JPH05317070A - アカロンの製造方法 - Google Patents

アカロンの製造方法

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JPH05317070A
JPH05317070A JP4121996A JP12199692A JPH05317070A JP H05317070 A JPH05317070 A JP H05317070A JP 4121996 A JP4121996 A JP 4121996A JP 12199692 A JP12199692 A JP 12199692A JP H05317070 A JPH05317070 A JP H05317070A
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JP
Japan
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akalone
culture
flavobacterium
acarone
xod
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JP4121996A
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English (en)
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Hitoshi Izumida
仁 泉田
Wataru Miki
渉 幹
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KAIYO BIO TECHNOL KENKYUSHO KK
Original Assignee
KAIYO BIO TECHNOL KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フラボバクテリウム属に属するアカロン生産
菌を培地で培養し、培養物からアカロンを分離すること
を特徴とするアカロン製造方法。 【効果】 低コストで純度の高いアカロンを得ることが
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物によりアカロン
を製造する方法に関する。アカロンは、そのキサンチン
オキシターゼ(以下XODという)阻害能力により高尿
酸血症の改善、予防及び痛風の治療薬として有効であ
る。
【0002】
【従来の技術】アデニン、グアニン等のプリン体はキサ
ンチンを経て人体内最終代謝物である尿酸にまで代謝さ
れる。このプリン代謝により生成された尿酸は腎臓等よ
り適宜排泄されるので、通常の状態あれば、体内の尿酸
量は一定の値に維持されている。しかし、プリン代謝に
異常が生じて尿酸が過剰に生成されたり、尿酸が適当に
排泄されない場合には、体内に尿酸が蓄積し、高尿酸血
症や痛風を引き起こす。このような場合、上記のプリン
代謝に関与する酵素の活性を阻害し、尿酸の生成経路を
遮断することが有効である。プリン代謝に関与する酵素
は、幾つか知られているが、XODは、この代謝の最後
の段階で、キサンチンを尿酸に変換する酵素であり、プ
リン代謝において中心的な役割を果たすものである。こ
のため従来より、XOD阻害剤は、高尿酸血症の改善、
予防及び痛風の治療薬として広く用いられてきた。しか
し、実用化されているXOD阻害剤は、現在のところア
ロプリノールを主成分とするものだけであるため、アロ
プリノールによる副作用、患者のアレルギー、長期服用
による薬効の減少等の問題が生じていた。このような問
題に対応すべく本発明者等は、アロプリノール以外のX
OD阻害物質として新規化合物アカロン(4-アミノ-1H-
ピラゾロ〔3,4-d〕ピリミジン-3-オン)を見出し、該物
質及びその用途について、本出願と同日付けで出願を行
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アカロンを化
学的に合成する場合、4-アミノ-3-メトキシ-1H-ピラゾ
ロ〔3,4-d〕ピリミジンを前駆体として用いるが、この
前駆体化合物は、数ステップの煩雑な反応を経て合成さ
れるため収率が極端に悪く、このためこの前駆体を用い
た合成方法では、製造コストが高くなり、また得られる
アカロンの純度も低いものとなる。
【0004】本発明の目的は、上記の化学合成による製
造方法の不都合を解決することにあり、具体的には、微
生物を利用することにより、低コストで高純度のアカロ
ンを製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、アカロン
を生産する微生物について鋭意研究を行ったところ、フ
ラボバクテリウム属に属する微生物がアカロンを生産す
ることを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、フ
ラボバクテリウム属に属するアカロン生産菌を培地で培
養し、培養物からアカロンを分離することを特徴とする
アカロンの製造方法である。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。アカロンの
化学名は、4-アミノ-1H-ピラゾロ〔3,4-d〕ピリミジン-
3-オンであり、以下に示すような化学構造を持ってい
る。
【0007】
【化1】
【0008】またアカロンは、現在唯一認められている
XODを阻害する痛風薬の主成分であるアロプリノール
と同じピラゾロ〔3,4-d〕ピリミジン環を有し、このた
めアロプリノールと同様に安全性に優れており、またア
ロプリノール以上の強いXOD阻害活性を示す。アカロ
ン生産菌としては、アカロン生産能を有するフラボバク
テリウム属に属する微生物であれば、いずれの菌株でも
用いることができる。また、これらの微生物の人工的変
異方法、例えば紫外線照射、X線照射、変異誘起剤処理
などあるいは自然発生による変異株、また遺伝子操作、
細胞融合による変異株でもアカロンを生産するものであ
ればいずれも本発明に用いることができる。このような
アカロン生産能を有する菌株を選定するには、試験例に
示すように菌体の培養物を取り出し、そのXOD阻害活
性を測定することにより行うことができる。アカロン生
産菌株のうち、代表的な菌株としては、、N-81106 株が
挙げられる。
【0009】N-81106株の菌学的性質を以下に示す。 (1) グラム染色 陰性 (2) 形態 菌の形:桿状 大きさ:0.9μm×1.2μm 運動性:あり 鞭毛:周毛あり (3) 菌体色素:オレンジ色 (4) 生理的性質 オキシターゼ:陽性 グルコース分解性:陽性 ゼラチン分解性:陰性 DNA分解性:陰性 (5) OFテスト 酸化 なお、上記のN-81106株の菌学的性質の決定について
は、清水らの方法〔門田元、多賀信夫編:海洋微生物研
究法、学会出版センターpp.229(1985)〕に従い、形態学
的検討は、光学顕微鏡を用い、特に鞭毛の形態について
は透過型電子顕微鏡によった。
【0010】上記の菌学的性質についてエヌ・アール・
クリーグ(N.R.Krieg) 、ジェイ・ジイ・ホルト(J.G.Hol
t)編、バージーズ・マニュアル・オブ・システマチック
・バクテリオロジー(Bergey's Manual of Systematic B
acteriology)をもとに検索を行った結果、N-81106株は
フラボバクテリウム属に属することがわかったが、種を
特定することは困難であり、N-81106株をフラボバクテ
リウムsp(Flabvobacterium sp.) として工業技術院微生
物工業技術研究所に微工研菌寄第12782号(FERMP-1278
2) として寄託した。(原寄託日:平成4年2月19日)
【0011】アカロン生産菌を培養する培地としては、
資化可能な炭素源、窒素源、無機物および必要な生育、
生産促進物質を適当量含む培地であれば、合成培地、天
然培地いずれでも使用可能である。炭素源としては、グ
ルコース、澱粉、デキストリン、マンノース、フラクト
ース、シュクロース、ラクトース、キシロース、アラビ
ノース、マンニトール、糖蜜などを単独または組合せて
用いられる。更に、菌の資化能によっては炭化水素、ア
ルコール類、有機酸なども用いられる。窒素源として
は、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリ
ウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵
母、コーン・スチーブ・リカー、大豆粉、カザミノ酸な
どが単独または組合せて用いられる。そのほか、食塩、
塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リ
ン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸第一
鉄、塩化カルシウム、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅
などの無機塩類や海水を必要に応じて加える。更に使用
菌の生育やアカロンの生産を促進する微量成分を適当に
添加することができる。
【0012】アカロン生産菌の培養法としては、一般の
培養方法が用いられるが、液体培養法、とくに深部通気
攪拌培養法がもっとも適している。培養温度は16〜37
℃、特に22〜30℃が適当であり、培養中の培地のpHはア
ンモニア水や炭酸アンモニウム溶液、塩酸溶液などを添
加して、4〜10、特に6 〜8 に維持することが望まし
い。液体培養で通常1 〜8 日培養を行うと、目的物質の
アカロンが菌体中に生成蓄積される。培養物中の生成量
が最大に達したときに培養を停止する。
【0013】培養物からアカロンの分離、精製は、微生
物代謝生産物をその培養物から単離精製するために常用
される方法に従って行われる。例えば培養物を濾過によ
り培養濾液と菌体に分け、培養濾液の脂溶性画分を有機
溶剤(例えば、ヘキサン、ベンゼン、クロロホルム、ア
セトン、エーテル、酢酸エチル等)で取り除く。つい
で、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過(Sephade
x G-25) 、逆相カラムクロマトグラフィー等でアカロン
を分離、精製する。
【0014】
【試験例】微生物のXOD阻害活性の測定 試料溶液:微生物を常法により培養後培養物を遠心分離
し、その上清を用いる。 酵素溶液:牛ミルク由来XOD(6.6units/ml)100μl を
50mMリン酸緩衝液(pH7.5)2.9mlに溶解する。
【0015】基質溶液:キサンチンナトリウム4.0mg を
50mMリン酸緩衝液(pH7.5)200mlに溶解する。 測定操作:石英セル中で試料溶液0.3ml 、リン酸緩衝液
0.9ml 、酵素溶液0.1ml を25℃で15分間インキュベート
する。この溶液の入った石英セルを恒温セルホルダー付
き分光光度計にセットし予め25℃にインキュベートして
おいた基質溶液1.7ml を加え、スターラーで攪拌しなが
ら290nm 、25℃でタイムスキャンし30秒から90秒の吸光
度の傾きを求める。これらの測定値を用いて次式により
XODの阻害率を求めた。
【0016】 この方法により阻害活性が0%より大きい菌株をXOD
阻害活性がある菌株、すなわちアカロン生産能を有する
菌株とする。またこの方法によりアロプリノール、及び
アカロン純品に対して適用しXOD阻害率が50%とな
る濃度を求めた。その結果、アロプリノールは4.0μM
、アカロンは2.8μM であった。この結果アロプリノー
ルよりも阻害活性が高く、医薬上充分な阻害活性を有す
ることがわかった。微生物の選定 南西諸島海域より単菌分離した228 株の海洋性細菌、63
株の海洋性放線菌、32株の海洋性真菌を用いて、前述の
方法でXOD阻害活性を測定した。その結果、10%以上
の阻害活性を示した株は、海洋性細菌4 株、海洋性放線
菌2株、海洋性真菌1 株を得ることができた。フラボバ
クテリウムN-81106のXOD阻害活性は35%であった。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。種菌
としてフラボバクテリウムN-81106 (微工研菌寄第1278
2 号)を用いる。ペプトン5g/L、酵母エキス1g/L、グル
コース3g/L、リン酸第二鉄0.01g/L 、天然海水1000mlの
組成を有する前培養培地(殺菌前pH7.5 )50mlを300ml
フラスコに植菌し、25℃、48時間培養した。このように
して得られた前培養液を10L 容量の発酵槽中の上記組成
と同一組成の培地4Lに5%v/v の割合で植菌し、25℃で通
気攪拌方式(回転数100rpm、通気量0.7vvm)により72時
間培養を行った。
【0018】得られた培養液5Lを10000rpmで遠心分離
し、培養上清を得た。上清を酢酸エチル(1000ml)で二層
分配し、酢酸エチル層と水層を得た。水層を10倍に希釈
後、DOWEX 50WX8(H+) を充填したカラムに付し、水洗
後、2N NH3及び5N NH3を用いて順次溶出し、非吸着画
分、2N NH3溶出画分、5N NH3溶出画分の3画分に分画し
た。イオン交換カラムクロマトグラフィーによって得た
3 画分のうち2N NH3溶出画分を減圧濃縮して3ml とし、
ODS カラム(140C18,15X150 mm) に付した。次いで、イ
オン交換水、50%MeOH,100%MeOHを用いて溶出し、3 画分
に分画した。ODS 逆相クロマト非吸着画分を減圧濃縮し
て10mlとし、10mM酢酸アンモニウム溶液(pH7.5) で 平
衡化したSephadex G-25 カラム(3.5X50cm) に付し、同
溶液を用いて展開して10mlずつ分取した。Sephadex G-2
5 によるゲル濾過の活性画分(フラクションNo.48-60)
を集め、減圧濃縮して1.5ml とした。次に、HPLCを用い
てODSカラム上、水(0.1% TFA 含有) から5%アセトニト
リル水溶液(0.1% TFA 含有) のグラジエント溶出(30 分
間) によって展開した結果、24分に活性画分が認められ
分取した。分取を行った結果、アカロン8mg 得た。
【0019】このようにして精製したアカロンは、水素
核磁気スペクトル、炭素核磁気スペクトル、質量分析ス
ペクトルで合成法により調製されたアカロンのものと一
致した。
【0020】
【発明の効果】本発明は、XOD阻害活性を持ち、高尿
酸血症の改善、予防及び痛風の治療に優れた効果をもつ
アカロンを、微生物により製造することにより、低コス
トで高純度のアカロンを得ることを可能にするものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラボバクテリウム属に属するアカロン
    生産菌を培地で培養し、培養物からアカロンを分離する
    ことを特徴とするアカロンの製造方法。
JP4121996A 1992-05-14 1992-05-14 アカロンの製造方法 Pending JPH05317070A (ja)

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