JPH05305812A - 自動車用ウインドモール - Google Patents

自動車用ウインドモール

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JPH05305812A
JPH05305812A JP11094792A JP11094792A JPH05305812A JP H05305812 A JPH05305812 A JP H05305812A JP 11094792 A JP11094792 A JP 11094792A JP 11094792 A JP11094792 A JP 11094792A JP H05305812 A JPH05305812 A JP H05305812A
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windshield
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piece
holding piece
cross
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Shinichi Goto
新一 後藤
Isao Ito
勇夫 伊藤
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧潰した頭部の弾性による復元を防いで、車
輌の空力特性の悪化や美観の低下を未然に防止する。 【構成】 頭部42と表面側保持片41とを連結し、フ
ロントガラス1の周縁の位置に応じて屈曲状態を異にし
て排水溝20を形成可能な屈曲片43と、無可塑硬質塩
化ビニル樹脂からなり、前記頭部42、表面側保持片4
1及び屈曲片43を形作り、前記屈曲片43の屈曲に応
じて塑性変形する復元規制部44とを具備するため、頭
部42を適宜圧潰するだけで、フロントガラス1の周縁
の位置に応じて排水溝20を形成可能となって、断面形
状の異なる部位を一体的に形成でき、かつ、頭部42を
圧潰したときには、復元規制部44が塑性変形して、圧
潰後の断面形状が確実に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のフロントガラス
と窓枠との隙間に装着される自動車用ウインドモールに
関し、特に、フロントガラスの左右側領域が上側領域と
異なる断面形状に成形されて、フロントガラスの左右側
縁に沿って排水溝が形成された自動車用ウインドモール
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の自動車用ウインドモール
として、図3乃至図5に示すものがある。
【0003】図3は自動車のフロントガラスと窓枠との
隙間に装着された自動車用ウインドモールの全体を示す
斜視図、図4は従来の自動車用ウインドモールの左右側
領域の断面図、図5は従来の自動車用ウインドモールの
上側領域の断面図である。
【0004】図に示すように、自動車用ウインドモール
は、フロントガラス1の左右両側縁と窓枠2との隙間に
装着される左右側領域Vと、フロントガラス1の上側縁
と窓枠2との隙間に装着される上側領域Hとから構成さ
れ、これらは合成樹脂材料で形成されている。左右側領
域Vに形成された頭部5は、上側領域Hに形成された頭
部6に比較してフロントガラス1の表面から高く突出し
て、フロントガラス1の左右側縁に沿う排水溝7を形成
し、ワイパー(図示略)にて払拭された雨水をこの排水
溝7にて下方に案内して、サイドウインド3側への溢出
を防止するようになっている。また、上側領域Hの頭部
6は、自動車の空力特性を考慮して、フロントガラス1
の表面から窓枠2の上面2aに滑らかに連続する略平板
状に形成されている。なお、左右側領域Vの頭部5及び
上側領域Hの頭部6には、窓枠2の上面2aに弾接する
シール片8,9が一体成形されて、フロントガラス1と
窓枠2との隙間を遮蔽している。
【0005】そして、この従来の自動車用ウインドモー
ルは、左右側領域Vと上側領域Hとのフロントガラス1
からの突出高さが異なり、その断面形状も異なるため、
製造時においては、左右側領域Vと上側領域Hとを個別
に押出成形し、それらを別に射出成形した接続部材(図
示略)によって接続している。
【0006】なお、上記のように構成された従来の自動
車用ウインドモールとして、例えば、実開昭53−13
6721号公報に掲載の技術を挙げることができる。
【0007】しかしながら、この従来の自動車用ウイン
ドモールは、前記したように、フロントガラス1の左右
側領域Vと上側領域Hとを個別に製造して、接続部材に
て相互に接続する必要があることから、部品点数が増加
するとともに、その製造及び組立に時間がかかり、製造
コストが上昇する可能性がある。
【0008】そこで、製造コストを低減すべく全体を一
体形成した自動車用ウインドモールとして、図6及び図
7に示すものが提案されている。
【0009】図6は従来の別の自動車用ウインドモール
の左右側領域の断面図、図7は従来の別の自動車用ウイ
ンドモールの上側領域の断面図である。
【0010】この従来の別の自動車用ウインドモール
は、図3に示すように、フロントガラス1の左右両側縁
と対応する左右側領域Vと、フロントガラス1の上縁と
対応する上側領域Hとから構成され、これらの左右側領
域Vと上側領域Hとは、合成樹脂材料を押出成形機から
一体的に押出形成した長尺状をなしている。そして、左
右側領域Vは、押出成形機から押出形成した基本的な断
面形状をなし、上側領域Hは、左右側領域Vに対して後
述する頭部17と屈曲片18の断面形状を異にし、その
他の箇所は同一断面形状をなしている。
【0011】まず、左右側領域Vと上側領域Hとの断面
形状の共通した箇所を説明すると、これらの左右側領域
V及び上側領域Hは、フロントガラス1の左右両側縁と
窓枠2との隙間、或いはフロントガラス1の上側縁と窓
枠2との隙間に挿入される脚部11を備えている。脚部
11には、フロントガラス1の周縁部裏面に当接する裏
面側保持片12、フロントガラス1の周縁部表面に先端
下面を当接させて、前記裏面側保持片12との間でフロ
ントガラス1の周縁部を挟持する表面側保持片13、及
び窓枠2の内面2bに弾接する裏面側シール片14及び
表面側シール片15が連続形成されている。そして、こ
の表面側シール片15により、フロントガラス1の左右
側縁、或いは上側縁に沿って延びる断面略コ字状の導水
溝16が形成され、この導水溝16は、屋根4に滞留し
た雨水等を下方に案内して、フロントガラス1に流下す
るのを防止するようになっている。そして、この脚部1
1、裏面側保持片12及び裏面側シール片14は、接着
剤(図示略)によって車体の左右両側、或いは上側の窓
枠2に固着される。
【0012】また、図6に示すように、左右側領域Vに
おいて、脚部11の上部には頭部17が延設され、この
頭部17は、先端をフロントガラス1の表面から大きく
離間させて、所定間隔をおいて表面側保持片13を上方
から覆っている。頭部17の先端と表面側保持片13の
先端とは屈曲片18にて一体的に連結され、この屈曲片
18、頭部17及び表面側保持片13の間に密閉された
中空部19が形成されている。屈曲片18は頭部17の
内方、つまりフロントガラス1の左右側縁側に向けて断
面く字状に屈曲し、その結果、フロントガラス1の左右
側縁に沿って延び、かつ、フロントガラス1側に開口す
る排水溝20が形成されている。なお、この左右側領域
Vは、押出成形機から押出形成した基本的な断面形状を
なしている。
【0013】一方、図7に示すように、上側領域Hにお
いて、脚部11の上部に延設された頭部17は、表面側
保持片13を上方から覆い、先端をフロントガラス1の
表面に当接させて、左右側領域Vに比較してその高さを
低めている。頭部17の先端と表面側保持片13の先端
とは屈曲片18にて連結され、この屈曲片18、頭部1
7及び表面側保持片13の間に前記中空部19より小断
面積で異なる断面形状の密閉された変形中空部21が形
成されている。屈曲片18の中央は頭部17の内方に向
けて重合状態で折り返され、その結果、この上側領域H
においては、左右側領域Vのような排水溝20は形成さ
れていない。即ち、この上側領域Hは、押出成形機から
押出形成した後に頭部17を上方より圧潰して、厚さ方
向に変形させた断面形状をなしている。
【0014】また、図示はしないが、左右側領域Vと上
側領域Hとの境界部分では、図6に示す左右側領域Vの
断面形状から図7に示す上側領域Hの断面形状へと緩や
かに変化させている。なお、図6及び図7において、2
2は補強及び伸縮防止用にインサートされた金属ワイヤ
である。
【0015】そして、この従来の自動車用ウインドモー
ルにおいては、フロントガラス1に当接する表面側保持
片13の先端下面、裏面側シール片14、表面側シール
片15、及び頭部17の表面層が、硬さ(JISA)7
0〜75度程度の軟質塩化ビニル樹脂(PVC)によ
り、また、それ以外の前記脚部11、裏面側保持片1
2、表面側保持片13、頭部17及び屈曲片18が、硬
さ90〜95度程度の半硬質塩化ビニル樹脂(PVC)
により共押出成形されている。
【0016】次に、上記のように構成された従来の自動
車用ウインドモールの成形方法を説明する。
【0017】図8は自動車用ウインドモールの製造装置
の概略側面図である。
【0018】図に示すように、押出成形機31の押出ヘ
ッド32の近傍には受治具33と加圧ローラ34が配設
され、加圧ローラ34は、同図の鎖線位置と実線位置と
の間で移動制御される。そして、押出ヘッド32から左
右側領域Vが押出されるときには、加圧ローラ34が鎖
線位置に退避され、左右側領域Vが押出ヘッド32の押
出形状と同一の形状、つまり図6に示す断面形状に成形
される。
【0019】また、押出ヘッド32から左右側領域Vと
上側領域Hとの境界部分が押し出されるときには、加圧
ローラ34が鎖線位置から次第に実線位置へと移動され
て、押出ヘッド32からの押出直後で軟化状態にあるウ
インドモールの頭部17が加圧ローラ34により圧潰さ
れる。圧潰の度合は、加圧ローラ34の実線位置への移
動に伴って強まり、押出ヘッド32から上側領域Hが押
し出されるときには、加圧ローラ34が実線位置まで移
動して頭部17を最も圧潰する。このとき、屈曲片18
が重合状態に折り返されるとともに、中空部19が変形
中空部21に変形されて、頭部17の圧潰を許容し、そ
の結果、上側領域Hが図7に示す断面形状に成形され
る。ここで、押出ヘッド32から左右側領域Vと上側領
域Hとの境界部分が押し出されるときには、前記したよ
うに、図6に示す左右側領域Vの断面形状から図7に示
す上側領域Hの断面形状へと緩やかに変化するように、
加圧ローラ34が移動制御される。
【0020】このようにして受治具33と加圧ローラ3
4を通過した押出成形品は、次に、冷却水槽35に送ら
れ、ここで冷却硬化されて前述した形状に保持される。
続いて、押出成形品は引出ローラ36により引き出され
て裁断機37に移送され、その裁断機37により所定の
長さ、即ち、フロントガラス1の左右両側縁及び上側縁
の合計の長さに裁断される。
【0021】以上のように、この従来の別のウインドモ
ールでは、押出成形時に加圧ローラ34にて頭部17を
適宜圧潰するだけで、左右側領域Vのみに排水溝20を
形成可能であるため、断面形状の異なる左右側領域Vと
上側領域Hとを一体的に連続して押出形成して、その製
造コストの低減を実現している。
【0022】次に、上記のように構成された従来の自動
車用ウインドモールの作用を説明する。
【0023】前記したように、この従来の自動車用ウイ
ンドモールがフロントガラス1と窓枠2との間に挿着さ
れた状態では、左右側領域Vが押出形成した基本的な断
面形状をなし、その頭部17の先端をフロントガラス1
の表面から大きく突出させて、フロントガラス1の左右
側縁に沿う排水溝20を形成し、また、上側領域Hが頭
部17を圧潰されて、排水溝20を形成することなく、
その頭部17の先端をフロントガラス1の表面に当接さ
せている。したがって、雨天時等で、フロントガラス1
上の雨水やウオッシャ液等がワイパ(図示略)により払
拭される場合、払拭された雨水等はフロントガラス1上
を左右に流動し、左右側領域Vの排水溝20によりサイ
ドウインド3への流動を阻止されて下方に案内され、運
転者の視界を確保する。また、上部領域Hの頭部17
は、圧潰によって高さを低められているため、自動車の
空力特性を悪化させてしまうのが未然に防止される。
【0024】なお、上記のように構成された従来の別の
自動車用ウインドモールとして、例えば、実願平3−1
58032号に記載の技術を挙げることができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】図6及び図7に示す従
来の自動車用ウインドモールは、上記のように上側領域
Hの頭部17を圧潰するとともに、屈曲片18を重合状
態に折り返すことで、この上側領域Hの断面形状を左右
側領域Vの断面形状と相違させている。しかしながら、
これら頭部17や屈曲片18の材質として比較的軟らか
な半硬質塩化ビニル樹脂を用いているため、ウインドモ
ールの製造時に、加圧ローラ34により圧潰した頭部1
2や屈曲片18が自己の弾性で復元して、図7に示す断
面形状に保持できない場合がある。特に、左右側領域V
と上側領域Hとの境界部分においては、図6に示す左右
側領域Vの断面形状から図7に示す上側領域Hの断面形
状へと緩やかに変化させる必要があるが、自己の弾性に
よる復元で、このような微妙な断面形状の変化を実現す
るのが困難であった。
【0026】したがって、上側領域Hにおいて、加圧ロ
ーラ34にて圧潰された頭部17が、自己の弾性でフロ
ントガラス1から浮き上がり、車輌の空力特性に悪影響
を与えてしまったり、或いは、左右側領域Vと上側領域
Hとの境界部分において、特定箇所で断面形状が急激に
変化して不連続線を生じ、その美観を損ねたりする可能
性があった。
【0027】そこで、本発明は、フロントガラスの周縁
の位置に応じて任意に排水溝を形成可能とし、断面形状
の異なる部位を一体的に形成して、製造コストを低減す
ることができ、かつ、圧潰した頭部の弾性による復元を
防いで、車輌の空力特性の悪化や美観の低下を未然に防
止することができる自動車用ウインドモールの提供を課
題とするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる自動車用
ウインドモールは、フロントガラスの周縁と窓枠との隙
間に装着され、フロントガラスの周縁を挟持する裏面側
保持片及び表面側保持片が形成された脚部と、前記脚部
の上部に連続形成された頭部と、前記頭部と前記表面側
保持片とを一体的に連結して、前記フロントガラスの周
縁の位置に応じて屈曲状態を異にして排水溝を形成可能
な屈曲片と、硬質樹脂材料からなり、前記頭部、表面側
保持片及び屈曲片の少なくとも一部を形作り、前記屈曲
片の屈曲に応じて塑性変形する復元規制部とを設けたも
のである。
【0029】
【作用】本発明においては、頭部が圧潰されないときに
は、フロントガラスの表面から頭部が離間して、屈曲片
により排水溝が形成され、頭部が圧潰されると、屈曲片
の屈曲を強めながら頭部がフロントガラスの表面に接近
して、排水溝を形成しなくなるため、例えば、フロント
ガラスの左右側縁では、頭部を圧潰せずに排水溝を形成
して、雨天時等に、フロントガラス上から左右のサイド
ウインドに流動する雨水等を排水溝にて下方に案内し
て、運転者の視界確保を図り、また、フロントガラスの
上側縁では、頭部を圧潰してフロントガラスの表面に当
接させて、自動車の空力性能の悪化を防止することがで
き、このように、頭部を適宜圧潰するだけで、フロント
ガラスの周縁の位置に応じて排水溝が形成されるため、
ウインドモール全体を一体的に形成可能であり、かつ、
前記頭部、表面側保持片及び屈曲片の少なくとも一部
が、剛性が高くて弾性をほとんど備えない硬質樹脂材料
製の復元規制部にて形作られているため、頭部を圧潰し
たときには、この復元規制部が塑性変形して、圧潰後の
断面形状が確実に保持される。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
基いて説明する。
【0031】なお、本実施例の自動車用ウインドモール
の全体構成は、従来技術で説明したウインドモールのも
のとほぼ同様であり、相違点は、表面側保持片13、頭
部17及び屈曲片18の材質と、表面側シール片15の
形状にある。したがって、本実施例では、特に相違点を
重点的に説明し、従来例の構成部分と同一または相似部
分は、同一符号及び同一記号を付して、重複した説明を
省略する。
【0032】図1は本発明の一実施例の自動車用ウイン
ドモールの左右側領域の断面図、図2は本発明の一実施
例の自動車用ウインドモールの上側領域の断面図であ
る。
【0033】図に示すように、本実施例の自動車用ウイ
ンドモールでは、中空部19と変形中空部21を取り囲
む表面側保持片41、頭部42及び屈曲片43が、硬さ
90〜100度程度の無可塑硬質塩化ビニル樹脂(PV
C)からなる復元規制部44により形作られ、その復元
規制部44の厚みは、全ての箇所にわたって1.0mm程
度に設定されている。したがって、この復元規制部44
は、従来技術で説明した硬さ90〜95度程度の半硬質
塩化ビニル樹脂からなる表面側保持片13、頭部17及
び屈曲片18に比較して、剛性が高くて弾性をほとんど
備えず、外力が加えられたときには、塑性変形すること
になる。
【0034】そして、この復元規制部44を塑性変形さ
せることで、左右側領域Vは、図1に示す押出形成した
基本的な断面形状、即ち、頭部42の先端がフロントガ
ラス1の表面より大きく離間するとともに、屈曲片43
が頭部42の内方に断面く字状に屈曲して、中空部19
と排水溝20が形成された断面形状に保持されている。
また、上側領域Hは、復元規制部44の塑性変形を伴っ
て、図2に示す頭部42を圧潰した断面形状、即ち、頭
部42の先端がフロントガラス1の表面に当接するとと
もに、屈曲片43が頭部42の内方に向けて重合状態で
折り返されて、変形中空部21が形成された断面形状に
保持されている。
【0035】また、本実施例のウインドモールでは、従
来技術で説明したウインドモールの表面側シール片15
に代えて、頭部42には窓枠2の上面2aに弾接する表
面側シール片45が一体成形されて、フロントガラス1
と窓枠2との隙間を遮蔽し、この表面側シール片45は
頭部42の表面層と共に外部より視認される意匠面を構
成している。
【0036】なお、従来技術で説明したウインドモール
と同じく、フロントガラス1に当接する表面側保持片4
1の先端下面、裏面側シール片14、表面側シール片4
5、及び頭部42の表面層が、硬さ70〜75度程度の
軟質塩化ビニル樹脂により、また、それ以外の前記脚部
11及び裏面側保持片12が、硬さ90〜95度程度の
半硬質塩化ビニル樹脂により共押出成形されている。そ
して、前記した復元規制部44を構成する無可塑硬質塩
化ビニル樹脂の硬化速度は、周知のように、これら軟質
塩化ビニル樹脂や半硬質塩化ビニル樹脂の硬化速度より
速い。つまり、押出成形後のウインドモールは、まず、
復元規制部44が固化し、その後に他の箇所が固化する
ことになる。
【0037】次に、上記のように構成された本実施例の
自動車用ウインドモールの成形方法を説明する。
【0038】本実施例の自動車用ウインドモールの成形
手順は、従来技術で説明したウインドモールの成形手順
と同様であり、図8に示すように、押出形成された頭部
42を加圧ローラ34にて適宜圧潰して、任意の断面形
状に形成している。但し、本実施例では、押出形成後の
復元規制部44が固化し、かつ、その他の箇所が未だ軟
化状態である時点で、加圧ローラ34による圧潰が行な
われるように、押出ヘッド32から加圧ローラ34まで
の距離等の諸条件が設定されている。
【0039】そして、図1に示すように、押出ヘッド3
2から左右側領域Vが押出されるときには、加圧ローラ
34が鎖線位置に退避され、左右側領域Vが押出ヘッド
32の押出形状と同一の図1に示す断面形状に成形され
る。また、押出ヘッド32から左右側領域Vと上側領域
Hとの境界部分が押し出されるときには、加圧ローラ3
4が鎖線位置から次第に実線位置へと移動されて、押出
ヘッド32からの押出直後のウインドモールの頭部42
を圧潰し、その結果、図1に示す左右側領域Vの断面形
状から図2に示す上側領域Hの断面形状へと緩やかに変
化するように形成される。更に、押出ヘッド32から上
側領域Hが押し出されるときには、加圧ローラ34が実
線位置まで移動して、頭部42の圧潰状態が最も強ま
り、屈曲片43が重合状態に折り返されるとともに、中
空部19が変形中空部21に変形されて、上側領域Hが
図2に示す断面形状に成形される。
【0040】このように、本実施例の自動車用ウインド
モールは、従来技術で説明したウインドモールと同じ
く、押出成形時に加圧ローラ34にて頭部42を適宜圧
潰するだけで、左右側領域Vのみに排水溝20を形成で
きるため、断面形状の異なる左右側領域Vと上側領域H
とを一体的に連続して押出形成可能である。
【0041】また、左右側領域Vと上側領域Hとの境界
部分、或いは上側領域Hにおいては、前記したように、
復元規制部44が固化し、かつ、その他の箇所が未だ軟
化状態のときに、加圧ローラ34にて頭部42が圧潰さ
れる。したがって、このときには、まず、既に固化して
いる復元規制部44が塑性変形して、その剛性により圧
潰後の断面形状を保持し、その後に、軟化状態の他の箇
所が固化することになる。そして、この復元規制部44
が、剛性が高くて弾性をほとんど備えない無可塑硬質塩
化ビニル樹脂からなることから、ウインドモールの搬送
に伴って加圧ローラ34から解除された後でも、弾性に
よって元の形状に復元せず、圧潰後の断面形状を確実に
保持することが可能である。
【0042】加えて、頭部42の表面層は、ウインドモ
ールの外観上の理由で弾性に富んだ軟質塩化ビニル樹脂
からなるため、この表面層が固化した状態で頭部42の
圧潰が行なわれると、表面層の弾性により復元規制部4
4が元の形状に復元することも考えられる。しかしなが
ら、前記したように、この頭部42の表面層は軟化状態
で変形されることから、固化後において復元規制部44
に復元力を及ぼす可能性は皆無である。
【0043】したがって、上側領域Hにおいては、頭部
42の先端をフロントガラス1の表面に当接させた断面
形状に確実に保持されて、頭部42のフロントガラス1
からの浮き上がりが未然に防止され、また、左右側領域
Vと上側領域Hとの境界部分においては、加圧ローラ3
4の移動制御に基づき、図1に示す左右側領域Vの断面
形状から図2に示す上側領域Hの断面形状へと緩やかに
変化して、特定箇所の急激な断面変化により不連続線が
生じるのが未然に防止される。
【0044】なお、復元規制部44の剛性、換言すれ
ば、所定の断面形状を保持する力は、その復元規制部4
4の硬さと厚みにより決定され、硬さとしては95度以
上、厚みとしては0.5mm以上に設定するのが望まし
い。
【0045】このように、上記実施例の自動車用ウイン
ドモールは、フロントガラス1の周縁と窓枠2との隙間
に連続して装着され、前記フロントガラス1の周縁を挟
持する裏面側保持片12及び表面側保持片41が形成さ
れた脚部11と、前記脚部11の上部に連続形成され、
前記フロントガラス1の周縁と窓枠2との隙間から外方
に露出する頭部42と、前記頭部42の先端と前記表面
側保持片41の先端とを一体的に連結して、フロントガ
ラス1の周縁側に向けて屈曲するとともに、前記フロン
トガラス1の周縁の位置に応じて屈曲状態を異にして、
フロントガラス1側に開口する排水溝20を形成可能な
屈曲片43と、無可塑硬質塩化ビニル樹脂からなり、前
記頭部42、表面側保持片41及び屈曲片43を形作
り、前記屈曲片43の屈曲に応じて塑性変形する復元規
制部44とを具備している。
【0046】したがって、押出成形時に加圧ローラ34
にて頭部42を適宜圧潰するだけで、左右側領域Vのみ
に排水溝20を形成できるため、断面形状の異なる左右
側領域Vと上側領域Hとを一体的に連続して押出形成し
て、その製造コストを大幅に低減することができる。
【0047】また、頭部42、表面側保持片41及び屈
曲片43が、剛性が高くて弾性をほとんど備えない無可
塑硬質塩化ビニル樹脂製の復元規制部44にて形作られ
ているため、頭部42を圧潰したときには、この復元規
制部44が塑性変形して、圧潰後の断面形状を確実に保
持することができる。加えて、加圧ローラ34による頭
部42の圧潰は、復元規制部44以外の箇所が未だ軟化
状態のときに行なわれるため、軟質塩化ビニル樹脂から
なる頭部42の表面層は軟化状態で変形されることにな
り、この表面層が固化後において復元規制部44に復元
力を及ぼす可能性は皆無である。
【0048】故に、上側領域Hにおいて、頭部42がフ
ロントガラス1の表面から浮き上がるのを防いで、自動
車の空力特性の悪化を未然に防止することができ、か
つ、左右側領域Vと上側領域Hとの境界部分において、
頭部42及び屈曲片43の断面形状を緩やかに変化させ
て、極めて良好な美観を実現することができる。
【0049】ところで、上記実施例の屈曲片は、頭部4
2の先端と表面側保持片41の先端とを一体的に連結す
る屈曲片43として構成されているが、本発明を実施す
る場合には、これに限定されるものではなく、頭部42
と表面側保持片41とを連結して、頭部42の圧潰状態
に応じて屈曲状態を変更し、排水溝20を形成可能なも
のであればよい。したがって、頭部42と表面側保持片
41をそれらの中央付近で屈曲片43により連結した
り、或いは、この屈曲片43の形状を、断面く字状から
断面U字状等の他の形状に変更したりして構成すること
も可能である。
【0050】また、上記実施例の復元規制部は、無可塑
硬質塩化ビニル樹脂からなり、頭部42、表面側保持片
41及び屈曲片43を形作る復元規制部44として構成
されているが、本発明を実施する場合には、これに限定
されるものではなく、加圧ローラ34による頭部42の
圧潰に伴って塑性変形して、その圧潰後の断面形状を保
持可能なものであればよい。したがって、例えば、その
材質を、硬質のABS樹脂やAES樹脂等に変更して構
成することも可能である。なお、これらのABS樹脂や
AES樹脂を用いたときには、復元規制部44の厚みと
して0.3mm以上に設定するのが望ましい。また、この
復元規制部44は、必ずしも頭部42、表面側保持片4
1及び屈曲片43の全ての箇所に適用する必要はなく、
例えば、屈曲片43のみ、或いは、頭部42の基端部と
表面側保持片41の基端部との接合箇所のみを、硬質樹
脂材料製の復元規制部44として形作ってもよい。更
に、硬質部分をPP系材料で成形し、半硬質部分と軟質
部分を熱可塑性エラストマー等で構成してもよい。そし
て、このように構成した場合でも、頭部42の圧潰に伴
って復元規制部44が塑性変形して、圧潰後の断面形状
を保持可能である。更に、図1及び図2において、屈曲
片43のフロントガラス1側の面、つまり排水溝20を
形成する面を、軟質塩化ビニル樹脂製の表面層にて被覆
したり、或いは、頭部42、表面側保持片41及び屈曲
片43の内面、つまり中空部19や変形中空部21を取
り囲む内面を、軟質塩化ビニル樹脂製の表面層にて被覆
したりして構成することも可能である。
【0051】更に、上記実施例では、加圧ローラ34に
よる頭部42の圧潰を、復元規制部44以外の箇所が未
だ軟化状態のときに行なって、頭部42の表面層の弾性
により復元規制部44が元の形状に復元するのを防止し
たが、本発明を実施する場合には、これに限定されるも
のではなく、復元規制部44のみならず他の全ての箇所
が固化した後に、頭部42の圧潰を実施してもよい。そ
して、このようにした場合でも、硬質樹脂材料からなる
復元規制部44が塑性変形して、圧潰後の断面形状に確
実に保持することができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の自動車用ウイン
ドモールは、フロントガラスの周縁と窓枠との隙間に装
着され、フロントガラスの周縁を挟持する裏面側保持片
及び表面側保持片が形成された脚部と、前記脚部の上部
に連続形成された頭部と、前記頭部と前記表面側保持片
とを一体的に連結して、前記フロントガラスの周縁の位
置に応じて屈曲状態を異にして排水溝を形成可能な屈曲
片と、硬質樹脂材料からなり、前記頭部、表面側保持片
及び屈曲片の少なくとも一部を形作り、前記屈曲片の屈
曲に応じて塑性変形する復元規制部とを具備するため、
頭部を適宜圧潰するだけで、フロントガラスの周縁の位
置に応じて排水溝を形成可能となり、断面形状の異なる
部位を一体的に形成して、その製造コストを大幅に低減
することができ、かつ、前記頭部、表面側保持片及び屈
曲片の少なくとも一部が、剛性が高くて弾性をほとんど
備えない硬質樹脂材料製の復元規制部にて形作られてい
るため、頭部を圧潰したときには、この復元規制部が塑
性変形して、圧潰後の断面形状を確実に保持することが
でき、その結果、頭部の浮き上がりによる自動車の空力
特性の悪化を未然に防止することができるとともに、断
面形状の異なる部位の境界部分では、頭部及び屈曲片の
断面形状を緩やかに変化させて、極めて良好な美観を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の自動車用ウインドモ
ールの左右側領域の断面図である。
【図2】図2は本発明の一実施例の自動車用ウインドモ
ールの上側領域の断面図である。
【図3】図3は自動車のフロントガラスと窓枠との隙間
に装着された自動車用ウインドモールの全体を示す斜視
図である。
【図4】図4は従来の自動車用ウインドモールの左右側
領域の断面図である。
【図5】図5は従来の自動車用ウインドモールの上側領
域の断面図である。
【図6】図6は従来の別の自動車用ウインドモールの左
右側領域の断面図である。
【図7】図7は従来の別の自動車用ウインドモールの上
側領域の断面図である。
【図8】図8は自動車用ウインドモールの製造装置の概
略側面図である。
【符号の説明】
1 フロントガラス 2 窓枠 11 脚部 12 裏面側保持片 20 排水溝 41 表面側保持片 42 頭部 43 屈曲片 44 復元規制部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントガラスの周縁と窓枠との隙間に
    連続して装着され、前記フロントガラスの周縁を挟持す
    る裏面側保持片及び表面側保持片が形成された脚部と、 前記脚部の上部に連続形成され、前記フロントガラスの
    周縁と窓枠との隙間から外方に露出する頭部と、 前記頭部と前記表面側保持片とを一体的に連結して、フ
    ロントガラスの周縁側に向けて屈曲するとともに、前記
    フロントガラスの周縁の位置に応じて屈曲状態を異にし
    て、フロントガラス側に開口する排水溝を形成可能な屈
    曲片と、 硬質樹脂材料からなり、前記頭部、表面側保持片及び屈
    曲片の少なくとも一部を形作り、前記屈曲片の屈曲に応
    じて塑性変形する復元規制部とを具備することを特徴と
    する自動車用ウインドモール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100820208B1 (ko) * 2006-12-08 2008-04-07 현대자동차주식회사 차량용 글래스 몰딩 체결 어셈블리

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JPH02124315A (ja) * 1988-10-31 1990-05-11 Hashimoto Forming Ind Co Ltd ウインドウモールディングおよびその製造方法
JPH04113922A (ja) * 1990-09-03 1992-04-15 Toyoda Gosei Co Ltd 自動車用ウインドモール及びその成形方法

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