JPH05316279A - 平面スキャナーのカセット搬送機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カセットに収納した原稿フィルムを多量にス
タッカーに収納して、原稿載置台に供給した後、該原稿
台上での位置が任意に設定できるようにして、該原稿フ
ィルムをもとにした所要のレイアウトの製版データが簡
単確実な機構により容易に得られるようにする。 【構成】 読取り原稿50をカセット10に入れて保持し、
スキャナー１にセットし、該カセット10を１つづつ原稿
載置台210に送りこみ該載置台上でカセット10を副走査
方向と直角及び水平回転方向に所要の位置決めができる
ようにし、印刷製版用のスキャンを自動的に行う構成と
し、更に前記所要の位置決め中にカセットに搬送ローラ
が当たって邪魔にならないようにするため半月状搬送ロ
ーラ234の周面の一部をそぎ落とした形状として、回転
数及び位相の制御を行う構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は印刷製版用スキャナーに
関するものであり、更に詳しくは該スキャナーの原稿載
置台へのカセット受け入れ用搬送機構の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から印刷製版特に多色製版用の各製
版データは、原稿フィルムを色分解して画像読取を行う
スキャナーを用いて作られていた。そして、その製版の
もとになる読取り原稿は透明なドラムに巻きつけて保持
されそれをスキャンして読取られるものが主流であった
が、これは顧客から預る大切な原稿を傷めたり、ドラム
への読取り原稿の巻付け保持作業が面倒であったりして
能率が悪く生産性上好ましくなかった。そのため、読取
り原稿をカセットに保持して、原稿の損傷を防止すると
共に該カセットを順次スキャナーに送りこむ方式をとる
ようになった。この読取り原稿はカセットに平面状態で
アクリル板又はガラス板にはさまれて大切に保持され、
スキャナーもこれに対応して、円筒面の原稿スキャン方
式から平面原稿をスキャンする方式になるので平面スキ
ャナーが出現し、原稿台も平面上を原稿長さを動かすだ
けになり、かなりコンパクトな構成にすることができる
という利点が生まれた。

【０００３】しかし、印刷製版用のスキャナーによる画
像読取作業は、原稿が原稿載置台の所定の位置に固定さ
れたまま一方向即ち副走査方向に移動してスキャンを行
う単純な機能だけでは充分でなく、原稿の位置を回転さ
せたり、副走査方向と直角な方向へ所定長さずらしたり
して、標準位置とは異なる位置に変換した上で副走査に
入るようにする機能も備えられることが要望され、これ
については次のような出願がなされている。

【０００４】特願平125557号公報 特願平125562号公報

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような機能を具備
するためには原稿台上の各方向への原稿位置変換機能を
設けると共に、その変換移動中に原稿台上に載置されて
いる読取り原稿を入れたカセットが周辺の搬送ローラ等
の機構に接触しないように考慮されねばならない。その
ため、前記位置変換機構の作動中は搬送ローラ等の機構
が干渉しないように遠ざけて置く必要が生ずる。しか
し、そのような処置をとることにより装置が複雑化して
コストが上がって機械が不安定になるおそれが多分に生
じていた。

【０００６】本発明はこのような問題を解決し、簡単確
実に障害なく読取り原稿の位置変換が達成できるような
スキャナーのカセット搬送機構を提供することを課題目
的にする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的は、次の技術手
段ａ，ｂのいずれかによって達成される。

【０００８】（ａ）照明用光源をもつ光学系の主走査方
向に略直交する副走査方向に移動できるステージと読取
り原稿の読取り角度を可変できるステージ及び／又は主
走査方向に移動できるステージにより、読取り原稿を収
容したカセットを載置して移動する機能をもつ原稿載置
台を有し、副走査方向端部より該カセットをスキャナー
内に送り込むカセット挿入口と、該カセット挿入口より
該原稿載置台までカセットを搬送するカセット搬送路
と、該カセット搬送路内にあり、カセット上面又は下面
に接触し、回転動作によりカセットを搬送するカセット
搬送ローラ対と、副走査開始点の原稿載置台上のカセッ
ト停止位置後端上にあって、該カセット上面に接触する
円周面の一部が欠如した半月状搬送ローラとからなる搬
送機構とを有し、カセット先端検知センサと、前記半月
搬送ローラの円周欠如位置検出センサとからなる搬送制
御検知部を有し、該カセット先端検知センサで挿入口か
ら搬送路中を搬送されるカセット先端部を検知し、該先
端部が待機中の該半月状ローラの円周欠如部の下部に来
て、該ローラの一回転未満の円周部が始動して該カセッ
トの先端部に係合してカセット搬送を行い、該カセット
の先端が前記原稿載置台上に設けられたストッパに当っ
て位置決めされると共に該半月状搬送ローラは僅かのス
リップを行い、前記円周欠如位置検出センサの検知を得
て該欠如位置が略水平になるように作動することを特徴
とする平面スキャナーのカセット搬送機構。

【０００９】（ｂ）ａ項において、スキャナーへのカセ
ット挿入口を副走査方向端部でなく主走査方向端部に設
けたことを特徴とする平面スキャナーのカセット搬送機
構。

【００１０】

【実施例】本発明の平面スキャナー１の全体構成を図１
の概略図によって説明する。本実施例においては、読取
り原稿として透明な原稿フィルムを使用した場合につい
て説明する。しかし、これに限定されることはなく、印
画紙のような読取り原稿であっても平面スキャナーの光
学系をそれに対応させることによって使用可能である。

【００１１】供給台100から所要の原稿フィルム50を収
容したカセット10は副走査部200の原稿載置台210上に供
給される。即ち、所要のカセット10は、駆動装置222に
よって回転する親ねじ221で図の左側の副走査開始位置
に移動して待機している原稿載置台210に対して設けら
れている供給台100の挿入口101から搬送ローラ233とガ
イドローラ232の間に挟持され、更に、半月状搬送ロー
ラ234によって原稿載置台210上の所定位置に定まるよう
に運ばれる。

【００１２】そして駆動装置222の逆転駆動により原稿
載置台210が右方へ移動されるとき、その台上のカセッ
ト10の原稿フィルム50の画面の副走査がなされる。

【００１３】一方主走査方向の走査は光源301及び45°
に傾けられた反射ミラー302により原稿フィルム50を透
過して投影レンズ303、光路方向変換用のＶミラー304，
305により画像読取用の複数のラインセンサーとしての
ＣＣＤ308に結像されるようにしてある。該ＣＣＤ308の
前には色分解用のフィルタ又はダイクロイックミラーが
設けられている。

【００１４】即ち、ＣＣＤ308に結像されて読取られた
例えばカラーの原稿フィルム50の画像は色分解されたも
ので、順次Ａ／Ｄ変換器410にてデジタル化され、信号
補正手段420、色補正手段430を介して必要な補正がなさ
れメモリー440に入力して記憶される。

【００１５】更に、ＣＲＴ上にディスプレイされた画像
を見て画像濃度の増減調節を行ったり文字入力を行った
りするためのカラーＣＲＴモニター470が制御装置とし
てのパソコン端末器用のインターフェース460を介して
接続されている。

【００１６】そして、前記原稿フィルム50のカセット10
を搬送したり、前記原稿載置台210を該カセット10を受
取りに副走査開始位置まで移動させたり、逆に副走査方
向への移動をさせたり、照明用光源301を点灯させたり
消灯させたりするための機械コントロール用の制御装置
450が設けられている。

【００１７】次に、本発明に使われる原稿フィルム50用
のカセット10について図２の斜視図を用いて説明する。

【００１８】該カセット10は下カセット枠11、上カセッ
ト枠12の間に原稿フィルム50を押える原稿押えシート13
が設けられ、それぞれに原稿画像域の窓があけられ、そ
こにアクリル又はガラス製の透明保持板14，15が嵌めら
れていて、原稿フイルム50の平面性が保持されると共に
該原稿フィルム50は外傷から強力に保護される。

【００１９】そして、原稿フィルム50が収納され上下の
カセット枠11，12が閉じて合わされカセットロック17が
かけられたカセット10は、スキャナー１の原稿載置台21
0に供給され、スキャンされることにより画像読取と各
種の意図された所要の補正がなされ、顧客の希望する印
刷製版用の必要データが作成されるようになる。

【００２０】ここで、本発明に関係の深い原稿載置台21
0の構成について更に詳しく図３の平面図、図４の側面
図及び図５の作動図を用いて説明する。

【００２１】原稿載置台210の基台215は前述のように固
定フレーム201上に取付けられたモータ222に直結してま
わされる親ねじ221にねじ嵌合されて副走査方向（以
下、Ｙ方向ということもある）に往復動可能にしてあ
る。

【００２２】該基台215に対してＹ軸に直角な水平面上
の方向（以下、Ｘ方向とも言う）にスライド可能に移動
台217が、アリ溝を介して取付けられ、更に、該移動台2
17の上には回転台218が水平面上に任意の設定角θを回
転可能に取付けられている。前記スライド及び回転を行
う駆動機構については記述を省略する。

【００２３】一方、固定フレーム201に取付られた両側
板202が設けられ、それに対して上下方向に一定範囲の
ガイド溝に沿ってスライド可能に設けられた軸受204に
回転可能に３本の回転シャフト205が保持され、該シャ
フトに半月状搬送ローラ234と駆動ホイール236と半月状
欠如位置センサ240用羽根板242が固定して取付けられ、
また、他の２つのシャフト205には搬送ローラ233及び別
の駆動ホイールが固定して取付けられている。そして、
軸受204はばね247によって下方に付勢されている。

【００２４】また、該２つの回転シャフト205の下方に
は、対応するガイドローラ232の軸203が両側板に固定さ
れた軸受に受けられている。そして前記両シャフト20
5，203はそれぞれの軸受に対してスラスト及びラジアル
方向の位置出しがきっちりとなされ、更に、両ローラ23
3，232の押圧が前記ばねにより適度に働くようにしてあ
る。

【００２５】そして、原稿フィルム50を収納したカセッ
ト10が前述のように供給台100の挿入口101から原稿載置
台210上に向って押しこまれカセット10の端部が、ガイ
ドローラ232と搬送ローラ233の間に挿入されるようにし
てある。

【００２６】そして原稿載置台210は副走査開始可能位
置でカセット10の受け取りのために待機している。この
状態で搬送ローラ233と半月状搬送ローラ234の駆動をそ
れぞれ別途に開始させると、カセットは更にＹ方向に幅
方向をガイドされて搬送されカセット先端が回転台218
のストッパーピン219に当たり、なおも半月状搬送ロー
ラ234がスリップして前記欠如部が水平になるようにま
わされて原稿載置台210の回転台218の中央に載置され位
置決めされる。その際、半月状搬送ローラ234の下部に
カセット10の後端部が位置している。

【００２７】これから副走査に入る前に、図６（ａ）に
示すようにカセット10をそのままの状態にしたままにす
るか、図６（ｂ）に示すようにカセットを水平面上で所
定角度θだけ回転させた状態にするか、同図（ｃ）に示
すようにカセットをＸ方向に所定量移動させた状態にす
るか、或は同図（ｄ）に示すようにカセット10をＸ方向
に所定量移動させると共に水平面上で所定角度θだけ回
転させた状態にするかを製版画面のレイアウト上選定し
なくてはならない。

【００２８】ここで、図６（ａ）の状態の方式では、半
月状搬送ローラ234を半月状に切りかかないままにして
もそのままで何ら支障となるものではないが、図６
（ｂ），（ｃ），（ｄ）に示す状態にしようとすると半
月状搬送ローラ234を半月状に切りかかないままにして
おくと、該ローラ234はθ方向又はＸ方向への移動時に
大きな抵抗を示し支障となる。そのため該ローラを上方
へ逃すか、原稿載置台を下方へ逃すかしてθ方向、Ｘ方
向の移動を行わねばならないが機構が複雑で装置の大き
さや重量が増え、また、コストも高くなって好ましくな
く、本発明では次のような処置により対応した。

【００２９】即ち、半月状搬送ローラ234の周面の一部
を図４の側面図に示すように削り、欠如させ、原稿載置
台210がＸ方向移動やθ方向移動を行うときには図のよ
うに欠如された面がほぼ水平になるようにしてあり、カ
セット10を載置した原稿載置台210のＸ方向又はθ方向
の移動に対して何ら支障にならないようにした。

【００３０】次に本発明の平面スキャナーの搬送機構の
作用について説明する。

【００３１】供給台100の挿入口101から挿入されるカセ
ット10は、搬送ローラ233によって搬送され、その先端
部がカセット検知センサ251によって検知されると搬送
用パルスモータは所定のパルス数の間回転し、その先端
部が、半月状搬送ローラ234の直下よりも少し前進した
位置に達して一旦停止する。

【００３２】図５（ａ）に示すようにそのとき、該半月
状搬送ローラ234の欠如部Ａ点とＢ点はほぼ水平状態に
なるように制御されて停止している。

【００３３】この状態で半月状搬送ローラ234が始動す
ると図５（ｂ）に示すように、カセット先端部が前述の
ように該ローラ234の直下より少し前進した位置に停止
しているので、前記Ａ点から始まる円周面のＡ点は必ず
カセット10の先端部に接触して搬送を開始する。そし
て、ＡからＢまでの円周長さだけ回転し終る前にカセッ
ト10の先端はストッパーピン219に当るように円周長さ
を設定してあるのでカセット10の位置決めが完全になさ
れてから余った残りの円周長さ分の円周角βだけスリッ
プして更にＢ点がＢ′点になるように円周角αだけ回転
し、Ａ点，Ｂ点を結ぶ欠如部の線がほぼ水平になる位置
にて回転を停止する。

【００３４】この水平になるようにする手段は半月状搬
送ローラ234の軸端につけられた例えば扇形状の羽根板2
42とその検知器241とよりなる欠如位置検出センサ240に
よって行なわれる。

【００３５】即ち、該センサによってその回転数と位相
角度が制御されるようになっている。

【００３６】本実施例では半月状搬送ローラ234の回転
は２回転にしてあるが、これは１回転であっても、多数
回転であっても差支えない。

【００３７】また、Ａ点とＢ点を結ぶ線の水平度はそれ
程厳密ではなくその傾きにより該ローラ234の円周面が
カセット10に接触しない範囲であれば差支えなく、安全
をとってＡ，Ｂを結ぶ該面とカセット面との間の距離の
半分までＡ点，Ｂ点がカセット面に近づく程度までの傾
きであれば充分である。

【００３８】このような簡単な構造によりスキャン機能
が大幅に拡大されると共に安定した稼働とコンパクトな
全体構成が維持されるようになった。

【００３９】以上、第１の発明の実施例ではカセットの
送り込みは、副走査方向端部より行う構成にしたが、第
２の発明では、図示を省略するがカセットの送り込み
は、主走査方向端部より行われるようにしたものであ
る。半月状搬送ローラの採用によりカセットの送り込み
方向の自由度が格段に向上できるようになった。

【００４０】また、勿論、このようなスキャナーでプレ
スキャン、本スキャン共に可能である。

【００４１】プレスキャンは原稿フィルムの画像のスキ
ャンを行う際各種の補正や前述のような原稿台の構成を
活用することによる画像位置のレイアウトや文字の書き
入れも含めた操作であり、かなり熟練した操作が必要に
なるが、本スキャンは、そのようなプレスキャンデータ
を実行するスキャンであるので、殆んど自動操作だけで
済まされるものである。

【００４２】

【発明の効果】本発明により原稿台上の原稿カセットに
障害等を与えることなく該カセットをＸ方向やθ方向の
所要の位置に移動してセットした状態で、Ｙ方向に副走
査をさせて、カセットのスキャンを安定して行えるよう
になり、該原稿フィルムをもとにそれを製版面に任意に
レイアウトし、しかも各種の補正や文字入れ等も自由に
取入れられた高品位の製版がコンパクトで簡単な機構に
よって行えるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体構成を表わす平面スキャナーの概
略図。

【図２】本発明に使う読取り原稿のカセットの斜視図。

【図３】本発明の原稿載置台の部分の平面図。

【図４】その側面図。

【図５】本発明における半月状搬送ローラの作動図。

【図６】原稿載置台上のカセット位置を各方向に変更し
た４つの状態を表す側面図。

【符号の説明】

１ 平面スキャナー 10 カセット 50 原稿フィルム（読取り原稿） 100 供給台 101 挿入口 200 副走査部 210 原稿載置台 215 基台 217 移動台 218 回転台 219 ストッパーピン 232 ガイドローラ 233 受取り搬送ローラ 234 半月状搬送ローラ 240 欠如位置検知センサ 251 検知センサ 300 光学系 301 光源 303 投影レンズ 308 ラインセンサー（ＣＣＤ） 410 Ａ／Ｄ変換器 420 信号補正手段 430 色補正手段 440 メモリー 450 機械コントロール用の制御装置 460 インターフェース 470 ＣＲＴモニター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 照明用光源をもつ光学系の主走査方向に
   略直交する副走査方向に移動できるステージと、 読取り原稿の読取り角度を可変できるステージ及び／又
   は主走査方向に移動できるステージとにより、読取り原
   稿を収容したカセットを載置して移動する機能をもつ原
   稿載置台を有し、 副走査方向端部より該カセットをスキャナー内に送り込
   むカセット挿入口と、 該カセット挿入口より該原稿載置台までカセットを搬送
   するカセット搬送路と、該カセット搬送路内にあり、カ
   セット上面又は下面に接触し、回転動作によりカセット
   を搬送するカセット搬送ローラ対と、 副走査開始点の原稿載置台上のカセット停止位置後端上
   にあって、該カセット上面に接触する円周面の一部が欠
   如した半月状搬送ローラとからなる搬送機構とを有し、 カセット先端検知センサと、 前記半月搬送ローラの円周欠如位置検出センサとからな
   る搬送制御検知部を有し、 該カセット先端検知センサで挿入口から搬送路中を搬送
   されるカセット先端部を検知し、該先端部が待機中の該
   半月状ローラの円周欠如部の下部に来て、該ローラの一
   回転未満の円周部が始動して該カセットの先端部に係合
   してカセット搬送を行い、該カセットの先端が前記原稿
   載置台上に設けられたストッパに当って位置決めされる
   と共に該半月状搬送ローラは僅かのスリップを行い、前
   記円周欠如位置検出センサの検知を得て該欠如位置が略
   水平になるように作動することを特徴とする平面スキャ
   ナーのカセット搬送機構。
2. 【請求項２】 請求項１において、スキャナーへのカセ
   ット挿入口を副走査方向端部でなく主走査方向端部に設
   けたことを特徴とする平面スキャナーのカセット搬送機
   構。