JPH05318345A - ワーク搬送用のロボット - Google Patents

ワーク搬送用のロボット

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JPH05318345A
JPH05318345A JP12501792A JP12501792A JPH05318345A JP H05318345 A JPH05318345 A JP H05318345A JP 12501792 A JP12501792 A JP 12501792A JP 12501792 A JP12501792 A JP 12501792A JP H05318345 A JPH05318345 A JP H05318345A
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人士 東
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智昭 坂田
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高道 鈴木
Hitoshi Odajima
均 小田島
Tetsuo Ito
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワーク搬送中に、塵埃やガス等を発生させる
ことなく、しかも、ハンドを高精度に位置決めしてハン
ドリングを行うことができる小形で高寿命のワーク搬送
用のロボットを提供する。 【構成】 ワーク載置用のハンドと、一定位置に同軸に
設置された円筒状の内側回転軸および外側回転軸と、該
各回転軸の一端部に、180°反対方向に突設された一
対の各回転アームと、基端部を前記各回転アームの端部
に固着されるとともに、先端部をハンドホルダーを介し
て前記ハンドに固着されたばね材からなる帯状の左右一
対の弾性アームと、前記各回転軸および回転アームを、
該回転軸の回りに同方向および反対方向の任意の角度
に、同期させて独立に同速度で回動させる駆動部とを備
え、前記ハンドを、直線移動および前記回転軸の回りに
回動させる構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定位置に設置され
て、該位置より構成部材の屈曲運動または摺動運動によ
りハンドを移動させてワークを搬送するワーク搬送用の
ロボットに係わり、特に、ワーク搬送中に、塵埃やガス
等を発生させることなくハンドリングを行うのに好適な
ワーク搬送用のロボットに関する。
【0002】なお、ここでいうワークは、半導体ウエハ
等のような小形で、かつ軽量のものをいう。
【0003】
【従来の技術】一般に電子部品は、ますます製品パター
ンの微細化,高密度化による小形化が進められており、
製品歩留まりの向上と、その製作過程における汚染を防
止して製品の信頼性を維持するため、発塵や発ガス等の
ないクリーンな環境で製作することが強く望まれてい
る。
【0004】上記の如く発塵や発ガス等のないクリーン
な環境で製作される電子部品は、該クリーンルーム内で
各種の工程を連続的に処理されるのが通常で、例えば、
半導体の製造プロセスにおいては、ウエハ表面のエッチ
ング、パターンおよびレジストの付着、スパッタリング
等の一連の各種処理が行われる。このプロセス中に、ウ
エハ表面に塵埃等の微粒子が付着した場合は、配線間の
断線/短絡や絶縁不良等の原因となり、また、このプロ
セス中に使用する酸素,窒素等に、前記塵埃等の微粒子
やガス状の水分および有害なイオン等が混入している
と、ウエハ表面に悪影響を及ぼし、不良の直接原因にな
る。この対策および前記各種処理を効果的に行うものと
して、中央にワーク搬送用のロボットを設置した真空の
搬送室を設け、該搬送室の周囲に処理装置を内設した複
数のクリーンな真空処理室を並設し、前記搬送室に設置
されたロボットを駆動して各処理室に順次ワークを搬送
する構成のマルチチャンバ形の半導体製造装置が実用さ
れている。
【0005】上記装置を含む前記電子部品の製造装置に
おいて使用されるロボットは、多関節形,フロッグレッ
グ形,円筒座標形等の関節部および摺動部を有する構成
のものが一般的であり、ロボットを構成するアームの屈
曲運動または摺動運動により、ハンドを移動させてワー
クを搬送する構成になっている。
【0006】一方、前記アームの屈曲運動または摺動運
動を行わない構成として、先端部にワークを把持するハ
ンドを設けた長尺の搬送台を、磁気浮上させて無摺動で
直線移動させる真空装置用磁気浮上搬送装置(例えば、
特開昭63−92205号公報)が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記半導体製造装置の
ロボット設置室を真空ポンプで吸引すると、ロボットを
構成する各部材等からの、例えば、水分等のガスの発生
が次第に減少して高真空化するとともに、塵埃等の微粒
子も減少して室内がクリーン化する。
【0008】しかし、前記従来の関節部および摺動部を
有する構成のロボットを使用すると、その関節部および
摺動部の摩擦接触によりガスおよび塵埃を発生し、前記
クリーン化した室内を汚染するとともに、ウエハをも汚
染し、品質を低下させて製品の信頼性を維持することが
困難になる。このガスおよび塵埃の発生は、摺動部にお
ける摩擦係数が、大気中より真空中の方が大きいため一
層発生し易い状態となり、たとえ前記関節部等の軸受に
真空グリスを使用しても、その耐真空度は10のマイナ
ス8乗以上のウルトラクリーンに対応するには不十分で
あり、前記ガスおよび塵埃の発生および該発生による室
内の汚染を、前記ウルトラクリーンに対応可能に防止す
ることができない問題点を有していた。
【0009】また、前記従来のロボットは、ワークハン
ドリング中、常に関節部および摺動部の摩擦接触を伴う
ため、該関節部および摺動部の摩耗が次第に進行し、ワ
ーク搬送時のハンドの位置精度、特に、Z軸方向の位置
精度が低下することになり、補修または新しいロボット
との交換作業を比較的早期に必要とする問題点を有して
いた。
【0010】一方、前記ハンドを設けた長尺の搬送台
を、磁気浮上させて無摺動で直線移動させる真空装置用
磁気浮上搬送装置においては、前記一連の各種工程を連
続的に行うためには、処理工程順に並設した複数の各処
理室に対応するように、前記磁気浮上搬送装置を複数台
設置する構成となり、設置スペースおよび設備がかなり
大がかりになる問題点を有していた。
【0011】本発明は、前記従来技術の問題点に鑑み、
ワーク搬送中に、塵埃やガス等を発生させることなく、
しかも、ハンドを高精度に位置決めしてハンドリングを
行うことができる小形で高寿命のワーク搬送用のロボッ
トを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、一定位置に設置され、該位置より構成部
材の運動によりハンドを移動させてワークを搬送するワ
ーク搬送用のロボットにおいて、(i)ワークが載置さ
れる平板状のハンドと、(ii)一定位置に設置された
円筒状の内側回転軸および該内側回転軸の外周部に内側
回転軸と同軸に配置された円筒状の外側回転軸と、(i
ii)該内側および外側の各回転軸の一端部に、180
°反対方向に突設された一対の各回転アームと、(i
v)左右ほぼ対称に相対させて配置され、基端部を前記
一対の各回転アームの端部にそれぞれ固着されるととも
に、先端部をハンドホルダーを介して前記ハンドに固着
されたばね材からなる帯状の左右の弾性アームと、
(v)前記内,外の回転軸および各回転アームを、該回
転軸の回りに同方向および反対方向の任意の角度に、い
ずれも同期させてそれぞれ独立に同速度で回動させる駆
動部とを備え、(vi)該駆動部による内,外の回転軸
および一対の各回転アームの反対方向の回動により前記
ハンドを、前記左右の弾性アームの弾性変形を介して前
記回転軸との間を前後に直線移動させ、前記内,外の回
転軸および一対の各回転アームの同方向の回動により前
記ハンドを、前記回転軸の回りに回動させる構成にした
ものである。
【0013】また、一定位置に設置され、該位置より構
成部材の運動によりハンドを移動させてワークを搬送す
るワーク搬送用のロボットにおいて、(i)ワークが載
置される平板状のハンドと、(ii)一定位置に設置さ
れた円筒状の内側回転軸および該内側回転軸の外周部に
内側回転軸と同軸に配置された円筒状の外側回転軸と、
(iii)該内側および外側の各回転軸の上端部に、1
80°反対方向に突設された一対の各回転アームと、
(iv)左右ほぼ対称に相対させて配置され、基端部を
前記一対の各回転アームの端部にそれぞれ固着されると
ともに、先端部をハンドホルダーを介して前記ハンドに
固着されたばね材からなる帯状の左右の弾性アームと、
(v)前記内,外の回転軸および各回転アームを、該回
転軸の回りに同方向および反対方向の任意の角度に、い
ずれも同期させてそれぞれ独立に同速度で回動させる駆
動部と、(vi)前記回転軸の軸線に対して前記ハンド
に設定されたXY平面上の基準位置よりずれた位置を、
経時的に検出する位置検出手段と、(vii)該位置検
出手段により検出された位置データを演算して前記ハン
ドおよび各弾性アームの振動状態を推定し、対応する振
動の制御データを出力する制御系と、(viii)該制
御系からの制御データに基づいて前記駆動部の駆動デー
タを設定し、該駆動データを前記駆動部に出力する駆動
系とを備え、(ix)前記駆動部による内,外の回転軸
および一対の各回転アームの反対方向の回動により前記
ハンドを、前記左右の弾性アームの弾性変形を介して前
記回転軸との間を前後に直線移動させ、前記内,外の回
転軸および一対の各回転アームの同方向の回動により前
記ハンドを、前記回転軸の回りに回動させる構成にする
とよい。
【0014】そして、前記一対の各回転アームを、ほぼ
L形に形成し、その一部に他の部分より弾性変形を容易
にさせる切欠きを形成するとともに、各回転アームと該
回転アームが固着される回転軸との間に、前記各弾性ア
ームの振動を低減する方向に励振可能な積層形圧電素子
を設ける構成にするとよい。
【0015】また、前記左右の弾性アームを、相対する
面の各片面に、所定のピッチで、鉛直方向に対して所定
の角度に傾斜させた所定の厚さのリブを形成した構成に
することが望ましく、さらに、前記左右の弾性アーム
を、該左右の弾性アームと、基端部を前記各回転アーム
に前記弾性アームの基端部に隣接させて固着するととも
に、先端部を前記ハンドホルダーを介してハンドに、前
記弾性アームの先端部と位置をずらせて固着したばね材
からなる左右の補助弾性アームとからなる構成にするこ
とが好ましい。
【0016】そして、前記左右の弾性アームを、所定の
ピッチで鉛直方向に配置された複数の短冊状の板と、該
短冊状の板と板との間の上下に互いにクロスさせて配設
した帯状のばね板とを、互いに固着してなる構成にして
もよく、また、前記左右の弾性アームを、相対する面の
各片面に、所定のピッチで、ほぼ鉛直方向に所定の深さ
の溝を形成した構成にしてもよく、また、前記左右の弾
性アームの相対する面を、下辺に比べて各上辺を開いて
傾斜させた構成にしてもよい。
【0017】さらに、前記左右の弾性アームを、相対す
る面の板幅または/および板厚を、基端部から先端部ま
での応力が平均化するように減少させた構成にしてもよ
く、また、ばね材からなる鋼線により形成してもよい。
【0018】また、前記左右の弾性アームを、予め、前
記各回転アームを回動して前記ハンドの位置が、該ハン
ドと回転軸との間を直線移動するストロークのほぼ1/
2にて形成される形状に成形してもよい。そして、前記
左右の弾性アームの表面には、腐食防止用の表面処理を
施すことが望ましい。
【0019】なお、前記一対の各回転アームに、2枚の
圧電薄板を重ね合わせて形成した圧電素子板を備える構
成にすることが望ましく、また、前記ハンドを、磁性体
で形成するとともに、該ハンドの上下面を、前記左右の
弾性アームが最も伸長した状態の位置にて、極性の異な
る一対の磁石により間隙を有して挾まれた構成にすると
よい。
【0020】さらに、前記制御系を、前記各回転軸より
検出された各回転軸のトルクを演算して前記ハンドおよ
び各弾性アームの振動状態を推定し、対応する振動の制
御データを、前記各弾性アームの基端側側面に間隙を有
して相対させた電磁石の磁力制御用として出力する構成
にしてもよい。
【0021】
【作用】上記構成としたことにより、本発明のロボット
は、前記従来のロボットが、その構成部材で形成してい
た関節部および摺動部を有しない無関節・無摺動の構成
になることから、従来の関節部および摺動部の摩擦接触
による発ガスおよび発塵が無くなり、高真空下であって
も室内を汚染することなく、高クリーン状態を維持して
ワークハンドリングを行うことが可能になる。
【0022】ワークハンドリングは、内,外の回転軸お
よび各回転アームが、該各回転軸をそれぞれ独立に回動
させる駆動部によって、回転軸の回りに同方向および反
対方向の任意の角度にいずれも同期させて同速度で回動
させられ、該回動により左右の弾性アームおよびハンド
を移動させて行われる。この場合、左右の弾性アーム
は、該弾性アームが帯状のばね部材からなるため、帯面
を円弧状に容易に屈曲させることが可能である。
【0023】上記各弾性アームおよびハンドの移動は、
内,外の回転軸および各回転アームを同期させて互いに
反対方向に回動した場合には、左右の弾性アームの基端
側は、該弾性アームの基端部が固着されている各回転ア
ームを半径として回動させられ、それぞれ円弧状に弾性
変形させられる。そして、同時に、左右の弾性アームの
先端部、つまりハンドが、前記基端側の円弧状の弾性変
形量に応じて回転軸側へ直線移動して接近する。この場
合、前記駆動部は、内,外の回転軸および各回転アーム
の回転方向および回転速度を、任意に変化させることが
可能であるとともに、任意の角度に回動させることがで
きるため、弾性アームの円弧状の弾性変形量および変形
速度を任意に設定することが可能になり、従って、対応
するハンドの直線移動量(ストローク)も任意に設定す
ることができる。
【0024】一方、前記内,外の回転軸および各回転ア
ームを同期させて同方向に回動した場合には、各回転ア
ーム,各弾性アームおよびハンドは、回転軸の回りを一
体的に回動する。そして、この場合にも駆動部によりそ
の回転方向および回転速度を任意に変化させることが可
能である。なお、この回動は、左右の各弾性アームの弾
性変形の開始前および終了後でも、また、各弾性アーム
の弾性変形およびハンドの移動の進行中でも可能であ
る。
【0025】前記ハンドの位置検出手段,制御系および
駆動系とを設けた構成により、前記駆動部はワークハン
ドリング中、ハンドの位置データに対応して各回転軸お
よび各回転アームにおける回転速度および回転量を設定
される。このため、各弾性アームおよびハンドの振動を
従来に比べて低減することが可能になり、ハンドの位置
を精度よく位置決めすることが可能になる。
【0026】また、ワークをほぼ水平面(X・Y軸面)
内にてハンドリングする場合は、各回転軸は垂直方向
(Z軸方向)に設置され、各弾性アームおよびハンドは
水平面内を移動し、かつ回動させられる構成になり、各
弾性アームおよびハンドを重力方向(Z軸方向)に撓ま
せることになるが、各回転アームおよび各弾性アームを
前記のように構成することにより、各弾性アームの重力
方向の曲げ剛性を増加させて撓み量を減少させ、ハンド
の位置調整を容易にするとともに、振動を低減してハン
ドを精度良く水平移動させることが可能になる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図5を参
照して説明する。図1は本発明の一実施例のワーク搬送
用のロボットの全体概略構成を示す斜視図、図2は図1
のII−II断面詳細図、図3は弾性アームが最も伸長
した状態を示す図、図4は弾性アームが弾性変形して円
弧状に縮小した状態を示す図、図5は圧電素子板を備え
た回転アームの作動説明図である。
【0028】図1,2において、1はウエハ、2はウエ
ハ1を載置し、かつ固定する平板状のハンド、3は基端
部を回転アーム6の外端部に固着されるとともに、先端
部をハンドホルダー5を介してハンド2に固着されてい
るばね材からなる帯状の左の弾性アーム、4は左の弾性
アーム3と同様に、基端部を回転アーム7の外端部に固
着されるとともに、先端部をハンドホルダー5を介して
ハンド2に固着されているばね材からなる帯状の右の弾
性アームで、左右の弾性アーム3,4は図1に示す座標
のZ軸方向の同レベルに左右ほぼ対称に相対させられて
配置されており、ハンドホルダー5および回転アーム
6,7とともに台形状に形成されている。ここで、弾性
アーム3,4はステンレスやりん青銅等が使用される。
8は回転アーム6の基端側に設けられている2枚の圧電
薄板を重ね合わせて形成したバイモルフ形の圧電素子
板、9は圧電素子板8と同様に回転アーム7の基端側に
設けられているバイモルフ形の圧電素子板で、いずれも
水平状態に取り付けられている。
【0029】鎖線で示す8a,9aは圧電素子板8,9
用のカバーで、圧電素子板8,9の作動時に発生のおそ
れのある塵埃を拡散しないように防止している。10は
上部を台板76に磁性流体シール18を介して回動可能
に垂直に取り付けられている円筒状の外側回転軸、11
は外側回転軸10の内周部に磁性流体シール18を介し
て外側回転軸10と同軸に配置された円筒状の内側回転
軸で、外側回転軸10の上端部外周は圧電素子板8に、
また、内側回転軸11の上端部外周は圧電素子板9にそ
れぞれ互いに180°反対方向に接続されている。
【0030】12は外側回転軸10を該外側回転軸10
の下端部に固着されたディスク14を介して回動させる
外側回転軸10と同軸に設けられたモータ、13はモー
タ12と同様に、内側回転軸11を該内側回転軸11の
下端部に固着されたディスク15を介して回動させる内
側回転軸11と同軸に設けられたモータで、両モータ1
2,13は台板76の下面に固着されたブラケット16
に固設されている。19は磁性流体シール18のフラン
ジ部と台板76の上面との間に介設されたOリングで、
磁性流体シール18とともに台板76の下面側の大気部
と台板76の上面側の真空部とを遮断している。
【0031】20はハンド2の位置検出用のTVカメ
ラ、21は内側回転軸11内に嵌装されたパイプ状のカ
メラ台で、上端を内側回転軸11の上端より突出させて
該部にTVカメラ20を固着し、下端を内側回転軸11
の下端より突出させて該部をフランジ23に固着し、該
フランジ23を介して両モータ12,13および両ディ
スク14,15を覆うカバー24に支持されている。2
2はディスク15とフランジ23との間に介設されてデ
ィスク15とカメラ台21間をシールする磁性流体シー
ルである。なお、図1に示す25は、ハンドホルダー5
に設定された内側および外側回転軸10,11の軸線に
対するXY平面上の基準位置を示すターゲットライン
(この場合、縦のライン)である。
【0032】つぎに、本発明のロボットの基本動作を図
3,4を参照して説明する。図中、図1,2と同符号の
ものは同じものを示す。なお、図3,4は前記図1,2
に示す圧電素子板8,9を備えていないロボットの基本
形を示す。左右の各弾性アーム3,4が最も伸長した図
3の状態においては、弾性アーム3,4の弾性変形はな
く直線状態であり、回転アーム6,7は回転軸10,1
1を中心に互いに180°反対方向に向いて直線状態
で、ハンドホルダー5の面と平行になっていて、これら
の平面形状が台形を形成している。
【0033】図3の状態において、図2に示すモータ1
2,13を駆動し、回転アーム6,7を各回転軸10,
11の軸線Cの回りに同期させて同速度で互いに反対方
向(図示のR方向)に約90°回動すると、回転アーム
6,7に固着されている弾性アーム3,4は、それぞれ
基端部を回転アーム6,7を半径として回動しながら全
体を円弧状に弾性変形させられ、同時に、ハンド2,ハ
ンドホルダー5をその弾性変形量に応じて軸線Cの方
向、すなわち図示A方向に直線移動させて図4に示す状
態になる。このハンド2の直線移動量がワークハンドリ
ングのストロークとなり、弾性アーム3,4の長さ,回
転アーム6,7の回転半径d1,d2および回転アーム
6,7の回動量によって決まる。そして、このストロー
クは、回転アーム6,7が任意の角度に回動可能に構成
されているため、途中、任意の位置に設定することが可
能であり、移動速度も任意に設定可能である。
【0034】図4の状態からさらにハンド2を軸線C側
に移動してストロークを増す場合には、回転アーム6,
7をさらに回動させる必要があるが、その際には、回転
アーム6,7の回転半径d1,d2に差をつけ、例えば図
に示すように、回転アーム6の回転半径d1を回転アー
ム7の回転半径d2より大きくし、回転アーム6,7お
よび弾性アーム3,4が互いに干渉しないで約180°
まで回動可能にする。図4の状態から図3の状態に戻す
には、回転アーム6,7を同期させて前記と反対方向に
回動させればよい。
【0035】一方、回転アーム6,7を各回転軸10,
11の軸線Cの回りに同期させて同速度で同方向に回動
すると、ハンド2,弾性アーム3,4および回転アーム
6,7は、軸線Cの回りを一体的に回動する。この回動
の回転方向および回転速度は、前記反対方向の回動の場
合と同様に任意に設定可能である。そして、弾性アーム
3,4の弾性変形の開始前および終了後でも、また、弾
性変形中でハンド2が移動中であっても回動可能であ
る。
【0036】上記説明したように、回転アーム6,7
を、その回転方向,回転速度および回動量を任意に選択
して回動することにより、弾性アーム3,4の回転位
置,弾性変形量およびその速度を任意に変化させること
ができるから、ハンド2上に載置したウエハ1を、XY
平面の任意の位置に、関節部や摺動部の摩擦接触を伴う
ことなく搬送することが可能になる。
【0037】つぎに、圧電素子板8,9を備えたロボッ
トの動作を図5を参照して説明する。図5(a)は、圧
電素子板8,9に+電圧が印加されて図2に示す水平状
態から凹状態に屈曲した状態を示す図、図5(b)は、
圧電素子板8,9に−電圧が印加されて図2に示す水平
状態から凸状態に屈曲した状態を示す図である。図中、
図1ないし4と同符号のものは同じものを示す。
【0038】図5(a)に示すように、圧電素子板8,
9が凹状態に屈曲すると、該屈曲量に応じて圧電素子板
8,9の外端部に固着されている回転アーム6,7が図
2に示す水平状態より上昇し、同時に、弾性アーム3,
4およびハンド2をZ軸方向に上昇させる。反対に、図
5(b)に示すように、圧電素子板8,9が凸状態に屈
曲すると、該屈曲量に応じて圧電素子板8,9の外端部
に固着されている回転アーム6,7が図2に示す水平状
態より下降し、同時に、弾性アーム3,4およびハンド
2をZ軸方向に下降させる。この場合、電圧の印加は容
易かつ任意にできるから、圧電素子板8,9の凹・凸の
屈曲量を任意に設定することが可能になり、ウエハ1の
Z軸方向の位置を所望の高さに調整してハンドリングす
ることができる。
【0039】つぎに、ハンド2の位置検出手段,制御系
および駆動系を備えた本発明の第2の実施例を図1,図
6ないし図8を参照して説明する。図6は本発明の第2
の実施例におけるハンド2の制御系および駆動系の説明
図、図7は弾性アームの振動モード例を示す斜視図、図
8は弾性アームの振動制御方法の説明図である。図中、
図1ないし図5と同符号のものは同じものを示す。
【0040】図6において、26はハンド2の位置検出
手段(本実施例においては、TVカメラ20)により検
出された位置データを演算してハンド2および各弾性ア
ーム3,4の振動状態を推定し、対応する振動の制御デ
ータを出力する制御系で、制御系26内には図1に示す
ように、リレーボード,モータ12,13用のモータコ
ントロールボード,TVカメラ20に接続されたA/D
コンバータ,モータ12,13に接続されたパラレルI
/Oカウンタ等が内設されている。27は制御系26か
らの制御データに基づいて圧電素子板8,9およびモー
タ12,13の駆動データを設定し、設定した駆動デー
タにより圧電素子板8,9およびモータ12,13を駆
動する駆動系である。
【0041】図7(a)は弾性アーム3,4の振動の1
次モードで、振動形態は、弾性アーム3,4と回転アー
ム6,7との固着部が節となり、ハンド2側が腹となっ
て振動する。この場合の固有振動数は3.6Hzであ
る。図7(b)は2次モードで、振動形態は、弾性アー
ム3,4と回転アーム6,7との固着部と、弾性アーム
3,4とハンドホルダー5との固着部とが節となり、弾
性アーム3,4の長手方向のほぼ中央部が腹となって振
動する。この場合の固有振動数は15.3Hzである。
図7(c)は3次モードで、振動形態は、弾性アーム
3,4と回転アーム6,7との固着部と、弾性アーム
3,4とハンドホルダー5との固着部とが節となり、弾
性アーム3,4の長手方向の2個所が腹となって振動す
る。この場合の固有振動数は36.6Hzである。これ
らの各振動モードは、弾性アーム3,4が弾性変形した
前記図4の状態から弾性変形のない図3の状態に変化し
た場合の振動無制御下の実験データであるが、この結果
から振動の最も大きい1次モードの振動を制御すればよ
いことがわかる。
【0042】前記ハンド2および各弾性アーム3,4の
振動状態を推定するための振動検出方法は、ハンド2お
よび各弾性アーム3,4にひずみゲージまたは加速度ピ
ックアップを設ける方法,TVカメラまたは変位センサ
ーでハンド2の位置を検出する方法,トルクメータを回
転軸10,11に設ける方法等があるが、本実施例にお
いては、図1に示すようにTVカメラ20を使用して検
出する。
【0043】TVカメラ20により検出したハンド2の
位置データは、図6に示すように制御系26に送られ、
ここで弾性アーム3,4の振動状態およびハンド2の位
置と振動の状態を推定し、対応する最適の振動制御デー
タを出力する。以下、図8を参照して振動制御方法の一
例を説明する。
【0044】図8(a)は振動制御方法を示すブロック
線図で、y(0)はハンド2の目標位置(基準位置)、
zはモータ12,13に対する駆動指令、θはモータ1
2,13の回動角、y(t)はt時間アーム13後にT
Vカメラ20がハンド2を検出した位置を示している。
図8(b)はハンド2のy方向の振動に対して発するモ
ータ12,13への駆動指令(z)のタイミングと、駆
動したモータ12,13の回動角θを示している。そし
て、図8(c)はモータ12,13への駆動指令(z)
のタイミングを示す図で、yはTVカメラ20がハンド
2を検出した位置y(t)と目標位置y(0)との差、
dy/dtはハンド2の位置を時間tで微分したもの
で、ハンド2の速度を示している。そして、螺旋状の線
はハンド2のy方向の位置および速度の値を連続的に示
したもので、図に示す切換線L上にハンド2のy方向の
位置と速度の値が一致した点、すなわち、A1,A2,A
3において図8(b)に示すモータ12,13への駆動
指令(z)を行う。このように、切換線Lは、ハンド2
の位置と速度がこの線上に一致したとき、モータ12,
13への駆動指令(z)を行うことを表している。ま
た、図8(c)の中央部に示す円は、ハンド2の位置お
よび速度の目標範囲を示している。すなわち、ハンド2
が目標位置に近づき、かつ移動速度が低下して、振動エ
ネルギが目標値内に低下している範囲を表している。
【0045】つぎに、振動制御の具体的な方法について
説明する。図1に示すターゲットライン25のY軸方向
の位置をTVカメラ20により検出し、その位置の値を
y(t1)とし、y(t1)と前記目標位置y(0)との
差、すなわち、y(t1)−y(0)をy1とする。そし
て、t時間(数sec)後に、再度TVカメラ20によ
りターゲットライン25のY軸方向の位置を検出して前
記と同様の演算を行い、ターゲットライン25のY軸方
向の位置をy(t2)とし、y(t2)−y(0)をy2
とする。そして、y(t1)の検出からy(t2)の検出
までに要した時間をt1とする。この場合、ハンド2の
y(t1)の位置からy(t2)の位置への移動速度dy
12/dt1は、
【0046】
【数1】
【0047】となる。そして、y(t2)とdy12/d
1とを切換線Lの式と比較する。ここで、例えば、切
換線Lの式を、
【0048】
【数2】
【0049】とし、y(t2)とdy12/dt1とを
【数2】の式に代入して、次式の
【0050】
【数3】
【0051】が成立すれば、前記図8(c)に示す切換
線L上の点A1,A2,A3の位置において、モータ1
2,13に対して駆動指令(z)を送信することができ
る。そして、y(t2)とdy12/dt1とが、
【0052】
【数4】
【0053】の場合には、モータ12,13に対する駆
動指令(z)は送信しない。
【0054】前記モータ12,13に対する駆動指令
(z)は、回転方向および回動量が送信される。このう
ち回転方向は、前記図7(a)における1次モード振動
により弾性アーム3,4に発生している変形(屈曲)に
よるエネルギを除去させる方向、すなわち、弾性アーム
3,4の変形状態を直線状に回復させる方向に回転させ
ればよい。具体的には、前記y(t2)またはdy12
dt1が、ターゲットライン25に対してY軸方向に正
(+)の場合は、モータ12,13も正(+)の方向に
駆動し、反対にy(t2)またはdy12/dt1が、負
(−)の場合には、モータ12,13も負(−)の方向
に駆動する。
【0055】一方、回動量は、Y軸方向のハンド2の位
置y(t2)および移動速度dy12/dt1とから、次式
【0056】
【数5】
【0057】の値を計算して決める。そして、この計算
値が、前記図8(c)に示す中央部の円内に入るように
回動量を決める。
【0058】このように上記第2の実施例においては、
TVカメラ20を使用した位置検出手段により検出した
ハンド2の位置データを制御系26に送り、ここで前記
位置データに基づいて弾性アーム3,4の振動状態およ
びハンド2の位置と振動の状態を推定し、対応するモー
タ12,13に対する回転方向および回動量を決定し、
駆動系を介して最適の振動制御データを出力するように
したから、弾性アーム3,4の振動を低減し、ハンド2
を精度よく位置決めしてハンドリングすることが可能に
なった。
【0059】図9は、前記第2の実施例の変形例で、振
動制御データの基になるデータを、回転軸10,11に
設けたひずみゲージを介して検出した回転軸10,11
のトルクを基にして出力する構成である。図中、図1,
2と同符号のものは同じものを示す。図において、28
は弾性アーム3の側面に僅かな隙間を設けて相対させて
配置されている電磁石、29は弾性アーム4の側面に僅
かな隙間を設けて相対させて配置されている電磁石であ
る。前記ひずみゲージは図示されていないが、該ひずみ
ゲージを介して検出された回転軸10,11のトルク値
は、図に示す振動制御系に送られ、前記トルク値により
演算された振動制御データを電磁石駆動部に送信し、電
磁石28,29の磁力を制御する。この磁力制御によ
り、弾性アーム3,4を吸引する電磁石28,29の吸
引力および反発して弾性アーム3,4を遠ざける反発力
を変化させ、弾性アーム3,4の振動をその状態に応じ
て抑制することができ、ハンド2を精度のよい位置決め
でハンドリングすることが可能である。なお、この場合
には、弾性アーム3,4は磁性材料を使用する。
【0060】図10は、前記第2の実施例における振動
制御の具体的な構成例を示す図である。図中、図1,2
と同符号のものは同じものを示す。図において、61は
弾性アーム3に連結されたL形の回転アーム、62は弾
性アーム4に連結されたL形の回転アームで、回転アー
ム61とほぼ対称形に配置されている。65は回転アー
ム61の一部に、また、66は回転アーム62の一部に
それぞれ形成されている切欠きで、他の部分より弾性変
形を容易にさせるためのものである。63は回転アーム
61と回転軸10との間に設けられた積層形の圧電素
子、64は回転アーム62と回転軸11との間に設けら
れた積層形の圧電素子で、各圧電素子63,64は、当
接している弾性アームの振動を低減する方向、すなわ
ち、当接している弾性アームの振動方向に抗して伸縮す
るように励振可能になっている。この各圧電素子63,
64の伸縮により、回転アーム61,62は、それぞれ
切欠き65,66の部分で弾性変形させられ、該弾性変
形により弾性アーム3,4の振動を低減することができ
る。
【0061】また、図11は前記第2の実施例における
振動制御の具体的な他の構成例を示す図である。図にお
いて、67,68は極性の異なる一対の磁石で、ハンド
2を挾むようにハンド2の上下面と僅かに間隙を設けて
相対させて配置されている。そして、磁石67,68を
配置する場所は、弾性アーム3,4が最も伸長した位置
である。なお、ハンド2には磁性材が使用される。本構
成の場合、ハンド2がX軸またはY軸方向に振動する
と、該振動によって磁石67,68間の磁路が変化する
が、該変化によりハンド2に磁路の変化に抗する力を発
生させるとともに、ハンド2に渦電流を発生させ、ハン
ド2および弾性アーム3,4の振動を低減させるように
作用する。このハンド2の振動低減は、載置しているウ
エハ1の振動による損傷や塵埃の付着等を減少させる効
果を有する。
【0062】つぎに、実際に弾性アームの模型を製作し
て実験したシミュレーション結果を、図12を参照して
説明する。図12(a)は弾性アームを前記図3の状態
から図4の状態まで弾性変形させた場合における弾性ア
ーム先端の軌跡を示す側面図、図12(b)は回転アー
ムの回転角度に対するハンドのZ軸方向の変位量を示す
図である。
【0063】弾性アームの模型は、厚さ1mmのステン
レス材の矩形板である。図12(a)に示す弾性アーム
の上辺先端のP点は、回転軸の軸線Cに接近するに従い
Z軸方向下方への変位量を増加し、回転アームの回動角
が約170°付近で図12(b)に示すように最大約4
0mmになる。この値は、ワークの搬送上、実用に供し
得ず、少なくとも数mm以下に低減させる必要がある。
【0064】上記弾性アーム先端部のZ軸方向の変位量
を低減する方法として、弾性アームの板厚を厚くするこ
とが考えられるが、その場合には弾性アームは弾性変形
がしにくくなり、内部応力が大きくなって寿命を低下さ
せる直接の原因となり好ましくない。従って、弾性アー
ムの板厚寸法には限界があることがわかる。
【0065】いま、弾性アームの許容繰り返し曲げ回数
を106回とすると、ステンレス材からなる弾性アーム
の106回の繰り返し曲げ回数に耐え得る曲げ応力
(σ)は、7.8×108N/m2以下になる。一方、板
厚(t)は、曲げ応力(σ),曲率半径(r),弾性係
数(E)により次式の
【0066】
【数6】
【0067】によって決まるが、ステンレス材の場合、
E=2×1011N/m2,σ=7.8×108N/m2
あり、また、ハンド2のストロークを確保するために
は、弾性アームの曲率半径をできるだけ小さくすること
が望ましいが、ここでは曲率半径r=113mmとし、
これら各値を前記数式6に代入すると、板厚t=1mm
が算出される。
【0068】図13は上記条件にて計算した弾性アーム
の曲げ応力(σ)の状態を示す例で、図13(a)は、
弾性アーム長手方向の6個所の位置における曲げ応力
(σ)の結果である。ここで、No.1は、図13
(b)の応力線図に示すように、回転アームを180°
回動させた場合、すなわち、弾性変形量が最大の場合に
おける弾性アームの長手方向のほぼ中央位置を示し、N
o.5ないしNo.21は、該中央位置より弾性アーム
の先端側および基端側にそれぞれ順に所定距離だけ離れ
た位置を示す。曲げ応力(σ)の最大値は、前記No.
1の位置で発生するが、この場合の弾性アームの形状
は、弾性変形して最も外方に突出した部分が円弧状より
さらに外方に膨らみ、円弧状よりもむしろ楕円状に近い
形状になっている。図13(a)からわかるように、最
大値は7.47×108N/m2である。この値は、前記
数式6による計算値とほぼ一致する。
【0069】上記結果からもわかるように、弾性アーム
の板厚寸法は厚くすることができず、むしろ変形を容易
にするため薄くする方が好ましいが、薄くした場合に
は、前述の如くハンド2のZ軸方向の変位量が増すため
それを防止する構成が必要になる。この構成例を図14
ないし図20を参照して説明する。図14は弾性アーム
のZ軸方向の変位量低減構成例その1、図15は弾性ア
ームのZ軸方向の変位量低減構成例その2、図16は弾
性アームのZ軸方向の変位量低減構成例その3、図17
は弾性アームのZ軸方向の変位量低減構成例その4、図
18は弾性アームのZ軸方向の変位量低減構成例その
5、図19は弾性アームのZ軸方向の変位量低減構成例
その6、図20は弾性アームのZ軸方向の変位量低減構
成例その7である。図中、図1ないし図4と同符号のも
のは同じものを示す。
【0070】図14において、図14(a)は前記図3
に対応する図で、31は片面(本実施例では外側面)に
リブ31aを形成した弾性アーム、41は弾性アーム3
1と同様に外側面にリブ41aを形成した弾性アームで
ある。リブ31a,41aは、予め、計算と実験により
設定されたピッチ,厚さおよび鉛直方向に対して所定の
角度(5°前後が好ましい)に傾斜させて形成される。
形成方法は、機械加工による厚板からの削り出しまたは
溶接で、帯状部とリブ31a,41aとは完全に一体に
形成される。図14(b)はリブ41aの拡大図であ
る。弾性アーム31,41の弾性変形は、リブ31a,
41aの形成されていない帯状部の変形により行われる
が、リブ31a,41aを傾斜させて形成しているた
め、前記帯状部の変形方向が軸線Cと平行にならず、該
傾斜量に応じて斜めに弾性変形が行われることになり、
それだけハンド2部のZ軸方向の変位量が低減される。
図14(c)は弾性アーム31,41の弾性変形量、つ
まりウエハ1の搬送距離とハンド2のZ軸方向の変位量
との関係を示す図で、単位はいずれもmmである。図か
らわかるように、搬送距離約400mmの位置で変位量
は水平状態より+11mmとなった。この値は、前記図
12におけるリブのない弾性アームでの実験値約−40
mmに比べてかなり低減したことを示している。
【0071】図15において、図15(a)は前記図1
4(a)に対応する図である。32は複数の部材からな
る弾性アームで、所定のピッチで鉛直方向に配置された
複数の短冊状の板32c,短冊状の板32cと板32c
との間の上下に互いにクロスさせて固着された帯状のば
ね板32a,32bとにより一体的に構成されている。
42は弾性アーム32と同じ構成からなる弾性アームで
ある。図15(b)は弾性アーム42の構成の一部の拡
大図である。弾性アーム32,42の弾性変形は、ばね
板32a,32bの部分の変形により行われるが、その
際、短冊状の板32c,42cは変形しないため、ばね
板32a,32bのクロス状態が保たれてZ軸方向の変
位に対して抵抗することができる。図15(c)は回転
アーム6,7の回転角度とハンド2のZ軸方向の変位量
(単位mm)との関係を示す図である。図からわかるよ
うに、変位量は回転角度が約140°の位置が最大とな
り、水平状態より−1.6mmである。また、搬送距離
約400mmに相当する回転角度が180°の位置で
は、変位量はむしろ減少して−0.8mm以下となる。
これらは十分に実用可能な値である。
【0072】図16において、33,43は左右の弾性
アームで、その各片面には所定のピッチで、ほぼ鉛直方
向に溝33a,43aが形成されている。溝33a,4
3aの深さ,ピッチおよび鉛直方向との傾斜角度等は、
前記図14におけるリブと同様に、予め、計算と実験と
により設定される。本構成において弾性アーム33,4
3は、溝33a,43aにて屈曲して弾性変形するが、
該溝33a,43a以外の部分が前記図14におけるリ
ブと同様の作用・効果を奏し、ハンド2のZ軸方向の変
位量を低減する。
【0073】図17において、図17(a)は前記図1
4(a)に対応する図である。図において34,44は
左右の弾性アームで、両者の相対する面は、下辺に比べ
て各上辺を開いて傾斜し、該傾斜分だけ下辺に比べて上
辺の回転半径を大きくした構成になっている。各上辺を
開く角度は、予め、計算と実験とにより設定されるが、
回転アーム6,7の回動により弾性アーム34,44が
弾性変形する際、回転アーム6,7の回動角に応じて上
記回転半径の差からハンド2を上方に押し上げる力が作
用し、Z軸方向の変位量を低減する。図17(b)は本
構成における回転アーム6,7の回動角とハンド2のZ
軸方向の変位量(単位mm)との関係を示す一例で、図
に示すように、変位量は回動角が約40°ないし約10
0°の範囲が最大で、水平状態より+20mmないし+
25mmである。また、搬送距離約400mmに相当す
る回動角が180°の位置では、変位量は水平状態より
下がり約−25mmとなる。
【0074】図18において、35,45は相対する面
の板幅を基端部から先端部にいくにしたがって減少し、
その間の各部の曲げ応力を平均化するように構成した左
右の弾性アームである。弾性アーム35,45の断面の
変化は、板幅だけでなく板厚とともに変化させてもよ
い。前記弾性アーム各部の曲げ応力の平均化は、図13
で述べた弾性アーム長手方向のほぼ中央位置No.1に
おける最大応力を低下させるとともに、他の部分の応力
を平均化し、弾性アーム35,45の寿命を延ばすこと
ができる。
【0075】図19は、前記図18の変形例で、弾性ア
ームの断面変化を、板幅一定の弾性アーム36,46に
切欠き窓36a,46aを形成して行う構成である。こ
の場合にも断面変化を、板幅だけでなく板厚とともに変
化させてもよい。
【0076】図20は、左右の弾性アームのほかにもう
一対の補助弾性アームを併設した構成である。図におい
て、37,47は左右一対の弾性アーム、37a,47
aは弾性アーム37,47の相対する内側面に形成した
リブで、前記図14におけるリブと同様に形成されてい
る。38,48はばね材からなる帯状の左右一対の対称
に配置された補助弾性アームで、いずれも基端部を弾性
アーム37,47の基端部に隣接させて回転アーム6,
7に固着するとともに、先端部をハンドホルダー5を介
してハンド2に弾性アーム37,47の先端部と位置を
内側にずらせて固着されている。この内側にずらせる寸
法は、補助弾性アーム38,48の先端を延長したとき
の交点が、ハンド2に載置されるワークの重心位置に一
致するように設定することが好ましい。本構成の場合、
図示の状態で回転軸11の回りに回動するY方向の振動
は極端に小さくなり、また、回転アーム6,7が回動し
て弾性アーム37,47が弾性変形する際には、補助弾
性アーム38,48の回転半径が弾性アーム37,47
より小さいことから、その差により弾性アーム37,4
7を上方に引き上げる力が作用するとともに全体の剛性
が大きくなり、振動を低減し、かつハンド2のZ軸方向
の変位量を低減する。
【0077】前記図15ないし図19においては、図を
簡単にするため前記図14におけるリブを図示していな
いが、該リブを形成することにより図14におけると同
様の作用・効果を奏することは勿論である。
【0078】つぎに、図21はマイクロメカニズム等に
特に好適な、前記した各実施例よりさらに小形化可能な
ワーク搬送用のロボット構成の実施例を示す。図におい
て、39,49はピアノ線等のばね鋼線(例えば、直径
2〜3mm)により形成された左右ほぼ対称に配置され
た弾性アーム、50は弾性アーム39,49の先端部と
ハンド2とを連結するハンドホルダーである。弾性アー
ム39,49,ハンド2およびハンドホルダー50は、
いずれも寸法を薄くまたは細く形成されているから、ロ
ボット全体を前述の各実施例のロボットに比べて小形化
することが可能で、僅かな間隙に対してもワーク搬送を
行うことができる。なお、本実施例における作用は、前
記各実施例のロボットと同様である。
【0079】なお、前記各実施例におけるロボットをつ
ぎのように形成してもよい。すなわち、前記左右の弾性
アームを、予め、各回転アーム6,7を回動してハンド
2の所要のストロークのほぼ1/2のとき形成される形
状に、熱処理を介して成形する。このようにして形成さ
れた弾性アームを有するロボットの前記成形状態からの
ハンド2の移動量は、ハンド2のストロークを伸長する
場合も、反対にストロークを短縮する場合も、いずれも
前記各実施例におけるロボットのほぼ1/2になり、該
移動に要するモータのパワーおよび移動により発生する
弾性アームの曲げ応力も1/2になる。従って、弾性ア
ームの繰り返し曲げに対する寿命を高めることができ
る。しかし、この場合には、弾性アームのフリー状態
が、直線状とならず円弧状になる。そして、この構成
は、前記した各実施例における弾性アームのすべてに適
用可能である。
【0080】また、前記した各実施例における弾性アー
ムのすべてに、その表面に、例えばSiO等の表面処理
を施し、弾性アームの腐食を防止することにより寿命を
高めることができる。
【0081】つぎに、前記した本発明のロボットをワー
クの製造装置に適用した例について、図22ないし図2
4を参照して説明する。図22は本発明の前記図1,2
に示すロボットを設置したマルチチャンバ形のウエハ処
理装置の一部断面平面図、図23は図22のA−A断面
拡大図、図24は処理室に対するワーク(本例ではウエ
ハという)搬送動作の説明図である。図中、図1および
図2と同符号のものは同じものを示す。
【0082】図22,23において、70はウエハ処理
装置の中央部に設けられたロボットを設置する真空の搬
送室、71,72,73は搬送室70の周囲に配設され
たゲートバルブ77により仕切られている真空の複数の
円筒形の処理室、74はゲートバルブ77により仕切ら
れている真空の円筒形のロードロック室である。75,
76は搬送室70,処理室71,72,73およびロー
ドロック室74の上下を密閉する上板と台板である。7
8はロードロック室74に設けられているウエハ1の出
入口、79は出入口78に取り付けられている開閉蓋、
80は処理室71,72,73およびロードロック室7
4内に設置されているウエハ1用の支持台、81は支持
台80に植設されているウエハ1載置用の支持ピン、8
2は上記構成を有するウエハ処理装置を支持する支柱で
ある。
【0083】つぎに、上記ウエハ処理装置内におけるロ
ボットのウエハ搬送動作について説明する。図22で
は、処理室71で処理されたウエハ1を処理室72内へ
搬送する状態のロボット姿勢を示している。すなわち、
回転アーム6,7を同期させて同時に反対方向に約18
0°回動させ、弾性アーム3,4を弾性変形させてハン
ド2を回転軸10,11側に移動させた姿勢である。こ
の姿勢からウエハ1を処理室72内へ搬入するには、処
理室72のゲートバルブ77を開き、弾性アーム3,4
の弾性変形を解除するように、回転アーム6を反時計方
向に、また回転アーム7を時計方向に同期させて同時に
約180°回動させる。この回動により弾性アーム3,
4が伸長し、ハンド2が処理室72内に挿入され、ハン
ド2に載置されたウエハ1が支持ピン81の上方に位置
させられて図24に示す状態になる。ついで、圧電素子
板8,9に−電圧を印加して該圧電素子板8,9を前記
図5(b)に示すように弓状に変形させ、ハンド2を下
降させてウエハ1を支持ピン81上に載せる。つぎに、
この状態で弾性アーム3,4を弾性変形させる方向に、
回転アーム6,7を同期させて同時に反対方向に約18
0°回動させると、図22の状態に戻り、処理室72の
ゲートバルブ77が閉じられて支持ピン81上のウエハ
1に所定の処理が行われる。
【0084】処理室72内の処理が終わると、再びゲー
トバルブ77が開かれ、弾性アーム3,4が伸長されて
支持ピン81上のウエハ1の下方にハンド2が挿入され
る。ここで、圧電素子板8,9に+電圧を印加して該圧
電素子板8,9を前記図5(a)に示すように図5
(b)と反対方向に弓状に変形させ、ハンド2を上昇さ
せてウエハ1をハンド2上に載置する。そして、弾性ア
ーム3,4を弾性変形させる方向に回転アーム6,7を
回動させて図22の状態に戻り、ゲートバルブ77を閉
じる。
【0085】つづいて処理室73の処理工程に移るた
め、ロボットを処理室73側に正対させる。この動作
は、ハンド2を、回転軸10,11側へ全ストローク移
動させた図22に示すロボット姿勢のまま、回転軸1
0,11を同期させて同時に同方向に90°回動させて
行う。そして、処理室73のゲートバルブ77を開き、
処理室73における処理を、前記処理室72における処
理と同様の手順にて行う。
【0086】このように、本発明のロボットを使用した
上記ウエハ処理装置内におけるウエハ搬送は、ロボット
に関節部が一切無いため、従来のように関節部の摩擦接
触により発生していた塵埃およびガスを発性させること
がなくなる。また、真空グリースを使用する必要もなく
なりロボットの耐真空度が向上するため、前記各処理室
は勿論、ウエハ処理装置内全体をウルトラクリーンに対
応可能にし、ウエハ1の品質を向上させることができ
る。
【0087】一方、ロボットに関節部が一切無いことか
ら、関節部の摩擦接触による摩耗の発生がない。このた
め、ロボットは高寿命となり、また、ウエハ1搬送時の
ハンド2の位置が常に高精度に維持されるから、所定の
位置に正確にハンドリングすることが可能になる。さら
に、部品点数が少なく簡単な構成からなるため、ロボッ
トは勿論、該ロボットを使用する装置も小形化すること
が可能である。
【0088】なお、本発明のロボットの使用例について
は、高真空下のウエハ処理装置に使用する例を説明した
が、これに限定されるものではなく、大気中,液体中,
特殊ガス中のほか、高温下においても使用可能であり、
前記と同様の作用・効果を奏することができる。
【0089】さらに、ワーク1を水平面(X・Y軸面)
内で搬送する例について説明したが、回転軸10,11
を水平に設置し、該軸の回りに回転アーム6,7を回動
させて、ワーク1を垂直面(Z・X軸面またはZ・Y軸
面)内で搬送することも可能である。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ワーク搬
送用のロボットを、ワーク搬送中に、塵埃やガス等を発
生させることなく、高精度にハンドを位置決めしてハン
ドリングさせることができ、しかも、高寿命にするとと
もに小形化することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のワーク搬送用のロボット
の全体概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II断面詳細図である。
【図3】弾性アームが最も伸長した姿勢を示す図であ
る。
【図4】弾性アームが弾性変形して円弧状に縮小した姿
勢を示す図である。
【図5】圧電素子板を備えた回転アームの作動説明図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施例におけるハンドの制御系
および駆動系の説明図である。
【図7】弾性アームの振動モード例を示す斜視図であ
る。
【図8】弾性アームの振動制御方法の説明図である。
【図9】図6に示す第2の実施例の変形例を示す図であ
る。
【図10】本発明の振動制御の具体的な構成例を示す図
である。
【図11】本発明の振動制御の具体的な他の構成例を示
す図である。
【図12】弾性アームの模型による弾性変形時の先端部
の軌跡と変位量の説明図である。
【図13】弾性アームの曲げ応力状態例を示す図であ
る。
【図14】弾性アームのZ軸方向の変位量を低減させる
構成例その1の図である。
【図15】弾性アームのZ軸方向の変位量を低減させる
構成例その2の図である。
【図16】弾性アームのZ軸方向の変位量を低減させる
構成例その3の図である。
【図17】弾性アームのZ軸方向の変位量を低減させる
構成例その4の図である。
【図18】弾性アームのZ軸方向の変位量を低減させる
構成例その5の図である。
【図19】弾性アームのZ軸方向の変位量を低減させる
構成例その6の図である。
【図20】弾性アームのZ軸方向の変位量を低減させる
構成例その7の図である。
【図21】本発明のロボットの他の弾性アームの構成例
を示す図である。
【図22】本発明のロボットのウエハ製造装置への使用
例を示す一部断面平面図である。
【図23】図22のA−A断面拡大図である。
【図24】図22におけるウエハ搬送動作の説明図であ
る。
【符号の説明】
1…ワーク(ウエハ)、2…ハンド、3,4…弾性アー
ム、5,50…ハンドホルダー、6,7…回転アーム、
8,9…圧電素子板、10…回転軸(外側)、11…回
転軸(内側)、12…モータ(回転軸10用)、13…
モータ(回転軸11用)、20…TVカメラ、25…タ
ーゲットライン、26…制御系、27…駆動系、31,
32,33,34,35,36,37,39,41,4
2,43,44,45,46,47,49…弾性アー
ム、31a,41a…リブ、32a,32b,42a,
42b…ばね板、32c,42c…短冊状の板、33
a,43a…溝、36a,46a…切欠き窓、38,4
8…補助弾性アーム、70…搬送室、71,72,73
…処理室、74…ロードロック室、75…上板、76…
台板、C…回転軸の軸線、L…切換線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 高道 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 小田島 均 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 伊東 徹雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立画像情報システム内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定位置に設置され、該位置より構成部
    材の運動によりハンドを移動させてワークを搬送するワ
    ーク搬送用のロボットにおいて、(i)ワークが載置さ
    れる平板状のハンドと、(ii)一定位置に設置された
    円筒状の内側回転軸および該内側回転軸の外周部に内側
    回転軸と同軸に配置された円筒状の外側回転軸と、(i
    ii)該内側および外側の各回転軸の一端部に、180
    °反対方向に突設された一対の各回転アームと、(i
    v)左右ほぼ対称に相対させて配置され、基端部を前記
    一対の各回転アームの端部にそれぞれ固着されるととも
    に、先端部をハンドホルダーを介して前記ハンドに固着
    されたばね材からなる帯状の左右の弾性アームと、
    (v)前記内,外の回転軸および各回転アームを、該回
    転軸の回りに同方向および反対方向の任意の角度に、い
    ずれも同期させてそれぞれ独立に同速度で回動させる駆
    動部とを備え、(vi)該駆動部による内,外の回転軸
    および一対の各回転アームの反対方向の回動により前記
    ハンドを、前記左右の弾性アームの弾性変形を介して前
    記回転軸との間を前後に直線移動させ、前記内,外の回
    転軸および一対の各回転アームの同方向の回動により前
    記ハンドを、前記回転軸の回りに回動させる構成にした
    ことを特徴とするワーク搬送用のロボット。
  2. 【請求項2】 一定位置に設置され、該位置より構成部
    材の運動によりハンドを移動させてワークを搬送するワ
    ーク搬送用のロボットにおいて、(i)ワークが載置さ
    れる平板状のハンドと、(ii)一定位置に設置された
    円筒状の内側回転軸および該内側回転軸の外周部に内側
    回転軸と同軸に配置された円筒状の外側回転軸と、(i
    ii)該内側および外側の各回転軸の上端部に、180
    °反対方向に突設された一対の各回転アームと、(i
    v)左右ほぼ対称に相対させて配置され、基端部を前記
    一対の各回転アームの端部にそれぞれ固着されるととも
    に、先端部をハンドホルダーを介して前記ハンドに固着
    されたばね材からなる帯状の左右の弾性アームと、
    (v)前記内,外の回転軸および各回転アームを、該回
    転軸の回りに同方向および反対方向の任意の角度に、い
    ずれも同期させてそれぞれ独立に同速度で回動させる駆
    動部と、(vi)前記回転軸の軸線に対して前記ハンド
    に設定されたXY平面上の基準位置よりずれた位置を、
    経時的に検出する位置検出手段と、(vii)該位置検
    出手段により検出された位置データを演算して前記ハン
    ドおよび各弾性アームの振動状態を推定し、対応する振
    動の制御データを出力する制御系と、(viii)該制
    御系からの制御データに基づいて前記駆動部の駆動デー
    タを設定し、該駆動データを前記駆動部に出力する駆動
    系とを備え、(ix)前記駆動部による内,外の回転軸
    および一対の各回転アームの反対方向の回動により前記
    ハンドを、前記左右の弾性アームの弾性変形を介して前
    記回転軸との間を前後に直線移動させ、前記内,外の回
    転軸および一対の各回転アームの同方向の回動により前
    記ハンドを、前記回転軸の回りに回動させる構成にした
    ことを特徴とするワーク搬送用のロボット。
  3. 【請求項3】 前記一対の各回転アームが、ほぼL形に
    形成され、その一部に他の部分より弾性変形を容易にさ
    せる切欠きを形成するとともに、各回転アームと該回転
    アームが固着される回転軸との間に、前記各弾性アーム
    の振動を低減する方向に励振可能な積層形圧電素子を設
    けてなる請求項1または2記載のワーク搬送用のロボッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記左右の弾性アームが、基端部を前記
    弾性アームの基端部に隣接させて前記各回転アームに固
    着するとともに、先端部を前記ハンドホルダーを介して
    ハンドに前記弾性アームの先端部と位置をずらせて固着
    した、ばね材からなる左右の補助弾性アームを併設した
    構成からなる請求項1または2記載のワーク搬送用のロ
    ボット。
  5. 【請求項5】 前記左右の弾性アームが、所定のピッチ
    で鉛直方向に配置された複数の短冊状の板と、該短冊状
    の板と板との間の上下に互いにクロスさせて配設した帯
    状のばね板とを、互いに固着してなる構成の請求項1ま
    たは2記載のワーク搬送用のロボット。
  6. 【請求項6】 前記左右の弾性アームが、相対する面の
    各片面に、所定のピッチで、ほぼ鉛直方向に所定の深さ
    の溝を形成した構成からなる請求項1または2記載のワ
    ーク搬送用のロボット。
  7. 【請求項7】 前記左右の弾性アームが、相対する面
    を、下辺に比べて各上辺を開いて傾斜させた構成からな
    る請求項1または2記載のワーク搬送用のロボット。
  8. 【請求項8】 前記左右の弾性アームが、相対する面の
    板幅または/および板厚を、基端部から先端部までの曲
    げ応力が平均化するように減少させた構成からなる請求
    項1または2記載のワーク搬送用のロボット。
  9. 【請求項9】 前記左右の弾性アームが、相対する面の
    各片面に、所定のピッチで、鉛直方向に対して所定の角
    度に傾斜させた所定の厚さのリブを形成した構成からな
    る請求項1,2,4,5,6,7または8記載のワーク
    搬送用のロボット。
  10. 【請求項10】 前記左右の弾性アームが、ばね材から
    なる鋼線により形成されてなる請求項1または2記載の
    ワーク搬送用のロボット。
  11. 【請求項11】 前記左右の弾性アームが、予め、前記
    各回転アームを回動して前記ハンドの位置が、該ハンド
    と回転軸との間を直線移動するストロークのほぼ1/2
    にて形成される形状に成形されてなる請求項1,2,
    4,5,6,7,8,9または10記載のワーク搬送用
    のロボット。
  12. 【請求項12】 前記左右の弾性アームが、その表面を
    腐食防止用の表面処理を施してなる請求項1,2,4,
    5,6,7,8,9,10または11記載のワーク搬送
    用のロボット。
  13. 【請求項13】 前記一対の各回転アームが、2枚の圧
    電薄板を重ね合わせて形成した圧電素子板を水平状態に
    備えてなる請求項1または2記載のワーク搬送用のロボ
    ット。
  14. 【請求項14】 前記ハンドが、磁性体で形成されると
    ともに、該ハンドの上下面が、前記左右の弾性アームが
    最も伸長した状態の位置にて、極性の異なる一対の磁石
    により間隙を有して挾まれた構成である請求項1または
    2記載のワーク搬送用のロボット。
  15. 【請求項15】 前記制御系が、前記各回転軸に設けた
    ひずみゲージを介して検出された各回転軸のトルクを演
    算して前記ハンドおよび各弾性アームの振動状態を推定
    し、対応する振動の制御データを、前記各弾性アームの
    基端側側面に間隙を有して相対させた電磁石の磁力制御
    用として出力する構成からなる請求項2記載のワーク搬
    送用のロボット。
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