JPH05317064A - 脂肪酸の連続製造方法 - Google Patents

脂肪酸の連続製造方法

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JPH05317064A
JPH05317064A JP4125775A JP12577592A JPH05317064A JP H05317064 A JPH05317064 A JP H05317064A JP 4125775 A JP4125775 A JP 4125775A JP 12577592 A JP12577592 A JP 12577592A JP H05317064 A JPH05317064 A JP H05317064A
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JP
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fatty acid
lower alcohol
water
reactor
alcohol ester
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JP4125775A
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Masami Shimizu
雅美 清水
Noriko Konishi
紀子 小西
Masaru Sakata
勝 坂田
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 脂肪酸低級アルコールエステルと水とを反応
器に連続的に供給し、加水分解酵素の存在下で反応させ
ると共に、反応物を油層と水層とに連続的に分離し、得
られた油層を回収脂肪酸低級アルコールエステルと回収
脂肪酸とに分離し、分離された回収脂肪酸低級アルコー
ルエステルを反応器に戻すとともに、回収脂肪酸を抜き
出し、油/水分離によって得られた水層からメタノール
を分離除去した水層を反応器に戻すことにより脂肪酸を
連続的に製造する。 【効果】 高純度、高収率で脂肪酸を連続的に製造する
ことができ、生産性の良い製造工程を組むことが可能に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪酸低級アルコール
エステルを出発物質として、加水分解酵素を用い、該酵
素を長時間に渡って使用し、効率良く脂肪酸を連続的に
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】脂肪酸
は、植物性油脂及び動物性油脂を高圧、高温下において
加水分解することで製造されている。また、脂肪酸低級
アルコールエステルを加水分解する方法も、古くから検
討がなされている(特公平3−24458 号) 。しかし、こ
れらの方法では、高温高圧反応であるため、エネルギー
コストが高く、装置が重厚になるとか、危険な触媒を用
いるために取扱いが難しいとの欠点が生じた。一方、脂
肪酸低級アルコールエステルの酵素的な加水分解につい
ては学術的な研究はかなり行われている(「油脂」, Vo
l 42, No.2, P91)が、工業的な検討は行われていない。
また脂肪酸低級アルコールエステルの加水分解反応に
は、化学平衡が存在するため脂肪酸低級アルコールエス
テルの分解率が非常に低く、分解率の向上には大量の水
を使用する必要があった。
【0003】本発明の目的は、工業的に大量の脂肪酸を
脂肪酸低級アルコールエステルより酵素的加水分解によ
って連続的に製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、本発明を完成するに到っ
た。即ち本発明は、以下の(1) 〜(5) の工程からなるこ
とを特徴とする脂肪酸の連続製造方法を提供するもので
ある。 (1) 脂肪酸低級アルコールエステルと水とを反応器に連
続的に供給する工程。 (2) 加水分解酵素の存在下で反応させると共に、反応物
を油層と水層とに連続的に分離する工程。 (3) 得られた油層を、脂肪酸低級アルコールエステルを
主成分とする回収脂肪酸低級アルコールエステルと、脂
肪酸を主成分とする回収脂肪酸とに分離する工程。 (4) 分離された回収脂肪酸低級アルコールエステルを反
応器に戻すとともに、回収脂肪酸を抜き出す工程。 (5) (2) の油/水分離によって得られた水層からメタノ
ールを分離除去した水層を反応器に戻す工程。
【0005】本発明の製造方法に用いられる脂肪酸低級
アルコールエステルとしては、好ましくは脂肪酸部分が
炭素数6〜26の脂肪酸に相当し、アルコール部分が炭素
数1〜4の1価の低級アルコールに相当するエステルで
あり、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、ゴ
ンドイン酸、エルカ酸及びこれらの混合物と、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ノ
ルマルブタノール、二級ブタノール、三級ブタノール、
イソブタノールとのエステルなどを挙げることができ
る。また、これらの脂肪酸低級アルコールエステルは単
独あるいは2種以上の混合物でもよい。
【0006】本発明の製造方法に用いられる加水分解酵
素としては、リパーゼ及びエステラーゼが挙げられる。
これらの酵素は、微生物、動物又は植物起源のものを使
用できる。1種類だけのリパーゼまたはエステラーゼを
使用することも、2種以上のリパーゼ及びエステラーゼ
を混合して使用することもできる。好ましくは、微生物
由来のリパーゼとして、リゾプス (Rhizopus) 属由来の
もの、キャンディダ (Chandida) 属由来のもの、ジオト
リクム (Geotrichum) 属由来のもの、ムコール(Mucor)
属由来のもの、アスペルギルス (Asprgillus) 属由来の
もの、クロモバクテリウム(Chromobacterium) 属由来の
もの等を挙げることができる。また、エステラーゼとし
ては、好ましくはシュードモナス(Pseudomonas) 属由来
のもの、キャンディダ (Chandida) 属由来のもの、ペニ
シリュウム(Penicillium) 属由来のもの等を挙げること
ができる。またリパーゼ及びエステラーゼの動物由来の
ものでは、人、牛、豚等の臓器由来のものを挙げること
ができる。更に、リパーゼ及びエステラーゼの植物由来
のものでは、ひまわり種子、じゃがいも等の由来のもの
を挙げることができる。これらの加水分解酵素は、粉末
のまま、水溶液として、または固定化酵素の形のいずれ
の形状で使用しても構わない。
【0007】本発明の製造方法に用いられる水は、好ま
しくはイオン交換水、蒸留水を用いる。また効果的な反
応速度を得るために、カルボン酸アルカリ金属塩、カル
ボン酸アルカリ土類金属塩もしくはそれらの混合物、無
機アルカリ金属塩、無機アルカリ土類金属塩もしくはそ
れらの混合物を含む水溶液を用いても構わない。カルボ
ン酸アルカリ金属塩、及びカルボン酸アルカリ土類金属
塩においては、カルボン酸は炭素数2〜8の直鎖または
分岐型の脂肪族カルボン酸であって、例えば酢酸、酪
酸、プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸、または安息香
酸等の芳香族カルボン酸が挙げられるが、脂肪族カルボ
ン酸が望ましい。またアルカリ金属としては、ナトリウ
ム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として
は、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。また無
機アルカリ金属塩、または無機アルカリ土類金属塩とし
ては、上記金属のハロゲン化物、炭酸塩、リン酸塩等が
挙げられる。これらのカルボン酸のアルカリ金属塩、カ
ルボン酸のアルカリ土類金属塩、無機アルカリ金属塩及
び無機アルカリ土類金属塩の添加量は、水層がpH=4.0
〜9.5 の範囲になるように添加することが好ましい。本
発明では、pH=5.0〜7.0の範囲にあることが更に好まし
い。この範囲からはずれると、加水分解酵素のpH変化に
よる変性が生じ、加水分解酵素の活性の発現が悪くな
る。
【0008】本発明の製造方法において、脂肪酸低級ア
ルコールエステルと水とを加水分解酵素の存在下で反応
させる際に、グリセリンを添加することが好ましい。グ
リセリンは、加水分解酵素の安定化剤として使用するも
のであり、脂肪酸低級アルコールエステルの加水分解反
応で生ずる低級アルコールによる加水分解酵素の変性と
熱による加水分解酵素の変性を防止するために添加す
る。安定化剤としてのグリセリンの濃度は、反応開始時
の仕込み水分量に対して 0.1〜100 重量%が好ましく、
より好ましくは反応開始時の仕込み水分量に対して10〜
80重量%である。0.1重量%未満では、グリセリンの安
定化剤としての効果が現れず、 100重量%を越えると、
脂肪酸低級アルコールエステルの加水分解によって生じ
た脂肪酸とグリセリンが、加水分解酵素の逆反応の触媒
作用により、エステル化反応を起こし、モノグリセライ
ド、ジグリセライド及びトリグリセライド及びそれらの
混合物を形成してしまい、加水分解によって生じた脂肪
酸が消失し、効率的に脂肪酸を生成することができな
い。
【0009】本発明による脂肪酸の連続製造法の一例を
図1に基づいて説明する。図1に示す反応器1に、脂肪
酸低級アルコールエステルを仕込み、更に同反応器1に
上記脂肪酸低級アルコールエステル1重量部に対して1
〜100 重量部の水を仕込む。より好ましくは上記脂肪酸
低級アルコールエステル1重量部に対して2〜10重量部
の水分量が望ましい。水分量が1重量部未満では加水分
解速度が遅くなり、 100重量部を越えると生産性が悪く
なる。そして、加水分解酵素を添加する。加水分解酵素
の安定性を増強する場合は、グリセリンも同反応器1に
仕込む。
【0010】上記の仕込みが終了した時点で、反応器1
を反応温度まで加熱する。反応温度は、使用する加水分
解酵素の至適温度によって決まるが、5〜90℃が望まし
い。更に好ましくは30〜70℃が採用される。5℃未満で
は反応速度が遅く生産性が悪くなると同時に、脂肪酸低
級アルコールエステル及び生成脂肪酸が凝固し、反応系
が固−液系となり極端に反応性が悪くなる。また90℃を
越えると、加水分解酵素の熱失活が大きくなり、良好な
反応性を示さなくなる。
【0011】加水分解酵素は、反応を十分進行させる濃
度を必要とする。具体的には、脂肪酸低級アルコールエ
ステル1gに対して、1〜1000ユニットを反応器1に添
加する。より好ましくは脂肪酸低級アルコールエステル
1gに対して、10〜300 ユニットを添加する。1ユニッ
ト未満では十分な反応速度が得られず、また1000ユニッ
トより多く添加しても反応速度はほとんどアップしな
い。ここで言う酵素単位1ユニットとは、脂肪酸低級ア
ルコールエステルを加水分解して、1分間に1μモルの
脂肪酸を生成させる酵素の分解力を表す。
【0012】反応中の撹拌は、撹拌所要動力として0.05
〜2kW/m3を与えるのが好ましい。更に好ましくは、0.
1 〜1kW/m3である。脂肪酸低級アルコールエステルの
加水分解酵素による加水分解反応は、水/油界面で進行
し、通常の酵素反応での基質濃度の項に界面積を用いた
Michaelis-Menten型の式で反応速度が表現できる。よっ
て界面積が大きいほど反応速度が大きい。したがって、
撹拌所要動力が、0.05kW/m3未満では、反応に必要な界
面積を確保できず反応速度が小さい。また、2kW/m3
越えると、反応後の油/水分離が非常に困難になり、油
分の収率が著しく悪くなる。
【0013】反応器1中の液平均滞留時間は、 0.1〜24
時間であり、好ましくは1〜7時間が望ましい。反応器
内の平均滞留時間がこの 0.1時間より短い場合は、反応
時間が短いため反応生成物の濃度が低くなる。また、反
応器内の平均滞留時間が24時間より長くなると、化学平
衡が関与するため、脂肪酸低級アルコールエステルの分
解率が上昇せず、無駄な製造時間を費やすことになり、
生産効率が悪くなる。
【0014】本発明においては、上記の反応物を反応器
1より反応器外に抜き出しながら油/水分離装置2で油
/水分離を行う。油/水分離には、遠心分離、静置分
離、膜分離等の従来の方法を用いれば良い。この油/水
分離を行うことにより、図1の低級アルコール除去装置
4に、低級アルコールの単蒸留槽を使用する場合、反応
によって生成する低級アルコール/水/脂肪酸低級アル
コールエステルの共沸化合物の形成を防ぐことができ
る。しかし、水層には加水分解酵素が含まれており、酵
素の失活を抑制するため90℃以下、より好ましくは70℃
以下で行うことが望ましい。図1の油/水分離装置2
に、例えば遠心分離機を用いる場合は軽液側に未反応脂
肪酸低級アルコールエステルと生成脂肪酸を含む。また
重液側には、酵素液及び生成低級アルコールを含む。軽
液側の油層は、脂肪酸低級アルコールエステルを主成分
とする回収脂肪酸低級アルコールエステルと、脂肪酸を
主成分とする製品脂肪酸に分離するための油層分離装置
3に導かれ、それぞれの成分に分離される。この分離法
としては、蒸留、膜、クロマト分離等の方法が挙げられ
る。分離された製品脂肪酸は系外に抜き出す。分離され
た回収脂肪酸低級アルコールエステルは、新規の脂肪酸
低級アルコールエステル供給槽5から、抜き出した製品
脂肪酸に相当する新規の脂肪酸低級アルコールエステル
を加え、所定の量にして反応器1に戻す。この油層の2
つの成分を分離し、未反応の脂肪酸低級アルコールエス
テルを反応器1に戻すことで、この反応に存在する化学
平衡を生成系側に大きくシフトすることが可能になり、
脂肪酸低級アルコールエステルの分解率を向上させるこ
とができる。一方、重液側の水層は、生成した低級アル
コールの除去を低級アルコール除去装置4で行う。この
生成した低級アルコールの除去も、この反応に存在する
化学平衡を生成系側にシフトさせ、脂肪酸低級アルコー
ルエステルの分解率を向上させるためには必要な工程で
ある。生成低級アルコールの除去には、単蒸留、精留、
カラムクロマト、パーベーパレーション等の方法が使用
できる。好ましくは、装置的に簡便な単蒸留が望まし
い。単蒸留あるいは精留で低級アルコールを除去する場
合、酵素の失活を抑制する温度で行う必要があるため、
減圧下で低級アルコール/水混合物の沸点を降下させて
行う。ただし、固定化酵素等を用いて水層中に酵素が存
在しない場合は任意の温度で低級アルコールの除去を行
うことができる。低級アルコールを除去した水層は、低
級アルコールと共に除去された水分量と加水分解反応で
消費される水分量に等しい重量の水分を、水供給槽6か
ら加えて、再度反応器1に戻し、上記の脂肪酸低級アル
コールエステルと反応させる。以上の操作を連続的に行
うことによって、化学平衡を連続的に生成系側にシフト
させ、脂肪酸低級アルコールエステルの分解率を高め、
油層中の脂肪酸純度を高め、脂肪酸の収量を向上させる
と共に、脂肪酸の生産性の良い連続製造が可能になる。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
脂肪酸低級アルコールエステル/低級アルコール/水の
共沸化合物の形成を避け、脂肪酸と低級アルコールの2
つの生成物を反応系外に連続的に除去することにより化
学平衡を生成系側にシフトさせ、脂肪酸低級アルコール
エステルの分解率を向上させることができるため、高純
度、高収率で脂肪酸を連続的に製造することができる。
また、生産性の良い製造工程を組むことが可能になる。
【0016】
【実施例】以下、実施例をもって、本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、本実施例中の%は特記しないかぎり重量基準であ
る。
【0017】実施例1 1000mlの反応器に、オクタン酸メチル(和光純薬工業
(株)製)150g、水750g、リパーゼ粉末(花王(株)
製:Pseudomonas sp. 由来) 1.5g、48000 U(基質と
してオクタン酸メチルを用いた時の活性 3.2万U/g−
リパーゼ粉末) を添加した。反応器中の平均滞留時間を
7時間として、反応温度55℃で反応させた。反応中の撹
拌は6cmの三日月羽根型撹拌翼を用いて、400rpmの撹拌
回転数(撹拌所要動力約 0.2kW/m3) を与えた(反応液
中油層のオクタン酸メチル約43%、オクタン酸約57
%)。反応液を130 ml/時の流量で反応器より抜き出
し、遠心分離器に送り、連続的に油/水分離を行った。
油層(未反応オクタン酸メチル+生成脂肪酸の混合物)
を軽液として取り除き、水層(酵素液+生成メタノー
ル)を重液として抜き出した。上記油層をヘリパックNo
-2(柴田科学器械工業(株)製)を充填した蒸留塔(濃
縮部10段、回収部10段、塔径20mm)に連続的に送り、還
流比5で連続蒸留を行い、塔頂より純度100.0%の未反
応オクタン酸メチル(9.32g/hr)、塔底より純度99.5
%のオクタン酸(11.26 g/hr)を得た。この塔頂から
の未反応オクタン酸メチルに新規のオクタン酸メチルを
12.35 g/hr加えて反応器に戻した。さらに、遠心分離
の重液の酵素液よりメタノール水を連続的にトッピング
(10Torr、50℃) し、残液に新規の水を100 ml/hrで加
えて反応器に戻した。リパーゼの活性低下によるオクタ
ン酸の抜き出し量の減少に合わせて、供給する新規のオ
クタン酸メチルの量を調整しながら100 時間の連続運転
を行った。この結果からリパーゼ活性の半減期は約350
時間と推算された。反応及び分離工程の油分の定量はガ
スクロマトグラフィー(ガラスカラムφ 2.6mm×2m、
充填剤FFAPを15%担持させたUniport S 80〜100mesh、
インジェクション温度250℃、イニシャル温度100 ℃、
ファイナル温度 170℃、昇温速度5℃/分、検出器FID)
によって分析した。
【0018】実施例2 1000mlの反応器に、オクタン酸メチル(和光純薬工業
(株)製)100g、水500g、グリセリン250 g、リパー
ゼ粉末(花王(株)製:Pseudomonas sp. 由来)1.0
g、32000 U(基質としてオクタン酸メチルを用いた時
の活性 3.2万U/g−リパーゼ粉末) を添加した。反応
器中の滞留時間を7時間として、反応温度55℃で反応
させた。反応中の撹拌は6cmの三日月羽根型撹拌翼を
用いて、400rpmの撹拌回転数(撹拌所要動力約 0.2kW/
m3) を与えた(反応液中油層のオクタン酸メチル約43
%、オクタン酸約57%)。反応液を120 ml/時の流量で
反応器より抜き出し、遠心分離器に送り、連続的に油/
水分離を行った。油層(未反応オクタン酸メチル+生成
脂肪酸の混合物)を軽液として取り除き、水層(酵素液
+生成メタノール)を重液として抜き出した。上記油層
を実施例1と同じ充填物を充填した蒸留塔(濃縮部10
段、回収部10段、塔径20mm)に連続的に送り、還流比5
で連続蒸留を行い、塔頂より純度100.0 %の未反応オク
タン酸メチル(6.05g/hr)、塔底より純度99.5%のオ
クタン酸(7.34g/hr)を得た。この塔頂からの未反応
オクタン酸メチルに新規のオクタン酸メチルを8.05g/
hr加えて反応器に戻した。さらに、遠心分離の重液の酵
素液よりメタノール水を連続的にトッピング(10Torr、
50℃、メタノール水留分と共にグリセリンは留出しな
い) し、残液に新規の水を100 ml/hrで加えて反応器に
戻した。リパーゼの活性低下によるオクタン酸の抜き出
し量の減少に合わせて、供給する新規のオクタン酸メチ
ルの量を調整しながら150 時間の連続運転を行った。こ
の結果からリパーゼ活性の半減期は約1700時間と推算さ
れた。反応及び分離工程の油分の定量はガスクロマトグ
ラフィー(ガラスカラムφ 2.6mm×2m、充填剤FFAPを
15%担持させたUniport S80〜100mesh 、インジェクシ
ョン温度 250℃、イニシャル温度100 ℃、ファイナル温
度 170℃、昇温速度5℃/分、検出器FID)によって分析
した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いられる装置の略示図で
ある。
【符号の説明】
1 反応器 2 油/水分離装置 3 油層分離装置 4 低級アルコール除去装置 5 新規脂肪酸低級アルコールエステル供給槽 6 水供給槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:72) (C12P 7/64 C12R 1:785) (C12P 7/64 C12R 1:66) (C12P 7/64 C12R 1:38) (C12P 7/64 C12R 1:80)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1) 〜(5) の工程からなることを
    特徴とする脂肪酸の連続製造方法。 (1) 脂肪酸低級アルコールエステルと水とを反応器に連
    続的に供給する工程。 (2) 加水分解酵素の存在下で反応させると共に、反応物
    を油層と水層とに連続的に分離する工程。 (3) 得られた油層を、脂肪酸低級アルコールエステルを
    主成分とする回収脂肪酸低級アルコールエステルと、脂
    肪酸を主成分とする回収脂肪酸とに分離する工程。 (4) 分離された回収脂肪酸低級アルコールエステルを反
    応器に戻すとともに、回収脂肪酸を抜き出す工程。 (5) (2) の油/水分離によって得られた水層からメタノ
    ールを分離除去した水層を反応器に戻す工程。
  2. 【請求項2】 脂肪酸低級アルコールエステルと水とを
    加水分解酵素の存在下で反応させる際に、水層中のグリ
    セリン濃度が 0.1〜100 重量%対反応開始時仕込み水分
    重量となるような割合でグリセリンを添加して反応させ
    る請求項1記載の脂肪酸の連続製造方法。
JP4125775A 1992-05-19 1992-05-19 脂肪酸の連続製造方法 Pending JPH05317064A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2765888A1 (fr) * 1997-07-09 1999-01-15 Serobiologiques Lab Sa Procede de synthese enzymatique de sucroesters

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FR2765888A1 (fr) * 1997-07-09 1999-01-15 Serobiologiques Lab Sa Procede de synthese enzymatique de sucroesters
WO1999002722A1 (fr) * 1997-07-09 1999-01-21 Laboratoires Serobiologiques (Societe Anonyme) Procede de synthese enzymatique de sucroesters
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