JPH0531111U - 鉛蓄電池 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】陽極板の格子体の腐食による電気抵抗の増大を
測定できようにして鉛蓄電池の寿命を正確に判定する。 【構成】電槽１の内壁面に沿って鉛線２をＵ字形に配置
する。そして、鉛線２の電気抵抗を交流４端子法で測定
できるように、鉛線２から電槽１の外面に４本の測定端
子３を引出す。４本の測定端子のうちの１本は陽極端子
４に接続して鉛線２を陽極と同電位に保つ。前記鉛線２
は、極板群を構成する電解液保持体に当接した別の電解
液保持体に接触させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、寿命検出が可能な鉛蓄電池に関する。

【０００２】

【従来の技術】

鉛蓄電池は、寿命末期に近くなると陽極板の格子体が腐食により伸びる。格子 体の伸びを光学的に検出して電池寿命を知る手掛かりとする手段は提案されてい る。鉛蓄電池は、格子体の電気抵抗が増大して寿命に達するわけであるが、格子 体が伸びても、必ずしも格子体の電気抵抗が電池寿命に達する程度に増大してい るとは限らない。また、格子体の伸びがそれほどでなくても、格子体の電気抵抗 が増大している場合もある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、陽極板の格子体の伸びではなく、格子体の 電気抵抗の増大を測定して鉛蓄電池の寿命を正確に判定できるようにすることで ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案に係る鉛蓄電池は、電槽内で電解液に接触 するように鉛線を配置してこれを陽極と同電位に保つ。そして、この鉛線の抵抗 を測定するための測定端子を電槽外面に引出したものである。

【０００５】

【作用】

本考案に係る密閉形鉛蓄電池では、電解液に接触するように配置した鉛線は陽 極と同電位に保たれているので、陽極板の格子体と同じように腐食が進行する。 鉛線から電槽外面に引出した測定端子を用いて、腐食による鉛線の抵抗増大を測 定することにより、鉛蓄電池の寿命を判定することができる。

【０００６】

【実施例】

本考案を密閉形鉛蓄電池（２Ｖ−２００Ａｈ）に適用した実施例を説明する。 図１に示すように、電槽１の内壁面に沿って鉛線２をＵ字形に配置し、鉛線２の 電気抵抗を交流４端子法で測定できるように、鉛線２から電槽１の外面に４本の 測定端子３を引出した。４本の測定端子のうちの１本は陽極端子４に接続する。 電槽１の内壁面に沿ってＵ字形に配置した鉛線２は、図２に示すように、極板群 ５を構成する電解液保持体６に当接した電解液保持体６’に接触している。 図３は、上記鉛蓄電池の使用日数と放電容量との関係、および同使用日数と、 測定端子３を用いて測定した鉛線２の電気抵抗との関係を示したものである。鉛 蓄電池の寿命到達時に鉛線３の抵抗測定値が増加しており、これにより電池寿命 を検出することができる。

【０００７】

【考案の効果】

上述のように本考案に係る鉛蓄電池は、陽極板の格子体の腐食による電気抵抗 の増大を、前記格子体と近似して腐食が進行する鉛線の電気抵抗を測定して知り 、電池寿命の判定を正確に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る実施例における密閉形鉛蓄電池の
斜視図である。

【図２】図１における密閉形鉛蓄電池の横断面図であ
る。

【図３】密閉形鉛蓄電池の使用日数と、放電容量および
鉛線の抵抗測定値との関係を示す曲線図である。

【符号の説明】

１は電槽 ２は鉛線 ３は測定端子 ４は陽極端子 ６，６’は電解液保持体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電槽内で電解液に接触するように配置した
   鉛線を陽極と同電位に保ち、この鉛線の抵抗を測定する
   ための測定端子を電槽外面に引出した鉛蓄電池。