JPH05310636A - アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法

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JPH05310636A
JPH05310636A JP4122039A JP12203992A JPH05310636A JP H05310636 A JPH05310636 A JP H05310636A JP 4122039 A JP4122039 A JP 4122039A JP 12203992 A JP12203992 A JP 12203992A JP H05310636 A JPH05310636 A JP H05310636A
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Japan
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alcohol
solvent
reaction
ester
acid
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JP4122039A
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English (en)
Inventor
Masami Haga
雅美 芳賀
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 酸触媒,重合禁止剤及び溶媒の存在下、アク
リル酸又はメタクリル酸とアルコールとを反応させてそ
のエステルを製造するにあたり、反応生成物を含む溶液
から溶媒および/または未反応物を減圧留去した後、反
応生成物をアルカリ洗浄することを特徴とするアクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法。 【効果】 生成物から溶媒のみを分離するための蒸留工
程を必要とせず、また、減圧留去により反応生成物から
分離された溶媒および未反応原料は、そのまま次の反応
に使用でき、未反応の原料の利用効率を高めることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル酸エステル又
はメタクリル酸エステルの製造方法に関し、詳しくは、
反応生成物から溶媒のみを分離するための蒸留工程を必
要とせず、未反応の原料の利用効率を向上させることの
できるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸エステルやメタクリル酸エス
テルの製造法としては、アクリル酸又はメタクリル酸と
アルコールとを酸触媒の存在下に反応させる方法が一般
に広く知られている。この反応では水が副生するため、
通常はトルエンなどの溶媒を加え、反応中に水と共沸さ
せて取り除く方法がとられている(特開平3−3495
6号公報)。しかしながら、凝縮して水と分離された溶
媒は再び反応槽へ還流されるため、後の工程で、蒸留な
どによって溶媒を生成物から分離する必要があった。ま
た、反応終了後の生成物を含む溶液中には、酸触媒も含
まれているため、アルカリ水溶液などで中和処理する方
法(特開昭61−243046号公報)がとられること
があるが、この際に、未反応のアクリル酸なども中和さ
れてしまい,原料として再利用しにくいといった問題点
もあった。
【0003】また、不飽和有機酸エステルの製造法に関
し、蒸留工程を省略する方法も提案されている(特公昭
48−11084号公報)。しかしながら、この方法に
おいては、生成物のアルカリ洗浄を行った後に溶媒を除
去するため、未反応原料も中和されて再利用できなくな
るばかりでなく、アルカリ洗浄に際し生成物を含む溶液
の温度を下げるため、後に溶媒を留去する時に再び加熱
をするか、あるいは多大のエネルギーが必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル
の製造法における問題点を解決し、生成物から溶媒のみ
を分離するための蒸留工程を不要とし、更に、未反応の
原料の利用効率を高めることにより、従来方法より有利
にアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを製造
する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、
生成物のアルカリ洗浄前に、通常はエステル生成反応が
ほぼ終了した時点において、直ちに生成物を含む溶液か
ら溶媒および/または未反応物の減圧留去を行うことに
より、前記の問題点を解決できることを見出し、本発明
を完成させた。
【0006】即ち、本発明は、酸触媒,重合禁止剤及び
溶媒の存在下、アクリル酸又はメタクリル酸とアルコー
ルとを反応させてそのエステルを製造するにあたり、反
応生成物を含む溶液から溶媒および/または未反応物を
減圧留去した後、反応生成物をアルカリ洗浄することを
特徴とするアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステ
ルの製造方法を要旨とする。
【0007】本発明のアクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルの製造方法の好ましい態様によれば、上記
減圧留去を、酸素ガスを含む不活性ガス気流下または不
活性ガスの添加により酸素含有量を調整した空気(以
下,調整空気という。)気流下に行なうことにより、特
に好ましくは酸素ガスを含む不活性ガスまたは調整空気
を反応液相中に導入することにより、生成するエステル
の重合および着色をも防止できるという副次的利点が得
られる。
【0008】以下本発明を詳述する。本発明は、酸触
媒、重合禁止剤及び溶媒の存在下、アクリル酸又はメタ
クリル酸とアルコールとを反応させてそのエステルを製
造するにあたり、反応生成物を含む溶液から溶媒および
/または未反応物を減圧留去した後、反応生成物をアル
カリ洗浄することを特徴とするものである。すなわち、
本発明の特徴は、アクリル酸又はメタクリル酸のエステ
ル化反応後の生成物を含む溶液を減圧処理して,低沸点
の溶媒および/または未反応物を留去し、次いで得られ
た反応生成物をアルカリ洗浄処理することにあるので、
以下にこの減圧留去処理およびアルカリ洗浄処理を先ず
順次説明する。
【0009】本発明において、反応生成物を含む溶液か
らの溶媒および/または未反応物の減圧留去は、以下の
条件下に実施する。尚、本減圧留去操作は、通常エステ
ル生成反応がほぼ終了した時点で開始される。
【0010】減圧留去の操作開始温度は、特に限定され
るものではないが、エステル化反応の反応温度付近が好
ましい。減圧留去を行うと、溶媒等の潜熱も除去される
ため、溶液の温度が下がる。低い温度から減圧留去を開
始すると、留去後の溶液温度が下がり過ぎて、生成物等
が固化することがあるばかりでなく、多くのエネルギー
を要し、経済的に不利である。
【0011】圧力は、通常、絶対圧力1〜760Tor
r.である。圧力は、最初は生成物溶液の温度が高いた
め、常圧(760Torr.)から徐々に減圧すること
が好ましい。また、未反応物をより多く留去するために
は最終到達圧力が200Torr.以下であることが好
ましい。
【0012】この減圧留去操作は、アルカリ洗浄処理前
に行なわれるため、未反応のアクリル酸又はメタクリル
酸はそのままの形で(遊離カルボン酸として)、未反応
のアルコールおよび溶媒とともに回収されるので、その
まま次のエステル化反応に使用することができる。
【0013】また、この減圧留去操作によって得られる
残渣の反応生成物はアクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステルから主としてなり、後記のアルカリ洗浄処理
を単に行なうことにより、別途溶媒除去のための蒸留を
行なうことなく、目的とするアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルを高純度で得ることができる。
【0014】この減圧留去操作は、酸素ガスを含む不活
性ガス気流下又は調整空気気流下に行なうのが、生成し
たエステルの重合および着色を防止できるので好まし
い。特に酸素を含有する不活性ガスまたは調整空気を反
応液相中に直接導入することによって、特に優れたエス
テル重合および着色防止効果を達成することができる。
【0015】酸素ガスを含む不活性ガスまたは調整空気
中の酸素濃度は、通常0.1〜10vol%、好ましく
は2〜8vol%である。酸素濃度が0.1vol%よ
り低いと重合および着色防止効果が期待できず、10v
ol%を超えると、反応槽内や還流冷却管内部に爆発混
合組成を形成するという不都合を生じる。
【0016】用いることのできる不活性ガスとしては、
窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、二酸化炭素、フロ
ン−11、フロン−12などが挙げられるが、安価で入
手しやすい窒素が特に好ましい。
【0017】本発明においては、上述の減圧留去操作の
後、アルカリ洗浄処理を行う。このアルカリ洗浄処理と
は、減圧留去を行った後の残渣中に触媒の酸および少量
残存する未反応のアクリル酸またはメタクリル酸を中和
除去し、高純度のアクリル酸エステルまたはメタクリル
酸エステルを回収するための処理をいう。
【0018】中和のためのアルカリ水溶液としては、N
aOH、KOH、Ca(OH)2 、Na2 CO3 、K2
CO3 、CaCO3 、NH4 OHなどが挙げられ、好し
くは、NaOH、KOHである。アルカリ水溶液の濃度
は、通常0.1〜50重量%、好しくは、0.5〜20
重量%である。アルカリ水溶液の添加は、中和に足りる
量、すなわち中和処理後の水相のpHが8以上、好しく
はpH9以上になる量である。アルカリ水溶液は、減圧
留去操作後、直接反応槽へ投入して撹拌しても良く、反
応槽から残渣を抜き出しながらラインブレンドで行って
も良い。アルカリ洗浄処理にあたって、処理時の温度を
40〜95℃、好しくは50〜90℃の範囲で行うと、
生成物の洗浄及び分離の効率が向上する。
【0019】以上本発明の特徴である減圧留去処理およ
びこれに続くアルカリ洗浄処理について説明してきた
が、本発明においてアクリル酸又はメタクリル酸とアル
コールとの反応によるエステルの生成反応は常法により
行なわれる。以下にエステル化反応について述べる。
【0020】本発明においてアクリル酸またはメタクリ
ル酸のエステル化に用いられる酸触媒としては、硫酸、
塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、及びp−トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、キシレ
ンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
【0021】上記触媒の使用量は、アクリル酸またはメ
タクリル酸が過剰な反応系ではアルコールに対し、一
方、アルコールが過剰な反応系ではアクリル酸またはメ
タクリル酸に対し、通常0.05〜50モル%、好まし
くは0.1〜10モル%の範囲である。
【0022】本発明においては、エステル化に際してア
クリル酸またはメタクリル酸の重合を防止するために重
合禁止剤が用いられるが、これらの例としては、ハイド
ロキノン、メトキシハイドロキノン、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル、フェノチアジン、t−ブチルクレゾ
ール、ジメチル−t−ブチルフェノール、t−ブチルカ
テコール、t−ブチルハイドロキノンなどが挙げられ、
これらは1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよく、また、その添加量はアクリル酸または
メタクリル酸に対し、通常5〜5000wtppm、好
ましくは20〜2000wtppmの範囲である。
【0023】反応原料として用いられるアルコール類と
しては、脂肪族アルコール、脂環式アルコール及び芳香
族アルコールが挙げられる。
【0024】脂肪族アルコールとしては、アルキル鎖の
炭素数が好ましくは3〜30の直鎖若しくは分岐鎖構造
を有する飽和または不飽和の脂肪族一価アルコールが用
いられる。脂肪族アルコールの具体例としては、プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘ
キシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアル
コール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコ
ール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデ
シルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシア
ルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアル
コール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコ
ール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、
ヘンエイコシアルコール、ドコシルアルコール、トリコ
シルアルコール、テトラコシルアルコール、ペンタコシ
ルアルコール、ヘキサコシルアルコール、ヘプタコシル
アルコール、オクタコシルアルコール、ノナコシルアル
コール、トリアコンシルアルコール、プロペニルアルコ
ール、ブテニルアルコール、ペンテニルアルコール、ヘ
キセニルアルコール、ヘプテニルアルコール、オクテニ
ルアルコール、ノネニルアルコール、デセニルアルコー
ル、ウンデセニルアルコール、ドデセニルアルコール、
トリデセニルアルコール、テトラデセニルアルコール、
ペンタデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコー
ル、ヘプタデセニルアルコール、オクタデセニルアルコ
ール、ノナデセニルアルコール、エイコセニルアルコー
ル、ドコセニルアルコール、テトラコセニルアルコー
ル、ヘキサコセニルアルコール、オクタコセニルアルコ
ール、トリアコセニルアルコール、シトロネロール、ゲ
ラニオール、ファルネソール、リノレイルアルコールな
どを挙げることができる。
【0025】脂環式アルコールとしては、炭素数が好ま
しくは5〜30で、五員環以上の環を少なくとも1個有
する飽和または不飽和の環状脂肪族一価アルコールが用
いられる。また、この脂環式アルコールは、環に炭素数
1〜20の飽和または不飽和のアルキル基またはアルケ
ニル基が1個以上置換されていてもよい。このような脂
環式アルコールとしては、たとえばシクロペンチルアル
コール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルア
ルコール、シクロオクチルアルコール、シクロノニルア
ルコール、シクロデシルアルコール、シクロウンデシル
アルコール、シクロドデシルアルコール、シクロトリデ
シルアルコール、シクロテトラデシルアルコール、シク
ロヘキサデシルアルコール、シクロオクタデシルアルコ
ール、ジシクロデシルアルコール、ジシクロウンデシル
アルコール、ジシクロドデシルアルコール、トリシクロ
デシルアルコール、トリシクロウンデシルアルコール、
トリシクロドデシルアルコール、メチルシクロペンチル
アルコール、エチルシクロペンチルアルコール、プロピ
ルシクロペンチルアルコール、ブチルシクロペンチルア
ルコール、メチルシクロヘキシルアルコール、エチルシ
クロヘキシルアルコール、プロピルシクロヘキシルアル
コール、ブチルシクロヘキシルアルコール、ヘキシルシ
クロヘキシルアルコール、オクチルシクロヘキシルアル
コール、ノニルシクロヘキシルアルコール、デシルシク
ロヘキシルアルコール、ドデシルシクロヘキシルアルコ
ール、ペンタデシルシクロヘキシルアルコール、オクタ
デシルシクロヘキシルアルコール、エイコシルシクロヘ
キシルアルコール、ジメチルシクロヘキシルアルコー
ル、メチルプロピルシクロヘキシルアルコール、シクロ
ペンテニルアルコール、シクロヘキセニルアルコール、
シクロオクテニルアルコール、シクロデセニルアルコー
ル、ジシクロデセニルアルコール、プロペニルシクロヘ
キシルアルコール、ヘキセニルシクロヘキシルアルコー
ル、オクテニルシクロヘキシルアルコール、デセニルシ
クロヘキシルアルコール、ドデセニルシクロヘキシルア
ルコール、シクロペンチルカルビノール、シクロヘキシ
ルカルビノール、シクロオクチルカルビノール、ジシク
ロデシルカルビノール、ジシクロドデシルカルビノー
ル、トリシクロデシルカルビノール、メチルシクロペン
チルカルビノール、ブチルシクロペンチルカルビノー
ル、エチルシクロヘキシルカルビノール、オクチルシク
ロヘキシルカルビノール、デシルシクロヘキシルカルビ
ノール、シクロヘキセニルカルビノール、シクロオクテ
ニルカルビノール、ジシクロデセニルカルビノール、ジ
メチルシクロヘキシルカルビノール、メチルプロピルシ
クロヘキシルカルビノール、ボルネオール、カルベオー
ル、メントール、テルピネオール、ピノカンフェオー
ル、カジノール、カロトールなどを挙げることができ
る。
【0026】芳香族アルコールとしては、炭素数が好ま
しくは7〜30で、芳香環を少なくとも1個有し、かつ
アルコール性水酸基1個を有する一価アルコールが用い
られる。またこの芳香族アルコールは、その芳香環に炭
素数1〜20の飽和または不飽和のアルキル基またはア
ルケニル基が1個以上置換されていてもよい。このよう
な芳香族アルコールとしては、たとえばベンジルアルコ
ール、メチルベンジルアルコール、プロピルベンジルア
ルコール、ブチルベンジルアルコール、ヘキシルベンジ
ルアルコール、オクチルベンジルアルコール、ノニルベ
ンジルアルコール、デシルベンジルアルコール、ドデシ
ルベンジルアルコール、ペンタデシルベンジルアルコー
ル、オクタデシルベンジルアルコール、エイコシルベン
ジルアルコール、ジメチルベンジルアルコール、トリメ
チルベンジルアルコール、ジブチルベンジルアルコー
ル、ジオクチルベンジルアルコール、メチルエチルベン
ジルアルコール、メチルプロピルベンジルアルコール、
メチルブチルベンジルアルコール、ジメチルブチルベン
ジルアルコール、メチルフェニルベンジルアルコール、
オクテニルベンジルアルコール、ドデセニルベンジルア
ルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピ
ルアルコール、フェニルブチルアルコールなどを挙げる
ことができる。
【0027】反応原料であるアクリル酸またはメタクリ
ル酸とアルコールの使用割合は、用いるアルコールの沸
点により適宜選ぶことが望ましい。たとえば、常圧での
沸点が概略200℃以上のアルコールを用いてエステル
化反応を行う場合には、アルコールの沸点が高いため
に、反応後の蒸留操作において、未反応のアルコールの
分離除去が困難であることから、通常アクリル酸または
メタクリル酸に対するアルコールのモル比が小さい、す
なわちアクリル酸またはメタクリル酸が過剰な反応系で
エステル化反応を行うのが好ましい。
【0028】一方、常圧での沸点が概略200℃以下の
アルコールを用いてエステルを製造する場合には、前記
のようにアクリル酸またはメタクリル酸が過剰な反応系
でエステル化反応を行ってもよいし、逆にアルコールが
過剰な反応系で該反応を行ってもよい。
【0029】具体的には、アクリル酸またはメタクリル
酸が過剰な反応系では、アルコール1モルに対し、アク
リル酸またはメタクリル酸が通常1〜7モル、好ましく
は1〜4モルの割合で用いられ、一方、アルコールが過
剰な反応系では、アクリル酸またはメタクリル酸1モル
に対し、アルコールが通常1〜50モル、好ましくは1
〜20モルの割合で用いられる。
【0030】本発明で使用しうる溶媒としては、副生す
る水を共沸除去しうるような溶媒、たとえば水と共沸混
合物を形成して、沸点が水の沸点より低くなるような溶
媒である。
【0031】このような溶媒としては、たとえばペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、石油エー
テル、石油ベンジン、ナフサ、ガソリン、灯油、リグロ
イン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭
化水素化合物、あるいはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチ
ルベンゼン、クメン、その他炭素数9〜11の芳香族炭
化水素や、クロロベンゼンのような塩素化芳香族炭化水
素などの芳香族化合物、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルブチル
エーテルなどの水不溶性エーテルなどが挙げられ、これ
らは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0032】溶媒の使用量は、(アクリル酸またはメタ
クリル酸+アルコール)の仕込量100重量部に対し、
溶媒が通常3〜500重量部、好ましくは10〜100
重量部である。
【0033】アクリル酸またはメタクリル酸とアルコー
ルとのエステル化反応の反応温度は、通常50〜250
℃、好ましくは80〜200℃の範囲である。反応時間
は、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間程
度である。反応は大気圧下で行ってもよいし、生成した
水を容易に除去するために、減圧下で行ってもよい。ま
た留出した水のみを分離し、溶媒や原料を還流させるた
めの分水器を反応装置に設置して、反応を行ってもよ
い。
【0034】本発明においては、アクリル酸またはメタ
クリル酸の重合禁止効果を高めるため、上記減圧留去操
作におけると同様に酸素を含有した不活性ガス気流下
(雰囲気下)または、調整空気気流下(雰囲気下)でエ
ステル化反応を行うことができ、酸素を含有する不活性
ガスまたは調整空気を反応液相中に導入することが特に
好ましい。
【0035】酸素ガスを含む不活性ガスまたは調整空気
中の酸素濃度は、溶媒および/または未反応物の減圧留
去操作時と同様である。
【0036】用いることのできる不活性ガスの種類も,
溶媒および/または未反応物の減圧留去操作時と同様で
ある。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】図1に示す実験装置に従って説明する。1
リットルの下部コック付4つ口フラスコ(1)に、温度
計(2)、バブラー(3)、撹拌装置(4)、冷却装置
付のディーンスタークトラップ(5)およびジムロート
冷却管(6)を取付けた。加熱装置として、熱電対
(7)付のセパラブル型マントルヒータ(8)(大科電
器(株)社製,VL型)を使用し、その他図1の通り減
圧留去装置を設置した。
【0039】フラスコ(1)に、メタクリル酸90.4
g(1.05モル)、ラウリルアルコール186.3g
(1.00モル)、濃硫酸0.5g、トルエン150m
lおよびハイドロキノン50mgを仕込んだ。6vol
%の酸素を含んだ窒素ガスを流量計(15)で10ml
/minの流量に調整、供給しながら反応混合物を撹拌
し、昇温した。
【0040】液温が120℃に達したところで、トルエ
ンと水の共沸が開始したので、水をディーンスタークト
ラップ(5)で分離しトルエンのみをフラスコ(1)へ
還流させた。
【0041】反応の進行と共に液温が上昇し、共沸開始
2時間後に140℃まで達した。さらにトルエンの還流
条件で反応混合物を3時間撹拌し、エステル化反応を完
結させた。
【0042】直ちに溶媒および未反応物の減圧留去操作
を開始した。6vol%の酸素を含んだ窒素ガスの供給
および撹拌はそのまま継続し、まずマントルヒータ
(8)の電源を切った。減圧調整バルブ(9)を大気開
放にしたまま真空ポンプ(10)を作動させマノメータ
(11)の圧力およびジムロート冷却管(16)内の溶
媒および未反応物の留出状況を見ながら徐々に減圧調整
バルブ(9)を閉じた。なお、ジムロート冷却管(6)
と真空ポンプ(10)との間のラインには、ドライアイ
ストラップ(17)を設け、ここで蒸気を凝縮させて蒸
気が真空ポンプ(10)に流入するのを防止した。ディ
ーンスタークトラップ(5)下部の排出コック(12)
を開け、留出物が氷水浴(13)に浸した吸引瓶(1
4)にたまるようにした。
【0043】減圧留去開始から30分間は絶対圧力76
0Torr.から徐々に200Torr.まで減圧し、
次の30分間で200Torr.から50Torr.ま
で減圧した。減圧留去開始から1時間でフラスコ内の液
温は140℃から95℃に低下した。
【0044】溶媒および未反応物の留出が見られなくな
った時点で,減圧留去装置とガス供給装置を取りはず
し、大気圧下で生成物のアルカリ洗浄工程に入った。約
70℃に加温した3wt%−NaOH水溶液100ml
をフラスコ(1)に投入し、300rpmで5分間撹拌
した。この時のフラスコ内液温は約80℃であった。撹
拌を停止し20分間静置した後、下層の水相をフラスコ
下部コック(16)を開けて受器(18)に排出し、有
機相と分離した。
【0045】さらに約60℃の温水100mlをフラス
コ(1)内に加えて、同様に300rpmで5分間撹拌
し、20分間静置することにより有機相を水洗した。こ
うして反応生成物255.7gを得た。これをガスクロ
マトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより
分析した結果、メタクリル酸エステルの純度は98.3
wt%で、アルコール基準の収率が98.8モル%であ
リ,未反応のメタクリル酸は検出されなかった。
【0046】一方、減圧留去による留出液は、総量が1
51.0gであり、その成分分析結果によれば、18.
0gの水、4.0gのメタクリル酸を含むトルエンであ
り,ラウリルアルコールは検出されなかった。この留出
液は、そのまま又は所望により水分を静置分離により除
去した後、次のエステル化反応に用いることができた。
【0047】この実施例の方法によれば、エステル化反
応時の水の共沸除去操作終了直後に、共沸温度のまま
で、溶媒および/または未反応物の減圧留去操作を行な
ったので、反応混合物を冷却する必要がなく、後処理
(生成物の単離等)に要する時間が短縮できた。
【0048】また、溶媒および/または未反応物の減圧
留去は、エステル化反応に用いた反応容器をそのまま使
用して実施したので、外部からの加熱がほとんど不要若
しくは全く不要であり、後処理(生成物の単離等)に要
する時間及び手間を省くことができるだけでなく、エネ
ルギーの省力化をも図ることができた。
【0049】更に、溶媒および/または未反応物の減圧
留去操作により、溶媒等の蒸発潜熱によって反応液の温
度が低下するため、反応液を外部から冷却する必要がほ
とんどないか又は全くなく、次の生成物のアルカリ洗浄
を実施できる温度まで反応液を冷却するための時間が短
縮できた。
【0050】
【発明の効果】本発明のアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステルの製造方法によれば、反応生成物から溶
媒のみを分離するための蒸留工程を必要とせず、また、
減圧留去により反応生成物から分離された溶媒および未
反応原料は、そのまま次の反応に使用でき、未反応の原
料の利用効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた反応装置の模式図であ
る。図1中の番号は、それぞれ次のものを示す。 1 フラスコ 2 温度計 3 バブラー 4 撹拌装置 5 ディーンスタークトラップ 6 ジムロート冷却管 7 熱電対 8 マントルヒータ 9 減圧調整バルブ 10 真空ポンプ 11 水銀マノメータ 12 排出コック 13 氷水浴 14 留出液溜め用吸引瓶 15 ガス流量計 16 フラスコ下部コック 17 ドライアイストラップ 18 受器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸触媒,重合禁止剤及び溶媒の存在下、
    アクリル酸又はメタクリル酸とアルコールとを反応させ
    てそのエステルを製造するにあたり、反応生成物を含む
    溶液から溶媒および/または未反応物を減圧留去した
    後、反応生成物をアルカリ洗浄することを特徴とするア
    クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 溶媒および/または未反応物の減圧留去
    を、酸素を含有する不活性ガス気流下または不活性ガス
    の添加により酸素含有量を調整した空気気流下に行うこ
    とを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸素を含有する不活性ガスまたは不活性
    ガスの添加により酸素含有量を調整した空気を、反応液
    相中に導入することを特徴とする請求項2に記載の方
    法。
JP4122039A 1992-05-14 1992-05-14 アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法 Withdrawn JPH05310636A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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