JPH05317081A - ヒト−ヒト型モノクローナル抗体 - Google Patents

ヒト−ヒト型モノクローナル抗体

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JPH05317081A
JPH05317081A JP4156013A JP15601392A JPH05317081A JP H05317081 A JPH05317081 A JP H05317081A JP 4156013 A JP4156013 A JP 4156013A JP 15601392 A JP15601392 A JP 15601392A JP H05317081 A JPH05317081 A JP H05317081A
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JP
Japan
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human
cells
monoclonal antibody
cancer
hybridoma
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JP4156013A
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English (en)
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Kojiro Kurisu
浩二郎 栗栖
Masako Yoshiura
正子 吉浦
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Kaken Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扁平上皮癌の診断および治療などに有用な、
扁平上皮癌に特異的なヒト−ヒト型モノクローナル抗体
を提供することである。 【構成】 工業技術院微生物工業研究所に微工研条寄第
3850号で寄託された細胞の特性を有するヒト−ヒト型ハ
イブリドーマおよび当該ハイブリドーマにより産生され
るヒト扁平上皮癌を認識するヒト−ヒト型モノクローナ
ル抗体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト扁平上皮癌を認識
するヒト−ヒト型モノクローナル抗体および該モノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、消化器癌、子宮癌などヒト悪性腫瘍に対するモノク
ローナル抗体の作製が行なわれている。これらにより腫
瘍関連抗原の解析が進められ、また、それらのうちのい
くつかは、腫瘍細胞に特異的な腫瘍マーカーとして癌の
組織診断のみならず癌の血清診断にも有用であることが
示されている。
【0003】悪性腫瘍に対するモノクローナル抗体は、
治療目的でも有効に用いられる。モノクローナル抗体単
独で、リンパ腫、大腸癌、メラノーマ、類上皮癌などの
治療に応用した例が報告されている(ミラー アール
エイ(Miller RA) ら、ブラッド(Blood) 、58:78、198
1;ハーリー ディー(Herly D) ら、プロシーディング
オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス オ
ブ ユナイティド ステイツ オブ アメリカ(Proc.Na
tl. Acad.Sci.USA) 、79:476 、1982;ディポルド ダ
ブリュー ジー(Dippold WG)ら、キャンサー リサーチ
(Cancer Res.)、44:806 、1984 およびマスイ エイ
チ(Masui H) ら、キャンサー リサーチ、44:1002、19
84参照)ほか、モノクローナル抗体に制癌剤やジフテリ
ア毒素などを結合させ、選択的に癌細胞へ輸送する方法
(いわゆるミサイル療法)も行なわれている(ギリラン
ド ディー ジー(Gilliland DG)ら、Proc.Natl.Acad.S
ci. USA,77:4539、1980参照)。
【0004】以上のようにモノクローナル抗体は臨床的
には、治療面への応用も広がっている。しかし、現在確
立されているモノクローナル抗体の多くはマウス−マウ
ス型であるため、人体に注射すると、それらは異物とし
て認識され、投与された抗体の活性が十分発揮されない
うちに排除されてしまうことが知られている(ジェイム
ス ケー(James K) ら、ジャーナル オブ イムノロジ
ー メソッズ(J. Immunol.Methods )、100 :5、1987
参照)。すなわち、マウス抗体に対する免疫反応が起こ
る結果、免疫複合体が形成されて排除されるとともに、
ときとして激しい炎症症状が血管系や腎臓を中心に発生
することがある。
【0005】EBVトランスフォーム法を用いたヒト−
ヒト型モノクローナル抗体がスタイニツ(Steinitz)らに
よって報告された(スタイニツ エムら、ネイチャー(N
ature)269 :420 、1977参照)。その後、オルソン(Ols
son)らがヒト−ヒト型ハイブリドーマ法を報告し(オル
ソン エルら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77 :5429、19
80参照)、さらにグラシー(Glassy)らがヒトBリンパ芽
球細胞株WI−L2よりHAT感受性細胞株を分離した
(グラシー エム シーら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,8
0 :6327、1983参照)。それ以来、親細胞株の開発が進
みかなり安定したヒト−ヒト型ハイブリドーマを作製で
きる親細胞株がえられるようになった。これらの親細胞
株を用いて、あるいはEBV−トランスフォーム法を用
いてさまざまなヒト−ヒト型モノクローナル抗体の作製
が試みられている。
【0006】ヒト−ヒト型モノクローナル抗体とは、ヒ
ト抗体産生細胞(Bリンパ球)とヒト由来の親細胞株を
融合させたハイブリドーマが産生する抗体をいう。この
ような抗体は人体において異物として認識されにくいた
め、癌の治療に安全に応用できる。また、ヒト−ヒト型
モノクローナル抗体が癌を特異的に認識するものであれ
ば、診断にも応用することができる。癌を特異的に認識
する抗体もメラノーマ、胃癌、乳癌などで報告されてい
る。しかし、扁平上皮癌に対するヒト−ヒト型モノクロ
ーナル抗体の報告はまだなく、診断、または治療に有効
な抗体が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は工業技術院微生
物工業研究所に微工研条寄第3850号で寄託された細胞の
特性を有するハイブリドーマから産生される、ヒト扁平
上皮癌を認識するヒト−ヒト型モノクローナル抗体およ
び工業技術院微生物工業研究所に微工研条寄第3850号で
寄託された細胞の特性を有するヒト−ヒト型ハイブリド
ーマに関する。
【0008】本発明のモノクローナル抗体は、たとえば
つぎのようにしてえることができる。
【0009】すなわち、まず、扁平上皮癌患者から採取
したリンパ節より細胞を分離する。この中には、患者の
体内で癌細胞によって感作された抗体産生細胞(Bリン
パ球)が含まれている。そこで、これらのリンパ節細胞
をポリエチレングリコール存在下でヒト由来親細胞株と
細胞融合させ、HAT培地により融合した細胞を選択す
る。ヒト由来親細胞株としては、ヒト由来骨髄腫細胞株
またはたとえばHO-323などのヒト由来リンパ芽球細胞
などが用いられる。ほかに、ヒト骨髄腫細胞株U-266
(前出のオルソンら、Proc. Natl. Acad. USA,77:542
9,1980)やヒトBリンパ芽球細胞株KR-4(コズボル
(Kozbor)ら、ジャーナル オブ イムノロジー(J.Im
munol.),133:3001-5,1984 )を親細胞として用いた研
究がある。つぎに、抗体産生クローンを扁平上皮癌由来
細胞株SCC25(American Type Culture Collection,
Rockbill, MD,USA)または癌組織切片を用いて、これら
との反応性をたとえば酵素抗体法による免疫組織化学を
行なうことでスクリーニングすることによって、扁平上
皮癌に特異的なモノクローナル抗体をえることができ
る。
【0010】つぎに実施例にもとづいて本発明をさらに
詳しく説明するが、本発明はもとよりこれに限定される
ものではない。
【0011】
【実施例】
実施例1 (1) リンパ節細胞の調整 癌抗原に感作されたBリンパ球を含むリンパ節細胞は以
下の方法にしたがって調製した。高分化型舌扁平上皮癌
患者(68才、男性)に頸部郭清術を施した際に採取され
た頸部リンパ節を細切し、E−RDF培地(RPMI、
DMEM、ハムF12を2:1:1に混和したもの)中で
細胞を分散したのち、10%FCS添加E−RDF培地中
で24時間培養した。なお、リンパ節を採取する際、放射
線照射部位は避けるようにした。 (2) ハイブリドーマの作製 前項の方法にしたがって調製したリンパ節細胞と親細胞
株HO-323(タマキワイ(Tamaki Y.) ら、ハイブリドー
マ(Hybridoma),8:293,1989)(ヒトBリンパ芽球細胞
株:ハイブリドーマ作製用親細胞株で、九州大学大学院
農学研究科遺伝子資源工学専攻 村上浩紀教授より供与
された)をE−RDF培地で洗浄したのち、2:1の割
合で混合し、1,200rpmで5分間遠心した。上清を吸引
後、ペレットに50%ポリエチレングリコール4,000(メル
ク社製)1mlを撹拌しながら加えて、30秒間静置した。
さらにE−RDF培地を30秒毎に1mlずつ計9ml静かに
添加し、10分間室温で静置した。10%FCS添加HAT
培地(16μM チミジン、100 μM ヒポキサンチン、0.4
μM アミノプテリン)に細胞を再浮遊させて96穴マルチ
ウエルプレートに1×106 個/ウエル/100 μl となる
ように播種した。HAT培地は3〜4日毎に50μl ずつ
添加して、2週間〜1ケ月培養した。
【0012】その結果、396 ウェル中57ウェル(14.4
%)に1個以上のハイブリドーマが出現した。 (3) ハイブリドーマのスクリーニング ハイブリドーマのスクリーニングはSCC25細胞を用い
て行なった。96穴マルチウエルプレートにSCC25細胞
を5×105 個/ウエル/200 μl ずつ播種し、24時間培
養した。そののち、各ウエルに4%パラホルムアルデヒ
ド(PFA)を100 μl 加えて20分間固定した。そこへ
1%BSA(ウシ血清アルブミン)を100 μl 加えて1
時間ブロッキングを行なったのち、ハイブリドーマの上
清を100μl 加えて4℃で1晩反応し、ホースラティッ
シュペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗ヒトIgE
+IgM+IgA抗体(ザイメッツ社製)を加えて室温
で2時間反応させた。PBSによる洗浄後ディアミノベ
ンチジン(DAB)で発色させ、細胞の反応の有無を顕
微鏡で観察した。
【0013】強く染まった1ウェルについて、限界希釈
法で2回クローニングし、モノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマをえた。このハイブリドーマはBM2
と命名され平成4年5月13日、工業技術院微生物工業技
術研究所に寄託された(微工研条寄第3850号(FERM
BP-3850))。
【0014】ハイブリドーマの培養上清中のモノクロー
ナル抗体は、硫安沈殿法による通法したがって精製し
た。 (4) 抗体のクラスの決定 えられたモノクローナル抗体のクラスの決定は、HRP
標識抗ヒトIgG抗体および抗ヒトIgM抗体(ザイメ
ッツ社製)を用いてERISA法で行なった。
【0015】その結果、BM2のクラスはIgMであっ
た。 (5) モノクローナル抗体の培養細胞に対する反応性の検
討 使用した細胞株とその培地
【0016】
【表1】 ヒト歯肉線維芽細胞の採取とその培養 可及的に無菌的状態で採取したヒト歯肉をメスで細切
し、ペニシリン(100unit/ml)とアンフォテリシンB
(5μg/ml )を添加したDMEMに静置した。これを
0.25%トリプシンで20分間処理したのち、DMEMで2
回洗浄し、メッシュに通した。約5×105 個の細胞を60
mmディッシュに播種し、10%FCS添加DMEM中で24
時間培養した。
【0017】モノクローナル抗体の培養細胞に対する
反応性の検討 SCC25、SCCKN、Ca9-22および歯肉線維芽細胞
を8穴のラブテックチャンバーに播種し、サブコンフル
エントになるまで培養した。4%PFAを加えて20分間
固定したのち、ハイブリドーマの培養上清を加えて室温
で2時間反応させた。フルオレセインイソチオシアネー
ト(FITC)標識抗ヒトIgM抗体を室温暗所で30分
間反応させたのち、蛍光顕微鏡で観察した。また、生細
胞のばあいはサブコンフルエントになった培養細胞をリ
ン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄後、モノクローナ
ル抗体と氷冷下で2時間反応させ、4%PFAで固定
し、FITC標識抗ヒトIgM抗体と反応させた。
【0018】
【表2】 BM2と固定した培養細胞との反応性を表2にまとめ
た。蛍光抗体染色により染色されたものを「+」、まっ
たく染色されなかったものを「−」と評価した。またS
CC25については、増殖中の細胞を蛍光抗体染色したも
のの写真を図1aに、同じものの位相差顕微鏡写真を図
1bに、コンフルエントになった細胞を蛍光抗体染色し
たものの写真を示す。
【0019】表2より、BM2はすべての扁平上皮癌株
細胞に強い反応性を示し、歯肉から分離した線維芽細胞
には反応性を示さないことがわかる。図1aより、増殖
中のSCC25において分裂中の細胞では核膜の周囲が、
分裂直後の細胞では細胞質全体が網状にBM2と反応し
ていることがわかる。図1cの、コンフルエントになっ
たSCC25においては、細胞質の反応性は消失し、細胞
間隙に顆粒状の反応産物が観察された。
【0020】一方、生細胞の染色では、すべての扁平上
皮癌由来細胞の細胞間隙に顆粒状の反応産物が観察され
たが、歯肉線維芽細胞では陰性であった。 (6) モノクローナル抗体の組織標本に対する反応性の検
討 検索した腫瘍の種類と例数は表3に示すとおりである。
【0021】
【表3】 標本は摘出後速やかに5%シュークロース添加PBSに
浸漬し、続いてシュークロースの濃度を順次20%まで上
げ、OTC コンパウンド(Miles Scientific, Naperv
ille,IL,USA )に包理した。ブロックは5μm に薄切
後、冷アセトンにて固定した。免疫染色は、3%ヤギ血
清にてブロッキングしたのち、ABC法(Vecter,Labor
atories Inc., Burlingame, CA,USA)によって行なっ
た。対比染色としては、HE染色を行なった。結果を表
3に示す。さらに、高分化型舌扁平上皮癌、中分化型舌
扁平上皮癌、低分化型頬粘膜扁平上皮癌、胃癌(未分化
型腺癌)、乳癌および正常口腔粘膜上皮について、それ
ぞれABC法によるBM2の免疫染色を行なったものの
写真を、図2a、図3a、図4、図5a、図6および図
7aに、同一標本のHE染色を図2b、図3b、図5b
およひ図7bに示す。
【0022】BM2は検索したすべての口腔扁平上皮癌
に反応性を示した。高分化型の扁平上皮癌においては、
癌胞巣の最外層とそのやや内層で細胞質内に強い陽性を
示した。しかし、癌真珠を形成しているばあい、その中
心部は陰性だった(図2a参照)。中分化型扁平上皮癌
では、軽度の角化を起こしている細胞も含めて、癌胞巣
全体が陽性反応を示した(図3a参照)。低分化型扁平
上皮癌でも、癌胞巣全体が陽性で、外側の細胞よりも中
心部の細胞の方がより強く反応する傾向が観察された
(図4a参照)。皮膚癌の2例はいずれも扁平上皮癌
で、口腔扁平上皮癌と同様の染色傾向を示した。胃癌お
よび大腸癌の反応性はいずれも陰性であった(図5a参
照)。乳癌においては腫瘍胞巣自体は陰性であったが、
その周囲を取り囲む筋上皮細胞様細胞は強い反応性を示
した(図6参照)。舌白板症の症例では、肥厚した上皮
細胞全体が陽性だった。また、BM2は正常口腔粘膜上
皮の基底細胞層および傍基底細胞層に対しても陽性反応
を示した(図7a参照)。正常な乳腺、胃および大腸の
組織はいずれも陰性であった。 (7) ウエスタンブロッティングによる抗原の分子量の推
定 試料は以下の方法で調製した。SCC25細胞を10cmシャ
ーレにコンフルエントになるまで培養し、PBSで洗浄
後1mlの10mM Tris-HCl (pH 7.4)、150mMNaC
l、0.5 %Triton X-100、0.2mM フェニルメタンスルホ
ニルフルオリド(PMSF)を加え15分間静置した。溶
解液をラバーポリスマンで集め、10,000rpm で5分間遠
心し、上清を試料とした。ドデシル硫酸ナトリウム・ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)は
ラエムリ(Lamemli)ら(ネイチャー,227:680,1970参
照)の方法で12.5%ゲルを用いて還元および非還元条件
下で行なった。泳動されたタンパク質をニトロセルロー
ス膜へ転写し、3%ヤギ血清にて4℃で1晩ブロッキン
グした。これをクマージーブルー染色したもの、BM2
による染色をしたもの、および染色をしなかったもの
(コントロール)それぞれの写真を図8a、図8b、図
8cに示した。BM2による染色は、以下のように行な
った。すなわち、BM2を室温で2時間反応させたの
ち、Tween-PBS (0.5%)で洗浄後、HRP標識抗ヒト
IgM抗体で1時間反応させた。再びTween-PBS で洗浄
後、4- クロロナフトールで発色させた。
【0023】その結果、還元および非還元条件下とも
に、41Kと52Kの2本のバンドが観察された(図8b参
照)。ケラチノサイトに含まれる既知のタンパクのう
ち、サイトケラチン19(40kD) とサイトケラチン8(52.
5kD)が最も近い分子量をもっている。そこで、サイトケ
ラチン8,18,19,を認識するモノクローナル抗体であ
るPKKl(ホルテファー(Holthofer) ら、ラボラトリ
ー インベスティゲーション(Lab,Innvest.)49:317,198
3 参照)を用いて、正常および癌組織切片を免疫染色
し、BM2と比較検討した。その結果、両者の染色パタ
ーンはかなり異なっていた。最も著しい違いは乳癌にお
いて見られ、PKK1は癌実質のみが陽性であったのに
対し、BM2は逆に癌実質が陰性で癌胞巣を取り囲む線
維芽細胞株細胞が強い陽性を示した。以上の結果から、
BM2はサイトケラチンとは異なるタンパクを認識して
いることがわかる。
【0024】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
のヒト−ヒト型モノクローナル抗体は、ヒト扁平上皮癌
を認識するものであり、ヒト扁平上皮癌の診断と治療に
極めて有用なものである。また、本抗体はヒト乳癌胞巣
を取り囲む筋上皮細胞様細胞と反応する性質を持ってい
ることから、乳癌と組織反応の研究のための有力な手段
となるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 増殖中のヒト扁平上皮癌由来SCC25細胞
をBM2により蛍光抗体染色したものの写真である。 (b) 図1aと同一標本の位相差顕微鏡写真である。 (c) コンフルエントになったSCC25細胞をBM2によ
り蛍光抗体染色したものの写真である。
【図2】(a) 高分化型舌扁平上皮癌についてABC法に
よるBM2の免疫染色を行なったものの写真である。 (b) 図2aと同一標本のHE染色像である。
【図3】(a) 中分化型舌扁平上皮癌についてABC法に
よるBM2の免疫染色を行なったものの写真である。 (b) 図3aと同一標本のHE染色像である。
【図4】低分化型頬粘膜扁平上皮癌についてABC法に
よるBM2の免疫染色を行なったものの写真である。
【図5】(a) 胃癌(未分化型腺癌)についてABC法に
よるBM2の免疫染色を行なったものの写真である。 (b) 図5aと同一標本のHE染色像である。
【図6】乳癌についてABC法によるBM2の免疫染色
を行なったものの写真である。
【図7】(a) 正常口腔粘膜上皮についてABC法による
BM2の免疫染色を行なったものの写真である (b) 同一標本のHE染色像である。
【図8】(a) SCC25細胞の溶解液についてウエスタン
ブロッティングを行なったもののクマージーブルー染色
の写真である。 (b) 図8aと同一標本のBM2による染色の写真であ
る。 (c) 図8aと同一標本のコントロールの写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 15/07 G01N 33/574 D 9015−2J 33/577 B 9015−2J (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工業技術院微生物工業研究所に微工研条
    寄第3850号で寄託された細胞の特性を有するハイブリド
    ーマから産生される、ヒト扁平上皮癌を認識するヒト−
    ヒト型モノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 工業技術院微生物工業研究所に微工研条
    寄第3850号で寄託された細胞の特性を有するヒト−ヒト
    型ハイブリドーマ。
JP4156013A 1992-05-21 1992-05-21 ヒト−ヒト型モノクローナル抗体 Pending JPH05317081A (ja)

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