケット２６の嵌合孔２６ａには、 ガイド棒２７の一端が嵌合しており、他端はサブフレーム３の後端部に固定した ブラケット３１に螺入した調整ボルト２８の嵌合孔２８ａに進退自在に嵌合して いる。 ガイド棒２７には、圧縮スプリング２９が嵌挿されており、圧縮スプリング２ ９の一端はガイド棒２７の大径部を介して、他端は調整ボルト２８にそれぞれ当 接しており、調整ボルト２８の進退量によって、圧縮スプリング２９のスプリン グ力を調整している。 このスプリング力により、サイドフレーム１５はサブフレーム３から矢印Ｅ方 向の付勢力が付与され、前述したようにサイドフレーム１５がサブフレーム３上 を矢印Ｄ方向に進退自在となっているので、サイドフレーム１５およびインキ壺 本体７は、インキ壺ローラ１側に付勢されることとなる。

【００１２】 インキ壺本体７の上面には、ブレード台３３が取り付けられており、また、先 端がインキ壺ローラ１の周面に対して一定の隙間ｔを有するインキブレード３４ が設けられている。 ブレード台３３の上面には、ベアリング台３５が取り付けられており、ベアリ ング台３５の先端には、追従用ベアリング３６が回動自在に支持され、インキ壺 ローラ１の周面に当接することにより、前述したインキブレード３４がインキ壺 ローラ１の周面に対して一定の隙間を保持している。

【００１３】 以下、動作を説明する。圧縮スプリング２９のＥ方向の付勢力によって、サイ ドフレームおよびインキ壺本体７もＥ方向、すなわちインキ壺ローラ側に摺動付 与され、追従用ベアリング３６がインキ壺ローラ１の周面に圧接される。 ここで、インキ壺ローラ１が発熱によって膨張すると、インキ壺本体７は追従 用ベアリング３６を介して、圧縮スプリング２９の付勢力に抗して矢印Ｅと反対 方向にインキ壺ローラ１の膨張分だけ微移動する。 このインキ壺本体７の微移動により、インキブレード３４とインキ壺ローラ１ の周面の隙間は、インキ壺ローラ１の膨張にもかかわらず、初期設定の一定値に 保持される。

【００１４】 印刷動作が終了して、印刷機を停止し、しばらくたって再び印刷動作を開始す るとき、インキ壺ローラ１に発生した熱が放熱されて、インキ壺ローラ１が収縮 した際も、追従ベアリング３６がインキ壺ローラ１の周面に追従し、インキ壺本 体７がＥ方向に微移動するので、インキブレード３４とインキ壺ローラ１の周面 の隙間は、初期設定の一定値に保持される。 なお、本実施例では、インキ壺ローラ１の中心点からローラ１の周面方向に沿 って、インキブレード３４と追従ベアリング３６とをずらした位置に配設したが 、同じ位置に配設すればインキブレード３６とインキ壺ローラ１の周面との隙間 は、より正確に保持される。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、ブレードを有するインキ壺を前記イン キ壺ローラの周面に対して遠近自在に進退可能とし、このインキ壺にインキ壺ロ ーラの周面に当接してこのインキ壺ローラの周面の形状に追従する追従コロを備 え、この追従コロをインキ壺ローラの周面に圧接するようにインキ壺を常時付勢 したので、インキ壺ローラの発熱による変形に対して追従コロが追従し、その結 果、インキ壺が揺動してインキブレードとインキ壺ローラの周面との隙間が常に 正確に一定に保持される。このため、インキ壺から供給されるインクの量および インキ壺ローラ表面のインキ皮膜を一定に保持でき、これにより高速化にともな う濃度低下を解消することができる効果がある。

【提出日】平成４年１２月１０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００８

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００８】 インキ壺本体７の両側面に固定されたブラケット１１には、第１のカムフォロ ァー１２が回動自在に支持されており、この第１のカムフォロァー１２はサブフ レーム３に固定されたプレート１３に当接し、図２中インキ壺本体７の左右方向 の動きを規制して前後方向のガイドとして機能する。 サイドフレーム１５の側面に植設された支持ピン１６の突出端に、インキ壺本 体７の側面に凹設した嵌合孔１７が嵌合しており、インキ壺本体７は支持ピン１ ６を中心としてサイドフレーム１５に回動自在に支持されている。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１２】 インキ壺本体７の上面には、ブロック３３が取り付けられており、また、先端 がインキ壺ローラ１の周面に対して一定の隙間ｔを有するインキブレード３４が 設けられている。 ブロック３３の上面には、ベアリング台３５が取り付けられており、ベアリン グ台３５の先端には、追従用ベアリング３６が回動自在に支持され、インキ壺ロ ーラ１の周面に当接することにより、前述したインキブレード３４がインキ壺ロ ーラ１の周面に対して一定の隙間を保持している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る印刷機のインク壺装置の側面図で
ある。

【図２】本考案に係る印刷機のインク壺装置の平面図で
ある。

【符号の説明】

１ インキ壺ローラ ３ サブフレーム ７ インキ壺本体 ８ インキ肉セキ １５ サイドフレーム １６ 支持ピン ２７ ガイド棒 ２９ 圧縮スプリング ３４ インキブレード ３６ 追従ベアリング

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【手続補正書】

【提出日】平成４年１２月１０日

【手続補正３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図 １】

【図 ２】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 インキ壺ローラの周面と一定の隙間を有
   して配設されるインキブレードを有するインキ壺を前記
   インキ壺ローラの周面に対して遠近自在に進退可能と
   し、このインキ壺に前記インキ壺ローラの周面に当接し
   てこのインキ壺ローラの周面の形状に追従する追従コロ
   を備え、この追従コロを前記インキ壺ローラの周面に圧
   接するように前記インキ壺を常時付勢したことを特徴と
   する印刷機のインキ壺装置。