JPH05307754A - 情報記録再生用光磁気ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 標準型光ディスクを使用できる上、面振れが
大きい光ディスクでも何ら支障なく使用することができ
る情報記録再生用光磁気ディスク装置を提供する。 【構成】 光記録媒体１を挟んで相対向する位置に配置
した光学ヘッド２および磁気ヘッド３を備え、光磁気記
録方式により情報の記録・再生を行う光磁気ディスク装
置において、上記光学ヘッド２および磁気ヘッド３を、
光記録媒体１の回転に伴い発生する空気流によって浮動
する浮上スライダー４、５にそれぞれ搭載した情報記録
再生用光磁気ディスク装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は情報記録再生用光磁気デ
ィスク装置に係り、詳しくは、光磁気記録方式により情
報の記録・再生を行うための光学ヘッドと磁気ヘッドを
光記録媒体を挟んで対向する位置に配置し、しかも両ヘ
ッドをそれぞれ浮上スライダーに搭載した光磁気ディス
ク装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の光磁気ディスク装置においては、
情報の記録・再生を行う光磁気ヘッドとして下記のよう
な浮上型光磁気ヘッドを使用するものが知られている
（例えば、特開平４−７４３３１号公報）。すなわち、
その浮上型光磁気ヘッドとは、図３及び図４に示すよう
に、光源からの収束光を光記録媒体３０の収束面に収束
させる光学ヘッドと記録磁界を記録媒体面３０上に発生
させる磁気ヘッドとを、光記録媒体の回転に伴い発生す
る空気流により浮上する浮上スライダー３１に一体的に
搭載してなり、情報の記録再生時において、それら両ヘ
ッドが浮上スライダー３１により回転する記録媒体３０
面に対して浮上走行するものである。より具体的に説明
すれば、浮上スライダー３１にはその光路用開口部３２
とその近傍に光学ヘッドを構成する対物レンズ３３並び
に磁気ヘッドを構成する磁界発生用回巻コイル３４が取
り付けられている。そして、この浮上スライダー３１
は、回転する光記録媒体３０の半径方向へ移動するよう
に構成された可動体３５に弾性支持材３６を介して取り
付けられており、情報の記録再生時には回転する光記録
媒体に対して浮上走行するのみならず、その可動体３５
により光記録媒体３０の半径方向へ移動するようにも構
成されている。なお、上記可動体３５は筒状に成形され
光記録媒体と対向する側面に開口部３７を備えた形状に
巻回された駆動用コイル３８である。そして、この可動
体３２の回転する光記録媒体の半径方向への移動は、そ
の挿通部３９に挿通された一対の磁気ヨーク４０とこの
磁気ヨーク４０の近傍にその長さ方向に沿って配設され
た磁石４１とからなる駆動系において、駆動用コイル３
８への通電により発生する電磁力を利用して該コイル３
８を直線運動軸受け４２に沿ってスライドさせることに
よって行われる。また、この可動体３２には半導体レー
ザ等の光源からのレーザ光（収束光）を記録媒体側に反
射させるプリズム４３が取り付けられており、このプリ
ズム４３にて反射されたレーザ光は前記の対物レンズ３
３により光記録媒体３０の収束面に収束される仕組みに
なっている。

【０００３】以上の如き構成からなる浮上型光磁気ヘッ
ドを備えた光磁気ディスク装置は、図４に示すように、
光記録媒体３０として記録層４４が近接する側の面（即
ち、透明基板４５側の面とは反対面）を光磁気ヘッドに
対向させて装着して使用する逆構造媒体のものを使用
し、その光記録媒体を回転させることによって光磁気ヘ
ッドが浮上走行して情報の記録や再生が行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
浮上型光磁気ヘッドを備えた光磁気ディスク装置は、収
束光を光記録媒体３０の透明基板４５側から入射して記
録層４４面へ収束させ得るように装着して使用する媒体
構造の光ディスク、所謂、標準ディスクを使用すること
ができないという欠点があった。また、この浮上型ヘッ
ドは、光記録媒体３０としてプラスチック基板からなる
光ディスクを使用すると、光記録媒体の面振れ現象が発
生し易いため安定した浮上走行が困難となり、その結
果、高速アクセスが不可能となり、正確な情報の記録・
再生も困難となる問題があった。すなわち、これは浮上
スライダー３１に搭載された浮上型ヘッドが、弾性支持
材３３により光記録媒体３０に向けて付勢され、光記録
媒体３０をその片面側から押しつけるようにして走行す
るため、その面振れの動きに正確に追従できず、光記録
媒体３０面に対して一定の間隔を保てなくなるためと推
測される。そのために、この装置では面振れ現象の発生
が比較的少ないガラス基板からなる光記録媒体を使用せ
ざるを得ないという制約があった。

【０００５】なお、上記の光磁気ディスク装置以外に
も、光学ヘッドを光記録媒体の下面側に固定設置し、磁
気ヘッドを光記録媒体を挟んで光学ヘッドと対向する位
置（光記録媒体の上面側）に配置する浮上スライダーに
搭載したディスク装置が提案されている。しかしなが
ら、かかる装置は、光学ヘッドが浮上スライダーに搭載
されていないことから、結局、磁気ヘッドが光記録媒体
をその片面（上面）側から押しつけるようにして浮上走
行することになる。その結果、この装置においても前記
した浮上型光磁気ヘッドを備えた装置と同様に、面振れ
現象が発生するタイプの光記録媒体を使用した場合には
磁気ヘッドが安定して浮上走行し難い等の問題がある。

【０００６】本発明は上記の問題点を解消するためにな
されたもので、その目的は標準型光ディスクを使用でき
る上、面振れが大きい光ディスクでも何ら支障なく使用
することができる情報記録再生用光磁気ディスク装置を
提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の情報
記録再生用光磁気ディスク装置は、光記録媒体を挟んで
相対向する位置に配置した光学ヘッドおよび磁気ヘッド
を備え、光磁気記録方式により情報の記録・再生を行う
光磁気ディスク装置において、上記光学ヘッドおよび磁
気ヘッドを、光記録媒体の回転に伴い発生する空気流に
よって浮動する浮上スライダーにそれぞれ搭載したこと
を特徴とするものである。

【０００８】上記の浮上スライダーは、軽量な材料によ
り構成され、少なくとも光記録媒体の回転により発生す
る空気流（風圧）による浮力を受ける浮上走行面を備え
た形状に成形した成形体である。そして、この浮上スラ
イダーは弾性支持材により光記録媒体側に微量な力で弾
性的に付勢されており、これにより光記録媒体面に対し
て一定間隔を保って浮上走行する。

【０００９】本発明の装置は、このような構成の浮上ス
ライダーのひとつに、光源からの収束光を光記録媒体の
収束面（記録層）に収束させるための対物レンズを装着
させて光学ヘッド（の浮動部）を構成すると共に、別の
浮上スライダーに、光記録媒体の収束部に記録用磁界を
形成するための磁気発生コイル等を装着させて磁気ヘッ
ド（の浮動部）を構成する。

【００１０】そして、本発明においてはそれぞれの浮上
スライダーに搭載した光学ヘッドと磁気ヘッドを、回転
する光記録媒体に対して一定間隔を保ち且つその光記録
媒体を挟んで互いにバランス良く浮上走行させることが
重要である。そのため、浮上スライダーを含む光学ヘッ
ド及び磁気ヘッドの重量を適宜調整したり、或いは、浮
上スライダーを弾性付勢する弾性支持材の弾性力等を調
整したり、その他にも浮上スライダーの浮上走行面の形
状を調整したりしている。具体的には、光学ヘッド及び
磁気ヘッドのバネ定数及びそれらの浮上走行面の面積を
それぞれＫｏ、Ｋｍ、Ｓｏ、Ｓｍとしたとき、Ｋｏ＝Ｋ
ｍ、Ｓｏ＝Ｓｍの条件等を満たすように設定することが
好ましい。

【００１１】

【作用】本発明装置によれば、記録媒体を挟んだ対向位
置に設置された光学ヘッドおよび磁気ヘッドがそれぞれ
浮上スライダーに搭載されているため、その両ヘッドは
情報の記録再生時には光記録媒体の回転に伴い発生する
空気流により同時に浮上走行する。このとき、その両ヘ
ッドを搭載した各浮上スライダーの浮上走行面と記録媒
体との間には空気層が形成され、しかも、かかる空気層
は気体特有の粘性による弾性を有している。また、各ヘ
ッド（実際には、各浮上スライダー）は共に弾性支持材
により記録媒体側へ付勢されている。従って、光学ヘッ
ドおよび磁気ヘッドは、光記録媒体を表裏両方向から各
浮上スライダーにより空気層を介して均等に押圧した状
態で浮上走行することになり、その結果、その記録媒体
表面に対して各ヘッドが一定間隔を保ちつつ正確に追随
して浮上走行すると共に、この両ヘッドの各浮上スライ
ダーにより挟まれた記録媒体部分の面振れ現象が抑制さ
れる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本発明の一実施例を示す光磁気ディスク装
置の要部断面図である。本実施例の光磁気ディスク装置
は、図示の如く光学ヘッド２と磁気ヘッド３を光記録媒
体１を挟んで対向する位置に設置すると共に、その両ヘ
ッド２、３を浮上スライダー４、５にそれぞれ搭載した
ものである。

【００１３】光学ヘッド２は、浮上スライダー４の光路
用開口部６に対物レンズ７を嵌合して取り付け、その浮
動部分を構成している。対物レンズ７は、半導体レーザ
等の光源から発せられる収束光λを光記録媒体１の収束
面に収束させるためのものであり、プラスチック製の対
物レンズ等が使用される。

【００１４】浮上スライダー４は、セラミックス材料等
の非磁性材料、あるいはフェライト等の軟磁性材等の材
料にて構成されている、また、光記録媒体の回転に伴う
空気流による浮力を受ける浮上走行面を有した形状であ
り、しかも、その浮上走行面の前端部及び後端部には空
気の流入と流出をスムーズにさせるためテーパが形成さ
れていると共に、その浮上走行面中央部には浮動走行を
安定化させるための空気逃げ部が設けられている。

【００１５】そして、浮上スライダー４は、光記録媒体
１の半径方向（トラック方向）へ移動操作される可動体
９に弾性支持部材１０を介して取り付けられている。こ
こで、駆動用コイル８は、筒状に成形した駆動用コイル
８にて構成されたボビンレス構造であるため各コイル間
をエポキシ樹脂等の接着剤で接合し、これによりコイル
自体の高剛性化および軽量化を図っている。また、弾性
支持材１０は、浮上スライダー４が光記録媒体１の面振
れの動きに精密に追従できるように弾性支持し得る材料
にて構成されるもので、例えば、リン青銅等のバネ部材
を所定形状にして構成される。

【００１６】また、可動体９には、レーザ光等の収束光
λを対物レンズ６側に反射させるプリズム１１が取り付
けられている。更に、可動体９はトラック方向への移動
が高精度に行われるよう、その基軸部１２が、ガイドと
なるステンレス鋼、アルミニウム等で形成された直線運
動用軸受１３に摺動自在に接合されている。

【００１７】なお、可動体９による光記録媒体のトラッ
ク方向への移動動作は、可動体のコイル８の挿通部１４
に挿通した一対の磁気ヨーク１５と、該磁気ヨーク１４
の近傍にその長さ方向に沿って配設した永久磁石１６と
から構成される駆動部により行われる。すなわち、磁気
ヨーク１５と永久磁石１６との間に強い磁束を発生さ
せ、その磁界内に一部在する駆動用コイル８にトラッキ
ング制御信号に基づく通電を行うことにより、電磁力に
よって可動体９が直線運動用軸受１３にガイドされつつ
駆動される。これにより、可動体９上に浮上スライダー
４を介して設けられた光学ヘッドが、光記録媒体１の所
定トラック上に高速且つ高精度で移動制御されるように
なっている。上記磁気ヨーク１５としては希土類鉄系永
久磁石、純鉄等が使用される。

【００１８】このよう構成された光学ヘッドは、光記録
媒体１の回転（回転数：１８００ｒｐｍ）に伴って浮上
スライダー４が３μｍ程度浮上し、これと同時に、光源
からの収束光λがプリズム１１に入射され、続いて対物
レンズ７を通過して光記録媒体１の収束面（即ち、記録
層１７面）へ収束される。この浮上スライダー４は、規
定回転数で回転する光記録媒体面に対して２〜４μｍ程
度浮上するように設定することが好ましい。図１中、１
８は透明基板を示す。

【００１９】一方、磁気ヘッド３は、光記録媒体１面に
記録用磁界を発生させる磁気発生用コイル２０と高透磁
率磁性体２１を浮上スライダー５に取り付け、その浮動
部分を構成している。磁気発生用コイル２０は浮上スラ
イダー５の取り付け溝に回巻して取り付けらている。ま
た、高透磁率磁性体２１はＭｎ−Ｚｎフェライト、Ｎｉ
−Ｚｎフェライト等からなるもので、スライダー５のセ
ンター穴に浮上走行面に対して水平に取り付けられてい
る。

【００２０】浮上スライダー５は、浮上スライダー４と
同様に、浮上走行するための浮上走行面を備えた形状で
あり、セラミック等の材料にて構成される。

【００２１】また、浮上スライダー５は光学ヘッド２を
搭載した浮上スライダー４と同様に、駆動部の所定部位
に弾性支持部材１０を介して取り付けられている。この
実施例では浮上スライダー５の駆動部として、基本的に
光学ヘッド２を搭載したと同様の構成からなるコイルモ
ータ駆動機構２２を適用しているが、この他にも、例え
ば、図２に示すように光学ヘッド２の駆動部の可動体９
に断面コ字状の継手部材２３を連接し、光学ヘッド２の
駆動部により連動させる併用方式を採用することも可能
である。

【００２２】このよう構成された磁気ヘッドは、光記録
媒体１の回転（回転数：１８００ｒｐｍ）に伴って浮上
スライダー５が３μｍ程度浮上し、これと同時に、コイ
ル２０へ通電してこのコイルから光記録媒体１の収束面
へ向けて記録磁界を発生させる。このときの磁界は通常
１００〜２００エルステッド程度のものである。また、
浮上スライダー５は、規定回転数で回転する光記録媒体
面に対して２〜４μｍ程度浮上するように設定すること
が好ましい。

【００２３】本発明の装置は、上述したように光学ヘッ
ド２および磁気ヘッド３を浮上走行させ、光学ヘッド２
において収束光λを光記録媒体１の収束面に収束させる
と共に、磁気ヘッド３においてス光記録媒体１の収束面
に記録磁界を発生させることにより、記録操作がなされ
る。また、上記記録操作のうちで、光記録媒体１からの
反射光をフォトダイオード等の再生用受光部へ入射させ
ることにより、再生操作がなされる。

【００２４】なお、本発明装置に使用する光記録媒体１
は、ガラス製、プラスチック製等の基板、Ｔｂ−Ｆｅ，
Ｇｄ−Ｔｂ−Ｆｅ等の記録膜、及び保護膜等にて構成さ
れるものである。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の光磁気デ
ィスク装置においては、光記録媒体を挟んで対向する位
置に配置した磁気ヘッドおよび光ヘッドをそれぞれ浮上
スライダーに搭載しているので、情報の記録・再生時に
は両ヘッドが光記録媒体をその両面側から押しつけるよ
うにして浮上走行する。従って、本発明によれば、仮
に、回転により面振れ現象が発生する光記録媒体を使用
しても、両ヘッドは常にその面振れの動きに追従し安定
して浮上走行するため、高速アクセスが可能であると共
に、光記録媒体としてガラス基板の光ディスクのみなら
ず、プラスティック基板の光ディスク等の面振れの大き
なディスクも支障なく使用することができる。また、標
準ディスクを使用する場合には、その記録層が近接する
面側を光学ヘッド側に対向させて装着することにより使
用できる。その結果、本発明装置は高速使用が可能で、
汎用性の高いものとなり、実用上極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す装置正面の断面図で
ある。

【図２】 本発明の他の実施例を示す装置側面の断面図
である。

【図３】 従来装置における浮上型ヘッドを説明するた
めの要部斜視図である。

【図４】 図３のＩＶ−ＩＶ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１…光記録媒体、２…光学ヘッド、３…磁気ヘッド、
４、５…浮上スライダー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光記録媒体を挟んで相対向する位置に配
   置した光学ヘッドおよび磁気ヘッドを備え、光磁気記録
   方式により情報の記録・再生を行う光磁気ディスク装置
   において、上記光学ヘッドおよび磁気ヘッドを、光記録
   媒体の回転に伴い発生する空気流によって浮動する浮上
   スライダーにそれぞれ搭載したことを特徴とする情報記
   録再生用光磁気ディスク装置。