JPH05316591A - スピーカ用エッジ及びその製造方法 - Google Patents
スピーカ用エッジ及びその製造方法Info
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- JPH05316591A JPH05316591A JP14641892A JP14641892A JPH05316591A JP H05316591 A JPH05316591 A JP H05316591A JP 14641892 A JP14641892 A JP 14641892A JP 14641892 A JP14641892 A JP 14641892A JP H05316591 A JPH05316591 A JP H05316591A
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- polyol
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 振動板振動時のエッジの追随性を良好にし、
発泡ウレタンエッジの耐候性を改善し、エッジ製造工程
に於ける作業者に対する公害を除去したスピーカ用エッ
ジを提供する。 【構成】 第1発明は、ポリオール(D)とポリイソシ
アネートとからなるイソシアネート基が過剰であるプレ
ポリマーを、水の存在下で反応させてできたウレタン樹
脂エマルジョンの発泡体層1の一方の面に繊維質材料層
2を、他方の面に熱可塑性樹脂層3を夫々積層した多層
構造のスピーカ用エッジ4。第2発明は、熱可塑性樹脂
層3の一方の面に上記発泡体層1を、他方の面に繊維質
材料層2を夫々積層した多層構造スピーカ用エッジ4。
発泡ウレタンエッジの耐候性を改善し、エッジ製造工程
に於ける作業者に対する公害を除去したスピーカ用エッ
ジを提供する。 【構成】 第1発明は、ポリオール(D)とポリイソシ
アネートとからなるイソシアネート基が過剰であるプレ
ポリマーを、水の存在下で反応させてできたウレタン樹
脂エマルジョンの発泡体層1の一方の面に繊維質材料層
2を、他方の面に熱可塑性樹脂層3を夫々積層した多層
構造のスピーカ用エッジ4。第2発明は、熱可塑性樹脂
層3の一方の面に上記発泡体層1を、他方の面に繊維質
材料層2を夫々積層した多層構造スピーカ用エッジ4。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の音響機器に使用
されるスピーカの振動板をフレーム内部に支持するエッ
ジと、その製造方法に関する。
されるスピーカの振動板をフレーム内部に支持するエッ
ジと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スピーカの振動板は、図3〜図5に示す
如く音を放射する振動板本体10と、該振動板本体10を支
持する可撓性に富むエッジ11から構成され、エッジ11
は、図3に断面を示す様に振動板本体10の外周部を薄く
して可撓性を大きくしたフィックスエッジと、図4及び
図5に断面を示す様に振動板本体10とは別の柔軟な材料
から製したフリーエッジとが存在する。このうち図3の
フィックスエッジは可撓性と強度に乏しいが構造が簡単
であるから主として安価なスピーカに使用され、又、フ
リーエッジは主として高入力、高忠実度スピーカに用い
られていたが、近年に於ける音響機器の高級化志向に起
因して、一般のスピーカにもフリーエッジが使用される
傾向にある。
如く音を放射する振動板本体10と、該振動板本体10を支
持する可撓性に富むエッジ11から構成され、エッジ11
は、図3に断面を示す様に振動板本体10の外周部を薄く
して可撓性を大きくしたフィックスエッジと、図4及び
図5に断面を示す様に振動板本体10とは別の柔軟な材料
から製したフリーエッジとが存在する。このうち図3の
フィックスエッジは可撓性と強度に乏しいが構造が簡単
であるから主として安価なスピーカに使用され、又、フ
リーエッジは主として高入力、高忠実度スピーカに用い
られていたが、近年に於ける音響機器の高級化志向に起
因して、一般のスピーカにもフリーエッジが使用される
傾向にある。
【0003】前記フリーエッジには、図4に示す様な構
成の、ポリエーテル系或いはポリエステル系発泡ウレタ
ンシート等軽量な材料を単独で使用したエッジと、図5
に示す様に布11a にゴム質材料11b をコーティングした
積層材料を使用したエッジが存在する。
成の、ポリエーテル系或いはポリエステル系発泡ウレタ
ンシート等軽量な材料を単独で使用したエッジと、図5
に示す様に布11a にゴム質材料11b をコーティングした
積層材料を使用したエッジが存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様な構造を有する
従来のフリーエッジは、図4の発泡ウレタンシート単独
からなるエッジは比較的安価であるが、発泡により実質
的な表面積が大きいので耐湿性、耐候性に乏しく、図8
に点線及び一点鎖線で示すように、高温多湿状態下での
時間経過に対する強度の劣化する割合が比較的大きいの
で、実際の使用状態に於て湿気と太陽光や温度等の条件
が重なると発泡ウレタン中のウレタン結合が加水分解反
応をおこし、自己崩壊によって破損問題を生じる要因と
なっていた。又、発泡ウレタンエッジは熱プレス成形時
に人体に有毒なガスが発生するため作業者が危険に曝さ
れるという欠点があった。
従来のフリーエッジは、図4の発泡ウレタンシート単独
からなるエッジは比較的安価であるが、発泡により実質
的な表面積が大きいので耐湿性、耐候性に乏しく、図8
に点線及び一点鎖線で示すように、高温多湿状態下での
時間経過に対する強度の劣化する割合が比較的大きいの
で、実際の使用状態に於て湿気と太陽光や温度等の条件
が重なると発泡ウレタン中のウレタン結合が加水分解反
応をおこし、自己崩壊によって破損問題を生じる要因と
なっていた。又、発泡ウレタンエッジは熱プレス成形時
に人体に有毒なガスが発生するため作業者が危険に曝さ
れるという欠点があった。
【0005】一方図5に示す積層材フリーエッジは、重
量が大きいのでスピーカの能率が低下し、ゴム質材料11
b のコーティング層の厚さ不均一に起因して性能が安定
せず、又、図6、図7に点線で示すように大振幅のとき
に直線性が悪く、非直線歪が発生して再生音質が劣化す
るという解決すべき課題があった。
量が大きいのでスピーカの能率が低下し、ゴム質材料11
b のコーティング層の厚さ不均一に起因して性能が安定
せず、又、図6、図7に点線で示すように大振幅のとき
に直線性が悪く、非直線歪が発生して再生音質が劣化す
るという解決すべき課題があった。
【0006】そこで本発明は、上記従来例に付する欠点
を解消し、振動板の振動時の追随性を良好にし、併せて
従来の発泡ウレタンエッジが持つ不十分な耐候性を改善
して長期間にわたって性能劣化が無く、且つエッジ製造
工程に於ける作業者に対する公害を除去したエッジ得る
ことで、優れた品質を保持するスピーカを提供すること
を目的とする。
を解消し、振動板の振動時の追随性を良好にし、併せて
従来の発泡ウレタンエッジが持つ不十分な耐候性を改善
して長期間にわたって性能劣化が無く、且つエッジ製造
工程に於ける作業者に対する公害を除去したエッジ得る
ことで、優れた品質を保持するスピーカを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るスピーカ用エッジ及びその製造方法を、
実施例エッジの断面を示す図1〜図2を用いて説明する
と、本願はスピーカの振動板本体5の外周部に貼着され
て該振動板本体を振動可能に支持するスピーカ用エッジ
4であって、第1発明は、ポリオール(D)とポリイソ
シアネートとからなるイソシアネート基が過剰であるプ
レポリマーを、水の存在下で反応させてできたウレタン
樹脂エマルジョンを発泡させて得た発泡体層1を中間層
として、その一方の面に繊維質材料層2を、他方の面に
熱可塑性樹脂層3を夫々積層して得た多層構造基材を熱
プレスしてエッジ形状としたことを特徴とするスピーカ
用エッジ4である。
の本発明に係るスピーカ用エッジ及びその製造方法を、
実施例エッジの断面を示す図1〜図2を用いて説明する
と、本願はスピーカの振動板本体5の外周部に貼着され
て該振動板本体を振動可能に支持するスピーカ用エッジ
4であって、第1発明は、ポリオール(D)とポリイソ
シアネートとからなるイソシアネート基が過剰であるプ
レポリマーを、水の存在下で反応させてできたウレタン
樹脂エマルジョンを発泡させて得た発泡体層1を中間層
として、その一方の面に繊維質材料層2を、他方の面に
熱可塑性樹脂層3を夫々積層して得た多層構造基材を熱
プレスしてエッジ形状としたことを特徴とするスピーカ
用エッジ4である。
【0008】第2発明は、熱可塑性樹脂層3を中間層と
して、その一方の面にポリオールとポリイソシアネート
とからなるイソシアネート基が過剰であるプレポリマー
を水の存在下で反応させてできたウレタン樹脂エマルジ
ョンを発泡させて得た発泡体層1を、他方の面に繊維質
材料層2を夫々積層して得た多層構造基材を熱プレスし
てエッジ形状としたことを特徴とするスピーカ用エッジ
4である。
して、その一方の面にポリオールとポリイソシアネート
とからなるイソシアネート基が過剰であるプレポリマー
を水の存在下で反応させてできたウレタン樹脂エマルジ
ョンを発泡させて得た発泡体層1を、他方の面に繊維質
材料層2を夫々積層して得た多層構造基材を熱プレスし
てエッジ形状としたことを特徴とするスピーカ用エッジ
4である。
【0009】第3発明は、ポリエステルもしくはポリカ
ーボネートポリオールと、ポリオキシプロピレンポリオ
ール及び低分子ポリオールを混合してポリオール(D)
を得る工程aと、当該ポリオール(D)にポリイソシア
ネートを加えて反応容器中で(窒素ガス雰囲気下で)攪
拌し反応させてプレポリマーを得る工程bと、当該プレ
ポリマーに界面活性剤と水とを加えて攪拌し、乳化分散
させてウレタン樹脂エマルジョンを得る工程cと、当該
ウレタン樹脂エマルジョンに増粘剤を加えて増粘させ、
攪拌しながら空気を送り込んで微細気泡を含有する発泡
液とする工程dと、当該発泡液を熱可塑性樹脂シート3
上に塗布して加熱乾燥して発泡体層1と熱可塑性樹脂シ
ート3との積層物を得る工程eと、当該積層物の発泡体
層1側に繊維質材料層2を接着もしくは圧着して多層構
造基材を得るする工程fと、該多層構造基材をエッジ形
状に熱プレスしてスピーカ用エッジを得る工程gとから
なるスピーカ用エッジの製造方法である。
ーボネートポリオールと、ポリオキシプロピレンポリオ
ール及び低分子ポリオールを混合してポリオール(D)
を得る工程aと、当該ポリオール(D)にポリイソシア
ネートを加えて反応容器中で(窒素ガス雰囲気下で)攪
拌し反応させてプレポリマーを得る工程bと、当該プレ
ポリマーに界面活性剤と水とを加えて攪拌し、乳化分散
させてウレタン樹脂エマルジョンを得る工程cと、当該
ウレタン樹脂エマルジョンに増粘剤を加えて増粘させ、
攪拌しながら空気を送り込んで微細気泡を含有する発泡
液とする工程dと、当該発泡液を熱可塑性樹脂シート3
上に塗布して加熱乾燥して発泡体層1と熱可塑性樹脂シ
ート3との積層物を得る工程eと、当該積層物の発泡体
層1側に繊維質材料層2を接着もしくは圧着して多層構
造基材を得るする工程fと、該多層構造基材をエッジ形
状に熱プレスしてスピーカ用エッジを得る工程gとから
なるスピーカ用エッジの製造方法である。
【0010】又、当該第3発明の変形として、上記工程
fに於て、当該積層物の熱可塑性樹脂シート3側に繊維
質材料層2を接着もしくは圧着して多層構造基材を得る
する工程f″と、該多層構造基材をエッジ形状に熱プレ
スしてスピーカ用エッジ4を得る工程gとからなるスピ
ーカ用エッジの製造方法である。
fに於て、当該積層物の熱可塑性樹脂シート3側に繊維
質材料層2を接着もしくは圧着して多層構造基材を得る
する工程f″と、該多層構造基材をエッジ形状に熱プレ
スしてスピーカ用エッジ4を得る工程gとからなるスピ
ーカ用エッジの製造方法である。
【0011】第4発明は、ポリエステルもしくはポリカ
ーボネートポリオールと、ポリオキシプロピレンポリオ
ール及び低分子ポリオールを混合してポリオール(D)
を得る工程aと、当該ポリオール(D)にポリイソシア
ネートを加えて反応容器中で(窒素ガス雰囲気下で)攪
拌し反応させてプレポリマーを得る工程bと、当該プレ
ポリマーに界面活性剤と水とを加えて攪拌し、乳化分散
させてウレタン樹脂エマルジョンを得る工程cと、該ウ
レタン樹脂エマルジョンに増粘剤を加えて増粘させ、攪
拌しながら空気を送り込んで気泡を含有する発泡液とす
る工程dと、該発泡液を離型性を有する平面上に塗布し
て加熱乾燥して発泡体層1を得る工程e″と、当該発泡
体層1に繊維質材料層2及び熱可塑性樹脂層3を夫々積
層して多層構造基材を得る工程fと、該多層構造基材を
エッジ形状に熱プレスしてスピーカ用エッジ4を得る工
程gとからなるスピーカ用エッジの製造方法である。
ーボネートポリオールと、ポリオキシプロピレンポリオ
ール及び低分子ポリオールを混合してポリオール(D)
を得る工程aと、当該ポリオール(D)にポリイソシア
ネートを加えて反応容器中で(窒素ガス雰囲気下で)攪
拌し反応させてプレポリマーを得る工程bと、当該プレ
ポリマーに界面活性剤と水とを加えて攪拌し、乳化分散
させてウレタン樹脂エマルジョンを得る工程cと、該ウ
レタン樹脂エマルジョンに増粘剤を加えて増粘させ、攪
拌しながら空気を送り込んで気泡を含有する発泡液とす
る工程dと、該発泡液を離型性を有する平面上に塗布し
て加熱乾燥して発泡体層1を得る工程e″と、当該発泡
体層1に繊維質材料層2及び熱可塑性樹脂層3を夫々積
層して多層構造基材を得る工程fと、該多層構造基材を
エッジ形状に熱プレスしてスピーカ用エッジ4を得る工
程gとからなるスピーカ用エッジの製造方法である。
【0012】又、第4発明の変形例として、上記工程f
に於て、熱可塑性樹脂層3の一方の面に繊維質材料層2
を、又、他方の面に前記発泡体層1を夫々積層して多層
構造基材を得る工程f″と、該多層構造基材をエッジ形
状に熱プレスしてスピーカ用エッジ4を得る工程gとか
らなるスピーカ用エッジの製造方法である。
に於て、熱可塑性樹脂層3の一方の面に繊維質材料層2
を、又、他方の面に前記発泡体層1を夫々積層して多層
構造基材を得る工程f″と、該多層構造基材をエッジ形
状に熱プレスしてスピーカ用エッジ4を得る工程gとか
らなるスピーカ用エッジの製造方法である。
【0013】
【作用】本願第1発明のエッジは、ポリオールとポリイ
ソシアネートとからなるシアネート基が過剰であるプレ
ポリマーを水の存在下で反応させてできたウレタン樹脂
エマルジョンを発泡させ、該発泡体と熱可塑性樹脂と天
然もしくは合成繊維からなる布との多層構造を取ること
で、追随性、振動エネルギーの吸収性はポリオールの組
合せと分子量の範囲設定からくるウレタン樹脂エマルジ
ョン発泡体の柔軟さで解決し、従来の積層材エッジと比
較した場合、図6に実線で示す様に力−変位特性に於て
直線性が改善される。
ソシアネートとからなるシアネート基が過剰であるプレ
ポリマーを水の存在下で反応させてできたウレタン樹脂
エマルジョンを発泡させ、該発泡体と熱可塑性樹脂と天
然もしくは合成繊維からなる布との多層構造を取ること
で、追随性、振動エネルギーの吸収性はポリオールの組
合せと分子量の範囲設定からくるウレタン樹脂エマルジ
ョン発泡体の柔軟さで解決し、従来の積層材エッジと比
較した場合、図6に実線で示す様に力−変位特性に於て
直線性が改善される。
【0014】又、ウレタン樹脂エマルジョン発泡体層を
熱可塑性樹脂層と繊維質材料層とで覆って湿気から保護
することでエッジとしての耐候性が改善される。
熱可塑性樹脂層と繊維質材料層とで覆って湿気から保護
することでエッジとしての耐候性が改善される。
【0015】第2発明のエッジは、追随性、振動エネル
ギーの吸収性は第1発明のエッジ同等の性能を有し、更
に熱可塑性樹脂層を中間層として一方の面にウレタン樹
脂エマルジョン発泡体が、又、他方の面に繊維質材料層
が夫々積層され、発泡体層の片面に熱可塑性樹脂層等の
積層材が厚さ方向に片寄って配置されているので、発泡
体の両面に積層材が配置された第1発明のエッジより屈
曲変形に対して柔軟であり、図7に実線で示すように第
1実施例よりコンプライアンスを大きくすることが出来
る特徴を有する。
ギーの吸収性は第1発明のエッジ同等の性能を有し、更
に熱可塑性樹脂層を中間層として一方の面にウレタン樹
脂エマルジョン発泡体が、又、他方の面に繊維質材料層
が夫々積層され、発泡体層の片面に熱可塑性樹脂層等の
積層材が厚さ方向に片寄って配置されているので、発泡
体の両面に積層材が配置された第1発明のエッジより屈
曲変形に対して柔軟であり、図7に実線で示すように第
1実施例よりコンプライアンスを大きくすることが出来
る特徴を有する。
【0016】この第2発明のエッジは発泡体層の片面が
露出しているので、その儘では前記第1発明のエッジと
比較すると水分や紫外線の影響を受けやすいが、この欠
点はスピーカとして使用する場合に露出した面を、例え
ばスピーカキャビネットの内側方向に向けて取付ける等
の手段で解決することができる。
露出しているので、その儘では前記第1発明のエッジと
比較すると水分や紫外線の影響を受けやすいが、この欠
点はスピーカとして使用する場合に露出した面を、例え
ばスピーカキャビネットの内側方向に向けて取付ける等
の手段で解決することができる。
【0017】第3発明に係るエッジの製造方法は、ウレ
タン樹脂エマルジョン発泡体の製法に於て従来のウレタ
ン樹脂発泡体の製法と比較して、発泡倍率が低く且つ微
細気泡を形成するという特徴を有する。
タン樹脂エマルジョン発泡体の製法に於て従来のウレタ
ン樹脂発泡体の製法と比較して、発泡倍率が低く且つ微
細気泡を形成するという特徴を有する。
【0018】又、ウレタン樹脂エマルジョンを発泡させ
るのに、該エマルジョンを増粘させ且つ空気を加えなが
ら機械的に攪拌して起泡するので、微細気泡の大きさ、
分布等の発泡体のセル構造が均質である。これは、エッ
ジの物性が全周にわたって均一であることを意味し、エ
ッジの力−変位特性が良好となる。
るのに、該エマルジョンを増粘させ且つ空気を加えなが
ら機械的に攪拌して起泡するので、微細気泡の大きさ、
分布等の発泡体のセル構造が均質である。これは、エッ
ジの物性が全周にわたって均一であることを意味し、エ
ッジの力−変位特性が良好となる。
【0019】更に、本願のウレタン樹脂エマルジョン発
泡体は、熱可塑性樹脂層と繊維質材料層とで挟まれてい
るので、従来から使用されている通常のウレタン樹脂発
泡体とは異なってプレス成形時に有毒ガスが発生しな
い。
泡体は、熱可塑性樹脂層と繊維質材料層とで挟まれてい
るので、従来から使用されている通常のウレタン樹脂発
泡体とは異なってプレス成形時に有毒ガスが発生しな
い。
【0020】第4発明に係るエッジの製造方法は、ウレ
タン樹脂エマルジョン発泡体の製法に於て第3発明と同
じ特徴を有すると共に、ウレタン樹脂エマルジョン発泡
体の発泡工程と、成形工程とを別工程として平行して実
施することが出来るので、生産性を著しく高めることが
できる。
タン樹脂エマルジョン発泡体の製法に於て第3発明と同
じ特徴を有すると共に、ウレタン樹脂エマルジョン発泡
体の発泡工程と、成形工程とを別工程として平行して実
施することが出来るので、生産性を著しく高めることが
できる。
【0021】
【実施例】実施例1:実施例1は、本願第3発明に係る
スピーカ用エッジの製造方法に関する。
スピーカ用エッジの製造方法に関する。
【0022】ポリエチレンブチレンアジペート700部
とポオキシプロピレングリコール100部とを混合して
ポリドーネ(D)を得る(工程a)。このポリドーネ
(D)にポリイソシアネートとして4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート200部を加えて反応容器中
にて窒素ガス雰囲気下で攪拌し反応させ、ウレタンプレ
ポリマーを得た(工程b)。このウレタンプレポリマー
100部にアニオン系界面活性剤2部と非イオン系界面
活性剤8部との混合物及び水100部を加えて攪拌し、
乳化分散させた後、ピペラジンの13%水溶液14部を
加えて約30分攪拌し、目的のウレタン樹脂エマルジョ
ンを得た(工程c)。
とポオキシプロピレングリコール100部とを混合して
ポリドーネ(D)を得る(工程a)。このポリドーネ
(D)にポリイソシアネートとして4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート200部を加えて反応容器中
にて窒素ガス雰囲気下で攪拌し反応させ、ウレタンプレ
ポリマーを得た(工程b)。このウレタンプレポリマー
100部にアニオン系界面活性剤2部と非イオン系界面
活性剤8部との混合物及び水100部を加えて攪拌し、
乳化分散させた後、ピペラジンの13%水溶液14部を
加えて約30分攪拌し、目的のウレタン樹脂エマルジョ
ンを得た(工程c)。
【0023】この実施例では上記アニオン系界面活性剤
にはノニルフェノールのエチレンオキシド6モル付加物
の硫酸エステル塩を用い、非イオン系界面活性剤にはポ
リオキシプロピレンクグリコールのエチレンオキシド1
0モル付加物を用いた。
にはノニルフェノールのエチレンオキシド6モル付加物
の硫酸エステル塩を用い、非イオン系界面活性剤にはポ
リオキシプロピレンクグリコールのエチレンオキシド1
0モル付加物を用いた。
【0024】上記ウレタン樹脂エマルジョン100部、
水分散型黒色顔料3部、アルカリ増粘型アクリルエマル
ジョン10部の混合物にステアリン酸アンモニウム5部
を加えて増粘させ、高速に撹拌しながら空気を送り込み
微細気泡を有する発泡倍率2倍の発泡液とし(工程
d)、この発泡液を予め用意した0.1mm厚の熱可塑
性ウレタン樹脂の薄膜層上に約1mmの厚さに塗布し
(工程e)、ポリエステル不織布をその上から圧着し、
140度Cで3分間乾燥してエッジ用の多層構造基材を
得た(工程f)。この多層構造基材を170度Cに加熱
した熱プレスにてエッジ形状に成形した(工程g)。
水分散型黒色顔料3部、アルカリ増粘型アクリルエマル
ジョン10部の混合物にステアリン酸アンモニウム5部
を加えて増粘させ、高速に撹拌しながら空気を送り込み
微細気泡を有する発泡倍率2倍の発泡液とし(工程
d)、この発泡液を予め用意した0.1mm厚の熱可塑
性ウレタン樹脂の薄膜層上に約1mmの厚さに塗布し
(工程e)、ポリエステル不織布をその上から圧着し、
140度Cで3分間乾燥してエッジ用の多層構造基材を
得た(工程f)。この多層構造基材を170度Cに加熱
した熱プレスにてエッジ形状に成形した(工程g)。
【0025】なお、上記実施例1に於いて、発泡液を熱
可塑性ウレタン樹脂の薄膜層上に約1mmの厚さに塗布
し、ポリエステル不織布をその上から圧着し、140度
Cで3分間乾燥してエッジ用の多層構造基材を得る工程
eと工程fとを一部順序を変更し、前記発泡液を予め用
意した0.1mm厚の熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜層上
に約1mmの厚さに塗布し、140度Cで3分間乾燥し
て熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜との積層物を得(工程
e′)、該積層物の発泡体層の面にウレタン樹脂系接着
剤を0.02mm厚に塗布してポリエステル不織布をそ
の上から押圧接着し、貼合わせてエッジ用の多層構造基
材を得(工程f′)、この多層構造基材をエッジ形状に
成形(工程g)しても良い。この様にして得たエッジ4
は図1に示すように、発泡体層1の一方の面に熱可塑性
樹脂層3が、他方の面に繊維質材料層2が積層配置され
た構造を有する。
可塑性ウレタン樹脂の薄膜層上に約1mmの厚さに塗布
し、ポリエステル不織布をその上から圧着し、140度
Cで3分間乾燥してエッジ用の多層構造基材を得る工程
eと工程fとを一部順序を変更し、前記発泡液を予め用
意した0.1mm厚の熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜層上
に約1mmの厚さに塗布し、140度Cで3分間乾燥し
て熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜との積層物を得(工程
e′)、該積層物の発泡体層の面にウレタン樹脂系接着
剤を0.02mm厚に塗布してポリエステル不織布をそ
の上から押圧接着し、貼合わせてエッジ用の多層構造基
材を得(工程f′)、この多層構造基材をエッジ形状に
成形(工程g)しても良い。この様にして得たエッジ4
は図1に示すように、発泡体層1の一方の面に熱可塑性
樹脂層3が、他方の面に繊維質材料層2が積層配置され
た構造を有する。
【0026】実施例1の変形例:前記した実施例1の一
部順序を変更した製造方法の工程f′を変更し、発泡体
と熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜との積層物の熱可塑性ウ
レタン樹脂薄膜の面にウレタン樹脂系接着剤を0.02
mm厚に塗布してポリエステル不織布をその上から押圧
接着する(工程f″)することによりエッジ用の多層構
造基材を得、これをエッジ形状に成形(工程g)して、
図2に示すように発泡体層1の片面に熱可塑性樹脂層3
と繊維質材料層2が厚さ方向に片寄って配置されたエッ
ジ4を得ることが出来る。
部順序を変更した製造方法の工程f′を変更し、発泡体
と熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜との積層物の熱可塑性ウ
レタン樹脂薄膜の面にウレタン樹脂系接着剤を0.02
mm厚に塗布してポリエステル不織布をその上から押圧
接着する(工程f″)することによりエッジ用の多層構
造基材を得、これをエッジ形状に成形(工程g)して、
図2に示すように発泡体層1の片面に熱可塑性樹脂層3
と繊維質材料層2が厚さ方向に片寄って配置されたエッ
ジ4を得ることが出来る。
【0027】実施例2:実施例2は、本願第4発明に係
るスピーカ用エッジの製造方法に関する。
るスピーカ用エッジの製造方法に関する。
【0028】ポリエチレンブチレンアジペート700部
とポリオキシプロピレングリコール100部とからなる
混合してポリオール(D)を得(工程a)、該ポリオー
ル(D)に、ポリイソシアネートとして4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート200部を加えて反応容
器中にて窒素ガス雰囲気下で攪拌し反応させ、ウレタン
プレポリマーを得た(工程b)。このウレタンプレポリ
マー100部にアニオン系界面活性剤2部と非イオン系
界面活性剤8部との混合物及び水100部を加えて攪拌
し、乳化分散させた後、ピペラジンの13%水溶液14
部を加えて約30分攪拌し、目的のウレタン樹脂エマル
ジョンを得た(工程c)。
とポリオキシプロピレングリコール100部とからなる
混合してポリオール(D)を得(工程a)、該ポリオー
ル(D)に、ポリイソシアネートとして4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート200部を加えて反応容
器中にて窒素ガス雰囲気下で攪拌し反応させ、ウレタン
プレポリマーを得た(工程b)。このウレタンプレポリ
マー100部にアニオン系界面活性剤2部と非イオン系
界面活性剤8部との混合物及び水100部を加えて攪拌
し、乳化分散させた後、ピペラジンの13%水溶液14
部を加えて約30分攪拌し、目的のウレタン樹脂エマル
ジョンを得た(工程c)。
【0029】この実施例では上記アニオン系界面活性剤
にはノニルフェノールのエチレンオキシド6モル付加物
の硫酸エステル塩を用い、非イオン系界面活性剤にはポ
リオキシプロピレンクグリコールのエチレンオキシド1
0モル付加物を用いた。
にはノニルフェノールのエチレンオキシド6モル付加物
の硫酸エステル塩を用い、非イオン系界面活性剤にはポ
リオキシプロピレンクグリコールのエチレンオキシド1
0モル付加物を用いた。
【0030】このウレタン樹脂エマルジョン100部、
水分散型黒色顔料3部、アルカリ増粘型アクリルエマル
ジョン10部の混合物にステアリン酸アンモニウム5部
を加えて増粘させ、高速に撹拌しながら空気を送り込み
微細気泡を有する発泡倍率2倍の発泡液を得(工程
d)、該発泡液をシリコン処理した離型紙上に約1mm
の厚さに塗布し、130度Cで5分間乾燥した後離型紙
から剥がして発泡体層1を得(工程e″)、該発泡体層
1の両面にウレタン樹脂系接着剤(2液反応型ウレタン
樹脂50%の酢酸エチル溶液)を0.02mm厚さに塗
布し、80度Cで約30秒予備加熱後、一方の面に予め
用意した0.1mm厚の熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜層
を、他方の面にポリエステル不織布を夫々圧着し、貼合
わせて乾燥させエッジ用の多層構造基材を得た(工程
f)。この多層構造基材を170度Cに加熱した熱プレ
スにてエッジ形状に成形した(工程g)。この様にして
得た多層構造基材は発泡体層1の両面に積層材が配置さ
れた構造を有する。
水分散型黒色顔料3部、アルカリ増粘型アクリルエマル
ジョン10部の混合物にステアリン酸アンモニウム5部
を加えて増粘させ、高速に撹拌しながら空気を送り込み
微細気泡を有する発泡倍率2倍の発泡液を得(工程
d)、該発泡液をシリコン処理した離型紙上に約1mm
の厚さに塗布し、130度Cで5分間乾燥した後離型紙
から剥がして発泡体層1を得(工程e″)、該発泡体層
1の両面にウレタン樹脂系接着剤(2液反応型ウレタン
樹脂50%の酢酸エチル溶液)を0.02mm厚さに塗
布し、80度Cで約30秒予備加熱後、一方の面に予め
用意した0.1mm厚の熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜層
を、他方の面にポリエステル不織布を夫々圧着し、貼合
わせて乾燥させエッジ用の多層構造基材を得た(工程
f)。この多層構造基材を170度Cに加熱した熱プレ
スにてエッジ形状に成形した(工程g)。この様にして
得た多層構造基材は発泡体層1の両面に積層材が配置さ
れた構造を有する。
【0031】実施例2の変形例:前記した実施例2の製
造方法の工程f′を変更し、発泡体層1と熱可塑性ウレ
タン樹脂の薄膜を中心層とし、熱可塑性ウレタン樹脂薄
膜の両面にウレタン樹脂系接着剤を0.02mm厚に塗
布してからその一方の面に発泡体層1を、他方の面にポ
リエステル不織布を押圧接着するしてエッジ用の多層構
造基材を得(工程f″)、該を多層構造基材エッジ形状
に成形して(工程g)、図2に示すように発泡体層1の
片面に熱可塑性樹脂層3と繊維質材料層2が厚さ方向に
片寄って配置されたスピーカ用エッジを得ることが出来
る。
造方法の工程f′を変更し、発泡体層1と熱可塑性ウレ
タン樹脂の薄膜を中心層とし、熱可塑性ウレタン樹脂薄
膜の両面にウレタン樹脂系接着剤を0.02mm厚に塗
布してからその一方の面に発泡体層1を、他方の面にポ
リエステル不織布を押圧接着するしてエッジ用の多層構
造基材を得(工程f″)、該を多層構造基材エッジ形状
に成形して(工程g)、図2に示すように発泡体層1の
片面に熱可塑性樹脂層3と繊維質材料層2が厚さ方向に
片寄って配置されたスピーカ用エッジを得ることが出来
る。
【0032】実施例3:実施例3は、本願第1発明に係
る構成のスピーカ用エッジに関し、前記実施例1、及び
実施例2に開示された製造方法により得られるエッジ
で、図1に示すように発泡体層1を中間層としてその1
方の面にポリエステル不織布からなる繊維質材料層2
が、他方の面に熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜からなる熱
可塑性樹脂層3が夫々積層された断面構造を有する。
る構成のスピーカ用エッジに関し、前記実施例1、及び
実施例2に開示された製造方法により得られるエッジ
で、図1に示すように発泡体層1を中間層としてその1
方の面にポリエステル不織布からなる繊維質材料層2
が、他方の面に熱可塑性ウレタン樹脂の薄膜からなる熱
可塑性樹脂層3が夫々積層された断面構造を有する。
【0033】実施例4:実施例4は 、本願第2発明に
係る構成のスピーカ用エッジに関し、前記実施例1の変
形例、及び実施例2の変形例に開示された製造方法によ
り得られるエッジで、図2に示すように熱可塑性ウレタ
ン樹脂の薄膜からなる熱可塑性樹脂層3を中間層として
その1方の面にポリエステル不織布からなる繊維質材料
層2が、他方の面に発泡体層1が夫々積層された断面構
造を有する。
係る構成のスピーカ用エッジに関し、前記実施例1の変
形例、及び実施例2の変形例に開示された製造方法によ
り得られるエッジで、図2に示すように熱可塑性ウレタ
ン樹脂の薄膜からなる熱可塑性樹脂層3を中間層として
その1方の面にポリエステル不織布からなる繊維質材料
層2が、他方の面に発泡体層1が夫々積層された断面構
造を有する。
【0034】以上、本発明に係るスピーカ用エッジとそ
の製造方法について代表的と思われる実施例を基に詳述
したが、本発明によるエッジと、ポリオール、ポリイソ
シアネート等の原材料の種類、並びに製造方法の実施態
様は、上記実施例の構造に限定されるものではなく、前
記した特許請求の範囲に記載の構成要件を具備し、本発
明にいう作用を呈し、以下に述べる効果を有する限りに
おいて、適宜改変して実施しうるものである。
の製造方法について代表的と思われる実施例を基に詳述
したが、本発明によるエッジと、ポリオール、ポリイソ
シアネート等の原材料の種類、並びに製造方法の実施態
様は、上記実施例の構造に限定されるものではなく、前
記した特許請求の範囲に記載の構成要件を具備し、本発
明にいう作用を呈し、以下に述べる効果を有する限りに
おいて、適宜改変して実施しうるものである。
【0035】
【効果】本願発明に係るスピーカ用エッジとその製造方
法は、以下に述べる効果を有する。 (1) 原料であるポリオールの組合せと分子量の範囲を特
定することにより、中心素材のウレタン樹脂エマルジョ
ン発泡体は柔軟で、そのため追随性、振動エネルギーの
吸収性は優れており、力−変位特性を示す図6、図7に
示すように、実線で記入された本願エッジの力−変位特
性は点線で示される従来例エッジと比較して直線性は格
段に改善されている。従って本願のエッジを使用したス
ピーカの再生音は低歪率で過度特性も良好で優れた聴感
を得る。 (2) 本願第1発明のエッジにあっては、発泡体層が熱可
塑性樹脂層と繊維質材料層とで覆われて湿気や紫外線か
ら保護されているので、エッジとしての耐候性が改善さ
れる。図8に湿熱試験に於る時間−強度劣化率を示す様
に500 時間後の劣化率は10%以下で、ポリエーテル系発
泡ウレタンエッジ或いはポリエステル系発泡ウレタンか
らなる、共に図4に構造を示す従来例エッジと比較した
場合、その劣化率は1/2以下で、従って、長寿命、且
つ性能の安定した製品を得ることが出来る。 (3) 本願のウレタン樹脂エマルジョン発泡体は上記のご
とく熱可塑性樹脂層と繊維質材料層とで挟まれた状態で
成形されるので、従来から使用されている通常のウレタ
ン樹脂発泡体単独成形とは異なってプレス成形時に有毒
ガスが発生しない。従って、作業者に危険を及ぼすおそ
れがない。 (4) 本願の第3発明に係るエッジの製造方法は、ウレタ
ン樹脂エマルジョン発泡体の製法に於て従来のウレタン
樹脂発泡体の製法と比較して、原料発泡樹脂が微細気泡
を含有し且つ低発泡率であるため発泡セルが均質で、発
泡体層の物性がエッジ全周にわたり均一となっている。
従って、エッジの力−変位特性が均一で安定した性能を
有する。 (5) ウレタン樹脂エマルジョン発泡体の発泡工程と、エ
ッジの成形工程とを別工程として平行して実施すること
が出来るので、生産性を著しく高めることができ、製造
経費を低減させることが出来る。
法は、以下に述べる効果を有する。 (1) 原料であるポリオールの組合せと分子量の範囲を特
定することにより、中心素材のウレタン樹脂エマルジョ
ン発泡体は柔軟で、そのため追随性、振動エネルギーの
吸収性は優れており、力−変位特性を示す図6、図7に
示すように、実線で記入された本願エッジの力−変位特
性は点線で示される従来例エッジと比較して直線性は格
段に改善されている。従って本願のエッジを使用したス
ピーカの再生音は低歪率で過度特性も良好で優れた聴感
を得る。 (2) 本願第1発明のエッジにあっては、発泡体層が熱可
塑性樹脂層と繊維質材料層とで覆われて湿気や紫外線か
ら保護されているので、エッジとしての耐候性が改善さ
れる。図8に湿熱試験に於る時間−強度劣化率を示す様
に500 時間後の劣化率は10%以下で、ポリエーテル系発
泡ウレタンエッジ或いはポリエステル系発泡ウレタンか
らなる、共に図4に構造を示す従来例エッジと比較した
場合、その劣化率は1/2以下で、従って、長寿命、且
つ性能の安定した製品を得ることが出来る。 (3) 本願のウレタン樹脂エマルジョン発泡体は上記のご
とく熱可塑性樹脂層と繊維質材料層とで挟まれた状態で
成形されるので、従来から使用されている通常のウレタ
ン樹脂発泡体単独成形とは異なってプレス成形時に有毒
ガスが発生しない。従って、作業者に危険を及ぼすおそ
れがない。 (4) 本願の第3発明に係るエッジの製造方法は、ウレタ
ン樹脂エマルジョン発泡体の製法に於て従来のウレタン
樹脂発泡体の製法と比較して、原料発泡樹脂が微細気泡
を含有し且つ低発泡率であるため発泡セルが均質で、発
泡体層の物性がエッジ全周にわたり均一となっている。
従って、エッジの力−変位特性が均一で安定した性能を
有する。 (5) ウレタン樹脂エマルジョン発泡体の発泡工程と、エ
ッジの成形工程とを別工程として平行して実施すること
が出来るので、生産性を著しく高めることができ、製造
経費を低減させることが出来る。
【図1】本願第1発明のスピーカ用エッジの要部断面
図。
図。
【図2】本願第2発明のスピーカ用エッジの要部断面
図。
図。
【図3】従来例エッジの断面図。
【図4】他の従来例エッジの断面図。
【図5】更に他の従来例エッジの断面図。
【図6】本願第1発明のスピーカ用エッジ(実線)と従
来例エッジ(点線)の力−変位特性図。
来例エッジ(点線)の力−変位特性図。
【図7】本願第2発明のスピーカ用エッジ(実線)と従
来例エッジ(点線)の力−変位特性図。
来例エッジ(点線)の力−変位特性図。
【図8】本願第1発明のスピーカ用エッジ(実線)と従
来例エッジ(点線、一点鎖線)の湿熱試験に於ける時間
−強度劣化度特性図。
来例エッジ(点線、一点鎖線)の湿熱試験に於ける時間
−強度劣化度特性図。
1 発泡体層 2 繊維質材料層 3 熱可塑性樹脂層 4 エッジ 5 コーン型振動板
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリオール(D)とポリイソシアネート
とからなるイソシアネート基が過剰であるプレポリマー
を、水の存在下で反応させてできたウレタン樹脂エマル
ジョンを発泡させて得た発泡体層(1)を中間層とし
て、その一方の面に繊維質材料層(2)を、他方の面に
熱可塑性樹脂層(3)を夫々積層して得られる多層構造
基材を熱プレスしてエッジ形状としたことを特徴とする
スピーカ用エッジ(4)。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂層(3)を中間層として、
その一方の面にポリオールとポリイソシアネートとから
なるイソシアネート基が過剰であるプレポリマーを水の
存在下で反応させてできたウレタン樹脂エマルジョンを
発泡させて得た発泡体層(1)を、他方の面に繊維質材
料層(2)を夫々積層して得られる多層構造基材を熱プ
レスしてエッジ形状としたことを特徴とするスピーカ用
エッジ(4)。 - 【請求項3】 上記発泡体層(1)を構成する発泡樹脂
が、分子量1000〜5000のポリエステルもしくは
ポリカーボネートポリオールをA、分子量1000〜5
000のポリオキシプロピレンポリオールをB、低分子
ポリオールをCとすると、A+B+Cなる混合物の平均
分子量が1500〜3000であり且つB+Cに対する
Aの重量比が10〜1であるポリオール(D)と、ポリ
イソシアネートとからなるイソシアネート基が過剰であ
るプレポリマーを、水の存在下で反応させてできたウレ
タン樹脂エマルジョンを発泡させて得た発泡樹脂からな
ることを特徴とする請求項1及び請求項2記載のスピー
カ用エッジ(4)。 - 【請求項4】 上記繊維質材料層(2)が天然繊維単独
或いは合成繊維単独又は天然繊維と合成繊維との混合物
からなる布であることを特徴とする請求項1及び請求項
2記載のスピーカ用エッジ(4)。 - 【請求項5】 ポリエステルもしくはポリカーボネート
ポリオールと、ポリオキシプロピレンポリオール及び低
分子ポリオールを混合してポリオール(D)を得る工程
aと、当該ポリオール(D)にポリイソシアネートを加
えて反応容器中で(窒素ガス雰囲気下で)攪拌し反応さ
せてプレポリマーを得る工程bと、当該プレポリマーに
界面活性剤と水とを加えて攪拌し、乳化分散させてウレ
タン樹脂エマルジョンを得る工程cと、当該ウレタン樹
脂エマルジョンに増粘剤を加えて増粘させ、攪拌しなが
ら空気を送り込んで微細気泡を含有する発泡液とする工
程dと、当該発泡液を熱可塑性樹脂シート(3)上に塗
布して加熱乾燥して発泡体層(1)と熱可塑性樹脂シー
ト(3)との積層物を得る工程eと、当該積層物の発泡
体層(1)側に繊維質材料層(2)を接着もしくは圧着
して多層構造基材を得る工程fと、該多層構造基材をエ
ッジ形状に熱プレスしてスピーカ用エッジ(4)を得る
工程gとからなるスピーカ用エッジの製造方法。 - 【請求項6】 ポリエステルもしくはポリカーボネート
ポリオールと、ポリオキシプロピレンポリオール及び低
分子ポリオールを混合してポリオール(D)を得る工程
aと、当該ポリオール(D)にポリイソシアネートを加
えて反応容器中で(窒素ガス雰囲気下で)攪拌し反応さ
せてプレポリマーを得る工程bと、当該プレポリマーに
界面活性剤と水とを加えて攪拌し、乳化分散させてウレ
タン樹脂エマルジョンを得る工程cと、当該ウレタン樹
脂エマルジョンに増粘剤を加えて増粘させ、攪拌しなが
ら空気を送り込んで微細気泡を含有する発泡液とする工
程dと、当該発泡液を熱可塑性樹脂シート(3)上に塗
布して加熱乾燥して発泡体層(1)と熱可塑性樹脂シー
ト(3)との積層物を得る工程eと、当該積層物の熱可
塑性樹脂シート(3)側に繊維質材料層(2)を接着又
は圧着して多層構造基材を得る工程f″と、該多層構造
基材をエッジ形状に熱プレスしてスピーカ用エッジ
(4)を得る工程gとからなるスピーカ用エッジの製造
方法。 - 【請求項7】 ポリエステルもしくはポリカーボネート
ポリオールと、ポリオキシプロピレンポリオール及び低
分子ポリオールを混合してポリオール(D)を得る工程
aと、当該ポリオール(D)にポリイソシアネートを加
えて反応容器中で(窒素ガス雰囲気下で)攪拌し反応さ
せてプレポリマーを得る工程bと、当該プレポリマーに
界面活性剤と水とを加えて攪拌し、乳化分散させてウレ
タン樹脂エマルジョンを得る工程cと、当該ウレタン樹
脂エマルジョンに増粘剤を加えて増粘させ、攪拌しなが
ら空気を送り込んで微細気泡を含有する発泡液とする工
程dと、当該発泡液を離型性を有する平面上に塗布して
加熱乾燥して発泡体層(1)を得る工程e″と、当該発
泡体層(1)の一方の面に繊維質材料層(2)を、又、
他方の面に熱可塑性樹脂層(3)を夫々積層して多層構
造基材を得る工程fと、該多層構造基材をエッジ形状に
熱プレスしてスピーカ用エッジ(4)を得る工程gとか
らなるスピーカ用エッジの製造方法。 - 【請求項8】 ポリエステルもしくはポリカーボネート
ポリオールと、ポリオキシプロピレンポリオール及び低
分子ポリオールを混合してポリオール(D)を得る工程
aと、当該ポリオール(D)にポリイソシアネートを加
えて反応容器中で(窒素ガス雰囲気下で)攪拌し反応さ
せてプレポリマーを得る工程bと、当該プレポリマーに
界面活性剤と水とを加えて攪拌し、乳化分散させてウレ
タン樹脂エマルジョンを得る工程cと、当該ウレタン樹
脂エマルジョンに増粘剤を加えて増粘させ、攪拌しなが
ら空気を送り込んで微細気泡を含有する発泡液とする工
程dと、当該発泡液を離型性を有する平面上に塗布して
加熱乾燥して発泡体層(1)を得る工程e″と、熱可塑
性樹脂層(3)の一方の面に繊維質材料層(2)を、
又、他方の面に前記発泡体層(1)を夫々積層して多層
構造基材を得る工程f″と、該多層構造基材をエッジ形
状に熱プレスしてスピーカ用エッジ(4)を得る工程g
とからなるスピーカ用エッジの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14641892A JPH05316591A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | スピーカ用エッジ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14641892A JPH05316591A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | スピーカ用エッジ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05316591A true JPH05316591A (ja) | 1993-11-26 |
Family
ID=15407244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14641892A Pending JPH05316591A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | スピーカ用エッジ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05316591A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004537243A (ja) * | 2001-07-25 | 2004-12-09 | レーム ゲゼルシャフト ミツト ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト | 電気音響変換器のための非平面振動板の製造 |
JP2006523053A (ja) * | 2003-04-09 | 2006-10-05 | フォカル−ジーエムラブ(エスアー) | 高忠実度スピーカ・エンクロージャーのための、多層多素材のスピーカ用振動板 |
WO2014162410A1 (ja) * | 2013-04-01 | 2014-10-09 | パイオニア株式会社 | スピーカ装置のエッジ |
WO2020075379A1 (ja) * | 2018-10-11 | 2020-04-16 | ソニー株式会社 | スピーカエッジ、振動板ユニット及びスピーカエッジの製造方法 |
WO2022160687A1 (zh) * | 2021-01-29 | 2022-08-04 | 歌尔股份有限公司 | 振膜和发声装置 |
WO2022160683A1 (zh) * | 2021-01-29 | 2022-08-04 | 歌尔股份有限公司 | 振膜和发声装置 |
-
1992
- 1992-05-12 JP JP14641892A patent/JPH05316591A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004537243A (ja) * | 2001-07-25 | 2004-12-09 | レーム ゲゼルシャフト ミツト ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト | 電気音響変換器のための非平面振動板の製造 |
JP2006523053A (ja) * | 2003-04-09 | 2006-10-05 | フォカル−ジーエムラブ(エスアー) | 高忠実度スピーカ・エンクロージャーのための、多層多素材のスピーカ用振動板 |
WO2014162410A1 (ja) * | 2013-04-01 | 2014-10-09 | パイオニア株式会社 | スピーカ装置のエッジ |
WO2020075379A1 (ja) * | 2018-10-11 | 2020-04-16 | ソニー株式会社 | スピーカエッジ、振動板ユニット及びスピーカエッジの製造方法 |
WO2022160687A1 (zh) * | 2021-01-29 | 2022-08-04 | 歌尔股份有限公司 | 振膜和发声装置 |
WO2022160683A1 (zh) * | 2021-01-29 | 2022-08-04 | 歌尔股份有限公司 | 振膜和发声装置 |
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