JP3100752B2 - 脂肪酸の製造方法 - Google Patents

脂肪酸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪酸低級アルコール
エステルを出発物質として、加水分解酵素を用い、該酵
素を長時間に渡って使用し、効率良く脂肪酸を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】脂肪酸
は、植物性油脂及び動物性油脂を高圧、高温下において
加水分解することで製造されている。また、脂肪酸低級
アルコールエステルを加水分解する方法も、古くから検
討がなされている(特公平3−24458 号) 。しかし、こ
れらの方法では、高温高圧反応であるため、エネルギー
コストが高く、装置が重厚になるとか、危険な触媒を用
いるために取扱いが難しいとの欠点が生じた。一方、脂
肪酸低級アルコールエステルの酵素的な加水分解につい
ては学術的な研究はかなり行われている(「油脂」, Vo
l 42, No.2, P91)が、工業的な検討は行われていない。
また脂肪酸低級アルコールエステルの加水分解反応に
は、化学平衡が存在するため脂肪酸低級アルコールエス
テルの分解率が非常に低く、分解率の向上には大量の水
を使用する必要があった。
【0003】本発明の目的は、工業的に大量の脂肪酸を
脂肪酸低級アルコールエステルより酵素的加水分解によ
って製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、本発明を完成するに到っ
た。即ち本発明は、以下の(1) 〜(4) の工程を繰り返す
ことを特徴とする脂肪酸の製造方法を提供するものであ
る。 (1) 脂肪酸低級アルコールエステルと水とを加水分解酵
素の存在下で反応させる工程。 (2) (1) で反応させると共に反応物の一部または全量を
抜き出し、油層と水層に分離する工程。 (3) (2) で分離された油層を反応系に戻す工程。 (4) (2) で分離された水層から反応で生成した低級アル
コールを分離し、低級アルコールを除去した水層を反応
系に戻す工程。
【0005】本発明の製造方法に用いられる脂肪酸低級
アルコールエステルとしては、好ましくは脂肪酸部分が
炭素数6〜26の脂肪酸に相当し、アルコール部分が炭素
数1〜4の1価の低級アルコールに相当するエステルで
あり、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、ゴ
ンドイン酸、エルカ酸及びこれらの混合物と、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ノ
ルマルブタノール、二級ブタノール、三級ブタノール、
イソブタノールとのエステルなどを挙げることができ
る。また、これらの脂肪酸低級アルコールエステルは単
独あるいは2種以上の混合物でもよい。
【0006】本発明の製造方法に用いられる加水分解酵
素としては、リパーゼ及びエステラーゼが挙げられる。
これらの酵素は、微生物、動物又は植物起源のものを使
用できる。1種類だけのリパーゼまたはエステラーゼを
使用することも、2種以上のリパーゼ及びエステラーゼ
を混合して使用することもできる。好ましくは、微生物
由来のリパーゼとして、リゾプス (Rhizopus) 属由来の
もの、キャンディダ (Chandida) 属由来のもの、ジオト
リクム (Geotrichum) 属由来のもの、ムコール(Mucor)
属由来のもの、アスペルギルス (Asprgillus) 属由来の
もの、クロモバクテリウム(Chromobacterium) 属由来の
もの等を挙げることができる。また、エステラーゼとし
ては、好ましくはシュードモナス(Pseudomonas) 属由来
のもの、キャンディダ (Chandida) 属由来のもの、ペニ
シリュウム(Penicillium) 属由来のもの等を挙げること
ができる。またリパーゼ及びエステラーゼの動物由来の
ものでは、人、牛、豚等の臓器由来のものを挙げること
ができる。更に、リパーゼ及びエステラーゼの植物由来
のものでは、ひまわり種子、じゃがいも等の由来のもの
を挙げることができる。これらの加水分解酵素は、粉末
のまま、水溶液として、または固定化酵素の形のいずれ
の形状で使用しても構わない。
【0007】本発明の製造方法に用いられる水は、好ま
しくはイオン交換水、蒸留水を用いる。また効果的な反
応速度を得るために、カルボン酸アルカリ金属塩、カル
ボン酸アルカリ土類金属塩もしくはそれらの混合物、無
機アルカリ金属塩、無機アルカリ土類金属塩もしくはそ
れらの混合物を含む水溶液を用いても構わない。カルボ
ン酸アルカリ金属塩、及びカルボン酸アルカリ土類金属
塩においては、カルボン酸は炭素数2〜8の直鎖または
分岐型の脂肪族カルボン酸であって、例えば酢酸、酪
酸、プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸、または安息香
酸等の芳香族カルボン酸が挙げられるが、脂肪族カルボ
ン酸が望ましい。またアルカリ金属としては、ナトリウ
ム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として
は、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。また無
機アルカリ金属塩、または無機アルカリ土類金属塩とし
ては、上記金属のハロゲン化物、炭酸塩、リン酸塩等が
挙げられる。これらのカルボン酸のアルカリ金属塩、カ
ルボン酸のアルカリ土類金属塩、無機アルカリ金属塩及
び無機アルカリ土類金属塩の添加量は、水層がpH=4.0
〜9.5 の範囲になるように添加することが好ましい。本
発明では、pH=5.0〜7.0の範囲にあることが更に好まし
い。この範囲からはずれると、加水分解酵素のpH変化に
よる変性が生じ、加水分解酵素の活性の発現が悪くな
る。
【0008】本発明の製造方法において、脂肪酸低級ア
ルコールエステルと水とを加水分解酵素の存在下で反応
させる際に、グリセリンを添加することが好ましい。グ
リセリンは、加水分解酵素の安定化剤として使用するも
のであり、脂肪酸低級アルコールエステルの加水分解反
応で生ずる低級アルコールによる加水分解酵素の変性と
熱による加水分解酵素の変性を防止するために添加す
る。安定化剤としてのグリセリンの濃度は、反応開始時
の仕込み水分量に対して 0.1〜100 重量%が好ましく、
より好ましくは反応開始時の仕込み水分量に対して10〜
80重量%である。0.1重量%未満では、グリセリンの安
定化剤としての効果が現れず、 100重量%を越えると、
脂肪酸低級アルコールエステルの加水分解によって生じ
た脂肪酸とグリセリンが、加水分解酵素の逆反応の触媒
作用により、エステル化反応を起こし、モノグリセライ
ド、ジグリセライド及びトリグリセライド及びそれらの
混合物を形成してしまい、加水分解によって生じた脂肪
酸が消失し、効率的に脂肪酸を生成することができな
い。
【0009】本発明による脂肪酸の製造法を図1に基づ
いて説明する。図1に示す反応器1に、脂肪酸低級アル
コールエステルを仕込み、更に同反応器1に上記脂肪酸
低級アルコールエステル1重量部に対して1〜100 重量
部の水を仕込む。より好ましくは上記脂肪酸低級アルコ
ールエステル1重量部に対して2〜10重量部の水分量が
望ましい。水分量が1重量部未満では加水分解速度が遅
くなり、 100重量部を越えると生産性が悪くなる。そし
て、加水分解酵素を添加する。加水分解酵素の安定性を
増強する場合は、グリセリンも同反応器1に仕込む。
【0010】上記の仕込みが終了した時点で、反応器1
を反応温度まで加熱する。反応温度は、使用する加水分
解酵素の至適温度によって決まるが、5〜90℃が望まし
い。更に好ましくは30〜70℃が採用される。5℃未満で
は反応速度が遅く生産性が悪くなると同時に、脂肪酸低
級アルコールエステル及び生成脂肪酸が凝固し、反応系
が固−液系となり極端に反応性が悪くなる。また90℃を
越えると、加水分解酵素の熱失活が大きくなり、良好な
反応性を示さなくなる。
【0011】加水分解酵素は、反応を十分進行させる濃
度を必要とする。具体的には、脂肪酸低級アルコールエ
ステル1gに対して、1〜1000ユニットを反応器1に添
加する。より好ましくは脂肪酸低級アルコールエステル
1gに対して、10〜300 ユニットを添加する。1ユニッ
ト未満では十分な反応速度が得られず、また1000ユニッ
トより多く添加しても反応速度はほとんどアップしな
い。ここで言う酵素単位1ユニットとは、脂肪酸低級ア
ルコールエステルを加水分解して、1分間に1μモルの
脂肪酸を生成させる酵素の分解力を表す。
【0012】反応中の撹拌は、撹拌所要動力として0.05
〜2kW/m3を与えるのが好ましい。更に好ましくは、0.
1 〜1kW/m3である。脂肪酸低級アルコールエステルの
加水分解酵素による加水分解反応は、水/油界面で進行
し、通常の酵素反応での基質濃度の項に界面積を用いた
Michaelis-Menten型の式で反応速度が表現できる。よっ
て界面積が大きいほど反応速度が大きい。したがって、
撹拌所要動力が、0.05kW/m3未満では、反応に必要な界
面積を確保できず反応速度が小さい。また、2kW/m3
越えると、反応後の油/水分離が非常に困難になり、油
分の収率が著しく悪くなる。
【0013】本発明においては、前述の工程(1) 〜(4)
を繰り返すが、反応器1における1回当たりの反応時間
は、 0.1〜24時間であり、好ましくは1〜7時間が望ま
しい。反応器内の反応時間がこの 0.1時間より短い場合
は、反応時間が短いため反応生成物の濃度が低くなる。
また、24時間より長くなると、化学平衡が関与するた
め、脂肪酸低級アルコールエステルの分解率が上昇せ
ず、無駄な製造時間を費やすことになり、生産効率が悪
くなる。
【0014】本発明においては、上記の反応物を反応器
1より反応器外に抜き出し、油/水分離装置2で油/水
分離を行う。油/水分離には、遠心分離、静置分離、膜
分離等の従来の方法を用いれば良い。この油/水分離を
行うことにより、図1の低級アルコール除去装置3に、
低級アルコールの単蒸留槽を使用する場合、反応によっ
て生成する低級アルコール/水/脂肪酸低級アルコール
エステルの共沸化合物の形成を防ぐことができる。しか
し、水層には加水分解酵素が含まれており、酵素の失活
を抑制するため90℃以下、より好ましくは70℃以下で行
うことが望ましい。図1の油/水分離装置2に、例えば
遠心分離機を用いる場合は軽液側に未反応脂肪酸低級ア
ルコールエステルと生成脂肪酸を含む。また重液側に
は、酵素液及び生成低級アルコールを含む。軽液側の油
層は、再び反応器1に戻す。重液側の水層は、生成した
低級アルコールの除去を低級アルコール除去装置3で行
う。この生成した低級アルコールの除去は、脂肪酸低級
アルコールエステルの加水分解に化学平衡が存在するた
め、この化学平衡を生成系側にシフトさせ、脂肪酸低級
アルコールエステルの分解率を向上させ、脂肪酸の生成
量を増大させるためには必要な方法である。生成低級ア
ルコールの除去には、単蒸留、精留、カラムクロマト、
パーベーパレーション等の方法が使用できる。好ましく
は、装置的に簡便な単蒸留が望ましい。単蒸留あるいは
精留で低級アルコールを除去する場合、酵素の失活を抑
制する温度で行う必要があるため、減圧下で低級アルコ
ール/水混合物の沸点を降下させて行う。ただし、固定
化酵素を反応器内に保持して反応させた場合であって、
水層中に酵素が存在しない場合は任意の温度で低級アル
コールの除去を行うことができる。低級アルコールを除
去した水層は再度反応器1に戻す。この時、水層に、低
級アルコールと共に除去された水分量と加水分解反応で
消費される水分量に等しい重量の水分を、水供給槽4か
ら加えると反応系中の水分量を一定に保ちながら操作す
ることができる。このような操作を行うことによって、
化学平衡を生成系側にシフトさせ、脂肪酸低級アルコー
ルエステルの分解率を高め、油層中の脂肪酸純度を高
め、脂肪酸の収量を向上させることができる。
【0015】以上の操作は、一定時間反応した後反応物
の全量を抜き出し油水分離し水層の低級アルコールを除
去する操作を繰り返す回分操作、一定時間反応した後反
応物の一部を抜き出し油水分離し水層の低級アルコール
を除去する操作を繰り返す半回分操作、または反応器か
ら反応物を連続的に抜き出し油水分離し水層の低級アル
コールを除去する連続的操作によって行うことができ
る。
【0016】反応終了後は、遠心分離等によって脂肪酸
と未反応脂肪酸低級アルコールエステルの混合物からな
る油層と水層を分離し、得られた油層を蒸留等によって
未反応脂肪酸低級アルコールエステルと脂肪酸に分離し
て、脂肪酸を単離することができる。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
脂肪酸低級アルコールエステル/低級アルコール/水の
共沸化合物の形成を避け、連続的、半回分的、または回
分的に化学平衡を生成系側にシフトさせ、脂肪酸低級ア
ルコールエステルの分解率を向上させることができるた
め、高純度、高収率で脂肪酸を製造することができる。
また、生産性の良い製造工程を組むことが可能になる。
【0018】
【実施例】以下、実施例をもって、本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、本実施例中の%は特記しないかぎり重量基準であ
る。
【0019】実施例1 100mlの4つ口フラスコに、オクタン酸メチル(和光純
薬工業(株)製)10g、水50g、リパーゼOF粉末(名糖
産業(株)製:Candida cylindracea由来)0.63g、3200
U(基質としてオクタン酸メチルを用いた時の活性 5.1
千U/g−リパーゼOF粉末)を添加した。反応温度37℃
で7時間反応させた。反応中の撹拌は4.2cmの三日月羽
根型撹拌翼を用いて、400rpmの撹拌回転数(撹拌所要動
力約 0.2kW/m3) を与えた。反応終了後、反応液を全量
抜き出し 4000rpm×10分間の遠心分離により油/水分離
を行った。油層(未反応オクタン酸メチル+生成脂肪酸
の混合物)を取り除き、残った水層(酵素液+生成メタ
ノール)からロータリーエバポレーターにより、減圧下
(10Torr) 、35℃でメタノール水をトッピングした。ト
ッピングしたメタノール水の量はトッピング仕込み重量
の95%である。トッピング残液に新規の水を加え、トッ
ピング前の重量に戻した。これに上記の遠心分離にて取
り除いた油層を加えて上記と同条件で反応を行った。こ
の様にして反応(1回当り7時間)と遠心分離を5回繰
り返した。各反応終了時の油層のオクタン酸の純度を下
の表1に示す。オクタン酸の定量はガスクロマトグラフ
ィー(ガラスカラムφ2.6mm×2m、充填剤FFAPを15%
担持させたUniport S 80〜100mesh、インジェクション
温度 250℃、イニシャル温度100 ℃、ファイナル温度17
0 ℃、昇温速度5℃/分、検出器FID)によって分析し
た。この製造方法によるオクタン酸の純度は97.5%であ
った。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 100mlの4つ口フラスコに、オクタン酸メチル(和光純
薬工業(株)製)10g、水50g、リパーゼ粉末(花王
(株)製:Pseudomonas sp. 由来)0.1 g、3200U(基
質としてオクタン酸メチルを用いた時の活性 3.2万U/
g−リパーゼ粉末) を添加した。反応温度55℃で7時間
反応させた。反応中の撹拌は4.2 cmの三日月羽根型撹拌
翼を用いて、400rpmの撹拌回転数(撹拌所要動力約 0.2
kW/m3) を与えた。反応終了後、反応液を全量抜き出し
4000rpm×10分間の遠心分離により油/水分離を行っ
た。油層(未反応オクタン酸メチル+生成脂肪酸の混合
物)を取り除き、残った水層(酵素液+生成メタノー
ル)からロータリーエバポレーターにより、減圧下(10
Torr) 、50℃でメタノール水をトッピングした。トッピ
ングしたメタノール水の量はトッピング仕込み重量の95
%である。トッピング残液に新規の水を加え、トッピン
グ前の重量に戻した。これに上記の遠心分離にて取り除
いた油層を加えて上記と同条件で反応を行った。この様
にして、反応(1回当り7時間)と遠心分離を5回繰り
返した。各反応終了時の油層のオクタン酸の純度を下の
表2に示す。オクタン酸の定量はガスクロマトグラフィ
ー(ガラスカラムφ 2.6mm×2m、充填剤FFAPを15%担
持させたUniport S 80〜100mesh 、インジェクション温
度 250℃、イニシャル温度100 ℃、ファイナル温度 170
℃、昇温速度5℃/分、検出器FID)によって分析した。
この製造方法によるオクタン酸の純度は98.3%であっ
た。
【0022】
【表2】
【0023】比較例1 100mlの4つ口フラスコに、オクタン酸メチル(和光純
薬工業(株)製)10g、水50g、リパーゼOF粉末(名糖
産業(株)製:Candida cylindracea由来)0.63g、3200
U(基質としてオクタン酸メチルを用いた時の活性 5.1
千U/g−リパーゼOF粉末)を添加した。反応温度37℃
で24時間反応させた。反応中の撹拌は4.2cmの三日月羽
根型撹拌翼を用いて、400rpmの撹拌回転数(撹拌所要動
力約 0.2kW/m3) を与えた。反応終了後、反応液を全量
抜き出し 4000rpm×10分間の遠心分離により油/水分離
を行った。油層(未反応オクタン酸メチル+生成脂肪酸
の混合物)を取り除き、ガスクロマトグラフィー(ガラ
スカラムφ 2.6mm×2m、充填剤FFAPを15%担持させた
Uniport S 80〜100mesh 、インジェクション温度250
℃、イニシャル温度100 ℃、ファイナル温度 170℃、昇
温速度5℃/分、検出器FID)によって分析した。その結
果、オクタン酸の純度は58.2%であった。
【0024】比較例2 100mlの4つ口フラスコに、オクタン酸メチル(和光純
薬工業(株)製)10g、水50g、リパーゼ粉末(花王
(株)製:Pseudomonas sp. 由来)0.1 g、3200U(基
質としてオクタン酸メチルを用いた時の活性 3.2万U/
g−リパーゼ粉末) を添加した。反応温度55℃で24時間
反応させた。反応中の撹拌は4.2 cmの三日月羽根型撹拌
翼を用いて、400rpmの撹拌回転数(撹拌所要動力約 0.2
kW/m3) を与えた。反応終了後、反応液を全量抜き出し
4000rpm ×10分間の遠心分離により油/水分離を行っ
た。油層(未反応オクタン酸メチル+生成脂肪酸の混合
物)をガスクロマトグラフィー(ガラスカラムφ 2.6mm
×2m、充填剤FFAPを15%担持させたUniport S 80〜10
0mesh 、インジェクション温度 250℃、イニシャル温度
100 ℃、ファイナル温度 170℃、昇温速度5℃/分、検
出器FID)によって分析した。その結果オクタン酸の純度
は59.2%であった。
【0025】実施例3 100mlの4つ口フラスコに、オクタン酸メチル(和光純
薬工業(株)製)10g、水50g、グリセリン25g、リパ
ーゼ粉末(花王(株)製:Pseudomonas sp. 由来)0.1
g、3200U(基質としてオクタン酸メチルを用いた時の
活性 3.2万U/g−リパーゼ粉末) を添加した。反応温
度55℃で7時間反応させた。反応中の撹拌は4.2 cmの三
日月羽根型撹拌翼を用いて、400rpmの撹拌回転数(撹拌
所要動力約 0.2kW/m3) を与えた。反応終了後、反応液
を全量抜き出し 4000rpm×10分間の遠心分離により油/
水分離を行った。油層(未反応オクタン酸メチル41.5%
+生成脂肪酸58.5%の混合物)を取り除き、残った水層
(酵素液+生成メタノール)からロータリーエバポレー
ターにより、減圧下(10Torr) 、50℃でメタノール水を
トッピングした。トッピングしたメタノール水の量はト
ッピング仕込み重量の66%である。トッピング残液に新
規の水を加え、トッピング前の重量に戻した。この際、
メタノール水と共に留出したグリセリンはなかった。こ
れに新規のオクタン酸メチルを10g加えて上記と同条件
で反応を行った。この様にして反応と遠心分離を20回繰
り返し行い酵素の安定性を調べた所、酵素活性の半減期
は約1700時間と推算された。オクタン酸の定量はガスク
ロマトグラフィー(ガラスカラムφ 2.6mm×2m、充填
剤FFAPを15%担持させたUniport S 80〜100mesh 、イン
ジェクション温度 250℃、イニシャル温度100 ℃、ファ
イナル温度 170℃、昇温速度5℃/分、検出器FID)によ
って分析した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いられる装置の略示図で
ある。
【符号の説明】
1 反応器 2 油/水分離装置 3 低級アルコール除去装置 4 水供給槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−187796(JP,A) 特開 昭59−210893(JP,A) 特開 昭61−287989(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 7/40 - 7/64

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1) 〜(4) の工程を繰り返すこと
    を特徴とする脂肪酸の製造方法。 (1) 脂肪酸低級アルコールエステルと水とを加水分解酵
    素の存在下で反応させる工程。 (2) (1) で反応させると共に反応物の一部または全量を
    抜き出し、油層と水層に分離する工程。 (3) (2) で分離された油層を反応系に戻す工程。 (4) (2) で分離された水層から反応で生成した低級アル
    コールを分離し、低級アルコールを除去した水層を反応
    系に戻す工程。
  2. 【請求項2】 脂肪酸低級アルコールエステルと水とを
    加水分解酵素の存在下で反応させる際に、水層中のグリ
    セリン濃度が 0.1〜100 重量%対反応開始時仕込み水分
    重量となるような割合でグリセリンを添加して反応させ
    る請求項1記載の脂肪酸の製造方法。
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