JPH0530619U - 変速用操作シヤフトの位置検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡単で低コストであるにも拘らず、容
易な操作にて短時間でかつ正確に位置検出用の磁石の相
対的な位置調整を行なうことができるような変速用操作
シャフトの位置検出機構を提供する。 【構成】 変速用操作シャフト（例えば、セレクト用操
作シャフト６）に一体に取付けられた部材（例えば、セ
レクトレバー８）にボルト２０を螺着すると共に、この
ボルト２０の頭部２０ａの上面であってかつボルト２０
の軸心Ｏから外れた偏心箇所に位置検出用の磁石２１を
固設し、ボルト２０の回転に応じて前記変速用操作シャ
フトのストローク方向における磁石２１の相対位置を調
整可能に構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、変速機操作装置に用いられる変速用操作シャフト（セレクト用操作 シャフト或いはシフト用操作シャフト）のストローク方向（軸線方向）における 位置の検出を行なう位置検出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

変速機操作装置は、セレクト用操作シャフト及びシフト用操作シャフトを具備 しており、これらの変速用操作シャフトを所定のセレクト位置及びシフト位置に それぞれ正しく位置決めするための位置検出装置が設けられている。

【０００３】 この位置検出装置としては、次のような型式のものが一般的に用いられている 。すなわち、変速用操作シャフトに磁石を一体に組付けてこの磁石の移動経路に 対応する箇所に複数の磁電変換素子（ホール素子等）を配列し、前記磁電変換素 子にて前記磁石の位置を検出することにより前記変速用操作シャフトのストロー ク位置を検出するようにした位置検出装置が用いられている。

【０００４】 ところで、この種の位置検出装置にあっては、位置検出精度を向上させるため には各々の磁電変換素子に対して磁石を所定位置において正しく対向させる必要 がある。そのため従来では、シム（調整用薄板）を用いて変速用シャフトに対す る磁石の配設位置を調整したり、或いは、磁電変換素子を保持するセンサケース の取付位置を調整するようにしているのが実状である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述のようなシムによる調整、或いは、センサケース自体の取付位置 の調整を行なうには、何れの場合も、特別な調整用部品を必要とし、構造が複雑 で高価になる上に、調整作業が面倒で長時間を要するという問題点があった。 本考案は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、構 成が簡素で安価であり、しかも、非常に簡単な作業にて短時間で磁電変換素子に 対する磁石の位置調整を行ない得るような変速用操作シャフトの位置検出装置を 提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するために、本考案では、変速用操作シャフトに磁石を一体 に組付けて前記磁石の移動経過に対応する箇所に磁電変換素子を配置し、前記磁 電変換素子にて前記磁石の位置を検出することにより前記変速用操作シャフトの ストローク位置を検出するようにした変速用操作シャフトの位置検出装置におい て、前記変速用操作シャフトに一体に取付けられた部材にボルトを螺着すると共 に、前記ボルトの頭部の上面であってかつ前記ボルトの軸心から外れた偏心箇所 に前記磁石を固設し、前記ボルトの回転に応じて前記変速用操作シャフトのスト ローク方向における前記磁石の相対位置を調整可能に構成している。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例に付き図面を参照して説明する。

【０００８】 図１及び図２は、本考案に係る位置検出装置１を具備する変速機操作装置２を 示すものであって、この装置２はセレクト操作用アクチュエータ３及びシフト操 作用アクチュエータ４とから構成されている。

【０００９】 上述のセレクト操作用アクチュエータ３は、図１に示すように、４つのハウジ ング部分５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄから成るハウジング５と、このハウジング５内 にその軸線方向に摺動自在に配設されたセレクト用操作シャフト（セレクトロッ ド）６と、このセレクト用操作シャフト６を作動させるための作動機構部７ａ， ７ｂと、前記セレクト用操作シャフト６に一体的に固着されたセレクトレバー８ と、このセレクトレバー８に関連して配設された位置検出装置１とをそれぞれ具 備している。そして、前記作動機構部７ａ及び７ｂは、それぞれ一対の室９ａ， ９ｂ及び１０ａ，１０ｂを有しており、セレクト用操作シャフト６に一体成形さ れた固定ピストン部１１と、作動機構部７ａ，７ｂ内のフリーピストン１２，１ ３とによる位置決め作用によって、セレクト用操作シャフト６及びセレクトレバ ー８は所定の４つの位置に選択的に位置決めされるように構成されている。なお 、４つの位置のうちの１つの中間位置がニュートラル位置に設定されている。

【００１０】 また、上述のセレクトレバー８には互いに対向する平坦な係合面１４ａ，１４ ｂを有する凹部１５が形成され、この凹部１５内に動力伝達レバー１６の一端の 係合部１６ａが摺接状態で嵌合配置されている。前記動力伝達レバー１６は、シ フト操作用アクチュエータ４内のシフト用操作シャフト（図示せず）を作動する ように構成されている。すなわち、セレクトレバー８が移動されるのに伴ってセ レクトレバー８から動力伝達レバー１６の係合部１６ａに押圧力が作用し、これ に応じて動力伝達レバー１６が軸１７を中心に回動され、これに伴って回動され る作動レバー１８（図２参照）にてシフト用操作シャフト（図示せず）がその軸 線方向に移動されるように構成されている。

【００１１】 さらに、上述のセレクトレバー８には、図１及び図２に示すように、ボルト２ ０が螺着されている。このボルト２０は、例えばセラミック等の非磁性体から成 るものであって、その頭部２０ａの上面側には、図３及び図４に明示するように 軸心Ｏから外れた偏心箇所（偏倚箇所）に１個の磁石２１が埋め込まれている。 そして、この磁石２１の上面がボルト２０の頭部２０ａの上面に露出されている 。

【００１２】 一方、セレクトレバー８が収納されるハウジング部分５ｃには、前記磁石２１ の移動経路に対応する箇所に磁電変換素子２２が取付けられており、この素子２ ５の４つの感応部２３が等間隔を置いて一列状にセレクト用操作シャフト６と平 行に配設されている。かくして、磁石２１と磁電変換素子２２とにより位置検出 装置１が構成されており、磁石２１が磁電変換素子２２の感応部２３に対向する のに応じて、この素子２２から所定の検知信号（ＯＮ信号）が同軸ケーブル２４ を介して図外のコントローラに入力されるようになっている。

【００１３】 次に、上述の構成を有する変速機操作装置２の動作に付き説明する。

【００１４】 まず、図外のチェンジレバーがセレクト方向に操作されると、図外のコントロ ーラからの制御信号に基いてセレクト操作用アクチュエータ３の室９ａ，９ｂ１ ０ａ，１０ｂへの圧縮エアの給排がなされ、これに応じて、セレクト用操作シャ フト６が４つのセレクト位置のうち１つの位置に位置決めされる。これに伴い、 磁石２１が磁電変換素子２２の感応部２３の１つに対向配置されるため、その感 応部２３からセレクト位置検知信号（ＯＮ信号）が同軸ケーブル２４を介して図 外のコントローラに入力され、これにより、セレクト用操作シャフト６が所定の セレクト位置に移動されたことが検知されて前記シャフト６の作動が停止され、 セレクト操作が完了される。

【００１５】 しかる後に、チェンジレバーがシフト方向に操作されて例えば１速に投入され ると、このチェンジ信号及び位置検出装置１からのセレクト完了信号等に基いて 図外のコントローラから所定の制御信号が出力され、シフト操作用アクチュエー タ４が作動され、１速へのギヤ投入がなされる。しかる後に、チェンジレバーが 再びニュートラルに切換えられると、シフト操作用アクチュエータ４及びセレク ト操作用アクチュエータ３が復動され、再びニュートラル状態の下に置かれる。

【００１６】 本例の変速機操作装置２における位置検出装置１によれば、セレクトレバー８ に螺着した非磁性体のボルト２０の頭部２０ａのうち軸心から外れた偏心箇所に 磁石２１を取付けるようにしたので、このボルト２０を回転させることにより、 磁石２１の配設位置すなわちセレクト用操作シャフト６の軸線方向若しくはスト ローク方向における相対位置を変化させることができる。具体的には、磁石２１ が図４において実線で示す位置にある状態の下でボルト２０を例えば矢印ａ方向 に回転させると、その回転に応じて磁石２１が図４において一点鎖線で示す位置 移動される。その結果、セレクト用操作シャフト６の軸線方向（ストローク方向 ）に沿っては図４に示す如く距離λだけ相対的に移動され、前記セレクト用操作 シャフト６のストローク方向における磁石２１の位置調整がなされることとなる 。

【００１７】 このように、既述の位置検出装置１によれば、磁石２１の相対的な位置調整を 容易に行なうことができるため、これに応じて、磁石２１が横切る際に前記磁電 変換素子２２から検知信号（ＯＮ信号）が出力される領域の幅（ＯＮ幅或いは検 知幅）を自在に調整できる。そのため、精度の比較的低い安価な磁電変換素子２ ２を用いても、ボルト２０の回転調整によって充分に高精度のセレクト位置検出 を行なうことが可能である。

【００１８】 以上、本考案の一実施例に付き述べたが、本考案は既述の実施例に限定される ものではなく、本考案の技術的思想に基いて各種の変形及び変形が可能である。 例えば、本考案に係る位置検出装置１は、セレクト用操作シャフト６に限らず、 シフト用操作シャフトの位置検出にも適用し得る。

【００１９】

【考案の効果】

以上の如く、本考案に係る変速操作用シャフトの位置検出装置は、変速用操作 シャフトに一体に組付けたボルト頭部の偏心箇所に位置検出用の磁石を取付け、 このボルトの回転に応じて変速用操作シャフトのストローク方向における前記磁 石の相対位置を調整可能に構成したものであるから、極めて簡単でかつ低コスト の構成でありながら、磁石の位置調整操作が非常に容易にしかも短時間でかつ正 確に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る位置検出装置を備えた変速機操作
装置の断面図である。

【図２】図１におけるＡ−Ａ線断面図である。

【図３】前記位置検出装置の構成を示す断面図である。

【図４】磁石が取付けられたボルトの頭部を示す平面図
である。

【符号の説明】

１ 位置検出装置 ２ 変速機操作装置 ３ セレクト操作用アクチャエータ ４ シフト操作用アクチュエータ ６ セレクト用操作シャフト ８ セレクトレバー ２０ ボルト ２０ａ 頭部 ２１ 磁石 ２２ 磁電変換素子 ２３ 感応部 Ｏ ボルトの軸心

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 変速用操作シャフトに磁石を一体に組付
   けて前記磁石の移動経過に対応する箇所に磁電変換素子
   を配置し、前記磁電変換素子にて前記磁石の位置を検出
   することにより前記変速用操作シャフトのストローク位
   置を検出するようにした変速用操作シャフトの位置検出
   装置において、前記変速用操作シャフトに一体に取付け
   られた部材にボルトを螺着すると共に、前記ボルトの頭
   部の上面であってかつ前記ボルトの軸心から外れた偏心
   箇所に前記磁石を固設し、前記ボルトの回転に応じて前
   記変速用操作シャフトのストローク方向における前記磁
   石の相対位置を調整可能に構成したことを特徴とする変
   速用操作シャフトの位置検出装置。