JPH0531272Y2 - - Google Patents

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JPH0531272Y2
JPH0531272Y2 JP1985030393U JP3039385U JPH0531272Y2 JP H0531272 Y2 JPH0531272 Y2 JP H0531272Y2 JP 1985030393 U JP1985030393 U JP 1985030393U JP 3039385 U JP3039385 U JP 3039385U JP H0531272 Y2 JPH0531272 Y2 JP H0531272Y2
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【考案の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本考案は、電磁コイルの軸心縦貫孔に嵌装され
たシリンダ内を往復作動する電磁プランジヤによ
つてポンプ作用を行なう電磁プランジヤポンプの
停止時に、その流出口側外部およびポンプ内部に
残存するプラスヘツドの液体をポンプを介してそ
の流入側に戻す不還弁を、電磁プランジヤに内蔵
させた電磁プランジヤポンプに関するものであ
る。
<従来の技術> 従来のこの種の電磁プランジヤポンプとして
は、本出願人が先に出願した特願昭58−200599号
(特開昭60−93184号)に開示された電磁プランジ
ヤポンプがある。この先行技術の明細書及び図面
には、従来公知の技術として、送油用電磁ポンプ
を備えた石油気化式の燃焼器における構成も併せ
て開示されており、その欠点として、消化時有害
ガス発生や爆発防止のための別途配管、電磁弁な
らびにその制御装置を含む未燃ガス、燃料油排出
機構の複雑化、コスト高などの問題点が指摘され
ている。特願昭58−200599号開示の技術によれ
ば、これらの公知の技術の欠点を排除して、簡単
で、作動確実な、ポンプ停止時に流出口から流入
口に戻る流路を開成する不還弁機構を備えた電磁
プランジヤポンプを提供し、燃焼機器等の安全
性、経済性を高め、またこのポンプを送水用に提
供する際は、凍結破損防止、ポンプ停止時におけ
るポンプ及び配管の水抜きを容易にするという効
果が得られるとしている。
<考案が解決しようとする課題> しかるに、特願昭58−200599号に開示の先行技
術においても、その明細書、就中、第3図、第4
図、第5図に掲示されるものは、ポンプ作動時の
不還弁をポンプ停止時に開成せしめる機構を備え
ざるを得ず、非通電時開成の電磁弁機能を兼ね備
えているとはいえ、通常の電磁プランジヤポンプ
に比しては構造も複雑となり、ポンプ停止時の不
還弁開成機構の部品加工精度、ばねの撓み−荷重
特性の許容差の厳しさ等があり、製造コストアツ
プは免れない。
また、特願昭58−200599号の第6図に示された
ものは、構造が簡単であるが、不還弁のリード弁
状弁体が縦軸心に対して直角水平方向に挾着固定
されているので、ポンプ停止時にその状態を保つ
一方、弁座の閉塞着座面は縦軸心に対して斜めに
截られた形状であるので、ポンプ停止時に前記弁
体と弁座の閉塞着座面との間が開成され、流出口
側の液体は流入口側へ戻されるのであるが、ポン
プの長時間にわたる使用によつて、リード弁状弁
体の開閉繰返し疲労や、ポンプ内を流れる液体す
なわち燃料油による弁体の耐油性、もしくは液体
の温度による耐熱耐寒温度特性の如何に係る劣
化、変形のため、ポンプ停止時に弁体が必ずしも
原形に回復するとは限らず、しばしば、原形回復
不能により、弁座を開成できなくなり所期の機能
を果さなくなることがあつた。
特願昭58−200599号の第6図のものと類似技術
と見なされるものとして、本願明細書において後
述するように第3図、第4図に例示説明したもの
であるが、これとても、弁体の開閉繰返し疲労
や、耐油性、温度特性に係る劣化や変形のため、
ポンプ停止時に弁体が原形に回復できず、弁座が
開成不能となり、前記機能を果せなくなる点にお
いて、同様である。
また、上述した先行技術と同様に、貫流型の電
磁ポンプであつて、その停止時に残液を逆流回収
するものに、実開昭57−61187号公報に開示され
た公知技術がある。
これは、液体の吸入口と吐出口間に、励磁コイ
ルにより往復駆動される筒状のプランジヤを設け
て、該プランジヤの中を液体が貫流するように構
成し、このプランジヤ内およびポンプ室を構成す
る第一室の吸入口にそれぞれ設けたチエツク弁部
に、バイパス孔または切溝を設けたものである。
切溝は、その実施例の説明通り、弁座に設けれた
おり、バイパス孔も、弁座の切溝の代りに、弁体
と重ならない位置の弁座に穿設し、もしくは、V
字状の傾斜葉片から成る弁体を支持する弁座と一
体の筒状枠の中心のリブに穿設してある。従つ
て、この先行技術は、バイパス孔または切溝等の
逆流路を、弁座と一体の筒状枠に設けたものを開
示するに留まる。
このため、実開昭57−61187号公報に開示され
た電磁ポンプは、本考案の使用目的とする石油気
化式の燃焼機器において、燃焼停止時すなわちポ
ンプの吐出作用停止時に吐出側の未燃燃料を吸入
側に戻して排出し、逆流させて回収処理させる用
途に用いた場合、次のような問題を生じる。
まず、未燃燃料が気化器によつて加熱された乾
溜滓、ピツチ等の夾雑物が未燃燃料の逆流によつ
て、固定した筒状枠のバイパス孔に付着堆積し
て、これを塞ぎ、逆流路として役立たなくなるこ
とである。図示されているように、バイパス孔は
その長さが大であり、そのために夾雑物が通過し
にくく、これが堆積して所謂ゴミ詰まりとなり、
かつ、その除去が困難となる。また、切溝きの幅
が狭いとゴミの吸込によるゴミ詰まりとなり逆流
路を閉塞してしまうおそれがある。
次に、バイパス孔または切溝の流通面積を大き
くして、その閉塞を予防しようとすれば、ポンプ
の吐出作用の効率の甚だ悪いものになり、充分な
吐出力を与えるためには、その大型化を免れず極
めて不経済なものになる。
上述のような従来技術の問題点に加えて、実際
的市場ニーズとして、燃料油給送用電磁プランジ
ヤを備えた石油気化式の燃焼器は、所謂フアンヒ
ータ暖房あるいは乾燥器等に、近年、爆発的需要
があるが、年々コストダウンを要求されている。
従つて、これらに使用される電磁プランジヤポン
プも、益々、構造が簡単で、作動が確実であり、
しかも耐久性に優れ、高品位、高信頼度で、経済
的なものが求められているのが現況である。
そこで、本考案の課題は、上述した従来先行技
術の欠点を排除し、しかも、前述の市場ニーズに
対応することの可能な電磁プランジヤポンプを提
供することである。
<課題を解決するための手段> 上記した課題を解決するために、電磁コイルの
軸心縦貫孔に挿嵌されたシリンダの両端側にそれ
ぞれ流入口をオリフイス状の流出口とを備え、前
記シリンダに摺動往復自在に、不還弁を内蔵する
電磁プランジヤを嵌装せしめ、前記不還弁に、ポ
ンプの停止時に前記流出口側の残存液体を含む流
体を、流入口側へ排出する逆流路を設けた貫流型
のポンプにおいて、 前記不還弁は、軸心に対して傾斜する閉塞着座
面を有する弁座体と、前記閉塞着座面に係合して
開閉作動する軟質可撓性弾性体をもつてなるリー
ド弁状の弁体とを含み、 前記弁体は、漏洩孔を有し、前記漏洩孔が前記
流出口のオリフイスよりも流量を少なく制限し、
かつ、前記シリンダと電磁プランジヤとの間隙面
積にほぼ等しい通過有効断面積を有するように、
前記弁体に穿設されており、 前記オリフイスと漏洩孔との間にフイルタを介
装させてあること を特徴とする。
<作用> 本考案に係る電磁プランジヤポンプは、その通
電作動時には、プランジヤポンプとしてのポンプ
作用をなさしめ、このとき電磁プランジヤに内蔵
された不還弁は、その吐出時は吐出側の流体圧力
によつて弁体は弁座に押圧され閉成し、吸入時
は、吸入される流体の流入圧によつて弁体は弁座
を開成する。切電時にはポンプの吐出側に残存す
るプラスヘツドの液体や、このポンプを石油気化
式燃焼器に利用した場合の未燃油やガス等をその
流入側へ逆流させて戻す切電開電磁弁と同様の機
能を不還弁の弁体に穿設した漏洩孔によつて付与
されるのである。
未燃油やガス等ポンプの吐出側に残存する未燃
燃料は、ポンプの流出口のオリフイスと不還弁と
の間に介設されたフイルタによつて濾過されて、
燃焼機器の気化器から戻る未燃燃料中に含まれる
乾溜滓、ピツチ、その他の夾雑物の大部分の逆流
を阻止する。それでもなお、フイルタの目を通過
する夾雑物の微片は存在するが、不還弁の弁体
は、軟質可撓弾性体をもつてなるリード弁状とな
つているので、フイルタの目を通過した夾雑物の
微片は流体の圧力が加わつて前記漏洩孔を拡大さ
せてこれを押出すことも容易であり、これに対す
る弁体の抵抗が小さく、微片は弁体に穿設した漏
洩孔を容易に通過する。さらに、ポンプ使用時に
開閉する弁体はその開閉作動することによつて、
漏洩孔に繋留しようとする夾雑物を排除しやす
く、漏洩孔の孔詰まりを防止する作用がある。
また、不還弁は、軸心に対して傾斜する閉塞着
座面を有する弁座体と、閉塞着座面に係合して開
閉作動する軟質可撓性弾性体をもつてなるリード
弁状の弁体とを含んでいるので、弁体は、その一
端を支点にして、上下に恰も団扇で煽り打ち払う
ように開閉作動する。このため、夾雑物の排除に
一層優れた効果が得られる。
しかも、弁座体における弁の閉塞着座面が、軸
心に対して傾斜しており、この閉塞着座面に弁体
が係合するので、更に一段と夾雑物などの付着を
妨げ、これを払い落し流し洗いして滞留堆積させ
ることなく排出除去する。
更に、漏洩孔は、流出口のオリフイスよりも流
量を少なく制限させ、かつ、前記シリンダと電磁
プランジヤとの間隙面積にほぼ等しい通過有効断
面積を有するように、弁体に穿設されていて、本
来的に漏洩量の少ない微小孔である上に、漏洩孔
を穿設してある弁体が軟質可撓性弾性体であるの
で、ポンプの吐出作用時には、弁体が弁座体の閉
塞着座面に対して開口側へ湾曲気味となり、微小
孔である漏洩孔の開口度合が弁体の湾曲によつて
せばめられ、漏洩孔からの漏洩が一層減少する。
このため、ポンプの吐出作用時に、漏洩孔からの
液体漏洩を押えながら、流出口から効率良く吐出
させることができる。本考案において、吐出側と
はポンプが流体を押出す不還弁から先の流路をい
う。上述した作用効果については、以下の本考案
の実施例の説明によつて更に詳かにする。
<実施例> 第1図は本考案の電磁プランジヤポンプの実施
例の縦断面図である。第1図の電磁プランジヤポ
ンプ30において、電磁コイル21を巻装したボ
ビン22の軸心縦貫孔には、上端部位に上環状磁
路15、及び、これを覆つて嵌合し流出口12を
穿つた流出側接手14を嵌合し、またその下端部
位に下環状磁路16及びこれに覆つて嵌合し流入
口11を穿つた流入側接手13を嵌合し、これら
にシリンダ2を挿嵌させてある。電磁プランジヤ
1は、シリンダ2の上端の流出側接手14の上端
内部に設けたフイルタ27を備えたバネ座19
と、流入側接手13の内部に設けたバネ座20と
の間に、補助バネ17及び戻しバネ18によつ
て、互いに相反する方向から相等しいバネ反発力
を受けて、シリンダ2内に摺動往復自在に嵌装さ
れいる。補助バネ17は、電磁プランジヤ1の上
部からバネ圧を加えており、戻しバネ18は、電
磁プランジヤ1の下部に嵌装された不還弁40の
弁座体6を介して、電磁プランジヤ1の下側から
バネ圧を加えている。
シリンダ2の上、下端部の外周と、流出側接手
14及び流入側接手13との間にそれぞれパツキ
ング24,25を介在させて気密を保持させてあ
る。
流出側接手14との流入側接手13の各端縁の
鍔部14″,13″は、ボビン22の上下端面に接
し、かつ、コの字形の継鉄23の平板部23′,
23″にそれぞれ設けられている。その形状は図
示していないが、舌状の切欠き26,26′、上
下環状磁路15,16がそれぞれ嵌合する流出及
び流入側接手14,13の嵌合部14′,13′が
挿入されて、これらを挾持している。鍔部14″,
13″は、切欠き26,26′の巾よりも、その外
径寸法が大きいから、一旦挿入後は図において上
下方向への脱落のおそれは全くない。
本実施例においては、ポンプ停止時に、その流
出側のプラスヘツドの液体をポンプ内を貫流して
その流入側へ逆流させて戻す必要上と、後記する
ような、逆流液体に含まれる夾雑物によつての弁
開閉機能やバイパス孔の詰り閉塞による逆流機能
を損なうおそれを少なくすると共に、構造を簡単
にしてコストダウンを図るために、吐出弁機構を
省き、流出側接手14に設けられる流出口12を
弁体3の閉塞着座面4の開口よりもはるかに小面
積にしたことによつて代用した所謂オリフイス弁
であり、その作用効果については特願昭58−
200599号(特開昭60−93184号)の第5図、第6
図に開示した実施例の場合と同様であるから、そ
の説明は省略する。
次に、本考案の要点として、電磁プランジヤ1
に内蔵された流入、押上げ兼用の不還弁40は、
弁座体6と、ストツパ及び弁体押え兼用の弁キヤ
ツプ7によつてその一端を挾持された合成ゴムも
しくは合成樹脂などの軟質可撓弾性体をもつてな
るリード弁状の弁体3とを含んで構成されてい
る。弁座体6の閉塞着座面4に弁体3が着座閉塞
するようになつており、弁体3の要部にポンプ停
止時にポンプの吐出側の残存液体を流入口側へ逆
流排出用の漏洩孔5を穿設してある。漏洩孔5の
有効断面積は小面積の流出口12よりも更に小径
にする等、後記する方法によつて流体の流量を少
なく制限するようにしてある。
そこで、電磁コイル21へのパルス電流などの
断続電流を付勢して得られる断続磁気吸引力によ
り、磁力発生時には、電磁プランジヤ1は図にお
いて下方に移動して弁体3は閉塞着座面4を開成
して、シリンダ2内に液体が流入され、磁力消滅
時には戻しバネ18の反発力で電磁プランジヤ1
は上方へ復して、このとき弁体3は液体の流動圧
も加わつて閉塞着座面4を開成して液体を押し上
げ、流出口12から吐出させる。この電磁プラン
ジヤ1の往復運動と弁体3の開閉作用を繰返して
ポンプ作用が営まれる。
電磁プランジヤ1が戻しバネ18の反発力で図
において上方に復する液体押し上げ工程では、弁
体3に穿設した漏洩孔5からの漏洩ロスがある
が、漏洩孔5の有効断面積等によるレイノルズ数
は、流出口12のそれに比して小さく、さらに、
軟質で可撓弾力性ある弁体3は、この際、弁座体
6の閉塞着座面4に圧着し、かつ、その下方の開
口側へ湾曲気味となるので、漏洩孔5の図におい
て上面の圧力側はその開口度合をせばめられ、一
層漏洩を減じて充分液体を流出口12より吐出さ
せることができるものである。
流出口12よりも流量を少なく制限するための
漏洩孔5は流出口12を穿設した流出側接手14
の肉厚すなわち流出口12のオリフイスの長さお
よび内径寸法に対する漏洩孔5を穿設した弁体3
の肉厚もしくは漏洩孔5の長さならびに内径寸法
の選択によつて主として定められる。
例えば、流出口12のオリフイスの長さが、漏
洩孔5の長さよりも小なるときには、流出口12
のオリフイスの内径が漏洩孔5の内径よりもやや
大きいか等しくても差支ない。これはレイノルズ
数が流出口12および漏洩孔5の内径寸法に比例
し、またそれぞれの長さに正比例する摩擦損失に
よつて反比例するからである。
すなわち、それぞれ内径寸法が大きいほどレイ
ノルズ数は増大し、内径の長さが長いほどそれが
減少するからである。
また、オリフイスもしくは漏洩孔の内面の表面
粗さ及び僅かであるが材質によつてもレイノルズ
数は変化する。レイノルズ数が増大すれば流量は
増大し、反対に減少するようにすれば、流量は少
なく制限することができる。
漏洩孔5の有効断面積は、その直径寸法を電磁
プランジヤ1の直径が例えば7mmのときには凡そ
0.7乃至0.8mmに選ぶが、このときの断面積は電磁
プランジヤ1とシリンダ2との間隙面積に近似す
る。この間隙は電磁プランジヤ1の摺動摩擦抵抗
を排除してその作動を円滑ならしめるために必要
なものであるが、電磁プランジヤ1はその比較的
長大な長さをもつ外周嵌合面とシリンダ2との間
の漏れ口面積が大きく、長さの大きいほどその間
の流動抵抗があり、レイノルズ数も小さくなるの
で、従つて間隙からの液体の洩れはポンプ作動中
は勿論停止中も極めて微小であつて、ポンプ停止
時に急激な吐出側液体の逆流排出は不可能で、本
考案の場合のような用途に供する電磁プランジヤ
ポンプでは別に漏洩孔を備えなければならないの
である。漏洩孔5は弁体3に穿つており、弁体3
自体が比較的薄いものであるから、間隙と近似の
有効断面積の小孔であつても液体が落下して流入
口側へ逆流排出するのに流動抵抗によつてその排
出を阻害されるおそれはない。
前述したように、この電磁プランジヤポンプを
石油気化式の燃焼機器の燃料油定量供給に用い
て、その燃焼停止時の気化器からの未燃燃料をポ
ンプの流入側に逆流せしめるときに、未燃燃料中
に含まれる夾雑物は、軟質可撓弾性をもつてな
り、弁座体6と弁キヤツプ7とにその一端を挾持
されたリード弁状の弁体3に穿設した漏洩孔5を
通過する。この際弁体3は、軟質可撓弾性体であ
るために、夾雑物を係止させることなく流動圧力
によつて漏洩孔5を拡大せしめて押出すように柔
軟にこれを通過せしめると共に、挾持された部分
を支点として上下に恰も団扇で打ち払うように開
閉作動するから、これにより一層夾雑物の排除を
容易にする。
しかも、図示のように、弁座体6の閉塞着座面
4がその軸心に対して傾斜しているから、更に一
段と夾雑物など液体に含まれるゴミの付着を妨
げ、これを払い落して流し洗い易く、その滞留堆
積による弁機能の障害を予防する。
流出側接手14のバネ座19に備えられ、流出
口12と弁体3との間に介装されたフイルタ27
は、夾雑物の通過を阻止し、液体の濾過によつて
夾雑物の逆流を最小限度にとどめるために必要な
ものであるが、ポンプの吐出性能を阻害する液体
の流動抵抗の影響をうけない程度のなるべく細か
いメツシユで、若干のゴミ詰りも許容し得る総濾
過面積の値を選ぶ。
本考案では、フイルタ27を200〜300メツシユ
のものとして、その有効な総濾過面積を得るよう
に、フイルタ27の形状を図示のような平板状の
もの、もしくは、カツプ状、或は波紋状に起伏さ
せて襞を設けたものを選ぶ。
なお、図示していない流入口11側及び貯液槽
を含む吸入側にも、液体中に含まれるゴミなど夾
雑物を濾過するフイルタを備えなけらばならない
ことは勿論である。
第2図は本考案における電磁プランジヤに内蔵
する不還弁40′の他の実施例である。
弁座体6′のピン8に一端嵌め込まれ、かつ弁
キヤツプ7′との間に挾着された合成ゴム、或は
合成樹脂など軟質可撓弾性体をもつてなるリード
弁状弁体3′の閉塞着座面4を備えた弁座体6′の
開口部に望み漏洩孔5を穿つた図示上面に突出し
て嘴状の筒9を形成している。
この筒9は、ポンプの液体押出行程時、液圧に
よつて潰され漏洩孔5の有効開口断面積を狭めら
れ、かつ、レイノルズ数を減少させるので、漏量
が少くなりポンプの効率を高める効果がある。筒
9の長さが大なるほど液体の流動抵抗が増大し、
漏洩孔5の有効断面積が大になるほど流動抵抗は
減ずるものであるから、筒9の長さ及び漏洩孔5
の有効断面積、即ち、その直径寸法はポンプの吐
出能力とその停止時の吐出側プラスヘツドの液体
の流入側への逆流排出能力を勘案のうえ適宜選定
するものである。
第3図、第4図に示す不還弁40″,40は
いずれも先に述べた、特願昭58−200599号(特開
昭60−93184号)における第6図に開示された実
施例に類似するもので、第3図に示すものは弁体
3″が予め湾曲していてその一端を弁座体6″と弁
キヤツプ7″の間に挾着固定され、ポンプが作動
して押圧工程時には弁体3″が液圧によつて閉塞
着座面4に着座閉塞し、ポンプ停止時には湾曲し
た形状に復して閉塞着座面4を開くものである。
第4図の分解斜視図によつて示すものは、弁座
体6の閉塞着座面4′の一部に凹所10を設け、
ポンプの押圧工程時は軟質可撓弾力性を有する弁
体3が液圧によつて閉塞着座面4′の全面に密
着して凹所10も閉ぎ、ポンプ停止時は液圧が低
下して吐出側プラスヘツドのみの比較的低い液圧
となるので弁体3は平板形状に復して凹所10
の部分において隙間ができて、そこから吐出側プ
ラスヘツドの液体を流入側へ落下させ逆流排出す
るものである。
しかしながら、第3図、第4図に示す、弁体
3″,3は、先にも述べた通り、ポンプの長時
間にわたる使用にあたり、開閉繰返し疲労や、ポ
ンプ内を流れる液体すなわち燃料油に含まれる有
害成分に対する耐久力もしくは燃料油そのものに
対する耐性、或は液体の温度に対する特性によつ
て劣化や変形のために、弁体3″,3がポンプ
押出行程の液圧によつて閉塞着座面4,4′を閉
成し、ポンプ停止時に、液圧が低下してもとの形
状に回復せずこれを開成できず前記ポンプ吐出側
のプラスヘツドの液体を流入側へ排出させること
が不可能になり本考案の目的を果せなくなる虞れ
がある。従つて、第3図、第4図に示すものは、
本考案の実施例たる第1図または他の実施例第2
図に示すものに比して大いに遜色があるのであ
る。
<考案の効果> 以上詳述した通り、本考案によれば、次のよう
な効果が得られる。
(a) 電磁コイルの軸心縦貫孔に挿嵌されたシリン
ダの両端側にそれぞれ流入口とオリフイス状の
流出口とを備え、前記シリンダに摺動往復自在
に、不還弁を内蔵する電磁プランジヤを嵌装せ
しめ、前記不還弁に、ポンプの停止時に前記流
出口側の残存液体を含む流体を、流入口側へ排
出する逆流路を設けてあるので、電磁プランジ
ヤポンプによつて燃料油を吐出させ燃焼させる
石油気化式燃焼機器等の消化時、すなわち該ポ
ンプ停止時に、有害ガス発生や爆発防止のため
の未燃燃料排出用別途配管電磁弁並びにその制
御装置等の排出処理機構の複雑化、コスト高を
排除した電磁プランジヤポンプを提供できる。
(b) 不還弁は、軸心に対して傾斜する閉塞着座面
を有する弁座体と、閉塞着座面に係合して開閉
作動する軟質可撓性弾性体をもつてなるリード
弁状の弁体とを含んでいるので、弁体は、その
一端を支点にして、上下に恰も団扇で煽り打ち
払うように開閉作動する。このため、乾溜滓や
ピツチ等の未燃燃料中に含まれる夾雑物が、流
出口側から流入口側へ排出される逆流時に弁体
および弁座体に付着堆積したり、それによつて
互いに貼付きを生じて弁開閉作用を損なたり、
或いは長時間に亙る開閉繰返しによつて疲労し
たり、燃料油および温度変化などによる耐性劣
化変質により弁体変形の影響によつて弁開閉の
機能を損なるおそれが極めて少ない。
(c) 逆流路として弁体に穿設された漏洩孔である
から、ポンプ作用時に弁体が開閉作動している
ことにより、漏洩孔に繋留しようとする夾雑物
を排除しやすく、また弁体は、軟質可撓弾性体
をもつてなるリード弁状であるので、逆流時の
燃料油などの流体のフイルタの、目を通過した
夾雑物の微片が仮に漏洩孔内に付着繋留して
も、ポンプ作動時の流体の流動圧力によつて、
漏洩孔を拡大するようにして夾雑物を押出し容
易に通過させて、これによつて何れにしても漏
洩孔の孔詰まりを未然に防止して、逆流路を塞
ぐ等の現象を生じることのない高信頼度の電磁
プランジヤポンプを提供できる。
(d) 漏洩孔は、流出口のオリフイスよりも小径に
する等流体の漏洩流量を少なく制限するように
レイノルズ数を減少させてあり、かつ、シリン
ダと電磁プランジヤポンプとの間隙面積にほぼ
等しい通過有効面積を有しているから、ポンプ
の吐出作用時に、漏洩孔からの漏洩によるロス
を微小にしてあるので、これによつて、ポンプ
の吐出能力を低下させる影響は極めて少なく、
このロスを補うためのポンプ出力増大及び大型
化の必要のない高効率で、経済的な電磁プラン
ジヤポンプを提供できる。
(e) 流出口のオリフイスと漏洩孔との間にフイル
タを介装させてあるので、ポンプ停止の際の未
燃燃料を逆流させるときに、その中に含まれる
夾雑物ゴミ等による漏洩孔閉塞を更に確実に防
止し得るものである。
上述の総合的な効果として、一層簡単で作動確
実な処理機構を備えたにもかかわらず比較的ポン
プ効率がよく所謂ゴミ詰まり等の欠陥のない小型
の電磁プランジヤポンプを提供し、燃焼機器の安
全性、経済性を高めると共に、また凍結破損防止
のための電磁プランジヤポンプ及びその配管の停
止時における水抜きの容易化をはかることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の電磁プランジヤポンプの実施
例の縦断面図、第2図は本考案の他の実施例にお
ける不還弁の縦断面図、第3図は先行技術の類似
と見なされる不還弁における縦断面図、第4図は
同じく分解斜視図である。 1……電磁プランジヤ、2……シリンダ、3,
3′……弁体、4……閉塞着座面、5……漏洩孔、
6,6′……弁座体、7,7′……弁キヤツプ、1
1……流入口、12……流出口、40,40′…
…不還弁、21……電磁コイル、27……フイル
タ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 電磁コイルの軸心縦貫孔に挿嵌されたシリンダ
    の両端側にそれぞれ流入口とオリフイス状の流出
    口とを備え、前記シリンダに摺動往復自在に、不
    還弁を内蔵する電磁プランジヤを嵌装せしめ、前
    記不還弁に、ポンプの停止時に前記流出口側の残
    存液体を含む流体を、流入口側へ排出する逆流路
    を設けた貫流型のポンプにおいて、 前記不還弁は、軸心に対して傾斜する閉塞着座
    面を有する弁座体と、前記閉塞着座面に係合して
    開閉作動する軟質可撓性弾性体をもつてなるリー
    ド弁状の弁体とを含み、 前記弁体は、漏洩孔を有し、前記漏洩孔が前記
    流出口のオリフイスよりも流量を少なく制限し、
    かつ、前記シリンダと電磁プランジヤとの間隙面
    積にほぼ等しい通過有効断面積を有するように、
    前記弁体に穿設されており、 前記オリフイスと漏洩孔との間にフイルタを介
    装させてあること を特徴とする電磁プランジヤポンプ。
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