JPH05311408A - 球体用のインライン式アークイオンプレーティング装置 - Google Patents
球体用のインライン式アークイオンプレーティング装置Info
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- JPH05311408A JPH05311408A JP14210392A JP14210392A JPH05311408A JP H05311408 A JPH05311408 A JP H05311408A JP 14210392 A JP14210392 A JP 14210392A JP 14210392 A JP14210392 A JP 14210392A JP H05311408 A JPH05311408 A JP H05311408A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 多量の球体を連続的にコーティングすること
ができる球体用のアークイオンプレーティング装置を提
供する。 【構成】 真空引き可能なロック室1,3と、バイアス
電源に接続されるテーブル22を備えたコーティング室
2の少なくとも2室を開閉弁体4,5を介して連結し、
各室1,2,3には球体を保持するパレット8を搬送す
る搬送装置9,10,11が設けられており、前記パレ
ット8と前記テーブル22の双方又は何れか一方は前記
コーティング室2内において昇降自在であり、パレット
8は球体下方が突出するように球体を保持してテーブル
22と共に球体を転動させる保持部を有しており、パレ
ット8を第1方向に往復動させる第1駆動手段と、この
第1方向と交差する第2方向にテーブル22を往復動さ
せる第2駆動手段をコーティング室2に設ける。
ができる球体用のアークイオンプレーティング装置を提
供する。 【構成】 真空引き可能なロック室1,3と、バイアス
電源に接続されるテーブル22を備えたコーティング室
2の少なくとも2室を開閉弁体4,5を介して連結し、
各室1,2,3には球体を保持するパレット8を搬送す
る搬送装置9,10,11が設けられており、前記パレ
ット8と前記テーブル22の双方又は何れか一方は前記
コーティング室2内において昇降自在であり、パレット
8は球体下方が突出するように球体を保持してテーブル
22と共に球体を転動させる保持部を有しており、パレ
ット8を第1方向に往復動させる第1駆動手段と、この
第1方向と交差する第2方向にテーブル22を往復動さ
せる第2駆動手段をコーティング室2に設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空アーク放電を利用
して球体表面にコーティング膜を形成する球体用のイン
ライン式アークイオンプレーティング装置に係わり、特
に、多量の球体を連続的にコーティングすることができ
るものに関する。
して球体表面にコーティング膜を形成する球体用のイン
ライン式アークイオンプレーティング装置に係わり、特
に、多量の球体を連続的にコーティングすることができ
るものに関する。
【0002】
【従来の技術】出願人は先に特願平3−91369にお
いて、図6に示される球体用のアークイオンプレーティ
ング装置を提案した。この球体用のアークイオンプレー
ティング装置を図6により説明する。
いて、図6に示される球体用のアークイオンプレーティ
ング装置を提案した。この球体用のアークイオンプレー
ティング装置を図6により説明する。
【0003】図6において、このアークイオンプレーテ
ィング装置のコーティング室51内には蒸発源52とテ
ーブル53が設けられている。蒸発源52はTi、Zr
等の金属ターゲットであり、アーク電源54に接続され
ている。テーブル53はローラ56上に移動自在に載置
された上側部材55とローラ58上に移動自在に載置さ
れた下側部材57とから構成されており、図示しない駆
動装置によって、上側部材55は紙面厚み方向に往復動
し、下側部材57はこれと直角方向に往復動するように
なっている。この上側部材55と下側部材57はdの間
隔で平行に配置されており、下側部材57はバイアス電
源59に接続されている。図7に示すように上側部材5
5には複数の収納孔55aが形成されており、球体Sを
この収納孔55aに装入すると、球体Sは収納孔55a
内から下方に突出して下側部材57と接触し、球体Sは
上側部材55の収納孔55aと下側部材57とで保持さ
れるようになっている。
ィング装置のコーティング室51内には蒸発源52とテ
ーブル53が設けられている。蒸発源52はTi、Zr
等の金属ターゲットであり、アーク電源54に接続され
ている。テーブル53はローラ56上に移動自在に載置
された上側部材55とローラ58上に移動自在に載置さ
れた下側部材57とから構成されており、図示しない駆
動装置によって、上側部材55は紙面厚み方向に往復動
し、下側部材57はこれと直角方向に往復動するように
なっている。この上側部材55と下側部材57はdの間
隔で平行に配置されており、下側部材57はバイアス電
源59に接続されている。図7に示すように上側部材5
5には複数の収納孔55aが形成されており、球体Sを
この収納孔55aに装入すると、球体Sは収納孔55a
内から下方に突出して下側部材57と接触し、球体Sは
上側部材55の収納孔55aと下側部材57とで保持さ
れるようになっている。
【0004】つぎに、上述したアークイオンプレーティ
ング装置の作動を説明する。上側部材55の収納孔55
aと下側部材57とで球体Sを保持したテーブル53を
コーティング室51内に搬入し、コーティング室51内
を真空引きする。高真空状態としたコーティング室51
内で、蒸発源52を陰極としてアーク放電を起こすと、
アークはターゲット表面上にアークスポットを形成す
る。そして、このアークスポットに集中するアーク電流
のエネルギにより、ターゲット材は瞬間的に溶融蒸発す
ると同時に金属イオンとなり、コーティング室51内に
飛び出す。一方、テーブル53に保持された球体Sは下
側部材57と接触しているため、球体Sにはバイアス電
圧が印加されている。そして、上側部材55を紙面厚み
方向に往復動させ、下側部材57をこれと直角方向に往
復動させると、球体Sは転動し、上側部材55の収納孔
55a内から上方に突出する球体Sの球面部分は順次交
替する。これにより、コーティング室51内に飛び出し
た金属イオンは、球体Sの表面にくまなく密着し、球体
Sの表面には均一なコーティング膜が形成される。
ング装置の作動を説明する。上側部材55の収納孔55
aと下側部材57とで球体Sを保持したテーブル53を
コーティング室51内に搬入し、コーティング室51内
を真空引きする。高真空状態としたコーティング室51
内で、蒸発源52を陰極としてアーク放電を起こすと、
アークはターゲット表面上にアークスポットを形成す
る。そして、このアークスポットに集中するアーク電流
のエネルギにより、ターゲット材は瞬間的に溶融蒸発す
ると同時に金属イオンとなり、コーティング室51内に
飛び出す。一方、テーブル53に保持された球体Sは下
側部材57と接触しているため、球体Sにはバイアス電
圧が印加されている。そして、上側部材55を紙面厚み
方向に往復動させ、下側部材57をこれと直角方向に往
復動させると、球体Sは転動し、上側部材55の収納孔
55a内から上方に突出する球体Sの球面部分は順次交
替する。これにより、コーティング室51内に飛び出し
た金属イオンは、球体Sの表面にくまなく密着し、球体
Sの表面には均一なコーティング膜が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】出願人が先に提案した
球体用のアークイオンプレーティング装置は、上側部材
55と下側部材57の関係があらかじめ組立調整されて
おり、球体Sのテーブル53への装着はコーティング毎
に必要となる。このため、真空引き、コーティング、冷
却等の全行程を1室のみで行うバッチ式といわれるもの
には適用できるが、各行程を行う専用のチャンバ(室)
を複数連結し、これらのチャンバに球体Sを保持したパ
レットを順次送り込むことによって連続的に処理を行う
インライン式といわれるものには適用できない。また、
球体Sを上側部材55の収納孔55a内から下方に突出
させることによって、球体Sと下側部材57とを接触さ
せ、球体Sをバイアス電圧が印加された状態で転動させ
るものであるため、コーティングする球体Sの径が小さ
い場合には、上側部材55と下側部材57の間隔dを微
小なものとしなければならない。例えば、球体の径が1
0mmである場合には、間隔dを1.5〜2mm程度と
する必要がある。このため、径の小さい球体Sを一度に
多量に(例えば、3000個)コーティングする場合に
は、上側部材55と下側部材57は縦横に長いもの(例
えば、500mm×1000mm)となるが、そのとき
に全ての球体Sを下側部材57と接触させ、球体Sをバ
イアス電圧が印加された状態で転動させるためには、上
側部材55と下側部材57の平行度をかなり高精度のも
のとしなければならない。従って、多量の球体Sを一度
にコーティングすることには適していないという問題点
を有している。
球体用のアークイオンプレーティング装置は、上側部材
55と下側部材57の関係があらかじめ組立調整されて
おり、球体Sのテーブル53への装着はコーティング毎
に必要となる。このため、真空引き、コーティング、冷
却等の全行程を1室のみで行うバッチ式といわれるもの
には適用できるが、各行程を行う専用のチャンバ(室)
を複数連結し、これらのチャンバに球体Sを保持したパ
レットを順次送り込むことによって連続的に処理を行う
インライン式といわれるものには適用できない。また、
球体Sを上側部材55の収納孔55a内から下方に突出
させることによって、球体Sと下側部材57とを接触さ
せ、球体Sをバイアス電圧が印加された状態で転動させ
るものであるため、コーティングする球体Sの径が小さ
い場合には、上側部材55と下側部材57の間隔dを微
小なものとしなければならない。例えば、球体の径が1
0mmである場合には、間隔dを1.5〜2mm程度と
する必要がある。このため、径の小さい球体Sを一度に
多量に(例えば、3000個)コーティングする場合に
は、上側部材55と下側部材57は縦横に長いもの(例
えば、500mm×1000mm)となるが、そのとき
に全ての球体Sを下側部材57と接触させ、球体Sをバ
イアス電圧が印加された状態で転動させるためには、上
側部材55と下側部材57の平行度をかなり高精度のも
のとしなければならない。従って、多量の球体Sを一度
にコーティングすることには適していないという問題点
を有している。
【0006】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、多量の球体を連続的にコーティングすることが
できる球体用のインライン式アークイオンプレーティン
グ装置を提供しようとするものである。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、多量の球体を連続的にコーティングすることが
できる球体用のインライン式アークイオンプレーティン
グ装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明の球体用のインライン式アークイオンプレー
ティング装置は、真空引き可能なロック室と、バイアス
電源に接続されるテーブルを備えたアークイオンプレー
ティング可能なコーティング室の少なくとも2室を開閉
弁体を介して連結し、各室には球体を保持するパレット
を出し入れ可能とする搬送装置が設けられた球体用のイ
ンライン式アークイオンプレーティング装置において、
前記パレットと前記テーブルの双方又は何れか一方は前
記コーティング室内において昇降自在であり、パレット
は球体下方が突出するように球体を保持してテーブルと
共に球体を転動させる保持部を有しており、パレットを
第1方向に往復動させる第1駆動手段と、この第1方向
と交差する第2方向にテーブルを往復動させる第2駆動
手段をコーティング室に設けたものである。
に、本発明の球体用のインライン式アークイオンプレー
ティング装置は、真空引き可能なロック室と、バイアス
電源に接続されるテーブルを備えたアークイオンプレー
ティング可能なコーティング室の少なくとも2室を開閉
弁体を介して連結し、各室には球体を保持するパレット
を出し入れ可能とする搬送装置が設けられた球体用のイ
ンライン式アークイオンプレーティング装置において、
前記パレットと前記テーブルの双方又は何れか一方は前
記コーティング室内において昇降自在であり、パレット
は球体下方が突出するように球体を保持してテーブルと
共に球体を転動させる保持部を有しており、パレットを
第1方向に往復動させる第1駆動手段と、この第1方向
と交差する第2方向にテーブルを往復動させる第2駆動
手段をコーティング室に設けたものである。
【0008】また、前記パレットを搬送装置で搬送され
る枠体と、枠体内で上下動可能に支持され前記保持部を
有する球体保持板とから構成することもできる。
る枠体と、枠体内で上下動可能に支持され前記保持部を
有する球体保持板とから構成することもできる。
【0009】
【作用】球体を保持部で保持した状態でパレットは搬送
装置によって各室に出入りし、コーティング室内におい
て、パレットとテーブルを接近させると、球体は下方が
突出するようにパレットの保持部に保持されているため
テーブルと接触し、パレットとテーブルの各々を交差す
る方向に往復動させることによって、球体はバイアス電
圧が印加された状態でテーブル上で転動する。
装置によって各室に出入りし、コーティング室内におい
て、パレットとテーブルを接近させると、球体は下方が
突出するようにパレットの保持部に保持されているため
テーブルと接触し、パレットとテーブルの各々を交差す
る方向に往復動させることによって、球体はバイアス電
圧が印加された状態でテーブル上で転動する。
【0010】また、前記パレットを搬送装置で搬送され
る枠体と、枠体内で上下動可能に支持され保持部を有す
る球体保持板とから構成すると、球体保持板の枠体内で
の上下動がパレットとテーブルの平行差を吸収する。
る枠体と、枠体内で上下動可能に支持され保持部を有す
る球体保持板とから構成すると、球体保持板の枠体内で
の上下動がパレットとテーブルの平行差を吸収する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明の球体用のインライン式アークイ
オンプレーティング装置の模式図、図2はコーティング
室の断面図、図3はパレットの断面図である。
明する。図1は本発明の球体用のインライン式アークイ
オンプレーティング装置の模式図、図2はコーティング
室の断面図、図3はパレットの断面図である。
【0012】図1において、この球体用のインライン式
アークイオンプレーティング装置は第1ロック室1、コ
ーティング室2及び第2ロック室3を開閉自在なゲート
バルブ4、5を介して連結したものであり、第1ロック
室1の搬入側と第2ロック室3の搬出側にも開閉自在な
ゲートバルブ6、7が設けられている。各室1、2、3
には球体Sを保持したパレット8を搬送方向(図1の矢
印A方向)に搬送する搬送ローラ9、10、11が設け
られており、また、各室1、2、3内を所定圧まで真空
引きする排気ポンプ12、13、14が接続されてい
る。さらに、コーティング室2にはガス導入バルブ15
が接続されており、N2 、CH4 等のプロセスガスをコ
ーティング室2内に供給するようになっている。
アークイオンプレーティング装置は第1ロック室1、コ
ーティング室2及び第2ロック室3を開閉自在なゲート
バルブ4、5を介して連結したものであり、第1ロック
室1の搬入側と第2ロック室3の搬出側にも開閉自在な
ゲートバルブ6、7が設けられている。各室1、2、3
には球体Sを保持したパレット8を搬送方向(図1の矢
印A方向)に搬送する搬送ローラ9、10、11が設け
られており、また、各室1、2、3内を所定圧まで真空
引きする排気ポンプ12、13、14が接続されてい
る。さらに、コーティング室2にはガス導入バルブ15
が接続されており、N2 、CH4 等のプロセスガスをコ
ーティング室2内に供給するようになっている。
【0013】図2に示すように、コーティング室2には
蒸発源21とテーブル22が設けられている。蒸発源2
1はTi、Zr等の金属ターゲットであり、蒸発源(陰
極)21の相手となる陽極23と共にアーク電源24に
接続されている。テーブル22は支持台25に設けたロ
ーラ26上に載置されており、バイアス電源27に接続
されている。そして、コーティング室2の下部に設置し
た昇降シリンダ28を作動させて支持台25を昇降させ
ることによって、テーブル22は昇降自在となってい
る。また、テーブル22の下部はロッド29を介して駆
動シリンダ30に連結されており、駆動シリンダ30を
作動させることによって、テーブル22はパレット8の
搬送方向(紙面の裏側から表側に向かう方向)と直角に
往復動するようになっている。
蒸発源21とテーブル22が設けられている。蒸発源2
1はTi、Zr等の金属ターゲットであり、蒸発源(陰
極)21の相手となる陽極23と共にアーク電源24に
接続されている。テーブル22は支持台25に設けたロ
ーラ26上に載置されており、バイアス電源27に接続
されている。そして、コーティング室2の下部に設置し
た昇降シリンダ28を作動させて支持台25を昇降させ
ることによって、テーブル22は昇降自在となってい
る。また、テーブル22の下部はロッド29を介して駆
動シリンダ30に連結されており、駆動シリンダ30を
作動させることによって、テーブル22はパレット8の
搬送方向(紙面の裏側から表側に向かう方向)と直角に
往復動するようになっている。
【0014】パレット8は搬送ローラ9、10、11に
よって搬送される枠体35と、枠体35に形成した凹部
35aに支持された球体保持板36とから構成されてい
る。図3に示すように、枠体35の凹部35aには調整
幅hが設けられており、球体保持板36は凹部35a内
においてこの調整幅h内で上下動可能となっている。ま
た、球体保持板36には保持部37が形成されている。
この保持部37は下部に小径部37aを有する貫通孔で
あり、球体Sをこの保持部37に装入すると、球体Sは
小径部37aで保持され、球体Sの下部が保持部37内
から下方に突出するようになっており、このようにして
球体保持板36の保持部37の小径部37aで球体Sを
保持した状態で、枠体35を搬送ローラ9、10、11
によって搬送することによって、球体Sを保持したパレ
ット8を各室1、2、3に順次送り込むことができるよ
うになっている。このとき、搬送ローラ9、10、11
と接触するのは枠体35だけであり、球体保持板36は
2つの枠体35の凹部35aに支持された状態で搬送さ
れるため、球体Sは搬送中に搬送ローラ9、10、11
等と接触することはない。さらに、球体保持板36の保
持部37の小径部37aで球体Sを保持したパレット8
をコーティング室2内に搬入し、テーブル22を上昇さ
せると、二点鎖線で示したように、球体保持板36は枠
体35の凹部35a内で上昇し、球体Sはテーブル22
と接触してバイアス電圧が印加され、球体Sの上部は保
持部37内から上方に突出するようになっている。
よって搬送される枠体35と、枠体35に形成した凹部
35aに支持された球体保持板36とから構成されてい
る。図3に示すように、枠体35の凹部35aには調整
幅hが設けられており、球体保持板36は凹部35a内
においてこの調整幅h内で上下動可能となっている。ま
た、球体保持板36には保持部37が形成されている。
この保持部37は下部に小径部37aを有する貫通孔で
あり、球体Sをこの保持部37に装入すると、球体Sは
小径部37aで保持され、球体Sの下部が保持部37内
から下方に突出するようになっており、このようにして
球体保持板36の保持部37の小径部37aで球体Sを
保持した状態で、枠体35を搬送ローラ9、10、11
によって搬送することによって、球体Sを保持したパレ
ット8を各室1、2、3に順次送り込むことができるよ
うになっている。このとき、搬送ローラ9、10、11
と接触するのは枠体35だけであり、球体保持板36は
2つの枠体35の凹部35aに支持された状態で搬送さ
れるため、球体Sは搬送中に搬送ローラ9、10、11
等と接触することはない。さらに、球体保持板36の保
持部37の小径部37aで球体Sを保持したパレット8
をコーティング室2内に搬入し、テーブル22を上昇さ
せると、二点鎖線で示したように、球体保持板36は枠
体35の凹部35a内で上昇し、球体Sはテーブル22
と接触してバイアス電圧が印加され、球体Sの上部は保
持部37内から上方に突出するようになっている。
【0015】図2に戻って、パレット8を搬送方向に搬
送する搬送ローラ10の駆動軸10aは駆動装置40に
接続されている。また、搬送ローラ10の上部には押付
ローラ41とガイドローラ42が配置されている。そし
て、搬送ローラ10と押付ローラ41とで枠体35を挟
持した状態で、駆動装置40の回転方向を交互に切り替
えると、パレット8を搬送方向に往復動させることがで
きるようになっている。また、パレット8の横方向8
(パレット8の搬送方向と直角方向)の移動はガイドロ
ーラ42によって規制されるようになっている。
送する搬送ローラ10の駆動軸10aは駆動装置40に
接続されている。また、搬送ローラ10の上部には押付
ローラ41とガイドローラ42が配置されている。そし
て、搬送ローラ10と押付ローラ41とで枠体35を挟
持した状態で、駆動装置40の回転方向を交互に切り替
えると、パレット8を搬送方向に往復動させることがで
きるようになっている。また、パレット8の横方向8
(パレット8の搬送方向と直角方向)の移動はガイドロ
ーラ42によって規制されるようになっている。
【0016】つぎに、上述した構造の球体用のインライ
ン式アークイオンプレーティング装置の作動を説明す
る。第1ロック室1に大気を導入して第1ロック室1を
大気状態とし、ゲートバルブ6を開く。そして、球体保
持板36の保持部37の小径部37aで球体Sを保持し
たパレット8を第1ロック室1内に搬入し、ゲートバル
ブ6を閉じる。そして、第1ロック室1を排気ポンプ1
2で所定圧まで真空引きする。つぎに、ゲートバルブ4
を開いてパレット8をコーティング室2内に搬入し、ゲ
ートバルブ4を閉じる。コーティング室2は排気ポンプ
13で真空引きされており、さらに高真空状態となるま
で真空引きする。高真空状態としたコーティング室2内
で蒸発源21を陰極としてアーク放電を起こすと、ター
ゲット材は瞬間的に溶融蒸発すると同時に金属イオンと
なり、コーティング室2内に飛び出す。また、ガス導入
バルブ15からN2 、CH4 等のプロセスガスをコーテ
ィング室2内に供給する。
ン式アークイオンプレーティング装置の作動を説明す
る。第1ロック室1に大気を導入して第1ロック室1を
大気状態とし、ゲートバルブ6を開く。そして、球体保
持板36の保持部37の小径部37aで球体Sを保持し
たパレット8を第1ロック室1内に搬入し、ゲートバル
ブ6を閉じる。そして、第1ロック室1を排気ポンプ1
2で所定圧まで真空引きする。つぎに、ゲートバルブ4
を開いてパレット8をコーティング室2内に搬入し、ゲ
ートバルブ4を閉じる。コーティング室2は排気ポンプ
13で真空引きされており、さらに高真空状態となるま
で真空引きする。高真空状態としたコーティング室2内
で蒸発源21を陰極としてアーク放電を起こすと、ター
ゲット材は瞬間的に溶融蒸発すると同時に金属イオンと
なり、コーティング室2内に飛び出す。また、ガス導入
バルブ15からN2 、CH4 等のプロセスガスをコーテ
ィング室2内に供給する。
【0017】一方、コーティング室2内に搬入されたパ
レット8に向かって、昇降シリンダ28を伸長させるこ
とにより支持台25を介してテーブル22を上昇させる
と、図3の二点鎖線で示したように、球体保持板36は
枠体35の凹部35a内で上昇し、球体Sはテーブル2
2と接触してバイアス電圧が印加される。そして、球体
Sの上部が保持部37内から上方に突出する。このと
き、パレット8とテーブル22に多少の平行差があった
としても、枠体35の凹部35aには調整幅hが設けら
れており、球体保持板36は凹部35a内においてこの
調整幅h内で上下動可能となっているため、球体保持板
36はテーブル22と沿う向きに傾いてパレット8とテ
ーブル22の平行差を吸収し、球体保持板36の保持部
37の小径部37aで保持された球体Sは全てテーブル
22と接触する。そして、球体Sとテーブル22とが接
触した状態で、駆動シリンダ30を伸長・縮小させる
と、テーブル22はパレット8の搬送方向と直角に往復
動し、搬送ローラ10の駆動装置40の回転方向を交互
に切り替えると、パレット8は搬送方向に往復動する。
その結果、球体Sはバイアス電圧が印加された状態でテ
ーブル22上で転動し、球体保持板36の保持部37内
から上方に突出する球体Sの球面部分は順次交替する。
これにより、コーティング室2内に飛び出した金属イオ
ンは、プロセスガス粒子とともに球体Sの表面にくまな
く密着し、球体Sの表面には均一なコーティング膜が形
成される。
レット8に向かって、昇降シリンダ28を伸長させるこ
とにより支持台25を介してテーブル22を上昇させる
と、図3の二点鎖線で示したように、球体保持板36は
枠体35の凹部35a内で上昇し、球体Sはテーブル2
2と接触してバイアス電圧が印加される。そして、球体
Sの上部が保持部37内から上方に突出する。このと
き、パレット8とテーブル22に多少の平行差があった
としても、枠体35の凹部35aには調整幅hが設けら
れており、球体保持板36は凹部35a内においてこの
調整幅h内で上下動可能となっているため、球体保持板
36はテーブル22と沿う向きに傾いてパレット8とテ
ーブル22の平行差を吸収し、球体保持板36の保持部
37の小径部37aで保持された球体Sは全てテーブル
22と接触する。そして、球体Sとテーブル22とが接
触した状態で、駆動シリンダ30を伸長・縮小させる
と、テーブル22はパレット8の搬送方向と直角に往復
動し、搬送ローラ10の駆動装置40の回転方向を交互
に切り替えると、パレット8は搬送方向に往復動する。
その結果、球体Sはバイアス電圧が印加された状態でテ
ーブル22上で転動し、球体保持板36の保持部37内
から上方に突出する球体Sの球面部分は順次交替する。
これにより、コーティング室2内に飛び出した金属イオ
ンは、プロセスガス粒子とともに球体Sの表面にくまな
く密着し、球体Sの表面には均一なコーティング膜が形
成される。
【0018】なお、パレット8の搬送方向の往復動は、
搬送ローラ10の上部に押付ローラ41を配置し、搬送
ローラ10と押付ローラ41とで枠体35を挟持した状
態で行っている。これは、搬送ローラ10上にパレット
8の枠体35を載置しただけの場合には、テーブル22
を上昇させて球体保持板36と球体Sをテーブル22と
接触させると、搬送ローラ10に作用するパレット8に
よる下向きの力は枠体35の重量だけとなり、この状態
で搬送装置40によって搬送ローラ10を回転させたと
しても、枠体35をあまり重くすることはできないため
(枠体35を重くすると、枠体35のハンドリングに不
利となる)、枠体35と搬送ローラ10の接触面に充分
な摩擦力を得ることができず、パレット8を搬送方向に
確実に往復動させることができないからである。また、
テーブル22を駆動シリンダ30によってパレット8の
搬送方向と直角に往復動させると、それに伴って球体保
持板36には球体保持板36を同方向に往復動させよう
とする力が作用するが、この動きはガイドローラ42に
よって規制される。
搬送ローラ10の上部に押付ローラ41を配置し、搬送
ローラ10と押付ローラ41とで枠体35を挟持した状
態で行っている。これは、搬送ローラ10上にパレット
8の枠体35を載置しただけの場合には、テーブル22
を上昇させて球体保持板36と球体Sをテーブル22と
接触させると、搬送ローラ10に作用するパレット8に
よる下向きの力は枠体35の重量だけとなり、この状態
で搬送装置40によって搬送ローラ10を回転させたと
しても、枠体35をあまり重くすることはできないため
(枠体35を重くすると、枠体35のハンドリングに不
利となる)、枠体35と搬送ローラ10の接触面に充分
な摩擦力を得ることができず、パレット8を搬送方向に
確実に往復動させることができないからである。また、
テーブル22を駆動シリンダ30によってパレット8の
搬送方向と直角に往復動させると、それに伴って球体保
持板36には球体保持板36を同方向に往復動させよう
とする力が作用するが、この動きはガイドローラ42に
よって規制される。
【0019】コーティング室2内におけるコーティング
作業が終了すると、ゲートバルブ5を開いて第2ロック
室3内にパレット8を搬入し、ゲートバルブ5を閉じ
る。第2ロック室3は排気ポンプ14で所定圧まで真空
引きされており、この第2ロック室3内で表面にコーテ
ィング膜が形成された球体Sの冷却を行う。この間、コ
ーティング室2内では、次のパレット8に保持された球
体Sに対してコーティング作業が行われている。第2ロ
ック室3での冷却が終了すると、第2ロック室3に大気
を導入して第2ロック室3を大気状態とする。そして、
ゲートバルブ7を開いてパレット8を機外に搬出し、ゲ
ートバルブ7を閉じて第2ロック室3を所定圧まで真空
引きして全工程が終了する。
作業が終了すると、ゲートバルブ5を開いて第2ロック
室3内にパレット8を搬入し、ゲートバルブ5を閉じ
る。第2ロック室3は排気ポンプ14で所定圧まで真空
引きされており、この第2ロック室3内で表面にコーテ
ィング膜が形成された球体Sの冷却を行う。この間、コ
ーティング室2内では、次のパレット8に保持された球
体Sに対してコーティング作業が行われている。第2ロ
ック室3での冷却が終了すると、第2ロック室3に大気
を導入して第2ロック室3を大気状態とする。そして、
ゲートバルブ7を開いてパレット8を機外に搬出し、ゲ
ートバルブ7を閉じて第2ロック室3を所定圧まで真空
引きして全工程が終了する。
【0020】このように、真空引き、コーティング、冷
却の各工程を行う専用のチャンバ1、2、3をゲートバ
ルブ4、5を介して連結したインライン式のものであっ
ても、球体Sを保持部37で保持した状態で、パレット
8は搬送ローラ9、10、11によって各チャンバ1、
2、3に出入りすることができる。そして、コーティン
グ室2内においては、バイアス電圧が印加された状態で
球体Sをテーブル22上で転動させることによって、球
体Sの表面に均一なコーティング膜を形成することがで
きる。従って、球体のコーティングをインライン式によ
って行うことが可能となり、球体のコーティングを連続
的に行うことができるようになる。また、パレット8と
テーブル22に多少の平行差があったとしても、球体保
持板36の枠体35内での上下動がパレット8とテーブ
ル22の平行差を吸収するため、パレット8とテーブル
22の平行度に高い精度を必要としない。このため、パ
レット8が径の小さい球体Sを多量に(例えば、300
0個)保持した縦横に長いもの(例えば、500mm×
1000mm)である場合であっても、球体保持板36
の保持部37の小径部37aで保持された多量の球体S
は全てテーブル22と接触し、全ての球体Sはバイアス
電圧が印加された状態でテーブル22上で転動するた
め、全ての球体Sの表面に均一なコーティング膜が形成
されることになる。従って、縦横に長いパレットを用い
ることが可能となり、多量の球体を一度にコーティング
することができるようになる。
却の各工程を行う専用のチャンバ1、2、3をゲートバ
ルブ4、5を介して連結したインライン式のものであっ
ても、球体Sを保持部37で保持した状態で、パレット
8は搬送ローラ9、10、11によって各チャンバ1、
2、3に出入りすることができる。そして、コーティン
グ室2内においては、バイアス電圧が印加された状態で
球体Sをテーブル22上で転動させることによって、球
体Sの表面に均一なコーティング膜を形成することがで
きる。従って、球体のコーティングをインライン式によ
って行うことが可能となり、球体のコーティングを連続
的に行うことができるようになる。また、パレット8と
テーブル22に多少の平行差があったとしても、球体保
持板36の枠体35内での上下動がパレット8とテーブ
ル22の平行差を吸収するため、パレット8とテーブル
22の平行度に高い精度を必要としない。このため、パ
レット8が径の小さい球体Sを多量に(例えば、300
0個)保持した縦横に長いもの(例えば、500mm×
1000mm)である場合であっても、球体保持板36
の保持部37の小径部37aで保持された多量の球体S
は全てテーブル22と接触し、全ての球体Sはバイアス
電圧が印加された状態でテーブル22上で転動するた
め、全ての球体Sの表面に均一なコーティング膜が形成
されることになる。従って、縦横に長いパレットを用い
ることが可能となり、多量の球体を一度にコーティング
することができるようになる。
【0021】なお、上記実施例では、コーティング室2
内のパレット8を搬送方向に往復動させ、テーブル22
をこれと直角方向に往復動させることによって、球体S
をテーブル22上で転動させるものについて説明した
が、テーブル22を搬送方向に往復動させ、パレット8
をこれと直角方向に往復動させることによって、球体S
をテーブル22上で転動させることも可能であり、この
場合にも上記実施例と同様の効果を奏する。さらに、上
記実施例では、コーティング室2内でテーブル22を上
昇させることによって、球体Sとテーブル22とを接触
させるものについて説明したが、パレット8を下降させ
ることによって、又は、テーブル22を上昇させパレッ
ト8を下降させることによって、球体Sとテーブル22
とを接触させることもできる。
内のパレット8を搬送方向に往復動させ、テーブル22
をこれと直角方向に往復動させることによって、球体S
をテーブル22上で転動させるものについて説明した
が、テーブル22を搬送方向に往復動させ、パレット8
をこれと直角方向に往復動させることによって、球体S
をテーブル22上で転動させることも可能であり、この
場合にも上記実施例と同様の効果を奏する。さらに、上
記実施例では、コーティング室2内でテーブル22を上
昇させることによって、球体Sとテーブル22とを接触
させるものについて説明したが、パレット8を下降させ
ることによって、又は、テーブル22を上昇させパレッ
ト8を下降させることによって、球体Sとテーブル22
とを接触させることもできる。
【0022】また、上記実施例では、パレット8の横方
向の動きをガイドローラ42によって規制しているが、
図4に示したように、枠体44に凹部44aを設け、こ
の凹部44aと搬送ローラ10との係合によって、パレ
ット8の横方向の動きを規制することもできる。さら
に、上記実施例では、パレット8を搬送方向に搬送する
搬送ローラ10の駆動装置40を用いることによって、
パレット8を搬送方向に往復動させるものについて説明
したが、図5に示したように、枠体35の側部に搬送方
向に所定の長さを有するラック45を取着し、このラッ
ク45をピニオン46と噛み合わせ、ピニオン46の回
転方向を駆動装置47により交互に切り替えることによ
って、パレット8を搬送方向に往復動させることもでき
る。この場合には、ラック45とピニオン46の噛み合
いによってピニオン46の回転力はラック45に伝達さ
れるため、パレット8を搬送方向に確実に往復動させる
ことが可能となり、押付ローラ41は不要となる。ま
た、搬送ローラ10は搬送専用となる。
向の動きをガイドローラ42によって規制しているが、
図4に示したように、枠体44に凹部44aを設け、こ
の凹部44aと搬送ローラ10との係合によって、パレ
ット8の横方向の動きを規制することもできる。さら
に、上記実施例では、パレット8を搬送方向に搬送する
搬送ローラ10の駆動装置40を用いることによって、
パレット8を搬送方向に往復動させるものについて説明
したが、図5に示したように、枠体35の側部に搬送方
向に所定の長さを有するラック45を取着し、このラッ
ク45をピニオン46と噛み合わせ、ピニオン46の回
転方向を駆動装置47により交互に切り替えることによ
って、パレット8を搬送方向に往復動させることもでき
る。この場合には、ラック45とピニオン46の噛み合
いによってピニオン46の回転力はラック45に伝達さ
れるため、パレット8を搬送方向に確実に往復動させる
ことが可能となり、押付ローラ41は不要となる。ま
た、搬送ローラ10は搬送専用となる。
【0023】そして、パレットの搬送装置は、上記実施
例で示したローラ式のものに限らず、コンベア式のもの
等とすることもできる。また、パレットについても、1
個のパレットを搬送方向に複数に分割したものを一組と
し、この一組毎に各室内に順次搬送する分割方式とする
こともできる。さらに、球体保持板についても、1個の
パレットの枠体で支持する球体保持板を搬送方向に複数
に分割することもできる。
例で示したローラ式のものに限らず、コンベア式のもの
等とすることもできる。また、パレットについても、1
個のパレットを搬送方向に複数に分割したものを一組と
し、この一組毎に各室内に順次搬送する分割方式とする
こともできる。さらに、球体保持板についても、1個の
パレットの枠体で支持する球体保持板を搬送方向に複数
に分割することもできる。
【0024】さらに、上記実施例では、インライン式ア
ークイオンプレーティング装置の中でも基本形であると
ころのコーティング室の前後にロック室を配置した3室
形のものについて説明したが、第1ロック室とコーティ
ング室の間に予熱室を配置したり、コーティング室を2
室配置したりした4室形、5室形のもの、また、ロック
室とコーティング室だけの2室形のもの等にも同様に適
用することができ、上記実施例と同様の効果を奏する。
ークイオンプレーティング装置の中でも基本形であると
ころのコーティング室の前後にロック室を配置した3室
形のものについて説明したが、第1ロック室とコーティ
ング室の間に予熱室を配置したり、コーティング室を2
室配置したりした4室形、5室形のもの、また、ロック
室とコーティング室だけの2室形のもの等にも同様に適
用することができ、上記実施例と同様の効果を奏する。
【0025】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので以下に記載する効果を奏する。真空引き、コーティ
ング、冷却等の各工程を行う専用のチャンバを開閉弁体
を介して連結したインライン式のものであっても、球体
を保持部で保持した状態で、パレットは搬送装置によっ
て各チャンバに出入りすることができる。そして、コー
ティング室内においては、バイアス電圧が印加された状
態で球体をテーブル上で転動させることによって、球体
の表面に均一なコーティング膜を形成することができ
る。従って、球体のコーティングをインライン式によっ
て行うことが可能となり、球体のコーティングを連続的
に行うことができるようになる。
ので以下に記載する効果を奏する。真空引き、コーティ
ング、冷却等の各工程を行う専用のチャンバを開閉弁体
を介して連結したインライン式のものであっても、球体
を保持部で保持した状態で、パレットは搬送装置によっ
て各チャンバに出入りすることができる。そして、コー
ティング室内においては、バイアス電圧が印加された状
態で球体をテーブル上で転動させることによって、球体
の表面に均一なコーティング膜を形成することができ
る。従って、球体のコーティングをインライン式によっ
て行うことが可能となり、球体のコーティングを連続的
に行うことができるようになる。
【0026】また、パレットを搬送装置で搬送される枠
体と、枠体内で上下動可能に支持され保持部を有する球
体保持板とから構成すると、パレットとテーブルに多少
の平行差があったとしても、球体保持板の枠体内での上
下動がパレットとテーブルの平行差を吸収するため、パ
レットとテーブルの平行度に高い精度を必要としない。
このため、パレットが径の小さい球体を多量に保持した
縦横に長いものである場合であっても、球体保持板の保
持部で保持された多量の球体は全てテーブルと接触し、
全ての球体はバイアス電圧が印加された状態でテーブル
上で転動するため、全ての球体の表面に均一なコーティ
ング膜が形成されることになる。従って、縦横に長いパ
レットを用いることが可能となり、多量の球体を一度に
コーティングすることができるようになる。
体と、枠体内で上下動可能に支持され保持部を有する球
体保持板とから構成すると、パレットとテーブルに多少
の平行差があったとしても、球体保持板の枠体内での上
下動がパレットとテーブルの平行差を吸収するため、パ
レットとテーブルの平行度に高い精度を必要としない。
このため、パレットが径の小さい球体を多量に保持した
縦横に長いものである場合であっても、球体保持板の保
持部で保持された多量の球体は全てテーブルと接触し、
全ての球体はバイアス電圧が印加された状態でテーブル
上で転動するため、全ての球体の表面に均一なコーティ
ング膜が形成されることになる。従って、縦横に長いパ
レットを用いることが可能となり、多量の球体を一度に
コーティングすることができるようになる。
【図1】本発明の球体用のインライン式アークイオンプ
レーティング装置の模式図である。
レーティング装置の模式図である。
【図2】コーティング室の断面図である。
【図3】パレットの断面図である。
【図4】他のパレットの断面図である。
【図5】他の第1駆動手段を示した断面図である。
【図6】従来のアークイオンプレーティング装置の模式
図である。
図である。
【図7】従来のテーブルの断面図である。
1 第1ロック室 2 コーティング室 3 第2ロック室 4、5、6、7 ゲートバルブ(開閉弁体) 8 パレット 9、10、11 搬送ローラ(搬送装置) 21 蒸発源 22 テーブル 24 アーク電源 27 バイアス電源 30 駆動シリンダ(第2駆動手段) 35 枠体 36 球体保持板 37 保持部 40 駆動装置(第1駆動手段) S 球体
Claims (2)
- 【請求項1】 真空引き可能なロック室と、バイアス電
源に接続されるテーブルを備えたアークイオンプレーテ
ィング可能なコーティング室の少なくとも2室を開閉弁
体を介して連結し、各室には球体を保持するパレットを
出し入れ可能とする搬送装置が設けられた球体用のイン
ライン式アークイオンプレーティング装置において、 前記パレットと前記テーブルの双方又は何れか一方は前
記コーティング室内において昇降自在であり、パレット
は球体下方が突出するように球体を保持してテーブルと
共に球体を転動させる保持部を有しており、パレットを
第1方向に往復動させる第1駆動手段と、この第1方向
と交差する第2方向にテーブルを往復動させる第2駆動
手段をコーティング室に設けたことを特徴とする球体用
のインライン式アークイオンプレーティング装置。 - 【請求項2】 前記パレットは搬送装置で搬送される枠
体と、枠体内で上下動可能に支持され前記保持部を有す
る球体保持板とからなることを特徴とする請求項1記載
の球体用のインライン式アークイオンプレーティング装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14210392A JPH05311408A (ja) | 1992-05-06 | 1992-05-06 | 球体用のインライン式アークイオンプレーティング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14210392A JPH05311408A (ja) | 1992-05-06 | 1992-05-06 | 球体用のインライン式アークイオンプレーティング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05311408A true JPH05311408A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=15307504
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14210392A Pending JPH05311408A (ja) | 1992-05-06 | 1992-05-06 | 球体用のインライン式アークイオンプレーティング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05311408A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08271388A (ja) * | 1995-03-28 | 1996-10-18 | M & K:Kk | 球体回転用試料ホルダー |
WO2012018075A1 (ja) * | 2010-08-04 | 2012-02-09 | 株式会社島津製作所 | 表面処理装置および表面処理方法 |
KR101225541B1 (ko) * | 2009-01-07 | 2013-01-23 | 캐논 가부시끼가이샤 | 막형성 장치 및 막형성 방법 |
CN115161753A (zh) * | 2022-07-07 | 2022-10-11 | 中国工程物理研究院激光聚变研究中心 | 一种下沉式微小金属球体/球壳电镀装置及对微球进行电镀的方法 |
-
1992
- 1992-05-06 JP JP14210392A patent/JPH05311408A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08271388A (ja) * | 1995-03-28 | 1996-10-18 | M & K:Kk | 球体回転用試料ホルダー |
KR101225541B1 (ko) * | 2009-01-07 | 2013-01-23 | 캐논 가부시끼가이샤 | 막형성 장치 및 막형성 방법 |
WO2012018075A1 (ja) * | 2010-08-04 | 2012-02-09 | 株式会社島津製作所 | 表面処理装置および表面処理方法 |
JP5811092B2 (ja) * | 2010-08-04 | 2015-11-11 | 株式会社島津製作所 | 表面処理装置および表面処理方法 |
CN115161753A (zh) * | 2022-07-07 | 2022-10-11 | 中国工程物理研究院激光聚变研究中心 | 一种下沉式微小金属球体/球壳电镀装置及对微球进行电镀的方法 |
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