JPH05308985A - ポリフラクタンの製造方法 - Google Patents

ポリフラクタンの製造方法

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JPH05308985A JP13076091A JP13076091A JPH05308985A JP H05308985 A JPH05308985 A JP H05308985A JP 13076091 A JP13076091 A JP 13076091A JP 13076091 A JP13076091 A JP 13076091A JP H05308985 A JPH05308985 A JP H05308985A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アスペルギルス・シドウィの分生胞子をスク
ロースに作用させてポリフラクタンを製造するに際し、
分子量の高いポリフラクタンを高速度で高収率で製造す
る方法を開発する。 【構成】 酵素反応条件として反応媒体へのL−システ
イン添加及び/又は高濃度緩衝液を採用し、更に超音波
処理の任意的併用を採用することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスクロースを原料とする
ポリフラクタンの製造方法に関し、更に詳しくは、フラ
クトース転移酵素活性を有するアスペルギルス・シドウ
ィ(Aspergillus Sydowi)の分生胞
子をスクロースに作用させてポリフラクタンを製造する
に際し、酵素反応条件として反応媒体へのL−システイ
ン(CysH)添加及び/又は高濃度緩衝液の使用を採
用し、更に超音波処理の任意的併用を採用して分子量の
向上したポリフラクタンを高速度で高収率で製造する方
法に関する。本発明の方法によって製造されるポリフラ
クタンは、例えば、従来のものに較べてより難消化性で
あるのでより高機能の食物繊維として利用される。
【0002】
【従来技術】1920年にN.Kopeloff et
al.により、アスペルギルス・シドウィの分生胞子
がインベルターゼ活性を有し、スクロースからレバンタ
イプのフラクタンを生成することが報告されたが(J.
Biol.Chem.,43,171,(192
0))、後に、J.R.Loewenberg et
al.により、この多糖はフラクトースのβ−2→1結
合からなるイヌリンタイプの構造を有することが明らか
にされた(Can.J.Microbiol.,3,6
43,(1957))。
【0003】その後、1973年にG.Kawai e
t al.らは、アスペルギルス・シドウィIAM25
44株(IAM2544は東京大学応用微生物研究所の
保存菌No)の分生胞子をスクロースと共にインキュベ
ートするとポリフラクタン及びオリゴフラクタンがイン
キュベーションミクスチャー中に生成されたこと;この
ポリフラクタンには末端グルコースは存在しないと推定
され、フラクトースのみから構成され、高等植物にみら
れるイヌリンのようにβ−2→1結合からなる直鎖状ポ
リフラクタンであること;このポリフラクタンの分子量
は、超遠心分離及び固有粘度より推定を行った結果、高
等植物イヌリンよりもはるかに大きな、微生物レバンの
分子量に匹敵する2000万程度であること;などを報
告している(Agric.Biol.Chem.,3
7,(9),2111,(1973))。
【0004】しかしながら、ポリフラクタンの工業的ス
ケールにおける生産を目的とした場合、分生胞子による
生産方法は分生胞子の大量調製に大きな困難が予想され
るとして、中久喜氏らは、スクロースをアスペルギルス
・シドウィの菌体で処理し、オリゴフラクタンと高分子
フラクタンを得る方法を提案している(特開昭61−1
87797)。因みに、この高分子フラクタンは、末端
グルコースを有するフラクトースがβ−2→1結合した
直鎖状ポリフラクタンで、Shodex S−808カ
ラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより分子量
を測定した結果は、分子量は1.8×10〜1.4×
10の範囲にあるという。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】しかして、前記中久喜
氏らの方法には、次のような問題点がある。すなわち、
酵素源である菌体に分生胞子が含まれていないためにポ
リフラクタンの生成活性が低く、対スクロース収率は5
%程度であり、製造コスト面等で問題を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記のような問題点を解
消すべく本発明者は鋭意研究の結果、アスペルギルス・
シドウィの分生胞子をスクロースに作用させてポリフラ
クタンを製造するに際して、酵素反応条件として反応媒
体へのL−システイン添加及び/又は高濃度緩衝液使用
を採用し、更に超音波処理の任意的併用を採用してより
分子量の高いポリフラクタンを高速度で高収率で製造す
る方法を開発した。本発明によれば、分生胞子の大量調
製法は別途開発するにしても、少量の分生胞子でもポリ
フラクタンの大量製造が可能となった。
【0007】以下、本発明の方法を詳述する。まず、ポ
リフラクタンを製造するに際し、当業者であれば検討す
るであろう製造条件を説明する。
【0008】本発明の実施に当たり使用する分生胞子の
製造には特別の制限はなく、アスペルギルス・シドウィ
の、例えば、寒天培養、液体培養又は小麦フスマ培養に
よることができる。寒天培養の場合は、例えば、ポテト
エキス200g/L、グルコース10g/L、寒天17
g/Lの組成の寒天培地(pH5.5)にアスペルギル
ス・シドウィを植菌し、30℃で1週間培養した後、生
じた分生胞子は、培養面に水を注いで寒天表面より胞子
を含む液をとり、ガーゼ等で濾過し、濾過液から遠心分
離により集める。液体培養の場合は、例えば、培地成分
として寒天を加えないことを除いては寒天培地に準じる
が、液体振盪培養では分生胞子が生じないので液体静置
培養を行う必要がある。生じた分生胞子は、ペレット状
を呈するのでワーリングブレンダー等の粉砕機で粉砕
後、ガーゼ等で濾過し、濾液から遠心分離により集め
る。小麦フスマ培養の場合は、例えば、小麦フスマに水
60%、グルコース0.5%、酵母エキス(YE)0.
05%を添加混合して調製した培地にアスペルギルス・
シドウィを植菌し、30℃で1週間培養した後、生じた
分生胞子を、水を加えて攪拌後、ガーゼ等で濾過し、濾
液から遠心分離により集める。集めた分生胞子は直ちに
使用しないときは、例えば、減圧乾燥、凍結乾燥により
乾燥して保存するとよい。
【0009】なお、本発明の分生胞子を採取するのに使
用されるアスペルギルス・シドウィとしては、例えば、
東京大学応用微生物研究所の保存株であるIAM254
4株、IAM2514株、IAM2078株、IAM2
099株を挙げることができる。
【0010】本発明ではアスペルギルス・シドウィの分
生胞子をそのままポリフラクタン生成酵素源として用い
るが、このような形態のポリフラクタン生成酵素をスク
ロースに作用させてポリフラクタン(Fn)を製造する
酵素反応は、前掲先端技術から理解されるように、水、
緩衝液等の水性酵素反応媒体中で行われる。酵素反応系
に雑菌が混入してスクロースがそれに喰われる恐れがあ
る時はトルエン、アルコール等を添加するが、このよう
な添加を行った酵素反応媒体ももちろん本発明の水性酵
素反応媒体に包含される。
【0011】酵素反応の至適pH及び至適温度に関して
は、例えば、10mMのKHP系(リン酸水素カリウム
系)緩衝液に10g/dlの濃度となるようにスクロー
スを溶解した溶液10mlをとり、これに分生胞子10
mg(乾物換算)を加えて酵素反応を行い、その際pH
を変化させたり、温度を変化させたりしたところ、ポリ
フラクタンはpH約4〜8の範囲及び温度約20〜60
℃の範囲でポリフラクタンの対スクロース収率は約20
重量%に達した。因みに、pH範囲及び温度範囲は、こ
れらの範囲内で本発明を実施すべき事を意味するもので
はない。
【0012】基質であるスクロースの濃度も、ポリフラ
クタンの酵素反応ブロスの単位体積当り生成量及び対ス
クロース収率に影響を及ぼす。例えば、10mMのKH
P緩衝液に種々の濃度となるようにスクロースを溶解し
た溶液10mL(pH5.5)に分生胞子50mgを加
えて40℃に175時間維持した後、反応液を事前処理
として0.45μmのミクロフィルターで濾過後、濾液
を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により分析し
たところ、表1に示す結果を得た。因みに、この高速液
体クロマトグラフィーは、旭化成工業社製のモデルGS
−710カラムを用いて行い、溶媒は、水であった。
【0013】
【表1】
【0014】表1から、基質濃度を高めれば、ポリフラ
クタンの収量は向上するものの、収率は低下することが
わかる。因みに、この酵素反応条件では、分生胞子の使
用量が多く、かつ、反応時間も175時間という長時間
なので、Fn収率が約17%と高くても、工業的ではな
い。
【0015】酵素源(分生胞子)添加量も、ポリフラク
タンの収率に影響を及ぼす。例えば、10mMのKHP
緩衝液に5g/dlの濃度となるようにスクロースを溶
解した溶液5ml(pH5・5)に種々の量の分生胞子
を加えて30℃に100時間維持した後、同様の分析を
したところ、表2に示す結果を得た。
【0016】
【表2】
【0017】表2から、分生胞子の添加量が増加するに
従いFn収率が増大するが、ある値(この例では、80
mg)以上になるとFn収率がほとんど変化なく、した
がって、その値以上の量で分生胞子を使用することは無
益であることがわかる。
【0018】さて、以上の説明は、本発明の特徴を説明
するのに先立ち、アスぺルギルス・シドウィの分生胞子
を酵素源として使用して、これを基質スクロースに作用
させてポリフラクタンを酵素反応により製造する方法に
おいて通常考えられる酵素反応条件の検討を通して、そ
のような製造方法の概念の理解に供するために行ったも
のである。
【0019】しかして、本発明に係わる方法の特徴は、
上述のような酵素反応条件に加えて、酵素反応媒体への
L−システイン添加及び/又は高濃度緩衝液使用を採用
し、更に超音波処理の任意的併用を採用することにあ
る。以下、実施例により本発明の特徴によりもたらされ
る効果を詳述する。
【0020】
【実施例1】まず、酵素反応媒体である緩衝液または水
にL−システインを添加した場合の効果について説明す
る。
【0021】(1a)10mMのKHP緩衝液(pH
5.5)に10g/dlの濃度となるようにスクロース
を溶解し、更に種々の量のL−システインを添加してそ
の濃度を種々にした溶液10mlに25mgの分生胞子
を加え30℃に44時間維持した後、反応液を前述の高
速液体クロマトグラフィで分析したところ、表3に示す
結果を得た。
【0022】
【表3】
【0023】表3から、L−システインの添加量従って
濃度を増加していくと、ある濃度(ここでは約10m
M)までは、クロマトグラムにおけるFn保持時間(R
etention time,RT)が減少していくこ
と、従って、ポリフラクタンの分子量が増大していくこ
と、また、Fn収率が増大することがわかる。
【0024】(1aa)酵素反応媒体を緩衝液に代えて
水とした以外は全く同様の条件で(1a)の実験を繰り
返したところ、表3aに示す結果を得た。
【0025】
【表3a】
【0026】表3aから、酵素反応溶媒が水の場合も、
L−システインの添加量従って濃度を増加していくとあ
る濃度(ここでも約10mM)までは、クロマトグラム
におけるFn保持時間が減少していくこと、従って、ポ
リフラクタンの分子量が増大していくこと、また、Fn
収率が増大することがわかる。
【0027】(1b)L−システインは、またポリフラ
クタンの生成速度を増大し、従って、所与の酵素反応条
件での最大生成量に達する時間を著しく短縮すること
は、次のようにしてわかった。すなわち、(1a)と同
様の条件で酵素反応を行い、その時間経過をみたとこ
ろ、表4に示す結果を得た。
【0028】
【表4】
【0029】表4から、L−システインはポリフラクタ
ンの生成速度を増大し、所与の酵素反応条件での最大生
成量に達する時間を短縮することが理解されよう。
【0030】(1ba)(1aa)と同様の条件で酵素
反応を行い、時間経過をみたところ表4aに示す結果を
得た。
【0031】
【表4a】
【0032】表4aから、L−システインは、酵素反応
溶媒が水の場合も緩衝液の場合と同様に、ポリフラクタ
ンの生成速度を増大し、所与の酵素反応条件での最大生
成量に達する時間を短縮することがわかる。
【0033】(1c)L−システインの添加量(濃度)
は添加による効果、コスト等を考慮して2〜40mM、
好ましくは10〜20mM程度とするのが有利である。
【0034】
【実施例2】次に、酵素反応媒体である緩衝液の濃度を
高めた場合の効果について説明する。
【0035】(2a)種々の濃度のKHP緩衝液(pH
5.5)に10g/dlの濃度となるようにスクロース
を溶解した溶液10mlに10mgの分生胞子を加え3
0℃に6日間維持した後、反応液を分析して表5に示す
結果を得た。
【0036】
【表5】
【0037】表5から、緩衝液の濃度が高まるに従い、
Fn保持時間が減少していくこと、従って、ポリフラク
タンの分子量が増大していくことがわかる。しかも、ク
ロマトグラム上Fn保持時間が2つ又は3つ現れたとい
うことは、2種又は3種のポリフラクタンが生成したこ
とがわかる。又、緩衝液の濃度が高まるに従い、Fn収
率の向上していくことがわかる。
【0038】緩衝液の濃度を高めた場合の効果は、上記
のKHP緩衝液に固有のものでなく、他の緩衝液につい
ても同様であることは、表5aに示す上と同様な条件の
酵素反応の結果から理解されよう。
【0039】
【表5a】
【0040】(2b)酵素反応の媒体である緩衝液の高
濃度化はまたポリフラクタンの生成速度を増大し、従っ
て、所与の酵素反応条件での最大生成量に達する時間を
著しく短縮することは、次のようにしてわかった。すな
わち、各種濃度のKHP緩衝液(pH5.5)に10g
/dlの濃度となるようにスクロースを溶解した溶液1
0mlに分生胞子10mgと防腐剤であるNaN1m
gを加え、30℃に維持して酵素反応を行い、その時間
経過をみたところ表6に示す結果を得た。
【0041】
【表6】
【0042】表6から、上記効果の奏されることがわか
る。
【0043】(2c)スクロースにアスペルギルス・シ
ドウィの分生胞子を作用させてポリフラクタンを製造す
る際の酵素反応媒体は水又は緩衝液であることは前述し
たが、緩衝液を使用する場合ではその濃度は従来は高く
てもせいぜい10mM程度であった。本発明者は、これ
より著しく高濃度即ち100mM程度以上でポリフラク
タンの分子量が更に高まり、ポリフラクタンの生成速度
と生成収率が著しく増加することを発見したのである。
緩衝液の濃度を高めればよいといっても、酵素反応終了
ブロスからの塩の除去、コストなどを考慮すると、50
0mM〜1M程度の濃度とするのが有利である。
【0044】
【実施例3】第3に、緩衝液酵素反応媒体中で、スクロ
ースにフラクトース転移酵素活性を有する、アスペルギ
ルス・シドウィの分生胞子を作用させてポリフラクタン
を製造する際に、該反応媒体にL−システインを添加し
かつ高濃度の該反応媒体を使用すると、本発明の効果、
即ち、より分子量の向上したポリフラクタンを高速度で
しかも高収率で製造できるという本発明の効果がより容
易に達成できるが、これについて説明する。
【0045】L−システイン濃度と緩衝液(KHP系)
濃度との種々の組合せの酵素反応媒体にスクロースが1
0g/dlとなるように溶解した溶液10mlに分生胞
子10mgを加え、温度30℃に4日間維持して酵素反
応を行った。このようにして得た酵素反応ブロスを分析
した結果を表7に示す。
【0046】
【表7】
【0047】表7から、CysHと緩衝液とがある範囲
内でともに高濃度であるとき、相乗効果の奏することが
理解されよう。
【0048】
【実施4】最後に、超音波処理の効果について説明す
る。超音波処理による効果は、以下の酵素反応実験から
わかるように、ポリフラクタンの高分子化にはほとんど
役にたたないが、ポリフラクタン生成の初速度を増大さ
せるものであることがわかる(表8の酵素反応46時間
後の結果を参照)。
【0049】(4a)L−システインを20mMの濃度
で含有する、濃度が10mMの緩衝液(KHP系、pH
5・5)にスクロースを10g/dlの濃度になるよう
に溶解した溶液10mlに分生胞子25mgを加え、3
0℃で2分間超音波処理(Branson sonic
power社製、Cell Disruptor35
0 Sonifier 使用)をおこない、引続き同温
度に維持して酵素反応を続行した。結果を表8に示す。
【0050】
【表8】
【0051】(4aa)酵素反応媒体を緩衝液に代えて
水とした以外は全く同様の条件で(4a)の実験を繰り
返したところ、表8aに示す結果を得た。
【0052】
【表8a】
【0053】(4b)種々の濃度のKHP系緩衝液(p
H5.5)にスクロースを10g/dlの濃度となるよ
うに溶解した溶液10mlに10mgの分生胞子を加
え、30℃で種々の時間前記した超音波発生機を使用し
て超音波処理した後、引続き同温度に維持して酵素反応
を続行した。結果を表9に示す。
【0054】
【表9】
【0055】(4c)L−システインを20mM濃度で
含有する1MKHP緩衝液にスクロースが10g/dl
となるように溶解した溶液10mlに分生胞子25mg
を加え、30℃で種々の時間前記の超音波発生機を利用
して超音波処理した後、引続き同温度に維持して酵素反
応を続行した。結果を表9aに示す。
【0056】
【表9a】
【0057】以上、本発明の特性を実施例で説明した
が、酵素反応ブロスから目的のポリフラクタンを分離す
るには、特に困難はなく、限外濾過膜などの各種の膜処
理、アルコール添加により分別沈澱(オリゴフラクタン
が副製していて、これを除去するときなど)等公知の適
宜な分離精製手段により行える。
【0058】なお、本発明においてポリフラクタンの分
子量は前記の高速液体クロマトグラフィーにより測定し
た。この分折条件によるとFnの保持時間と分子量との
関係は、前出のKawaiらのポリフラクタンについて
は、18.8および200万程度であり、一方、本発明
のものは、12・0および1000万程度と推定され
る。
【0059】
【発明の効果】フラクトース転移酵素活性を有するアス
ペルギルス・シドウィ(Aspergillus sy
dowi)の分生胞子をスクロースに作用させてポリフ
ラクタンを製造するに際し、酵素反応条件として反応媒
体へのL−システイン(CysH)添加及び/又は高濃
度緩衝液の使用を採用し、更に超音波処理の任意的併用
を採用して分子量の向上したポリフラクタンを高速度で
高収率で製造する工業的方法を完成した。
【0060】また、本発明の方法によって製造されるポ
リフラクタンは、例えば、従来のものに較べてより難消
化性であるので高機能の食物繊維として利用される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性酵素反応媒体中で、スクロースにフ
    ラクトース転移酵素活性を有する、アスペルギルス・シ
    ドウィの分生胞子を作用させてポリフラクタンを製造す
    る際に、該酵素反応媒体にL−システインを添加するこ
    とを特徴とするポリフラクタンの製造方法。
  2. 【請求項2】 該水性酵素反応媒体が緩衝液又は水であ
    ることを特徴とする請求項1のポリフラクタンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 水性酵素反応媒体中で、スクロースにフ
    ラクトース転移活性を有する、アスペルギルス・シドウ
    ィの分生胞子を作用させてポリフラクタンを製造する際
    に、該酵素反応媒体として濃度100mM以上の高濃度
    緩衝液を使用することを特徴とするポリフラクタンの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 該高濃度緩衝液酵素反応媒体にL−シス
    テインを添加することを特徴とする請求項3のポリフラ
    クタンの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの方法におい
    て、更に超音波処理を行うことを特徴とするポリフラク
    タンの製造方法。
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