JPH05308027A - 複合磁心およびその製造方法 - Google Patents

複合磁心およびその製造方法

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JPH05308027A
JPH05308027A JP3120455A JP12045591A JPH05308027A JP H05308027 A JPH05308027 A JP H05308027A JP 3120455 A JP3120455 A JP 3120455A JP 12045591 A JP12045591 A JP 12045591A JP H05308027 A JPH05308027 A JP H05308027A
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JP
Japan
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magnetic
core
ferrite
magnetic core
ribbon
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Application number
JP3120455A
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English (en)
Inventor
Masahito Takeuchi
雅人 竹内
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直流電流の重畳磁界に対して透磁率特性が非
直線特性を有する磁心を、効率的かつ低コストにて供給
する。 【構成】 本発明は、軟磁性フェライトからなる巻き心
の周囲にFe系非晶質磁性合金リボンを巻回して複合磁
心とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流重畳磁界に対して
透磁率が非直線となる特性を備えた磁心とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の平滑チョークは低磁界から磁心が
飽和する磁界まで磁心材の透磁率が一定に近く、コイル
に流れる電流が小さくなってもインダクタンスの変化は
小さい。
【0003】このためスイッチング電源の平滑用チョー
クとして用いた場合、負荷電流が小さい場合に出力電圧
の変動が生じ問題となっていた。このため、出力電圧の
変動を抑制する回路を付加する等していた。
【0004】しかし、前記のような付加回路が必要であ
るために、部品の増加によるコストの上昇および電源の
大形化等を招いていた。
【0005】このような理由から、コイルに流れる電流
が小さいときにはインダクタンスが大きく、ある電流以
上から磁心が飽和するまでは透磁率の変化が小さい、L
字特性を有するコアを用いたチョークが要求されてい
た。
【0006】前記特性を実現するために、コアのギャッ
プ近傍に透磁率の高い磁性体を配したものや、透磁率の
高い磁性体の磁路断面の一部にギャップを施したチョー
ク用磁心の提案が種々なされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、磁心にギャップが存在するために、ギャップ部
の磁束の漏洩があり、電子機器等に使用した場合、ノイ
ズが発生する可能性があり好ましくなかった。
【0008】また、可聴周波での負荷変動がある場合、
磁性体の磁歪によって磁心の伸縮が生じ、磁路中にギャ
ップがある場合は特にギャップ部での発音が著しいた
め、磁心騒音が問題となるような用途には使用すること
ができなかった。
【0009】前記の問題を解決するために、Fe系非晶
質合金では、異なった温度で熱処理を行ったコアを組み
合わせ一つの磁心とすることにより、非直線特性を有す
るノンギャップタイプのチョークを得ることが可能であ
るが、熱処理工程が二系列必要であることと、二つのコ
アを一つの磁心に組み合わせる工程がさらに必要である
ことなど製造工程が複雑化するため、製造コストが高く
なるという難点があった。
【0010】本発明は、前記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、直流電流の重畳磁界に対して透磁
率特性が非直線特性を有する磁心を、効率的かつ低コス
トにて供給することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟磁性フェラ
イトからなる巻き心の周囲にFe系非晶質磁性合金リボ
ンを巻回した複合磁心を第1の要旨とする。
【0012】また、軟磁性フェライトからなる巻き心の
周囲にFe系非晶質磁性合金リボンを巻回し複合磁心本
体を得た後、このFe系非晶質合金の透磁率が50〜6
00の範囲となる熱処理を施す複合磁心の製造方法を第
2の要旨とする。
【0013】この第2の要旨において、熱処理は結晶化
温度TxにおいてTx−150℃〜Tx−20℃の範囲
で、1分〜20時間の範囲とすることもできる。
【0014】
【作用】前記複合磁心を構成する軟磁性フェライトとし
ては、環状の軟磁性フェライトを用い、この軟磁性フェ
ライトを巻き心として同軸状にFe系非晶質磁性合金リ
ボンを巻回する。
【0015】Fe系非晶質磁性合金リボンは、スリット
状に加工してこれらを相互に組み合わせて巻回した後、
巻き端をカプトンテ−プ等を貼付して固定したものを用
いることができる。
【0016】本発明で使用するFe系非晶質合金(Fe
系非晶質磁性合金)としては、合金中のFeの含有量が
50原子%以上のFe基非晶質合金(金属)であり、こ
れらのFe基非晶質合金としては、Fe−B,Fe−B
−C,Fe−B−Si,Fe−B−Si−C,Fe−B
−Si−Cr,Fe−Co−B−Si,Fe−Ni−M
o−B等のFe系のものを例示できる。
【0017】この中で特に好ましいFe基非晶質合金と
しては、、FeXSiYZWを例示できる。ここでX=
50〜85、Y=1〜15、Z=5〜25(X,Y,Z
いずれも原子%を表す)の範囲である。また、MはC
o,Ni,Nb,Ta,Mo,W,Zr,Cu,Cr,
Mn,C,Al,P等の一種または二種以上の組合せか
らなる金属で、W=0〜5原子%のものを例示できる。
【0018】なお、本発明において、結晶化温度Txと
は、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差
走査熱量測定)装置を用いて(昇温速度10℃/min)
で結晶化ピーク温度を求める方法で測定したものであ
る。
【0019】したがって、本発明における結晶化温度と
は、DSC測定で得られる結晶化ピーク温度、特に第1
結晶化ピーク温度をさす。
【0020】また、熱処理に際して処理条件として湿潤
雰囲気としてもよい。この場合、磁心本体を25℃換算
における単位水蒸気量が3〜600g/m3、特に好ましく
は20〜200g/m3の湿潤雰囲気中で熱処理することが
望ましい。
【0021】なお、この熱処理雰囲気は、大気と同条件
であってもよいが、好ましくは窒素雰囲気等の不活性雰
囲気を用いることにより、Fe系非晶質リボンの端部止
めに用いたカプトンテ−プの剥離等を防止することもで
きる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を実験例および比較例
をもとに説明する。
【0023】本実施例の複合磁心本体1は、図1に示す
ように巻き心を構成する軟磁性フェライト2と、Fe系
非晶質磁性合金リボン3とで構成されている。
【0024】前記軟磁性フェライト2にFe系非晶質磁
性合金リボン3を巻回する方法としては、図2に示す装
置が用いられる。すなわち、供給ロール4に巻回された
Fe系非晶質磁性合金リボン3と軟磁性フェライト2と
の間には、テンション検出器5、リボン切断カッター6
が配置されている。そして、供給ロール4から繰り出さ
れたFe系非晶質磁性合金リボン3は、テンション検出
器5によってそのテンションが検出されて供給ロール4
の図示しない繰り出しモータの回転を制御するようにな
っている。
【0025】巻き心を構成する軟磁性フェライト2は、
巻き取りローラ7に装着されており、図示しない巻き取
りモータによって回転されている。なお、前記Fe系非
晶質磁性合金リボン3の巻き始めはカプトンテープ等を
用いて軟磁性フェライト2の表面に固定してもよい。
【0026】このようにして得られた複合磁心本体1に
熱処理を施し、磁心を得た。このときの熱処理条件等に
ついては下記の実験例の通りである。
【0027】〔実験例1〕 1.MnZn系フェライト 軸長:10mm 外径:20mm 内径:15mm
【0028】2.非晶質磁性合金リボン 組成(原子%):Fe81Si3.513.52 結晶化第一ピーク温度:497℃ 厚さ:21μm 幅 :10mm
【0029】前記軟磁性フェライト2を巻き心としてそ
の周囲に、軟磁性フェライト2と非晶質磁性合金リボン
3との体積比が1:2となるようにして、前記非晶質磁
性合金リボン3を巻回して複合磁心本体1を得た後、こ
の複合磁心本体1を電気炉において処理温度430℃に
て2時間焼鈍し、磁心を得た。
【0030】この磁心について、透磁率と直流重畳磁界
との関係を図3に示す。 〔実験例2〕
【0031】1.MnZn系フェライト 軸長:10mm 外径:20mm 内径:15mm
【0032】2.非晶質磁性合金リボン 組成(原子%):Fe80Si812 結晶化第一ピーク温度:510℃ 厚さ:20μm 幅 :10mm
【0033】前記軟磁性フェライト2を巻き心としてそ
の周囲に、軟磁性フェライト2と非晶質磁性合金リボン
3との体積比が1:1となるようにして、前記非晶質磁
性合金リボン3を巻回して複合磁心本体1を得た後、こ
の複合磁心本体1を電気炉において処理温度450℃に
て2時間焼鈍し、磁心を得た。
【0034】この磁心について、透磁率と直流重畳磁界
との関係を図3に示す。 〔比較例〕巻き心を用いることなく、実験例1で用いた
非晶質磁性合金リボン(Fe81Si3.513.52)を巻
回して磁心本体を得た後、この磁心本体を電気炉におい
て処理温度430℃で2時間焼鈍して磁心を得た。
【0035】この磁心について、透磁率と直流重畳磁界
との関係を図3に示す。以上の各実験例1および2と比
較例との対比から明かなように、本実施例によれば、コ
イルに流れる電流が小さい場合にインダクタンスが大き
く、ある電流以上から磁心が飽和するまでは透磁率の変
化が小さいL字状の非線形特性を備えた磁心を得ること
ができる。
【0036】特に、本実施例では、巻き心に軟磁性フェ
ライト2を用い、これにFe系非晶質磁性合金リボン3
を巻回することにより、軟磁性フェライト2とFe系非
晶質磁性合金とを容易に複合化することができ、その後
の熱処理もこの複合状態のまま実施できる。このとき、
軟磁性フェライト2の磁気特性にはほとんど影響がない
ため、Fe系非晶質磁性合金の特性に合わせた熱処理を
施すことができ、比較的容易かつ効率的にL字特性の優
れた磁心を製造することが可能となる。
【0037】これによって得られた磁心を平滑チョーク
として用いた場合、従来のスイッチング電源の低電流時
の出力電圧の変動を抑止でき、且つ漏洩磁束に起因する
ノイズを低減でき、さらに可聴周波の負荷変動による磁
心騒音を大幅に低減することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、簡易な製造工程でL字
状の非線形特性を有するノンギャップタイプのチョーク
コイルを効率的かつ低コストで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における複合磁心本体を示す斜
視図
【図2】実施例における磁心の製造に際して、磁性リボ
ンの巻き取り方法を示す概略説明図
【図3】実施例の各実験例と比較例における磁心の直流
重畳磁界に対する透磁率の変化を示すグラフ図
【符号の説明】
1・・複合磁心本体 2・・軟磁性フェライト 3・・Fe系非晶質磁性合金リボン 4・・供給ロール 5・・テンション検出器 6・・リボン切断カッター 7・・巻き取りローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 27/24 41/02 C 8019−5E 8935−5E H01F 27/24 J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性フェライトからなる巻き心の周囲
    にFe系非晶質磁性合金リボンを巻回した複合磁心。
  2. 【請求項2】 軟磁性フェライトからなる巻き心の周囲
    にFe系非晶質磁性合金リボンを巻回し複合磁心本体を
    得た後、このFe非晶質磁性合金の透磁率が50〜60
    0の範囲となる熱処理を施した複合磁心の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理はFe系非晶質磁性合金リボ
    ンの結晶化温度TxにおいてTx−150℃〜Tx−2
    0℃の範囲で、1分〜20時間の熱処理を行うことを特
    徴とする請求項2記載の複合磁心の製造方法。
JP3120455A 1991-05-24 1991-05-24 複合磁心およびその製造方法 Pending JPH05308027A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009007639A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Nippon Steel Corp Fe系非晶質合金薄帯
CN104124040A (zh) * 2013-04-25 2014-10-29 台达电子工业股份有限公司 磁芯与应用其的磁性元件
JP2020503676A (ja) * 2017-01-03 2020-01-30 エルジー イノテック カンパニー リミテッド インダクタ及びこれを含むemiフィルター

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