JPH05315812A - 有極型濾波器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ３個以上の共振器を有する有極型濾波器にお
いて、物理的に隣り合わない位置関係にある２個の共振
器を結合するように設けられた伝送分岐路による帯域外
特性の劣化を防止する。 【構成】 伝送分岐路であるＳＪケーブル５にスプリア
ス信号を減衰させる低域濾波器６を設け、ＳＪケーブル
５に漏れ込んでくるスプリアス信号を減衰させて有極型
濾波器の帯域外特性の劣化を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、有極型濾波器におい
て、物理的に隣り合わない位置関係にある二つの共振器
を結合する結合構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、マイクロ波帯、準ミリ波帯で広く
用いられている有極型濾波器では、物理的に隣り合わな
い位置関係にある２個の共振器の結合は、その２個の共
振器間に通過振幅特性及び通過位相特性がフラットにな
る伝送分岐路を設けることによって得ている。

【０００３】従来の有極型濾波器の構造の一例を図２の
（ａ）、（ｂ）に示す。図２（ａ）は横から見た正面構
造、（ｂ）は平面から見た構造である。この従来の有極
型濾波器は、金属筺体１の中に誘電体共振器２を設置し
た誘電体有極型帯域濾波器である。この誘電体共振器２
は誘電体支持台３上に設置され、この誘電体共振器２の
近辺に誘電体シート７上に設けられたストリップライン
４が設けられ、このストリップライン４から、伝送分岐
路であるＳＪケーブル５によって物理的に隣り合って設
けられていない誘電体共振器に結合される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の有極
型濾波器の構造では、濾波器に入力された伝送帯域外の
スプリアス信号が直接ＳＪケーブル５の先端と結合し、
伝送分岐路を通過して濾波器から出力してしまうために
所望の帯域外特性が得られない欠点があった。

【０００５】本発明は、帯域外特性の劣化を防止して帯
域外特性が向上した有極型濾波器を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも３
個の共振器を備え、この共振器のうち互いに物理的に隣
り合わない位置関係にある２個の共振器を結合する伝送
分岐路が設けられた有極型濾波器において、上記伝送分
岐路に伝送帯域外の不要信号を減衰させる濾波器を設け
たことを特徴とする。

【０００７】なお、伝送分岐路に設ける濾波器は、低域
濾波器または高域濾波器または帯域反射型濾波器または
帯域通過型濾波器であることができる。

【０００８】

【作用】物理的に隣り合わない位置関係にある共振器を
結合する伝送分岐路に伝送帯域外のスプリアス信号を除
去する濾波器を設けることにより、伝送帯域外のスプリ
アス信号が有極型濾波器外に出力されてしまうのを防止
し、帯域外特性を向上させる。

【０００９】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

【００１０】図１は、本発明の一実施例有極型濾波器の
構造を示す図であり、図１（ａ）は横から見た正面の構
造、図１（ｂ）は上面からみた平面構造を表す。この実
施例は、少なくとも３個の共振器を備え、この共振器の
うち互いに物理的に隣り合わない位置関係にある２個の
共振器を結合する伝送分岐路としてのＳＪケーブル５が
設けられた有極型濾波器において、本発明の特徴とし
て、この伝送分岐路としてのＳＪケーブル５に使用帯域
外の不要電波をカットする濾波器としての低域濾波器６
を設けたことを特徴としている。

【００１１】すなわち、金属筺体１内に誘電体支持台３
上に設けられた誘電体共振器２の近傍にある誘電体シー
ト７上に設けられたストリップライン４を介して誘電体
共振器２とは物理的に隣り合わない位置関係にある別の
誘電体共振器とを結合するフラットな伝送特性を有する
伝送分岐路としてのＳＪケーブル５の途中に低域濾波器
６を挿入している点が本実施例の特徴である。

【００１２】このように構成することにより、低域濾波
器６でＳＪケーブル５の先端から漏れ込んでくる伝送帯
域外のスプリアス信号（この場合は高域信号がスプリア
ス信号）を除去するため、有極型濾波器からスプリアス
信号が漏れて出力されることを防止して、帯域外特性を
向上させることができる。

【００１３】なお、本実施例では、スプリアス信号除去
用濾波器として低域濾波器６を使用したが、伝送帯域に
よって、高域濾波器、帯域反射型濾波器、帯域通過濾波
器などをそれぞれの帯域にあった濾波器を使用すること
ができるのは勿論である。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、物理的に隣り合わ
ない位置関係にある２個の共振器を結合するように設け
られた伝送分岐路に伝送帯域外のスプリアス信号を減衰
（通過させない）させる濾波器を設けて、伝送帯域外の
スプリアス信号を減衰させ、帯域外特性の劣化を防止で
きる。

【００１５】さらに、濾波器は、主伝送線路に設置され
ないので、伝送特性を劣化させることは全くないので、
主伝送線路に同等の低域濾波器を挿入する場合に比べて
伝送結果が悪化することはなく、有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明一実施例構成を示す構造図。

【図２】 従来例の構成を示す構造図。

【符号の説明】

１ 金属筺体 ２ 誘電体共振器 ３ 誘電体支持台 ４ ストリップライン ５ ＳＪケーブル ６ 低域濾波器 ７ 誘電体シート

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも３個の共振器を備え、 この共振器のうち互いに物理的に隣り合わない位置関係
   にある２個の共振器を結合する伝送分岐路が設けられた
   有極型濾波器において、 上記伝送分岐路に伝送帯域外の不要信号を減衰させる濾
   波器を設けたことを特徴とする有極型濾波器。
2. 【請求項２】 不要信号を減衰させる濾波器は低域濾波
   器または高域濾波器または帯域反射型濾波器または帯域
   通過型濾波器である請求項１記載の有極型濾波器。