JPH05307811A - テープガイドドラムのリードに被膜を形成する方法 - Google Patents
テープガイドドラムのリードに被膜を形成する方法Info
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- JPH05307811A JPH05307811A JP4140040A JP14004092A JPH05307811A JP H05307811 A JPH05307811 A JP H05307811A JP 4140040 A JP4140040 A JP 4140040A JP 14004092 A JP14004092 A JP 14004092A JP H05307811 A JPH05307811 A JP H05307811A
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- guide drum
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Abstract
(57)【要約】
[目的] テープガイドドラム26の外周面には被膜4
7を残存させることなく、しかもそのリード40の部分
に耐摩耗性に優れた酸化珪素から成る被膜46を形成す
ることを目的とする。 [構成] 回転ヘッドドラム41と組合わせて用いられ
るテーブガイドドラム26にPVDプロセスを行ない、
被膜46を形成する方法に係り、被膜材料として酸化珪
素を用いるようにし、テープガイドドラム26の中心軸
線を被着源物質37の中心部に向けて対向させてPVD
プロセスを行なわせることによって、リード40の部分
にのみ耐摩耗性のある被膜46を形成するようにし、ア
ニール工程の省略と外径寸法の変化とを抑えるようにし
たもである。
7を残存させることなく、しかもそのリード40の部分
に耐摩耗性に優れた酸化珪素から成る被膜46を形成す
ることを目的とする。 [構成] 回転ヘッドドラム41と組合わせて用いられ
るテーブガイドドラム26にPVDプロセスを行ない、
被膜46を形成する方法に係り、被膜材料として酸化珪
素を用いるようにし、テープガイドドラム26の中心軸
線を被着源物質37の中心部に向けて対向させてPVD
プロセスを行なわせることによって、リード40の部分
にのみ耐摩耗性のある被膜46を形成するようにし、ア
ニール工程の省略と外径寸法の変化とを抑えるようにし
たもである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテープガイドドラムのリ
ードに被膜を形成する方法に係り、とくにテープ状記録
媒体の側端部を案内するために螺旋状段部から成るリー
ドをテーブガイドドラムに形成し、しかもこのリードに
耐摩耗性の被膜を形成する方法に関する。
ードに被膜を形成する方法に係り、とくにテープ状記録
媒体の側端部を案内するために螺旋状段部から成るリー
ドをテーブガイドドラムに形成し、しかもこのリードに
耐摩耗性の被膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】VTRの回転ヘッドドラム装置は、図3
に示すように固定側のガイドドラム26と回転ヘッドド
ラム41とから構成されており、しかも回転ヘッドドラ
ム41の下端側には外周面に臨むように磁気ヘッド42
が取付けられている。そして軸テープ43はテープガイ
ドドラム26の螺旋状段部から成るリード40によって
その側端部が案内されながらゆっくりと走行するように
なっており、このときに高速で回転される回転ヘッドド
ラム41の磁気ヘッド42と摺接し、斜めにトラックが
形成されてヘリカルスキャン方式の記録および/または
再生が行なわれるようになっている。
に示すように固定側のガイドドラム26と回転ヘッドド
ラム41とから構成されており、しかも回転ヘッドドラ
ム41の下端側には外周面に臨むように磁気ヘッド42
が取付けられている。そして軸テープ43はテープガイ
ドドラム26の螺旋状段部から成るリード40によって
その側端部が案内されながらゆっくりと走行するように
なっており、このときに高速で回転される回転ヘッドド
ラム41の磁気ヘッド42と摺接し、斜めにトラックが
形成されてヘリカルスキャン方式の記録および/または
再生が行なわれるようになっている。
【0003】このようにテープガイドドラム26のリー
ド40によって磁気テープ43の側端部を案内するよう
にすると、リード40の上向きの面が磁気テープ43に
よって摩耗することになる。従ってテープガイドドラム
26を耐摩耗性の優れた硬い材料で一体に形成すること
が考察されるが、下側のドラム26の材料が硬いと研磨
仕上げの工数が多くなり、コストが増大する欠点があ
る。
ド40によって磁気テープ43の側端部を案内するよう
にすると、リード40の上向きの面が磁気テープ43に
よって摩耗することになる。従ってテープガイドドラム
26を耐摩耗性の優れた硬い材料で一体に形成すること
が考察されるが、下側のドラム26の材料が硬いと研磨
仕上げの工数が多くなり、コストが増大する欠点があ
る。
【0004】そこで本願発明者等は、特開昭61−15
8065号公報に開示されているように、酸化アルミニ
ウムから成る被膜を上記リード40の表面に形成するよ
うにしており、このような被膜によって耐摩耗性を付与
するようにしている。
8065号公報に開示されているように、酸化アルミニ
ウムから成る被膜を上記リード40の表面に形成するよ
うにしており、このような被膜によって耐摩耗性を付与
するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが酸化アルミニ
ウムによって被膜を形成する場合には、高温での処理を
行なう必要がある。すなわちPVDプロセスによってリ
ードに耐摩耗性の酸化アルミニウムから成る被膜を形成
する場合には、ガイドドラムを200〜300℃の高温
にさらす必要がある。従って処理の前後でドラムの寸法
および形状が変化してしまい、寸法精度が極めて厳しい
ものには使用できない欠点がある。
ウムによって被膜を形成する場合には、高温での処理を
行なう必要がある。すなわちPVDプロセスによってリ
ードに耐摩耗性の酸化アルミニウムから成る被膜を形成
する場合には、ガイドドラムを200〜300℃の高温
にさらす必要がある。従って処理の前後でドラムの寸法
および形状が変化してしまい、寸法精度が極めて厳しい
ものには使用できない欠点がある。
【0006】またこの方法では下ドラムの外周面にも被
膜が形成されるが、この部分の被膜の表面性状、すなわ
ち表面粗さ等を制御することができず、機械加工によっ
て精度よく制御された表面性状とは違ったものになって
しまい、表面性状の精度が要求されるものに対しては使
用できないという問題がある。
膜が形成されるが、この部分の被膜の表面性状、すなわ
ち表面粗さ等を制御することができず、機械加工によっ
て精度よく制御された表面性状とは違ったものになって
しまい、表面性状の精度が要求されるものに対しては使
用できないという問題がある。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、テープガイドドラムを高温にさらすこ
となく、しかもPVDプロセスによってリードの部分に
耐摩耗性の被膜を効果的に形成することができるととも
に、リード以外の部分については後から被膜を除去する
ことができるようにしたテープガイドドラムのリードに
被膜を形成する方法を提供することを目的とするもので
ある。
たものであって、テープガイドドラムを高温にさらすこ
となく、しかもPVDプロセスによってリードの部分に
耐摩耗性の被膜を効果的に形成することができるととも
に、リード以外の部分については後から被膜を除去する
ことができるようにしたテープガイドドラムのリードに
被膜を形成する方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、テープ状
記録媒体の側端部を案内するために螺旋状段部から成る
リードをテープガイドドラムに形成し、該リードに耐摩
耗性の被膜を形成する方法において、PVD装置内に被
着源物質とテープガイドドラムとを配し、しかも前記テ
ープガイドドラムの軸線の延長上に前記被着源物質が位
置するようにし、前記テープガイドドラムのリードに酸
化珪素から成る被膜をPVDプロセスによって形成する
ようにしたことを特徴とするテープガイドドラムのリー
ドに被膜を形成する方法に関するものである。
記録媒体の側端部を案内するために螺旋状段部から成る
リードをテープガイドドラムに形成し、該リードに耐摩
耗性の被膜を形成する方法において、PVD装置内に被
着源物質とテープガイドドラムとを配し、しかも前記テ
ープガイドドラムの軸線の延長上に前記被着源物質が位
置するようにし、前記テープガイドドラムのリードに酸
化珪素から成る被膜をPVDプロセスによって形成する
ようにしたことを特徴とするテープガイドドラムのリー
ドに被膜を形成する方法に関するものである。
【0009】また第2の発明は、上記第1の発明におい
て、複数のテープガイドドラムをそれらの軸線が仮想円
錐の母線と一致するように配するともとに、前記円錐の
頂点に前記被着源物質が配されるようになし、前記仮想
円錐の中心軸線に対して垂直な平面上の円周に沿って前
記複数のテープガイドドラムを自転させながら公転させ
るようにしたことを特徴とするテープガイドドラムのリ
ードに被膜を形成する方法に関するものである。
て、複数のテープガイドドラムをそれらの軸線が仮想円
錐の母線と一致するように配するともとに、前記円錐の
頂点に前記被着源物質が配されるようになし、前記仮想
円錐の中心軸線に対して垂直な平面上の円周に沿って前
記複数のテープガイドドラムを自転させながら公転させ
るようにしたことを特徴とするテープガイドドラムのリ
ードに被膜を形成する方法に関するものである。
【0010】また第3の発明は、上記第1の発明におい
て、予めアニール工程を行なうことなく前記PVDプロ
セスを行なうようにしたことを特徴とするテープガイド
ドラムのリードに被膜を形成する方法に関するものであ
る。
て、予めアニール工程を行なうことなく前記PVDプロ
セスを行なうようにしたことを特徴とするテープガイド
ドラムのリードに被膜を形成する方法に関するものであ
る。
【0011】また第4の発明は、上記第1の発明におい
て、前記テープガイドドラムのリード以外の外周面に形
成された酸化珪素から成る被膜を拭き取るかクリーニン
グすることによって除去するようにしたことを特徴とす
るテープガイドドラムのリードに被膜を形成する方法に
関するものである。
て、前記テープガイドドラムのリード以外の外周面に形
成された酸化珪素から成る被膜を拭き取るかクリーニン
グすることによって除去するようにしたことを特徴とす
るテープガイドドラムのリードに被膜を形成する方法に
関するものである。
【0012】
【作用】第1の発明によれば、PVD装置内に配されて
いる被着源物質を用いたPVDプロセスによって、テー
プガイドドラムのリードに酸化珪素から成る被膜が形成
されるようになる。
いる被着源物質を用いたPVDプロセスによって、テー
プガイドドラムのリードに酸化珪素から成る被膜が形成
されるようになる。
【0013】第2の発明によれば、仮想円錐の中心線に
対して垂直な平面上の円周に沿って複数のテープガイド
ドラムが自転しながら公転するようになり、上記テープ
ガイドドラムの軸線の交点であって仮想円錐の頂点に位
置する被着源物質によって、PVDプロセスで複数のテ
ープガイドドラムのリードに被膜が一緒に形成されるよ
うになる。
対して垂直な平面上の円周に沿って複数のテープガイド
ドラムが自転しながら公転するようになり、上記テープ
ガイドドラムの軸線の交点であって仮想円錐の頂点に位
置する被着源物質によって、PVDプロセスで複数のテ
ープガイドドラムのリードに被膜が一緒に形成されるよ
うになる。
【0014】第3の発明によれば、アニール工程を行な
うことなく、いきなりPVD装置内においてテープガイ
ドドラムは、そのリードにPVDプロセスによって被膜
が形成されることになる。
うことなく、いきなりPVD装置内においてテープガイ
ドドラムは、そのリードにPVDプロセスによって被膜
が形成されることになる。
【0015】第4の発明によれば、テープガイドドラム
のリード以外の外周面に形成された酸化珪素から成る被
膜が拭き取られ、あるいはまたクリーニングされること
によって除去されるようになり、リード以外の部分には
被膜が残存しなくなる。
のリード以外の外周面に形成された酸化珪素から成る被
膜が拭き取られ、あるいはまたクリーニングされること
によって除去されるようになり、リード以外の部分には
被膜が残存しなくなる。
【0016】
【実施例】図1および図2は本発明の一実施例に係る方
法の実施に供されるPVD装置を示すものであって、こ
のPVD装置は底板10を備えるとともに、底板10の
上側にはベルジャ型容器11が組合わされるようになっ
ている。これらの底板10とベルジャ型容器11とによ
って、真空室12が形成されることになる。そして真空
室12内にはその上部に公転円板13が配されている。
法の実施に供されるPVD装置を示すものであって、こ
のPVD装置は底板10を備えるとともに、底板10の
上側にはベルジャ型容器11が組合わされるようになっ
ている。これらの底板10とベルジャ型容器11とによ
って、真空室12が形成されることになる。そして真空
室12内にはその上部に公転円板13が配されている。
【0017】公転円板13の外周側にはギヤ14が形成
されており、このギヤ14はピニオン15と噛合ってい
る。ピニオン15は伝動軸16の上端に固着されるとと
もに、この伝動軸16の下端は底板10の外部に引出さ
れ、しかも傘歯車17が固着されている。傘歯車17は
傘歯車18と噛合っている。なお傘歯車18は駆動軸1
9先端部に固着されている。
されており、このギヤ14はピニオン15と噛合ってい
る。ピニオン15は伝動軸16の上端に固着されるとと
もに、この伝動軸16の下端は底板10の外部に引出さ
れ、しかも傘歯車17が固着されている。傘歯車17は
傘歯車18と噛合っている。なお傘歯車18は駆動軸1
9先端部に固着されている。
【0018】公転円板13の下側にはこの円板13に対
して垂直に8本の回転軸22が植設されるように取付け
られている。そして回転軸22にはそれぞれプーリ23
が固着されるとともに、さらに回転軸22の先端側には
傘歯車24が固着されている。この傘歯車24はその軸
線が傾斜する別の傘歯車25と噛合うようになってい
る。そして傘歯車25の支軸にはテープガイドドラム2
6が固着されるとともに、固定板27によって固定され
ている。ここでテープガイドドラム26はその軸線が斜
めに取付けられており、8個のテープガイドドラム26
の軸線の延長は、このPVD装置の底部側において互い
に交差するように配されている。
して垂直に8本の回転軸22が植設されるように取付け
られている。そして回転軸22にはそれぞれプーリ23
が固着されるとともに、さらに回転軸22の先端側には
傘歯車24が固着されている。この傘歯車24はその軸
線が傾斜する別の傘歯車25と噛合うようになってい
る。そして傘歯車25の支軸にはテープガイドドラム2
6が固着されるとともに、固定板27によって固定され
ている。ここでテープガイドドラム26はその軸線が斜
めに取付けられており、8個のテープガイドドラム26
の軸線の延長は、このPVD装置の底部側において互い
に交差するように配されている。
【0019】上記回転軸22に取付けられている8個の
プーリ23には共通のベルト29が掛渡されている。そ
してこのベルト29はさらに駆動プーリ30に掛渡され
ている。駆動プーリ30は図1に示す伝動軸31の上端
に固着されるとともに、この伝動軸31が底板10を貫
通してその下側に引出されるとともに、傘歯車32が固
着されている。そして傘歯車32は別の傘歯車33と噛
合っている。傘歯車33は水平に配されている駆動軸3
4の先端部に固着されるようになっている。
プーリ23には共通のベルト29が掛渡されている。そ
してこのベルト29はさらに駆動プーリ30に掛渡され
ている。駆動プーリ30は図1に示す伝動軸31の上端
に固着されるとともに、この伝動軸31が底板10を貫
通してその下側に引出されるとともに、傘歯車32が固
着されている。そして傘歯車32は別の傘歯車33と噛
合っている。傘歯車33は水平に配されている駆動軸3
4の先端部に固着されるようになっている。
【0020】PVD装置を構成する底板10の上面であ
ってそのほぼ中央部にはるつぼ36が配されている。そ
してこのるつぼ36の凹部には被着源物質37が収納さ
れている。上記8個のテープガイドドラム26の軸線の
延長は、この被着源物質37のほぼ中央部において互い
に交差するようになっており、この交差する点が仮想円
錐の頂点を構成している。また上記るつぼ36の側部に
は電子銃38が設けられており、上方に向けて電子ビー
ムを発射するようになっている。
ってそのほぼ中央部にはるつぼ36が配されている。そ
してこのるつぼ36の凹部には被着源物質37が収納さ
れている。上記8個のテープガイドドラム26の軸線の
延長は、この被着源物質37のほぼ中央部において互い
に交差するようになっており、この交差する点が仮想円
錐の頂点を構成している。また上記るつぼ36の側部に
は電子銃38が設けられており、上方に向けて電子ビー
ムを発射するようになっている。
【0021】つぎに以上のような構成になる装置によっ
てテープガイドドラム26のリード40(図3参照)に
耐摩耗性の被膜を形成する動作について説明する。図1
に示す容器11の内部の真空室12内を所定の真空度、
例えば10-5Torr程度の真空にする。そして駆動軸
19を図外のモータによって駆動することにより、傘歯
車18、17、伝動軸16、ピニオン15、およびギヤ
14を介して公転円板13を容器11内でゆっくりと公
転させる。
てテープガイドドラム26のリード40(図3参照)に
耐摩耗性の被膜を形成する動作について説明する。図1
に示す容器11の内部の真空室12内を所定の真空度、
例えば10-5Torr程度の真空にする。そして駆動軸
19を図外のモータによって駆動することにより、傘歯
車18、17、伝動軸16、ピニオン15、およびギヤ
14を介して公転円板13を容器11内でゆっくりと公
転させる。
【0022】またそれぞれのテープガイドドラム26を
ゆっくりと自転させる。この動作は図外のモータによっ
て駆動軸34を回転させ、傘歯車33、32、伝動軸3
1、プーリ30、ベルト29を介して回転軸22に取付
けられているプーリ23を回転させる。それぞれのプー
リ23の回転はさらに支軸22、傘歯車24、25を介
してテープガイドドラム26に伝達される。従ってテー
プガイドドラム26はるつぼ36内の被着源物質37の
上面の中心部を頂点とする仮想円錐の母線を軸線として
回転するようになる。
ゆっくりと自転させる。この動作は図外のモータによっ
て駆動軸34を回転させ、傘歯車33、32、伝動軸3
1、プーリ30、ベルト29を介して回転軸22に取付
けられているプーリ23を回転させる。それぞれのプー
リ23の回転はさらに支軸22、傘歯車24、25を介
してテープガイドドラム26に伝達される。従ってテー
プガイドドラム26はるつぼ36内の被着源物質37の
上面の中心部を頂点とする仮想円錐の母線を軸線として
回転するようになる。
【0023】また電子銃38によって電子ビームを上方
に向けて発射させる。そして上方に向けて発射させた電
子ビームを図外の偏向装置よって180°偏向させ、る
つぼ36の被着源物質37の中心部にほぼ真上から電子
ビームを入射させる。これによって被着源物質37が高
温に加熱され、この被着源物質37から酸化珪素が蒸発
する。蒸発した酸化珪素は真空室12内に飛出し、公転
円板13によってゆっくりと公転しながらしかも被着源
物質37の中心部に交わる回転軸線を中心として自転す
るテープガイドドラム26のリード40に付着して図4
に示すように被膜46を形成する。なおこのときに同時
にテープガイドドラム26のリード40以外の外周面に
も被膜47が形成される。
に向けて発射させる。そして上方に向けて発射させた電
子ビームを図外の偏向装置よって180°偏向させ、る
つぼ36の被着源物質37の中心部にほぼ真上から電子
ビームを入射させる。これによって被着源物質37が高
温に加熱され、この被着源物質37から酸化珪素が蒸発
する。蒸発した酸化珪素は真空室12内に飛出し、公転
円板13によってゆっくりと公転しながらしかも被着源
物質37の中心部に交わる回転軸線を中心として自転す
るテープガイドドラム26のリード40に付着して図4
に示すように被膜46を形成する。なおこのときに同時
にテープガイドドラム26のリード40以外の外周面に
も被膜47が形成される。
【0024】上記実施例に係る装置によるリード40に
被膜46を形成する方法は、特開昭61−158060
号において用いた被膜用の材料を酸化アルミニウムから
酸化珪素に代えたことに特徴がある。従来の酸化アルミ
ニウムは被膜を作り易いが、高温での処理が必要であ
り、また円筒面に付着したときにその表面性状が比較的
良好な特徴をもっている。
被膜46を形成する方法は、特開昭61−158060
号において用いた被膜用の材料を酸化アルミニウムから
酸化珪素に代えたことに特徴がある。従来の酸化アルミ
ニウムは被膜を作り易いが、高温での処理が必要であ
り、また円筒面に付着したときにその表面性状が比較的
良好な特徴をもっている。
【0025】これに対して酸化アルミニウムに代えて酸
化珪素を用いると、アルミニウムから成るテープガイド
ドラム26に対する被膜の作り易さは中程度であるが、
比較的低温での処理が可能になる。また円筒面に付着す
ると、その表面性状を悪化させる可能性があるという特
徴をもっている。
化珪素を用いると、アルミニウムから成るテープガイド
ドラム26に対する被膜の作り易さは中程度であるが、
比較的低温での処理が可能になる。また円筒面に付着す
ると、その表面性状を悪化させる可能性があるという特
徴をもっている。
【0026】とくに酸化珪素を被着用の材料とすること
により、150℃程度の低温での処理が可能なために、
PVDプロセスにおけるイオンプレーティング処理の前
後で外径形状の寸法の変化がほとんど発生しない。しか
しリード40以外の外周面に付着した被膜47の表面性
状がよくないために、磁気テープ43の走行に悪影響を
及ぼし、このままでは使用できない。そこでリード40
以外の外周面に形成されている被膜47を除去する必要
がある。そして被膜47を除去することによって、テー
プガイドドラム26の機械加工によって得られた表面性
状をイオンプレーティング処理の後でもそのまま維持す
ることができるようになる。
により、150℃程度の低温での処理が可能なために、
PVDプロセスにおけるイオンプレーティング処理の前
後で外径形状の寸法の変化がほとんど発生しない。しか
しリード40以外の外周面に付着した被膜47の表面性
状がよくないために、磁気テープ43の走行に悪影響を
及ぼし、このままでは使用できない。そこでリード40
以外の外周面に形成されている被膜47を除去する必要
がある。そして被膜47を除去することによって、テー
プガイドドラム26の機械加工によって得られた表面性
状をイオンプレーティング処理の後でもそのまま維持す
ることができるようになる。
【0027】リード40以外の部分の被膜47を除去す
るために、テープガイドドラム26の軸線をるつぼ36
の被着源物質37の上部に向けて取付ける。これによっ
てドラム26のリード40の部分にはより強固な被膜4
6が形成されるとともに、外周面には脆い被膜47が形
成されることになる。
るために、テープガイドドラム26の軸線をるつぼ36
の被着源物質37の上部に向けて取付ける。これによっ
てドラム26のリード40の部分にはより強固な被膜4
6が形成されるとともに、外周面には脆い被膜47が形
成されることになる。
【0028】また被膜46を付着され易くするための常
套手段として用いられているアニール工程、すなわち被
膜を形成する前に真空中でテープガイドドラム26を1
50℃程度に加熱する工程を省略することによって、テ
ープガイドドラム26の被膜がさらに除去され易くなっ
ている。またこのことによって、テープガイドドラム2
6は100℃程度までしか温度が上昇しなくなり、処理
前後の外径寸法の変化が全くなくなっている。このこと
は表1に示すデータから明らかである。
套手段として用いられているアニール工程、すなわち被
膜を形成する前に真空中でテープガイドドラム26を1
50℃程度に加熱する工程を省略することによって、テ
ープガイドドラム26の被膜がさらに除去され易くなっ
ている。またこのことによって、テープガイドドラム2
6は100℃程度までしか温度が上昇しなくなり、処理
前後の外径寸法の変化が全くなくなっている。このこと
は表1に示すデータから明らかである。
【表1】 また上記PVDプロセスにおいて、被膜46、47を生
成する速度を従来の1秒当り15オングストロームの生
成速度を同30オングストローム程度に大きくするよう
にしている。このように被膜生成速度を速めることによ
って、とくにドラム26の外周面における被膜47の付
着力が弱くなり、テープガイドドラム26の外周面の被
膜47が非常に剥れ易くなっている。またこのような被
膜47の積層構造は脆いものとなっている。
成する速度を従来の1秒当り15オングストロームの生
成速度を同30オングストローム程度に大きくするよう
にしている。このように被膜生成速度を速めることによ
って、とくにドラム26の外周面における被膜47の付
着力が弱くなり、テープガイドドラム26の外周面の被
膜47が非常に剥れ易くなっている。またこのような被
膜47の積層構造は脆いものとなっている。
【0029】そこでPVDプロセスを終った後にガイド
ドラム26を取外して外周面の被膜47を除去する。こ
の被膜47の除去は研磨剤を含んだ軟らかい布、すなわ
ちポリマールを用いて拭き取る。あるいはまた多数のと
うもろこしの皮と溶剤を混ぜたものの中で、テープ案内
ドラムを高速で回転させることによって表面をクリーニ
ングするジャイロフィニッシュの方法によって行なうこ
とが可能である。
ドラム26を取外して外周面の被膜47を除去する。こ
の被膜47の除去は研磨剤を含んだ軟らかい布、すなわ
ちポリマールを用いて拭き取る。あるいはまた多数のと
うもろこしの皮と溶剤を混ぜたものの中で、テープ案内
ドラムを高速で回転させることによって表面をクリーニ
ングするジャイロフィニッシュの方法によって行なうこ
とが可能である。
【0030】このような方法によって外周面の被膜47
を除去すると、テープガイドドラム26の外周面であっ
てテープ走行に悪影響を及ぼす円筒面に余計な被膜を付
着させることがなく、強力な耐摩耗性が要求されるリー
ド40の部分に強固な被膜46を残存させることが可能
になる。ここで得られる被膜46は次表に示すように、
従来の酸化アルミニウムの被膜よりも高い摩擦係数を有
している。
を除去すると、テープガイドドラム26の外周面であっ
てテープ走行に悪影響を及ぼす円筒面に余計な被膜を付
着させることがなく、強力な耐摩耗性が要求されるリー
ド40の部分に強固な被膜46を残存させることが可能
になる。ここで得られる被膜46は次表に示すように、
従来の酸化アルミニウムの被膜よりも高い摩擦係数を有
している。
【表2】 以上のように本実施例は、ガイドドラム26の軸線をる
つぼ36内の被着源物質37の蒸発部に向けてドラム2
6を公転させながら自転させてそのリード40に酸化珪
素から成る被膜を形成するようにしたものである。しか
もこのような被膜46を形成する際に従来常套手段とし
て用いられていたアニール工程を省略し、しかも被膜生
成速度を調整することによって、外周面の被膜47の付
着力を低下させ、ジャイロフィニッシュあるいはポリマ
ールによるクリーニングによって外周面の被膜47を除
去するようにしたものである。
つぼ36内の被着源物質37の蒸発部に向けてドラム2
6を公転させながら自転させてそのリード40に酸化珪
素から成る被膜を形成するようにしたものである。しか
もこのような被膜46を形成する際に従来常套手段とし
て用いられていたアニール工程を省略し、しかも被膜生
成速度を調整することによって、外周面の被膜47の付
着力を低下させ、ジャイロフィニッシュあるいはポリマ
ールによるクリーニングによって外周面の被膜47を除
去するようにしたものである。
【0031】従ってテープガイドドラム26のリード4
0の部分の被膜47の耐摩耗性を飛躍的に向上させるこ
とが可能になる。またテープガイドドラム26を高温に
さらすことなく、PVDプロセスによってリード40に
被膜46を形成するようにしているために、処理前後の
寸法変化が全くなく、高精度が要求されるテープガイド
ドラム26に対しても、処理の後に仕上げの切削加工を
行なう必要がなくなる。またテープガイドドラム26の
リード40の部分だけに被膜46を残し、他の部分の被
膜47を除去することによって、外周面の被膜47がテ
ープ走行に悪影響を及ぼすことがなくなる。また前工程
として用いられるアニール工程を省略できるために、コ
ストダウンにつながることになる。
0の部分の被膜47の耐摩耗性を飛躍的に向上させるこ
とが可能になる。またテープガイドドラム26を高温に
さらすことなく、PVDプロセスによってリード40に
被膜46を形成するようにしているために、処理前後の
寸法変化が全くなく、高精度が要求されるテープガイド
ドラム26に対しても、処理の後に仕上げの切削加工を
行なう必要がなくなる。またテープガイドドラム26の
リード40の部分だけに被膜46を残し、他の部分の被
膜47を除去することによって、外周面の被膜47がテ
ープ走行に悪影響を及ぼすことがなくなる。また前工程
として用いられるアニール工程を省略できるために、コ
ストダウンにつながることになる。
【0032】
【発明の効果】第1の発明は、PVD装置内に被着源物
質とテープガイドドラムとを配し、しかもテープガイド
ドラムの軸線の延長上に被着源物質が位置するように
し、テープガイドドラムのリードに酸化珪素から成る被
膜をPVDプロセスによって形成するようにしたもので
ある。
質とテープガイドドラムとを配し、しかもテープガイド
ドラムの軸線の延長上に被着源物質が位置するように
し、テープガイドドラムのリードに酸化珪素から成る被
膜をPVDプロセスによって形成するようにしたもので
ある。
【0033】従って被着源物質から蒸発した酸化珪素に
よって、テープガイドドラムのリードに被膜を形成する
ことが可能になるとともに、テープガイドドラムの外周
面に形成される酸化珪素被膜が脆くなり、後から容易に
除去できるようになる。
よって、テープガイドドラムのリードに被膜を形成する
ことが可能になるとともに、テープガイドドラムの外周
面に形成される酸化珪素被膜が脆くなり、後から容易に
除去できるようになる。
【0034】第2の発明は、複数のテープガイドドラム
をそれらの軸線が仮想円錐の母線と一致するように配す
るとともに、上記仮想円錐の頂点に被着源物質が配され
るようにし、テープガイドドラムを自転させながら公転
させてそのリードに被膜を形成するようにしたものであ
る。
をそれらの軸線が仮想円錐の母線と一致するように配す
るとともに、上記仮想円錐の頂点に被着源物質が配され
るようにし、テープガイドドラムを自転させながら公転
させてそのリードに被膜を形成するようにしたものであ
る。
【0035】従ってテープガイドドラムのリードの部分
にまんべんなくしかも強固な酸化珪素から成る被膜を形
成できるようになる。
にまんべんなくしかも強固な酸化珪素から成る被膜を形
成できるようになる。
【0036】第3の発明は、予めアニール工程を行なう
ことなく上記PVDプロセスを行なうようにしたもので
ある。
ことなく上記PVDプロセスを行なうようにしたもので
ある。
【0037】従ってアニール工程による外径寸法の変化
の発生をなくすことが可能になる。またこのようなアニ
ール工程を省略することによって、プロセスのコストの
低減を図ることが可能になる。
の発生をなくすことが可能になる。またこのようなアニ
ール工程を省略することによって、プロセスのコストの
低減を図ることが可能になる。
【0038】第4の発明は、テープガイドドラムのリー
ド以外の外周面に形成された酸化珪素から成る被膜を拭
き取るかクリーニングすることによって除去するように
したものである。従って外周面には酸化珪素から成る被
膜が残存することがなく、機械加工によって得られた表
面性状を維持することが可能になり、外周面の被膜によ
るテープ走行への悪影響を防止できるようになる。
ド以外の外周面に形成された酸化珪素から成る被膜を拭
き取るかクリーニングすることによって除去するように
したものである。従って外周面には酸化珪素から成る被
膜が残存することがなく、機械加工によって得られた表
面性状を維持することが可能になり、外周面の被膜によ
るテープ走行への悪影響を防止できるようになる。
【図1】PVDプロセスのための装置の縦断面図であ
る。
る。
【図2】図1におけるII〜II線断面図である。
【図3】回転ヘッドドラムと組合わされたテープガイド
ドラムの外観斜視図である。
ドラムの外観斜視図である。
【図4】テープガイドドラムの要部断面図である。
【図5】外周面の被膜を除去したテープガイドドラムの
要部断面図である。
要部断面図である。
10 底板 11 ベルジャ型容器 12 真空室 13 公転円板 14 ギヤ 15 ピニオン 16 伝動軸 17、18 傘歯車 19 駆動軸 22 回転軸 23 プーリ 24、25 傘歯車 26 テープガイドドラム 27 固定板 29 ベルト 30 駆動プーリ 31 伝動軸 32、33 傘歯車 34 駆動軸 36 るつぼ 37 被着源物質 38 電子銃 40 リード 41 回転ヘッドドラム 42 磁気ヘッド 43 磁気テープ 46、47 被膜
Claims (4)
- 【請求項1】 テープ状記録媒体の側端部を案内するた
めの螺旋状段部から成るリードをテープガイドドラムに
形成し、該リードに耐摩耗性の被膜を形成する方法にお
いて、 PVD装置内に被着源物質とテープガイドドラムとを配
し、しかも前記テープガイドドラムの軸線の延長上に前
記被着源物質が位置するようにし、 前記テープガイドドラムのリードに酸化珪素から成る被
膜をPVDプロセスによって形成するようにしたことを
特徴とするテープガイドドラムのリードに被膜を形成す
る方法。 - 【請求項2】 複数のテープガイドドラムをそれらの軸
線が仮想円錐の母線と一致するように配するともとに、
前記円錐の頂点に前記被着源物質が配されるようにな
し、 前記仮想円錐の中心軸線に対して垂直な平面上の円周に
沿って前記複数のテープガイドドラムを自転させながら
公転させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載
のテープガイドドラムのリードに被膜を形成する方法。 - 【請求項3】 予めアニール工程を行なうことなく前記
PVDプロセスを行なうようにしたことを特徴とする請
求項1に記載のテープガイドドラムのリードに被膜を形
成する方法。 - 【請求項4】 前記テープガイドドラムのリード以外の
外周面に形成された酸化珪素から成る被膜を拭き取るか
クリーニングすることによって除去するようにしたこと
を特徴とする請求項1に記載のテープガイドドラムのリ
ードに被膜を形成する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4140040A JPH05307811A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | テープガイドドラムのリードに被膜を形成する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4140040A JPH05307811A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | テープガイドドラムのリードに被膜を形成する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05307811A true JPH05307811A (ja) | 1993-11-19 |
Family
ID=15259574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4140040A Pending JPH05307811A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | テープガイドドラムのリードに被膜を形成する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05307811A (ja) |
-
1992
- 1992-05-01 JP JP4140040A patent/JPH05307811A/ja active Pending
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