JPH05316582A

JPH05316582A - 音響体感器

Info

Publication number: JPH05316582A
Application number: JP4308674A
Authority: JP
Inventors: Hitomi Ishigaki; 垣仁美石; Masako Tamura; 村正子田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-12-17
Filing date: 1992-11-18
Publication date: 1993-11-26

Abstract

(57)【要約】【目的】小口径のスピーカを用いた軽量小型で安価な
音響体感器であっても、そのスピーカを収容した密閉容
器の外郭全体にわたって強い振動を生じさせるこことが
できようにし、また、スピーカから放音される音響の鮮
明度を高め、低音の響きも良くする。【構成】密閉容器１の内部を二分するように仕切って
二つの気密室５，６を形成する隔壁４が、スピーカ７の
コーン紙８の振動を受けてそのコーン紙８と一体的に振
動する振動板で成り、その振動板に、スピーカから放音
された音響の音圧を高める透孔９が穿設されると共に、
その振動板の外縁部が音の歪みを防止する緩衝材１０を
介して密閉容器１内に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種音響機器や業務用
ゲーム機、家庭用テレビゲーム機などから出力される電
気的な音響信号を機械的な振動に変えて人の身体に伝え
る音響体感器に係り、特に、スピーカが放音する音響の
音圧によって生ずる空気振動でスピーカを内蔵した密閉
容器の外郭を振動させてその振動を身体に伝える形式の
音響体感器に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記の形式の音響体感器は、密閉容器の
内部を二分するように仕切って二つの気密室を形成する
隔壁に、スピーカを取り付ける開口部が設けられ、その
開口部に取り付けたスピーカが放音する音響の音圧によ
って生ずる空気振動で密閉容器の外郭を振動させる構造
になっており、例えば特開平２−２６６７９７号公報の
第４図に記載されたものは、スピーカを内蔵する密閉容
器が、合成樹脂で皿型に成形した一対の振動板を重ね合
わせて偏平な円板状に形成され、その密閉容器の内部を
二分するように仕切る隔壁が、木材等で成るスピーカの
取付け板で形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来例のよう
に密閉容器の内部を隔壁で完全に仕切ると、その密閉容
器の外郭全体にわたって強い振動を生じさせることがで
きず、満足な体感効果が得られない。なお、大口径のス
ピーカを用いれば密閉容器の外郭に生ずる振動が大きく
なって低音の響きも良くなるが、この場合はスピーカを
収容する密閉容器が大型化すると同時に音響体感器全体
の重量が嵩み、製造コストも高くなるので、安価なテレ
ビゲーム機用の周辺機器としては適さない。

【０００４】そこで本発明は、小口径のスピーカを使用
した軽量小型で安価な音響体感器であっても、低音の響
きが非常に良く、しかも、スピーカを収容した密閉容器
の外郭全体にわたって強い振動が生ずるようにすること
を技術的課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、密閉容器の内部を二分するように仕切
って二つの気密室を形成する隔壁の開口部に取り付けら
れたスピーカが放音する音響の音圧によって生ずる空気
振動で密閉容器の外郭を振動させてその振動を身体に伝
える音響体感器において、前記隔壁が、前記スピーカの
コーン紙の振動を受けてそのコーン紙と一体的に振動す
る振動板で成り、当該振動板に、一方の気密室に生じた
空気振動を他方の気密室に移行させる透孔が穿設される
と共に、当該振動板の外縁部が、振動を吸収する緩衝材
を介して前記密閉容器内に固定されていることを特徴と
する。

【０００６】

【作用】本発明によれば、スピーカを取り付ける隔壁
が、スピーカのコーン紙の振動を受けてそのコーン紙と
一体的に振動する振動板で形成されているから、あたか
もスピーカの口径が隔壁の大きさ分だけ拡大されたよう
になって、その分だけスピーカから放音される音響の音
圧が高まり、小口径のスピーカでも低音の響きが良くな
る。また、一方の気密室に生じた激しい空気振動が、隔
壁に穿設された透孔を通じて他方の気密室にも移行し、
しかも、その空気振動が透孔を通過する際に生ずる音の
絞り込み効果により音圧が更に高められるので、密閉容
器の外郭全体に生ずる振動が非常に大きくなって体感振
動も大きくなる。

【０００７】なお、スピーカを取り付ける隔壁をスピー
カのコーン紙と一体的に振動する振動板で形成すれば、
体感振動を生じさせる重低音の響きが大きくなるが、そ
の振動板の外縁部を、コーン紙の振動により生じた空気
振動で振動する密閉容器に対して直接的に固定すれば、
音の歪みや割れによる不快な反響音を生じて音響の鮮明
度が損なわれる。これに対し、本発明によれば、スピー
カのコーン紙と一体的に振動する振動板の外縁部がその
振動を吸収する緩衝材を介して密閉容器内に固定される
ので、音響の鮮明度も非常に良い。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面によって説明す
る。図１は本発明による音響体感器の一例を示す分解斜
視図、図２はその断面図である。

【０００９】本例においては、ポリ容器などの材料とな
る半硬質のポリプロピレンによって有底円筒形に成形さ
れた二つの半割りケース２及び３を合体させて成る密閉
容器１の内部が、円板ドーナツ状の隔壁４で二分するよ
うに仕切られて、二つの気密室５及び６が形成されてい
る。隔壁４は、その中央に形成した開口部に取り付けら
れるスピーカ７のコーン紙８の振動を受けてそのコーン
紙８と一体的に振動する振動板で成り、その振動板に
は、一方の気密室５に生じた空気振動を他方の気密室６
に移行させる透孔９が穿設され、その透孔９によって二
つの気密室５及び６が連通している。また、振動板を成
す隔壁４の外縁部は、その振動を吸収する緩衝材１０を
介して密閉容器１内に固定されている。

【００１０】なお、隔壁４は、密閉容器１と同じく強靭
で且つ振動を生じやすい可撓性のある半硬質のポリプロ
ピレンによって成形され、スピーカ７の荷重とその振動
で生ずる衝撃とに耐えられる程度の最小限の厚さを有し
ている。また、緩衝材１０は、隔壁４の外縁部を嵌合保
持する環状溝１１を有し、それ全体が、気密性の高い発
泡ポリウレタンやゴムなどによって成形されると共に、
密閉容器１を成す二つの半割りケース２及び３を一体化
するいんろう継手となる円筒体１２の内面に対して接着
剤などで固着されている。また、密閉容器１の気密室６
内には、周波数半減回路を有したアンプ１３と、電源コ
ード等を接続するコネクタ１４が収容配設されている。

【００１１】しかして、スピーカ７のコーン紙８が振動
して放音される音響の音圧によって密閉容器１の気密室
５及び６内に生じた空気振動は、密閉容器１の外郭に伝
わってその外郭を振動させるが、その際に、隔壁４に穿
設された透孔９を通じて二つの気密室５及び６間を行き
来するように密閉容器１内を駆け巡り、しかも、空気振
動が透孔９を通過するときに生ずる音の絞り込み効果に
よって音響の音圧が高められるので、密閉容器１の外郭
に生ずる振動が非常に大きくなると同時にその振動は密
閉容器１の外郭を成す半割りケース２及び３の全体にわ
たって生ずる。また、このとき、隔壁４全体がスピーカ
７のコーン紙８の振動を受けてそのコーン紙８と一体的
に振動するので、密閉容器１内に生ずる空気振動が非常
に大きくなって半割りケース２及び３の振動も著しく大
きくなる。

【００１２】また、隔壁４の外縁部は、緩衝材１０の環
状溝１１内に嵌合保持されて、密閉容器１に対しては非
固着状態となっており、スピーカ７のコーン紙８の振動
を受けてそのコーン紙８と一体的に振動するから、スピ
ーカ７の口径が隔壁４全体にまで拡がったような音響効
果が得られて、殊に重低音の響きが非常に良くなり、音
の鮮明度も格段に優れている。したがって、スピーカ７
を小口径化して、音響体感器を軽量小型化し、その価格
も低廉化することができる。

【００１３】更に、半硬質のポリプロピレンで成形され
た密閉容器１は、人の背中などを強く圧し当てても塑性
変形しない強靭性と、その圧し当てた背中などに柔軟な
感触を与える可撓性とを兼ね備えており、しかも、空気
振動を忠実且つ鮮明に伝え、ブロー成形も容易で製造コ
ストも非常に安く、軽量であるという数々の利点を有し
ているので、音響体感器の軽量小型化とその価格の低廉
化をより一層促進することができる。

【００１４】なお、隔壁４は、半硬質の合成樹脂で成形
したものに限らず、厚紙などで成形したものであっても
良い。また、実験によれば、隔壁４に穿設する透孔９
は、スピーカ７から離間させて隔壁４の外縁部に近い所
に設け、且つ複数箇所よりも１箇所のみ設けた方が音響
効果が良い。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、密閉容器内に設けたス
ピーカから放音される音響の鮮明度が非常に良く、しか
も、そのスピーカが小口径のものであっても密閉容器の
外郭全体にわたって非常に強い振動を生じさせることが
できるので、音響体感器の性能を向上させると同時にそ
の軽量小型化と価格の低廉化を達成することができると
いう大変優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による音響体感器の一例を示す分解斜視
図。

【図２】音響体感器の断面図。

【符号の説明】

１・・・密閉容器４・・・隔壁５・・・気密室６・・・気密室７・・・スピーカ８・・・コーン紙９・・・透孔１０・・・緩衝材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】密閉容器（１）の内部を二分するように
仕切って二つの気密室（５，６）を形成する隔壁（４）
の開口部に取り付けられたスピーカ（７）が放音する音
響の音圧によって生ずる空気振動で密閉容器（１）の外
郭を振動させてその振動を身体に伝える音響体感器にお
いて、前記隔壁（４）が、前記スピーカ（７）のコーン
紙（８）の振動を受けてそのコーン紙（８）と一体的に
振動する振動板で成り、当該振動板に、一方の気密室
（５）に生じた空気振動を他方の気密室（６）に移行さ
せる透孔（９）が穿設されると共に、当該振動板の外縁
部が、振動を吸収する緩衝材（10）を介して前記密閉容
器（１）内に固定されていることを特徴とする音響体感
器。
【請求項２】前記密閉容器（１）の外郭と前記隔壁
（４）が、半硬質の合成樹脂で成形されている請求項１
記載の音響体感器。