JPH05319287A - パワーステアリング装置のための電気制御装置 - Google Patents

パワーステアリング装置のための電気制御装置

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JPH05319287A
JPH05319287A JP13360992A JP13360992A JPH05319287A JP H05319287 A JPH05319287 A JP H05319287A JP 13360992 A JP13360992 A JP 13360992A JP 13360992 A JP13360992 A JP 13360992A JP H05319287 A JPH05319287 A JP H05319287A
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JP
Japan
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steering
steering wheel
vehicle
reaction force
motor
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Application number
JP13360992A
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English (en)
Inventor
Ikuo Kushiro
育生 久代
Atsushi Umemura
厚 梅村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハンドルの回動操作とは無関係に前輪を補助
的に操舵しても車両の操舵フィーリングを良好に保つ。 【構成】 マイクロコンピュータ56は、ヨーレートセ
ンサ52により検出されたヨーレート(車両の挙動)お
よび横風センサ53により検出された横風(外乱)に応
じてモータ制御回路60を制御して電動モータ46を回
転させる。この電動モータ46の回転により、前輪FW
がハンドル20の操作とは無関係に補助操舵される。こ
のとき、マイクロコンピュータ56はモータ制御回路6
0から電動モータ46へのモータ電流指令値を入力する
とともに、同値に基づいてソレノイドバルブ31への通
電電流を制御して、油圧反力室28への供給油圧を減少
させる。これにより、前輪FWの補助操舵によるハンド
ル20への反力が低減するので、運転者は違和感を感じ
なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハンドルの回動操作と
独立して前輪を補助的に操舵可能なパワーステアリング
装置のための電気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開平1
−136873号公報に示されているように、ハンドル
の回動操作と独立して前輪を補助的に操舵可能なアクチ
ュエータを設け、同アクチュエータを車両の挙動、外乱
などに応じて駆動制御し、車両の挙動が不安定なとき、
車両に急な外乱が作用したときなどに前輪を補助的に操
舵して、車両の走行安定性を良好にするようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、前輪の補助的な操舵は運転者のハンドル
操作とは無関係であるので、前輪の操舵に伴う反力がハ
ンドルに付与されると、運転者は違和感を感じ、車両の
操舵フィーリングが悪化する。本発明は上記問題に対処
するためになされたもので、その目的は、前輪をハンド
ルの回動操作とは無関係に補助的に操舵しても車両の操
舵フィーリングが良好に保たれるパワーステアリング装
置のための電気制御装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、前輪の補助的な操舵に連
動して、パワーステアリング装置内に設けられた反力付
与機構を制御し同機構による反力を小さくする反力制御
手段を設けたことにある。
【0005】
【発明の作用・効果】上記のように構成した本発明にお
いては、ハンドルの回動操作と無関係に前輪が補助的に
操舵されたとき、反力制御手段が反力付与機構を制御し
て同機構による反力を小さくするので、前記補助的な操
舵に伴って前輪からハンドルに伝達される操舵反力が抑
制される。これにより、運転者は補助操舵とは無関係な
操舵反力のみを感じながらハンドルを操作できるので、
同者は違和感を感じなくなり、車両の操舵フィーリング
が常に良好になる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
すると、図1は補助操舵機構を含む車両のパワーステア
リング装置と同装置を電気的に制御する電気制御装置と
を概略的に示している。
【0007】パワーステアリング装置は、ハウジング1
0内にて同軸的に回転可能に組み付けたバルブロータ1
1及びバルブスリーブ12を備えている。バルブロータ
11とバルブスリーブ12は、それらの相対的な回転変
位によって、油圧ポンプ13から油路P1、分流弁14
及び油路P2を介して供給される作動油をパワーシリン
ダ15の一方の油室に供給するとともに、同シリンダ1
5の他方の油室からの作動油を油路P3を介してリザー
バ16に排出するものである。バルブロータ11は入力
軸17と一体形成され、同入力軸17は操舵軸18を介
してハンドル20に接続されている。バルブスリーブ1
2はピン21を介して中間軸22に一体回転可能に接続
されており、これらの入力軸17と中間軸22との間に
はトーションバー23が介装されている。なお、入力軸
17とトーションバー23の連結はピン24を介してな
され、また中間軸22とトーションバー23の連結はセ
レーション25を介してなされている。
【0008】また、ハウジング10内には、入力軸17
及びバルブロータ11に一体的に形成した腕部26を供
給油圧に応じた押圧力で基準回転位置に付勢するプラン
ジャ27を収容した油圧反力室28が設けられており、
同反力室28は油路P4を介して分流弁14の流出口に
接続されるとともに、油路P4と固定オリフィス29を
介装した油路P5とを介して油路P2に接続されてい
る。分流弁14は油路P1を介して供給される作動油を
油路P2と油路P4とに分流するとともに、作動油圧が
変動しても油路P4側に一定流量の作動油を供給するも
ので、同分流弁14の他の流出口には油路P6の一端が
接続されている。油路P6の他端はソレノイドバルブ3
1及び油路P7を介して油路P3に接続されている。ソ
レノイドバルブ31は電気的に制御されるもので、同バ
ルブ31の開度は通電量に比例するようになっている。
【0009】中間軸22の下端には、支持軸32がスプ
ライン33を介して一体回転可能に接続されていて、同
軸32上には出力ピニオン34が回転自在に組み付けら
れている。出力ピニオン34にはラックバー35が噛合
している。このラックバー35はパワーシリンダ15の
ピストンロッドを兼ねていて、出力ピニオン34の回転
及びパワーシリンダ15により軸方向へ駆動されて前輪
FWを操舵する。
【0010】支持軸32の外周上には、楕円サンギヤ3
6がスプライン37を介して一体回転可能に組み付けら
れている。楕円サンギヤ36には楕円プラネタリギヤ3
8が噛合しており、同ギヤ38はキャリア41に組み付
けたキャリア軸42の外周上に回転可能に組み付けられ
ている。キャリア41はハウジング10及び支持軸32
に回転可能に組み付けられている。楕円プラネタリギヤ
38の外周上には、セレーション43を介して円形プラ
ネタリギヤ44が一体回転可能に組み付けられており、
同ギヤ44は出力ピニオン34に噛合している。キヤリ
ア41にはホイール45が固定されており、同ホイール
45は、ステップモータで構成した電動モータ46によ
り回転駆動されるウォーム47に噛合していて、同モー
タ46の回転に応じて支持軸32の回りに回転するよう
になっている。なお、このような構成により、ハンドル
20の回動によって楕円サンギヤ36が単独で回転して
も、電動モータ46の回転によってキャリア41が単独
で回転しても、出力ピニオン34が回転してラックバー
35を介して前輪FWが操舵されるようになっている
が、電動モータ46の回転方向に関しては、同モータ4
6の正方向(又は負方向)の回転が前輪FWの右方向
(又は左方向)の操舵に対応するようになっている。
【0011】電気制御装置は、車速センサ51、ヨーレ
ートセンサ52、横風センサ53、ハンドル舵角センサ
54および把持力センサ55を備えている。車速センサ
51は変速機(図示しない)の出力軸の回転数を検出す
ることにより、車速Vを表す検出信号を出力する。ヨー
レートセンサ52は車体の重心位置垂直軸回りの回転角
速度を車両の挙動状態量として検出して、同回転角速度
すなわちヨーレートYR を表す検出信号を出力する。横
風センサ53は車両が受ける横風の風速を車両に対する
外乱の状態量として検出して、同横風風速GR を表す検
出信号を出力する。ハンドル舵角センサ54は操舵軸1
8の回転角を車両の運転操作量として検出して、同回転
角すなわちハンドル舵角δH を表す検出信号を出力す
る。なお、この場合、ヨーレートYR及びハンドル舵角
δHは正により右回転方向を表し、負により左回転方向
を表す。横風風速GR は正により車両の右方向への横風
を表し、負により左方向への横風を表す。把持力センサ
55は運転者のハンドル20に対する把持力Pを検出し
て、同把持力Pを表す検出信号を出力するもので、例え
ば実開平4−31081号公報に示されたものを利用で
きる。
【0012】各センサ51〜55はマイクロコンピュー
タ56に接続されている。マイクロコンピュータ56は
CPU、ROM、RAM、インターフェース回路などか
らなり、図3,4のフローチャートに対応したプログラ
ムを実行する。なお、ROM内には前記プログラムを記
憶する領域と共にテーブルも設けられ、同テーブルに
は、それぞれ車速Vに応じて変化する油圧制御電流値I
S (図5(A))、舵角比K1(図5(B))、ヨーレート
補正係数K2(図5(C))及び横風補正係数K3 (図5
(D))と、それぞれ把持力Pに応じて変化する把持力補
正係数K4 (図5(E))及び油圧増加係数KS (図5
(F))とが記憶されている。このマイクロコンピュータ
56はソレノイドバルブ31を制御するとともに、モー
タ制御回路60を介して電動モータ46を制御する。
【0013】モータ制御回路60は電動モータ46の回
転角をマイクロコンピュータ56からのモータ回転角θ
M に制御する位置サーボ回路で構成されており、図2に
示すように、同コンピュータ56からのモータ回転角θ
M を入力する減算器61を備えている。減算器61は回
転角エンコーダ62により検出された電動モータ46の
回転角も入力しており、前記モータ回転角θM から前記
検出された回転角を減算して同減算結果を利得制御回路
63に出力する。利得制御回路63は前記減算結果に予
め決められた利得値を乗算して減算器64に出力する。
減算器64は回転角エンコーダ62により検出された電
動モータ46の回転角を微分回路64にて微分するとと
もに利得制御回路65にて前記微分値に予め決められた
利得値を乗算した値も入力しており、利得制御回路63
からの値から利得制御回路65からの値を減算してモー
タ電流指令値iMSとして駆動回路66およびマイクロコ
ンピュータ56に出力する。これにより、モータ電流指
令値iMSは、基本的にはマイクロコンピュータ56によ
って指示されたモータ回転角θM から回転角エンコーダ
62によって検出された電動モータ46の実回転角の差
に比例した位置フィードバック量を示すとともに、同位
置フィードバック量を電動モータ46の回転角の変化量
に比例した位置変化フィードバック量により補正した指
令値を示すことになる。駆動回路66は前記モータ電流
指令値iMSに応じた電流を電動モータ46に流して、同
モータ46の回転を制御する。
【0014】次に、上記のように構成した実施例の動作
を説明する。ハンドル20が回動されると、この回動は
入力軸17、トーションバー23、中間軸22及び支持
軸32を介して楕円サンギヤ36に伝達され、同ギヤ3
6が回転する。この回転は、楕円プラネタリギヤ38及
び円形プラネタリギヤ44を介して出力ピニオン34に
伝達され、同ピニオン34の回転によってラックバー3
5が軸方向に変位するので、前輪FWがハンドル20の
回動により操舵される。また、このとき、トーションバ
ー23に作用する操舵トルクに応じてバルブロータ11
及びバルブスリーブ12からなるロータリバルブが作動
し、同バルブは油圧ポンプ13から油路P1、分流弁1
4及び油路P2を介して供給される作動油をパワーシリ
ンダ15の一方の油室へ供給すると共に、同シリンダ1
5の他方の油室内の作動油を油路P3を介してリザーバ
16へ戻すので、パワーシリンダ15が前記前輪FWの
操舵を油圧アシストする。
【0015】なお、この実施例においては、ハンドル2
0の回転の伝達路に設けた楕円サンギヤ36及び楕円プ
ラネタリギヤ38の作用により、ハンドル20の単位回
転角に対する前輪FWの転舵角の比がハンドル20の回
動位置に応じて変更可能になっているが、この点につい
ては本発明に直接関係しないので、説明を省略する。
【0016】一方、マイクロコンピュータ56はイグニ
ッションスイッチ(図示しない)の閉成に応答して図3
のステップ100にてプログラムの実行を開始し、前記
前輪FWの操舵中、ステップ101〜125からなる循
環処理を実行し続けて、各センサ51〜55からの検出
信号に応じてソレノイドバルブ31及び電動モータ46
の作動を制御する。
【0017】この循環処理においては、ステップ101
にて車速センサ51から車速Vを表す検出信号が読み込
まれて、ステップ102にて前記車速Vに基づいてテー
ブルから油圧制御電流値IS (図5(A)参照)が読み出
される。
【0018】次に、ステップ103にてハンドル舵角セ
ンサ54からハンドル舵角δH を表す検出信号が読み込
まれ、ステップ104にて前記車速Vに基づいてテーブ
ルから舵角比K1 (図5(B)参照)が読み出されて、ス
テップ105にて前記ハンドル舵角δH 及び前記舵角比
1 に基づく下記数1の演算の実行によって補正値θH
が計算される。
【0019】
【数1】θH=K1・δH 次に、ステップ106にてヨーレートセンサ52からヨ
ーレートYR を表す検出信号が読み込まれ、ステップ1
07にて前記車速Vに基づいてテーブルからヨーレート
補正係数K2 (図5(C)参照)が読み出されて、ステッ
プ108にて前記ヨーレートYR 及び前記ヨーレート補
正係数K2 に基づく下記数2の演算の実行によって補正
値θY が計算される。
【0020】
【数2】θY=K2・YR 次に、ステップ109にて横風センサ53から横風風速
R を表す検出信号が読み込まれ、ステップ110にて
前記車速Vに基づいてテーブルから横風補正係数K3
(図5(D)参照)が読み出されて、ステップ111にて
前記横風風速GR及び前記横風補正係数K3 に基づく下
記数3の演算の実行によって補正値θG が計算される。
【0021】
【数3】θG=K3・GR そして、ステップ112にて前記計算した両補正値
θY,θGを、下記数4に示すように、加算演算して、新
たな補正値θEが計算される。
【0022】
【数4】θE=θY+θG 次に、図4のステップ113にて把持力センサ55から
運転者によるハンドル20の把持力Pを表す検出信号が
読み込まれて、ステップ114にて同把持力Pが所定値
0 以上であるか否かが判定される。この場合、運転者
がハンドル20を堅固に握っていて、前記検出した把持
力Pが所定値P0 以上であれば、ステップ114にて
「YES」と判定され、ステップ115にて前記把持力
Pに基づいてテーブルから油圧増加係数KS (図5(F)
参照)が読み出されて、ステップ116にて前記油圧制
御電流値IS 及び前記油圧増加係数KS に基づく下記数
5の演算の実行によって、前記ステップ102の処理に
より車速Vに応じて決定した油圧制御電流値IS が油圧
増加係数KS に応じて補正される。
【0023】
【数5】IS=KS・IS 一方、運転者がハンドル20を堅固に握っていなくて、
前記検出した把持力Pが所定値P0 未満であれば、ステ
ップ114にて「NO」と判定され、ステップ117に
て前記把持力Pに基づいてテーブルから把持力補正係数
4 (図5(E))が読み出されて、ステップ118にて
補正値θE及び把持力補正係数K4に基づく下記数6の演
算の実行によって、前記ステップ112の処理により計
算した補正値θE が把持力補正係数K4に応じて補正さ
れる。
【0024】
【数6】θE=K4・θE 前記ステップ116,118の処理後、ステップ119
にて前記補正値θHEに基づく下記数7の演算の実行
によってモータ回転角θMが計算され、ステップ120
にてモータ回転角θM に対応した制御信号がモータ制御
回路60に出力される。
【0025】
【数7】θM=θH+θE モータ制御回路60は供給された制御信号により電動モ
ータ46を駆動制御して、同モータ46をモータ回転角
θM により表された回転位置まで回転する。この電動モ
ータ46の回転はウォーム47及びホイール45を介し
てキャリア41に伝達され、キャリア41が支持軸32
の回りを公転する。この場合、支持軸32及び楕円サン
ギヤ36は運転者の回動操作分のみ回動されるだけであ
るので、楕円プラネタリギヤ38及び円形プラネタリギ
ヤ44が前記キャリア41の公転分に対応してキャリア
軸42の回りに自転し、この自転分に対応して出力ピニ
オン34が回転する。これにより、出力ピニオン34
が、上述したハンドル20の回動量に対応した回転に加
えて、前記電動モータ46の回転量に応じて回転して、
前輪FWはハンドル20の回動に加えて電動モータ46
の回転量に比例した角度だけ補助操舵される。
【0026】したがって、把持力Pが所定値P0 以上で
あれば、前輪FWは、上記数1〜4,7の合成結果とし
ての下記数8により示されたモータ回転角θM に比例し
て補助操舵されることになる。
【0027】
【数8】θM=K1・δH+K2・YR+K3・GR この場合、前記数8中の第1項K1・δH はハンドル舵角
δH の大きさに応じた補正操舵量を規定するものであ
り、舵角比K1 は図5(B)に示すように車速Vの増加に
したがって絶対値の大きな正の値から絶対値の大きな負
の値に連続的に変化する。これにより、車速Vが増加す
るにしたがって、前輪FWは、ハンドル20の回動方向
と同一方向にその回動量に比例して大きく補正操舵され
る状態から同ハンドル20の回動方向と反対方向にその
回動量に比例して大きく補正操舵される状態に連続的に
変化する。したがって、この第1項K1・δH の補正操舵
により、低速走行時における車両の操縦性が良好とな
り、かつ高速走行時における車両の走行安定性が良好と
なる。また、前記数8の第2項K2・YR は車両に発生す
るヨーレートYR の大きさに応じて前輪FWの操舵角を
補正するものであり、ヨーレート補正係数K2は図5
(C) に示すように車速Vの増加にしたがって「0」か
ら絶対値の大きな負の値に変化する。これにより、前輪
FWは、ヨーレートの方向とは逆方向にヨーレートYR
の絶対値|YR|および車速Vの増加にしたがって大き
く補正操舵される。したがって、この第2項K2・YR
補正操舵により、車両のヨーレートYR は、車速が増加
するほど大きく打ち消されるので、高速走行時における
車両の走行安定性が良好になる。さらに、前記数8の第
3項K3・GR は車両に対する横風風速GR の大きさに応
じて前輪FWの操舵角を補正するもので、横風補正係数
3 は、図5(D)に示すように、車速Vが小さいとき
「0」であるとともに、車速Vが大きくなるにしたがっ
て絶対値の大きな負の値まで変化する。これにより、こ
の場合も、前輪FWは、横風の方向とは逆方向に風速G
Rの絶対値|GR|および車速Vの増加にしたがって大き
く補正操舵される。したがって、この第3項K3・GR
補正操舵により、車両が受ける横風による影響は、車速
が増加するほど大きく打ち消されるので、中高速走行時
における車両の走行安定性が良好になる。
【0028】また、把持力Pが所定値P0 未満であれ
ば、前輪FWは、上記数1〜4,6,7の合成結果とし
ての下記数9により示されたモータ回転角θM に比例し
て補助操舵されることになる。
【0029】
【数9】θM=K1・δH+K4・(K2・YR+K3・GR) この数9は第2,3項に把持力補正係数K4 が乗算され
ている点で前記数8とは異なり、把持力補正係数K4
は、図5(E)に示すように、把持力Pが小さいとき
「0」であり、把持力Pが大きくなるにしたがって大き
くなるものである。これにより、把持力Pが小さいとき
には、ヨーレートYRおよび横風風速GRによる前輪FW
の補正操舵は行われない。また、把持力Pが大きくなる
にしたがって、前述した場合と同様に、前輪FWはヨー
レートYRおよび横風風速GRに応じて補正操舵されるよ
うになる。
【0030】前記ステップ120の処理後、ステップ1
21にてモータ電流指令値iMSがモータ制御回路60か
ら読み込まれ、ステップ122にてモータ電流指令値i
MSの変化を緩和するためにモータ電流指令値iMSの一時
遅れ演算値IMSが計算される。次に、ステップ123に
てこの一時遅れ演算値IMSを用いた下記数10の演算の
実行により補正値ISMが計算される。
【0031】
【数10】ISM=KM・|IMS|・(θM−θH)/θM 前記数10中、KMは予め決められた比例係数である。
また、(θM−θH)/θMは、ハンドル20の操作と無関
係なヨーレートYR(車両の挙動)および横風風速G
R(外乱)によって前輪FWが補助操舵された場合につ
いてのみ補正値ISMを有効に作用させるためのものであ
る。そして、ステップ124にてこの補正値ISMと前記
ステップ102の処理により計算した油圧制御電流値I
S とを用いた下記数11の演算の実行により同電流値I
S が補正値ISMで補正され、ステップ125にて同補正
された油圧制御電流値IS に対応した電流がソレノイド
バルブ31に流される。
【0032】
【数11】IS=IS+ISM ソレノイドバルブ31はその開度を油圧制御電流値IS
が大きくなるにしたがって大きくする。一方、分流弁2
5により油路P4,P6側に分流された油圧ポンプ24
からの作動油は、ソレノイドバルブ31の開度が大きく
なるにしたがって、油路P6,P7を介してリザーバ1
6に多く流れ込むようになる。これにより、油路P4及
び油圧反力室31内の作動油圧は前記バルブ31の開度
が大きくなるにしたがって小さくなるので、ハンドル2
0に対する操舵反力は油圧制御電流値IS の増加にした
がって小さくなる。
【0033】この場合、補正値ISMによる補正前の油圧
制御電流IS は、ステップ101,102の処理によ
り、車速Vが増加するにしたがって減少するので (図
5(A))参照)、低速走行時におけるハンドル20の軽
快な操作が可能になるとともに高速走行時におけるハン
ドル20の安定な操作が可能となる。また、補正前の油
圧制御電流IS は、ステップ114〜116の処理によ
り、ハンドル20の把持力Pが増加するにしたがって増
加するので(数5,図5(F)参照)、把持力Pが増加す
るにしたがってハンドル20への操舵反力および保舵反
力が小さくなり、ハンドル20の回動と無関係な前輪F
Wの補助操舵によるハンドル20への反力が緩和される
ので、運転者はハンドル20を固く握っていても、前記
補助操舵によるショックを受けることがなくなる。
【0034】さらに、上記実施例においては、補正値I
SMにより油圧制御電流値IS が補正されるので、ハンド
ル20の操作とは無関係なヨーレートYR(車両の挙
動)および横風風速GR(外乱)により前輪FWが補助
操舵された場合には、これらの補助操舵量に比例してハ
ンドル20に対する反力が小さくなり、運転者は前記補
助操舵によるハンドル20への反力を感じなくなる。こ
れにより、ハンドル20の操作とは無関係に前輪FWが
操舵されても、運転者は違和感を感じなくなり、車両の
操舵フィーリングが良好になる。図6はこのハンドル2
0に対する反力が小さくなることを実験的に示したグラ
フであり、補正値ISMを考慮した場合のハンドル20に
対する反力(図6(D)の実線)は、補正値ISMを考慮し
ない場合の同反力(図6(D)の破線)より小さくなるこ
とが解る。
【0035】なお、上記実施例においては、車両の運転
操作量を表す量としてハンドル舵角δH を利用するよう
にしたが、ハンドル舵角センサ54に代えて又加えてハ
ンドル角速度センサ、ハンドル角加速度センサ、アクセ
ル開度センサ又はブレーキペダル踏み込み量センサを用
い、車両の運転操作量を表す量として、ハンドル舵角δ
H に代えて又は加えてハンドル角速度、ハンドル角加速
度、アクセル開度又はブレーキペダル踏み込み量を利用
するようにしてもよい。
【0036】また、上記実施例においては、車両の挙動
を表す量としてヨーレートYR を利用するようにした
が、ヨーレートセンサ52に代えて又加えて横加速度セ
ンサを用い、車両の挙動を表す量として、ヨーレートY
R に代えて又は加えて車両の横加速度を利用するように
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すパワーステアリング
装置と同装置を制御する電気制御装置の全体概略図であ
る。
【図2】 図1のモータ制御回路のブロック図である。
【図3】 図1のマイクロコンピュータにて実行される
プログラムの一部に対応したフローチャートである。
【図4】 同プログラムの残りの部分に対応したフロー
チャートである。
【図5】 (A)〜(F)は図2のマイクロコンピュータ内
に記憶されている各種係数の特性グラフである。
【図6】 (A)は電動モータの回転角の時間変化状態を
示すグラフ、(B)は電動モータに流れる電流の時間変化
状態を示すグラフ、(C)はソレノイドバルブに流れるソ
レノイド電流の時間変化状態を示すグラフ、(D)はハン
ドルに対する反力の時間変化状態を示すグラフである。
【符号の説明】
11…バルブロータ、12…バルブスリーブ、13…油
圧ポンプ、14…分流弁、15…パワーシリンダ、20
…ハンドル、27…油圧反力室、31…ソレノイドバル
ブ、32…支持軸、34…出力ピニオン、35…ラック
バー、36…楕円サンギヤ、38…楕円プラネタリギ
ヤ、41…キャリア、42…キャリア軸、44…円形プ
ラネタリギヤ、45…ホイール、46…電動モータ、4
7…ウォーム、51…車速センサ、52…ヨーレートセ
ンサ、53…横風センサ、54…ハンドル舵角センサ、
55…把持力センサ、56…マイクロコンピュータ、6
0…モータ制御回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルの回動操作に応じて前輪を操舵
    するパワーステアリング装置であって、前記ハンドルの
    回動操作と独立して前輪を補助的に操舵可能なアクチュ
    エータと、前記ハンドルの回動操作に対し反力を付与す
    る反力付与機構とを備えたパワーステアリング装置のた
    めの電気制御装置を、 車両の挙動又は車両に対する外乱の少なくともいずれか
    一方に応じて前記アクチュエータを駆動制御して前輪を
    補助的に操舵する補助操舵制御手段と、 前記補助操舵制御手段によって前輪が補助的に操舵され
    たとき前記反力付与機構を制御して同機構による反力を
    小さくする反力制御手段とで構成したことを特徴とする
    パワーステアリング装置のための電気制御装置。
JP13360992A 1992-05-26 1992-05-26 パワーステアリング装置のための電気制御装置 Pending JPH05319287A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5892255B2 (ja) * 2012-09-04 2016-03-23 日産自動車株式会社 スタビリティ制御装置

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