JPH05305248A - 空容器類圧縮破断機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種空容器，特にプラスチック製のものをカ
ッター刃列の巾で破断して嵩を小さくして処理し易くす
るようにする。 【構成】 箱形のカバー本体１の上面に投入口２を開設
すると共に、内部に該投入口２と連なるホッパー４を設
け、該ホッパー４の出口部５の下方一側に固定盤６を立
設し、他側に該固定盤６と向き合い接離自在に往復運動
する可動盤８を立設し、カバー本体１の底部には前記ホ
ッパー４の出口部に対向して所定幅の排出口１７を設
け、各種空容器等を固定盤６と可動盤８間で破断して前
記排出口１７から下方へ落下させるようにした空容器類
圧縮破断機であって、前記可動盤８の対向する面に多数
のカッター刃２６を列設すると共にこれら多数のカッタ
ー刃２６間に可動盤６の後退と共に該可動盤８の前方へ
突出する押出部材３１を配置し、前記固定盤６の対向す
る面には各カッター刃２６が衝止する弾性板２３を張設
して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は各種の空容器，特にプラ
スチック製のものを裁断して減容する空容器類圧縮破断
機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】各種の空容器の材料としては酒瓶などの
ガラス製，ビール缶，ジュース缶などのアルミ，スチー
ル製，ペットボトルなど飲料を入れる容器又は病院など
で使用する薬瓶，注射器等プラスチック製のものがあ
る。これら空容器でガラス製のものは圧潰することによ
り破砕・粉砕できるし、また、金属缶は圧潰により偏平
にすることができるから、何れも空容器の状態の数分の
一の容積に圧縮減容して回収業者に引渡らせるなど比較
的簡単に処分することができ、また移送においても効率
が良いものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら空容器の
うちでプラスチック製のものは圧縮してもその後元の形
に戻ってしまい、圧潰による処分が困難であり、特に透
析，輸血，点滴等の容器類や注射器等が日々多量に発生
する医療機関ではその処分に苦慮していた。

【０００４】そこで本発明は、上記課題に鑑みなされた
もので、このようなプラスチック製の空容器類を破断す
ることにより減容して容易に処分することができる空容
器類圧縮破断機を提供することを目的とするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的達成のため本
発明は、箱形のカバー本体の上面に投入口を開設すると
共に、内部に該投入口と連なるホッパーを設け、該ホッ
パーの出口部の下方一側に固定盤を立設し、他側に該固
定盤と向き合い接離自在に往復運動する可動盤を立設
し、カバー本体の底部には前記ホッパーの出口部に対向
して所定幅の排出口を設け、各種空容器等を固定盤と可
動盤間で破断して前記排出口から下方へ落下させるよう
にした空容器類圧縮破断機であって、前記可動盤の対向
する面に多数のカッター刃を列設すると共にこれら多数
のカッター刃間に可動盤の後退と共に該固定盤の前方へ
突出する押出部材を配置し、前記固定盤の対向する面に
は各カッター刃が衝止する弾性板を張設し、可動盤と固
定盤間で空容器類を破断した際、各カッター刃間に入る
断片を前記押出部材により押し出して排出口から落下さ
せるようにした構成よりなる。

【０００６】

【作用】カバー本体上面の投入口からホッパー内に適宜
空容器を投入し、可動盤を稼動して固定盤に対して接離
自在に往復させる。前記投入された空容器は可動盤の接
近に伴ない固定盤との間で可動盤に列設した多くのカッ
ター刃によりその各カッター刃列の間隔にて破断され
る。その際、空容器はカッター刃の刃先と固定盤間で圧
迫されてカッター刃で切り込まれ、カッター刃の刃先が
固定盤に張設した弾性板に到達し衝止されることで破断
完了となる。そして、その後各カッター刃間に入り込む
断片は、固定盤から可動盤が離れるにつれて、各カッタ
ー刃間に配置される押出部材により外へ押し出されすべ
て排出口から下方へ落下する。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の空容器類圧縮破断機の一実施
例を図面と共に説明する。図において１は防音効果を備
えて箱形に形成されるカバー本体である。該カバー本体
１の上面１ａには透明板で被った覗き窓３ａを有した蓋
３で開閉される投入口２を開設すると共に、内部に該投
入口２と連なる縦型のホッパー４が装着される。該ホッ
パー４の出口部５の下方で底面１ｂ上に左右一対をなす
固定盤６，７を夫々垂直状に立設する。そして、一方の
固定盤７側に固定盤６と向き合う可動盤８を対向配設す
る。該可動盤８は図２，図３に示すように後側面に一対
の支持軸９ａ，９ｂを水平かつ平行に突設し、固定盤７
を貫通する軸筒１０ａ，１０ｂに嵌挿され支持される。

【０００８】また、前記固定盤７の後面にはロッド１１
先端が固定盤７から出没する油圧シリンダ１２が取着さ
れ、ロッド１１の先端は前記可動盤８の後面に固定され
る。１３は油圧シリンダ１２に油圧を送る油圧モータで
あり、１４はカバー本体１の一側に突出し、油圧シリン
ダ１２の油圧の掛かる方向を切替する作動レバーであ
る。そして、作動レバー１４を左右に動かすことにより
油圧シリンダ１２が作動し、可動盤８は固定盤６に対し
接離自在に往復運動をする。

【０００９】また、前記可動盤８の上端面には庇板１５
が後方へ水平に延設しており、ロッド１１が伸びたと
き、該ロッド１１上に被処理物が入らないように保護し
ている。１６…は固定盤６と７間に差し渡されてこれら
を強固に保持固定する固定杆である。前記固定盤６，７
間の底面１ｂには所定幅の排出口１７が開設されてお
り、該排出口１７には棚受枠１８が両側をボルト１８ａ
…によって底面１ｂに固着されることにより張設されて
いる。該棚受枠１８は排出口１７の両側いっぱいに差し
渡される複数の長尺杆１９，１９…とその間に介在して
固定盤６との間に落下口１７ａを形成する短尺杆２０，
２０…とよりなる。被処理物は始め長尺杆１９又は短尺
杆２０上に乗り、破断された後は落下口１７ａから落下
することとなる。このため、各長尺杆１９，１９間の寸
法又は各短尺杆２０，２０の長さ寸法は被処理物の大き
さに応じ適宜設定される。２１ａ，２１ｂはカバー本体
１の一側面に設けられた電源のオンまたはオフ用のスイ
ッチを示する

【００１０】而して、固定盤６と可動盤８の互いに向き
合う面は図６乃至図８に示すように構成される。即ち、
固定盤６の可動盤８と対向する面には鉄板２２を固着
し、また該鉄板２２の表面に硬質プラスチック板からな
る弾性板２３を貼着し、さらに該弾性板２３に硬質ゴム
板２４を貼着している。

【００１１】一方、可動盤８の固定盤６と対向する面に
は鉄板２５を張り、該鉄板２５の前面にカツター刃２
６，２６…を縦方向に多数列設する。これらの各カッタ
ー刃２６は基端部を鉄板２５の前面に縦方向に刻設され
る凹溝に嵌入しており、その一側面を鉄板２５前面にボ
ルト２７により固設した長柱状の鉄ブロック２８に添設
支持させると共に、他側面を鉄板２５にボルト２９を螺
入させることにより両側のばね片３０ａ，３０ａを開か
せ各カッター刃２６，２６…を鉄ブロック２８，２８…
に押圧するばね部材３０，３０…で弾発支持させてい
る。さらに、これらの各カッター刃２６，２６…間には
押出部材３１，３１…が配置される。該各押出部材３１
は前面に各カッター刃２６，２６間に出設自在に設けら
れた押圧板３１ａを配置し、その後面に上下一対の横杆
３１ｂ，３１ｂを延設してなる。該各横杆３１ｂ，３１
ｂは可動盤８に貫設される横孔８ａに挿通し、その後端
には受片３１ｃを設けてなる。

【００１２】前記カバー本体１の底部四隅角部にはキャ
スター３２，３２…を配設して、カバー本体１が自由に
移動できるようになっており、またカバー本体１の一側
面１ｃの下部に開口３３を設け、該開口３３にキャスタ
ー３４を備えた回収容器３５を抽出し式に出入自由に搬
入させている。この回収容器３５は空容器内の残液等を
受けるためのもので、通水性のかご型の中容器３６を収
容してなる。また、回収容器３５内には水をいれておく
ことができるようになっており、破断する空容器の材質
によって水を張って使用するようにする。３７は前記排
出口１７の周囲を囲い下方に垂れ下がるカバー片で、そ
の下部を水の中に入るようにしている。

【００１３】本発明は上記構成よりなり、先ず、蓋３を
開けて投入口２からホッパー４内に破断すべき空容器、
例えばプラスチック製のものを投入する。投入された空
容器は、可動盤８と固定盤６間に落下し、棚受枠１８上
面で受止められ、排出口１７から落下することなく溜
る。この状態で電源スイッチ２１ａを押し、油圧モータ
１３を駆動させ、作動レバー１４を介して油圧シリンダ
１２を駆動させることにより、固定盤６に対して可動盤
８を接離自在に往復運動させる。また、前記蓋３は安全
対策上インターロック式になっており、蓋を閉めると油
圧シリンダ１２が作動し、蓋３を開けると油圧シリンダ
１２が自然に停止して元の位置に戻るようになってい
る。

【００１４】これにより空容器は可動盤８の接近に伴な
い固定盤６と可動盤８間で挟まれさらに可動盤８が接近
すると各カッター刃２６が空容器に突刺さり各カツター
刃２６の刃先が固定盤６の硬質ゴム板２４を介して硬質
のプラスチック板２３に達することで破断が終了する
が、この破断は列設した各カッター刃２６の間隔の巾で
行なわれ、破断されたものは排出口１７すなわち棚受枠
１８の落下口１８ａから下方へ落下することとなる。

【００１５】この際、各カッター刃２６，２６…間に空
容器の断片が食い込むこととなるが、可動盤８の後退動
作により押出部材３１の後端部３１ｃが固定盤７に当接
すると、その位置で押出部材３１が停止し、可動盤８が
更に後退するに伴い押圧板３１ａが各カッター刃２６，
２６間から前方へ突出し、前記カッター刃２６，２６間
に食い込んでいる断片をすべて外方へ押し出すこととな
る。このようにカッター刃２６，２６…の刃間に食い込
むことなく、すべて分離した形状となって落下する。よ
って、これらの破断はスムーズ且確実に行われる。そし
て、回収容器３５の中容器３６内へ回収される。また、
各カッター刃２６，２６…の刃先は弾性板２３に当接す
ることになるのでその刃先を痛めることはない。固定盤
６の下縁には前方へ水平に突出する保持板３８を設けて
いるが、これは圧縮された空容器が下方へ無用に食み出
て、破断のし残りが生ずることを防止するためであり、
各カッター刃２６，２６…が入り込むスリット３９，３
９…を設けている。

【００１６】回収容器３５には水を張っておくことで、
落下時の音が少なく、さらに、容器に付着している臭気
を水で薄めるので、悪臭の発生するのを防止することが
でき、カバー片３７により細かい破片の飛散を防止する
こともできる。破断を何回か繰り返し、回収容器３５内
に空容器の断片が沢山溜ったら、回収容器３５をカバー
本体１から引出し、さらに中容器３６を取出して処理す
る。

【００１７】本実施例においては、前記各カッター刃２
６を夫々垂直方向に列設しているが、これに限定される
ものでなく、例えば水平方向に列設するようにしてもよ
い。さらに、垂直と水平とに直交状に設けるようにして
も良く、この場合は断片が更に細くなり減容効果が向上
する。尚、これらプラスチック容器に限らず、ガラス製
又は金属製の空容器についても同等に使用できる。ま
た、前記カッター刃２６の交換は鉄板２５をボルト２７
を取外すことにより容易に行なえるので保守が容易とな
る。

【００１８】

【発明の効果】以上に述べたように本発明の空容器類圧
縮破断機は、各種材質の空容器、特に、プラスチック製
のものを可動盤に列設したカッター刃列の巾で確実に破
断でき、破断片とし、手軽にしかも安全に処分すること
ができる。そして、嵩を顕著に減少して一時的に保管し
ておく際のスペースを節減でき、また、回収業者に引取
らせた場合、運搬する際の輸送効率をも向上させ、さら
に再生資源として有効に活用することができるといった
多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の空容器類圧縮破断機の斜視図。

【図２】同側面断面図。

【図３】図２におけるＸ−Ｘ線断面図。

【図４】同作用状態を示す平面断面図。

【図５】図２におけるＹ−Ｙ線断面図。

【図６】固定盤と可動盤の斜視図。

【図７】可動盤の拡大横断面図。

【図８】同拡大縦断面図。

【符号の説明】

１ カツター本体 ２ 投入口 ４ ホッパー ５ 出口部 ６，７ 固定盤 ８ 可動盤 １７ 排出口 ２３ 弾性板 ２６ カッター刃 ３１ 押出部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱形のカバー本体の上面に投入口を開設
   すると共に、内部に該投入口と連なるホッパーを設け、
   該ホッパーの出口部の下方一側に固定盤を立設し、他側
   に該固定盤と向き合い接離自在に往復運動する可動盤を
   立設し、カバー本体の底部には前記ホッパーの出口部に
   対向して所定幅の排出口を設け、各種空容器等を固定盤
   と可動盤間で破断して前記排出口から下方へ落下させる
   ようにした空容器類圧縮破断機であって、前記可動盤の
   対向する面に多数のカッター刃を列設すると共にこれら
   多数のカッター刃間に可動盤の後退と共に該固定盤の前
   方へ突出する押出部材を配置し、前記固定盤の対向する
   面には各カッター刃が衝止する弾性板を張設し、可動盤
   と固定盤間で空容器類を破断した際、各カッター刃間に
   入る断片を前記押出部材により押し出して排出口から落
   下させるようにしたことを特徴とする空容器類圧縮破断
   機。