JPH05311422A - Itoスパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

Itoスパッタリングターゲットの製造方法

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JPH05311422A
JPH05311422A JP11575292A JP11575292A JPH05311422A JP H05311422 A JPH05311422 A JP H05311422A JP 11575292 A JP11575292 A JP 11575292A JP 11575292 A JP11575292 A JP 11575292A JP H05311422 A JPH05311422 A JP H05311422A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capsule
ito
sputtering target
oxide
ito sputtering
Prior art date
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Pending
Application number
JP11575292A
Other languages
English (en)
Inventor
Mutsuo Kazuyasu
六夫 一安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YASUKI SEIMITSU KK
Proterial Ltd
Original Assignee
YASUKI SEIMITSU KK
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高寿命をもたらす高密度のITOスパッタリ
ングターゲットを高歩留で製造する製造方法の提供。 【構成】 原料粉末をIn23より酸素ポテンシャルの
高い材料製カプセルを作って、HIP圧密後、カプセル
壁に貫通孔をあける等により、過飽和の酸素等の放出熱
処理と再焼結熱処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ITO(インジウム・
錫酸化物)薄膜製膜用のITOスパッタリングターゲッ
トの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ITO薄膜は、主にスパッタリング法に
よって得られ、高い電気伝導性と可視光線透過性を有す
るため、透明電極として、テレビ、ワープロ、パソコン
の液晶表示部等に使用されている。従来のITOスパッ
タリングターゲットの製造方法は、In23,SnO2
どの原料粉末を十分混合し、常温プレスあるいはCIP
圧密を行なった後、1400℃以上の温度で常圧焼結または
ホットプレス焼結する方法が一般的であった。かくして
得られたITOスパッタリングターゲットは、スパッタ
リング中に次のような挙動を示す。すなわち、ターゲッ
トはスパッタリングの経過とともに、そのプラズマ面が
次第に黒色化するとともにスパッタ電圧が上昇する、膜
の生成速度が低下する、生成膜の電気抵抗が高くなる、
生成膜のエッチング性が劣化する、等の現象である。し
たがって、かかる特性値が管理値を越える以前に、ター
ゲットをスパッタリング製膜装置より取り出して再研磨
する必要がある。この際の再研磨までの時間を寿命とし
ているが、これは大略10〜15時間である。しだかって、
この寿命いかんは製膜能率に大きく影響を与える。ター
ゲットの寿命は、密度と関係し、高密度品は寿命が長
い。この理由は、十分解明されたとは言えないが、熱伝
導性の改善により、プラズマ面の過熱が少なくなり、I
n23の分解が抑制されるためとする意見などもある。
このため、高密度(相対密度 90%以上)ターゲットを経
済的に製造し、スパッタリング能率を大幅に向上せんと
する試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先に本発明者は、特願
平4−42870号で高密度ITOターゲットの製造方
法を出願し、この説明中で、前述の製造工程における常
温プレス圧密した中間工程品を、例えば1450℃、2時間
の常圧焼結によって、相対密度90%以上とするために
は、前記の常温プレス条件として、600MPa以上の高い加
圧圧力を必要とし、これは面積の広いターゲットを製作
する場合、例えば800cm2のものであれば、480000MPa・cm
2、すなわち約5000tfもの大容量プレス機を必要とし、
実際的には非常に不経済となることを示した。このた
め、前記出願は、従来の常温プレス工程に替えて、昇温
状態で加圧することによって、比較的低圧力でも高密度
化し得ること、つまり必要とする常温プレスの能力を減
ずることができることを示して、これを骨子とするもの
である。しかし、昇温状態でプレス作業することは、専
用加熱炉などを必要とし、設備的制約を受ける場合も多
い。
【0004】また、本発明者は、特願平2−41068
5号で、高密度の焼結品を得るに適するHIP法に着目
し、原料物質からの解離酸素の移動を、カプセル材質を
選定することにより防ぎ、熱間静水圧プレス処理(以下
HIPと記す)で、酸化度の高い、つまり高純度、高密
度のITOスパッタリングターゲットの製造を可能とす
ることを示した。しかし、その後の研究で、HIP処理
のみでは、焼結がやや不十分で、その後の切削、研削加
工処理などで亀裂が発生する場合が多く、この場合、歩
留が70%以下と低く、また、特に大物品について亀裂が
多発する傾向にあることが判明した。なお、本発明もH
IPでの原料の解離、分解を避けるため、カプセルの材
質を同様主旨により限定したものである。本発明は、高
寿命をもたらす高密度のITOスパッタリングターゲッ
トを、亀裂の発生を防止して、高歩留で製造する方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、HIP後の
ITOターゲット材が亀裂を生じやすい原因について、
種々検討した。この結果、次のことが判明した。すなわ
ち、ITO構成物In23は、高温で昇華、解離して
2,In2Oなどのガスを発生し易く、また、同時にカ
プセル材料の酸化物(溶接作業などで生成する)からも
高温で酸素(これはIn23のそれより高いガス圧を持
つ)等のガスが発生、解離する。これらのガスは、HI
P中にITOの内部に過飽和に溶け込んでおり、HIP
後、特に加熱状態では、その内部圧力を増加して、HI
Pの比較的低温度焼結により、弱く結合しているターゲ
ットに亀裂を発生させる。さらに、焼結力も弱いため、
後工程のカプセルを除去するための機械加工などの外力
の負荷によりしばしば亀裂を発生させる。
【0006】本発明は、HIP処理後のターゲット材に
対し、ガスの放出および再焼結の熱処理を施すことによ
り、亀裂を生ずることなく、結合強度を大幅に改善し、
歩留も向上するものである。すなわち、HIP処理後、
望ましくはカプセル壁に貫通孔をあけて封止状態を破っ
た後、例えば当該HIP温度より100℃ないし300℃低い
温度まで、所定の昇温温度で昇温し、所定の時間保持し
てガス放出熱処理を行ない、また、このガス放出熱処理
を兼ねてまたは独立して、例えば次に述べるごとき、2
段の熱処理からなる等の再焼結熱処理を行なうものであ
る。すなわち、ITOおよびカプセル材料の変形変質し
ないできるだけ高温(一般的には1200℃以下)にて、カ
プセル除去工程での取扱いで破壊や亀裂の発生しない硬
さまたは強度に達するよう第1の再焼結を行なった後、
次いでカプセルを除去し、またはカプセルを有するま
ま、例えば1350℃以上1600℃以下の適切な温度に加熱す
る第2の再焼結からなる2段の焼結を行なうものであ
り、これにより相対密度 90%以上の高密度ターゲットが
容易に得られる。
【0007】すなわち、本発明の第1発明は、原料粉末
を収容した減圧カプセルを使用する熱間静水圧プレス処
理を経るITOスパッタリングターゲットの製造方法に
おいて、カプセルの内面は、酸化物となったときITO
構成物質の主要成分のいずれよりも高い酸素または酸化
物解離圧を示す金属、その合金、またはその酸化物のい
ずれかであり、該熱間静水圧プレス処理後、ガス放出お
よび再焼結のための熱処理を施すことを特徴とするIT
Oスパッタリングターゲットの製造方法である。該発明
において、減圧カプセルの内面を構成する物質は、C
u,Niおよび貴金属のいずれか1種の金属、もしくは
2種以上の合金または前記金属の化合物のいずれかから
なるものとすること、また、減圧カプセルを、さらに外
カプセルに収納して減圧封止する2重カプセルを用いる
こと、さらに再焼結のための熱処理は、ガス放出のため
の熱処理後、熱間静水圧処理で使用したカプセルに収納
したまま、1350℃以下の温度による第1段の焼結処理
と、次いで1350℃以上、1600℃以下の温度による第2段
の焼結処理からなることとすることがそれぞれ望まし
い。ならびに本願の第2発明は、原料粉末を収容した減
圧カプセルを使用する熱間静水圧プレス処理を経るIT
Oスパッタリングターゲットの製造方法において、カプ
セルの内面は、酸化物となったときITO構成物質の主
要成分のいずれよりも高い酸素または酸化物解離圧を示
す金属、その合金、またはその酸化物のいずれかであ
り、該熱間静水圧プレス処理後、前記カプセル壁に貫通
孔をあけた後、加熱処理を施すことを特徴とするITO
スパッタリングターゲットの製造方法である。
【0008】
【作用】HIP処理ままのターゲット材は、前述のよう
に、酸素等のガスを過飽和に固溶して、内部応力を有し
た状態であり、また結合力自体も低い。このため、後工
程である機械加工等によって、または特に加熱状態で
は、このガス圧力が増加するため、亀裂等を発生し易
い。本発明は、このHIP処理ままのターゲットをガス
放出させて、再焼結させるものであるから、亀裂等を生
ずることなく、安全に高結合力を得さしめるものであ
る。したがって、機械加工、その他に対しても、十分な
抵抗性を有し、高歩留で、かつ高密度、高寿命のターゲ
ットが得られる。なお、HIPで用いるカプセルの内面
は、酸化物となった時、ITOの主要構成物質より高い
酸素または酸化物解離圧を示す金属から構成するものと
する。カプセル材質としては、Cu,Niが適当で、この
他、Co,Moや貴金属類も解離圧データから理論的に利
用可能であることがわかる。特にCo,Mo,貴金属類は、
内面へのめっきとしての利用が有利である。これらの金
属製のカプセルの内面は、酸化膜をを有していても、一
般に支障はない。しかし、酸化膜を形成している酸素
は、HIP処理中にITO原料に移行して、固溶ガス量
を増加することになるから、場合によってはガス放出処
理に配慮を要することになる。
【0009】本発明において、ガス放出処理および再焼
結処理は、HIP処理のままで未だ脆弱なターゲットに
対し、可能の限り過大な外力等の負担を加えないで行な
うことが肝要である。このため、ガス放出処理は、HI
Pで使用したカプセルを無理に除去することはせず、ド
リリングその他の方法により、カプセル壁に貫通孔を適
当数あけた後に行なうのがよい。ガス放出熱処理の昇温
速度、保持時間の最適値は、ターゲット材の厚みやHI
P条件により変化するから、先行テストにより定めるべ
きである。また、保持温度はHIP温度より100〜300℃
低くするのがよい。
【0010】また、再焼結熱処理は、ターゲットおよび
カプセル材料の許容できる適当な温度で、さらに焼結を
進行させて、カプセル除去作業を容易にする条件とする
とよい。また、例えば、カプセルを2重とすると都合が
よい。すなわち、第1の内側カプセルを薄肉の材料、例
えば、Ni板製等とし、原料をこれに収容して減圧封止
したのち、ほぼ形状を整えて、これをさらに軟鋼等製作
費が低廉で、かつ被削性の良好な材料でなる外カプセル
に収納して、減圧封止する。平板状材を得る場合など
は、内外、両カプセルの間に受圧板(スペーサー)をおけ
ば、内カプセルを平板状のまま圧密するのに便利である
のみならず、カプセル除去時にもターゲットに過大な力
を与えることが防止でき有利である。HIP処理温度の
範囲は、600℃以上1200℃以下とすることが望ましい。6
00℃未満の温度では、焼結作用が不十分で相対的に高圧
を必要とするためであり、また、1200℃以上では、IT
Oからの解離ガスおよびカプセル酸化物の解離ガスなど
の圧力が高くなり、より多量の過剰ガスをITOに固溶
させることとなり、後工程の取扱いがより破損し易くな
る。HIP圧密では、1200℃以上に上げることは特に必
要ではない。焼結は後工程の再焼結で補うからである。
【0011】
【実施例】
(実施例1)90wt%のIn23と10wt%のSnO2よりなる
ITO粉末を銅製カプセルに封入し、真空封止したの
ち、1000℃、1000気圧でHIP処理を行なった。次に銅
カプセルを注意深く除去して、密度を測定したところ相
対密度 93%を示したが、このカプセル除去後の製品を12
00℃で2時間予備焼結(再焼結)したところ、多数の亀裂
が入り、実際的にはバラバラになった。上記のHIPの
ままのターゲットのO2分析を行なったところ、17.6wt%
であったのに対し、熱処理亀裂品は16.9wt%であった。
このことから、上記のHIP処理ままのものは仮焼結品
より過剰の酸素を含んでいることがわかる。
【0012】(実施例2)実施例1と同様にしてHIP
処理した銅カプセルに5mmφの孔を20ヶあけて、初期は5
0℃/H、600℃以上は40℃/Hで昇温し、800℃にて6時間保
持したのち、1030℃で4時間の再焼結を行なった。カプ
セルは、焼結品に亀裂を生ずることなく、切削除去する
ことができ、取り出したITO焼結品を1550℃で3時間
焼結したところ、密度 96%のやはり亀裂のない152mmφ
ITOターゲットを得ることができた。
【0013】(実施例3)実施例1のITO粉末を造粒
したのち、2tf/cm2のCIP圧で圧密し、0.5mm厚さのN
i板製の箱形カプセルに収納し、真空排気ボックス中
で、電子ビーム溶接で真空封止した。このNi板製の箱
形カプセルの外形寸法は、150mm×200mm×25mmで、これ
を150mm×200mm×10mmの鉄板2枚で挾んで、鋼製のHI
P用カプセルに収納し、真空封止した。1100℃にて1000
気圧で2時間HIPしたのち、実施例2の要領で真空を
解放して、800℃の炉中にて5時間脱ガスしたのち、さら
に1200℃にて、3時間の第1の再焼結熱処理を行なった。
次に、鋼製カプセルを取り除いて、Ni箱を取り出し、
研磨によりITOターゲットを取り出し、さらに1550℃
にて3時間の再焼結熱処理を施した。かくして、相対密
度 97%のターゲットを得た。
【0014】このターゲットから100mmφ×6mmのITO
ターゲットを切り出して、寿命試験を行なった。この結
果、密度 85%の従来品の寿命が10時間であるのに対し
て、本品は18時間の長寿命を示した。なお、該実施例に
おけるNiカプセルの電子ビーム溶接に替えて、通常の
TIG溶接(カプセルの内部に酸化膜が形成された)と
し、他の条件を同一としたテストでも、ほぼ同様の製品
を得ることができた。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、相対密度 90%以上の
ITOスパッタリングターゲットを得る方法として昇温
圧密法が有利で、そのうち密封カプセル加圧法、つまり
HIP法では、解離酸素が重要な作用を及ぼす。本発明
は、HIP法でカプセルの内面をIn23の酸素を奪わ
ないようなものにすると同時に、第1発明はHIP終了
後、過飽和に溶けている酸素の追出熱処理および結合力
強化のための再焼結熱処理を行なうものであり、第2発
明は、HIP処理後のカプセル壁に貫通孔をあけた後、
加熱処理を施すものである。本発明は、HIP法を用い
るものであり、かつガス放出を行ないつつ、または放出
後、再焼結熱処理を行なうものであるから、高密度、し
たがって、高寿命のITOスパッタリングターゲット
を、亀裂を生ずることなく、機械加工等にも十分耐え得
る高い結合力を有して焼結することができ、高歩留の製
造を可能とする。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉末を収容した減圧カプセルを使用
    する熱間静水圧プレス処理を経るITOスパッタリング
    ターゲットの製造方法において、カプセルの内面は、酸
    化物となったときITO構成物質の主要成分のいずれよ
    りも高い酸素または酸化物解離圧を示す金属、その合
    金、またはその酸化物のいずれかであり、該熱間静水圧
    プレス処理後、ガス放出および再焼結のための熱処理を
    施すことを特徴とするITOスパッタリングターゲット
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 減圧カプセルの内面を構成する物質は、
    Cu,Niおよび貴金属のいずれか1種の金属、もしく
    は2種以上の合金または前記金属の化合物のいずれかか
    らなることを特徴とする請求項1のITOスパッタリン
    グターゲットの製造方法。
  3. 【請求項3】 減圧カプセルを、さらに外カプセルに収
    納して減圧封止する2重カプセルを用いることを特徴と
    する請求項1または2のITOスパッタリングターゲッ
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 再焼結のための熱処理は、ガス放出のた
    めの熱処理後、熱間静水圧処理で使用したカプセルに収
    納したまま、1350℃以下の温度による第1段の焼結処理
    と、次いで1350℃以上、1600℃以下の温度による第2段
    の焼結処理からなることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかのITOスパッタリングターゲットの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 原料粉末を収容した減圧カプセルを使用
    する熱間静水圧プレス処理を経るITOスパッタリング
    ターゲットの製造方法において、カプセルの内面は、酸
    化物となったときITO構成物質の主要成分のいずれよ
    りも高い酸素または酸化物解離圧を示す金属、その合
    金、またはその酸化物のいずれかであり、該熱間静水圧
    プレス処理後、前記カプセル壁に貫通孔をあけた後、加
    熱処理を施すことを特徴とするITOスパッタリングタ
    ーゲットの製造方法。
JP11575292A 1992-05-08 1992-05-08 Itoスパッタリングターゲットの製造方法 Pending JPH05311422A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5480532A (en) * 1994-03-09 1996-01-02 Leybold Materials Sputter target for cathodic atomization to produce transparent, conductive layers

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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