JPH0530464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、遊技盤を収容するケーシングを機種
にかかわりなく共通化するための技術を付加した
パチンコ機に関する。

（従来の技術） パチンコ機には、操作スイツチを操作すること
によつて入賞条件を変化させることができるよう
にした入賞装置を遊技盤上に配設したものがあ
り、第７図において符号１で示すものが、この種
のパチンコ機の一例である。

この第７図において、２はケーシングであり、
このケーシング２は、箱状の外枠３と、この外枠
３に第８図に示すように扉板として取り付けられ
た前板４とからなる。この前板４は第８図及び第
９図に示すように開口部５を有し、この開口部５
の下側の部分に、次述する上皿に受けきれなかつ
た賞品球を払い出す余剰賞品球払出口６と、この
払出口６からの賞品球を受ける下皿７と、打球操
作を行うための電動式打球ハンドル８とが配設さ
れている。

開口部５には遊技盤９とフロントプレート１０
とが取り付けられており、遊技盤９の面前には窓
１１が扉式に開閉自在にして取り付けられてい
る。フロントプレート１０は、金属製のもので、
賞品球払出口１２を有し、そこから払い出される
賞品球を受けて、ハンドル８に連動する打球槌に
パチンコ球を導くための上皿１３が取り付けられ
るものである。

遊技盤９は第９図に示すように箱枠状に形成さ
れたリヤプレート１４内に嵌め付けられ、このリ
ヤプレート１４の周縁に形成されたフランジ部１
５が開口部５の周囲にネジなどによつて固定され
るものであり、これによつて前板４に対し着脱可
能とされている。

遊技盤９上には上記した如き入賞装置１６が配
設されている。この入賞装置１６は、３桁の数字
で複数の識別情報を表示する電気的可変表示器１
７と、ゲート１８により開閉される入賞口１９と
を有しており、電気的可変表示器１７には識別情
報を順次的周期的に可変表示させておき、その停
止時に表示されている識別情報の種類により、入
賞口１９の開閉を行つて、入賞条件を変化させる
ようになつているものである。２０はその停止操
作を行うための操作スイツチであり、前板４上に
孔穿けや座ぐり加工を施し、その部分に嵌め込ま
れネジ止めされる等して取り付けられているもの
である。

この種のパチンコ機によれば、打球以外の遊技
操作が介在されるため、遊技のおもしろさが一層
倍加できるものとされている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、近時、ケーシングと遊技盤とを分離
させることを可能とした上述のような所謂分離式
のパチンコ機が開発され、既に多く利用されてい
る。この方式によると、ホールの新装時、ケーシ
ングはそのままで遊技盤のみ組み換えるだけで良
いため、機種の交換が容易となり、更に、部品の
有効利用化としてのメリツトもある。

しかしながら、第７図〜第９図に示すパチンコ
機にあつては、操作スイツチ２０が前板４に取り
付けられているため、フロントパネル１０の下方
に位置している場合には上皿１３の蔭になつて目
視確認を阻止するために容易・迅速な操作が困難
になり、またそのケーシング２を操作スイツチ２
０の不要なパチンコ機用として用いることとなる
と、次の様なデメリツトを生じてしまうものであ
る。

すなわち、操作スイツチ２０が不要であるとし
て取り外してしまえば取り外し跡が残つて見た目
に悪いものとなつてしまい、これを隠蔽するため
の部品などを用意する必要を生ずるものであり、
また、操作スイツチ２０をそのまま残しておくこ
とになると、無意味なものが存在することになつ
て、徒らにケーシング２の板面を複雑化してしま
い、不自然な感じを遊技者に与えることになつて
しまうのである。

また逆に、操作スイツチ２０を必要としなかつ
た機種に換えて組み込む場合には、前板４にその
取り付け用の加工を施こさなければならなくなる
ので、手間がかかるというデメリツトもある。

さらに、操作スイツチ２０は窓枠１１との関係
で前板４の外枠３と重なる部分に取り付けること
になるため、外枠３の方にも孔明けや座ぐり加工
により配線や操作スイツチ２０の前板４の裏側へ
突出する部分を逃がす凹所を形成しなければなら
ないため、更に一層手間がかかるものとなつてい
る。

本考案は、この点に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、操作スイツチを不要とす
る遊技内容のものと組み換える場合であつても、
デメリツトを生じさせることなくケーシングを利
用することができるようにしたパチンコ機を提供
することにある。

（問題点を解決するための手段） そのため、本考案のパチンコ機は、 ケーシングの扉板の開口部に遊技盤と一側部を
前記扉板に対して回動可能に取り付けるための回
動軸及び賞品球の払い出しを受ける上皿を有する
フロントプレートとを設け、該遊技盤上には、操
作スイツチを操作することによつて入賞条件を変
化させることが可能とされた入賞装置を配設する
と共に、前記フロントプレートの表面で回動軸に
近接しかつ前記上皿の上部近接位置には前記入賞
装置の入賞条件を変化させるための操作スイツチ
を取り付けたことを特徴とする。

（考案の作用） かかる構成によつて、操作スイツチをフロント
プレートと共に、取り付け及び取り外しを行うこ
とができるので、扉板に取り付け用の加工を施す
必要がなく、また取り外し跡を残すこともないた
め、操作スイツチの不要な機種との組み換えであ
つてもデメリツトを生ずることなくケーシングを
利用することができる。

また操作スイツチは回動軸の近接位置に配置さ
れているので、操作スイツチから入賞装置（また
は入賞装置の制御回路）にわたる信号線が、操作
スイツチ及び回動軸間で無用に伸張化されること
を防止できる。さらに操作スイツチが上皿の上部
近接位置に設けられているので、パチンコ遊技中
に操作スイツチを容易に目視で確認できる。

（実施例） 以下に、本考案の一実施例を図面に基いて説明
する。尚、第７図〜第９図に示すものと同一の構
成要素については同一符号を付してその説明を省
略する。

第１図において、符号２１で示すものが本考案
に係るパチンコ機であり、２２はその操作スイツ
チである。

この操作スイツチ２２はフロントプレート１０
に取り付けられており、上皿１３の左上部分の斜
め側方に配設されているもので、タツチスイツチ
により構成されている。すなわち、操作スイツチ
２２に触れると、図示しない入賞装置の制御回路
としてのタツチ回路が働いて電気的可変表示器１
７の表示の可変が停止されるものである。なお電
気的可変表示器１７及びタツチ回路は図示を省略
した制御回路に信号線（図示省略）を介して接続
され、この制御回路と操作スイツチ２２とは上記
信号線を介して接続されている。

第２図〜第４図に示すように、操作スイツチ２
２はベース２３とタツチプレート２４とを有して
おり、両者２３，２４は共にプラスチツクにより
製作されているもので、ベース２３の表面側にタ
ツチプレート２４が密接する構造となつている。
ベース２３の裏面側には突起部２５，２５が一体
成形されており、これらの突起部２５，２５はフ
ロントプレート１０に穿設されているパンチ孔２
６，２６に表面側から貫挿されている。これら突
起部２５，２５のフロントプレート１０の裏面に
突出する部分にはスピドナツト２７，２７が螺着
されている（第５図および第６図参照。）。第６図
において符号２８で示す螺線状の溝は、その螺着
時に生じたもので、これを見てもわかるように、
突起部２５の先端部側より基端部側の方がスピド
ナツト２７のネジ内面が深く喰い込んでおり、ベ
ース２３がフロントプレート１０に対して強固に
固定されているものである。ベース２３の裏面側
には更に筒状部２９が一体成形されており、この
筒状部２９はフロントプレート１０に形成されて
いるパンチ孔３０に貫押されている。タツチプレ
ート２４はその裏面にボス部３１を有しており、
このボス部３１を含む全面に金属メツキが施こさ
れている。ボス部３１は筒状部２９に嵌合されて
おり、その先端部にはネジ３３によつて端子板３
２が取り付けられている。３４は該端子板３２よ
り導出するようにしたコードであつて、このコー
ドは上述したタツチ回路に接続されるものであ
る。これによつて、タツチプレート２４はベース
２３に対して一体化されると共にタツチ回路に対
して電気的に結合される。

尚、第２図及び第４図において符号３５で示す
ものはフロントプレート１０の軸受部である。す
なわち、このフロントプレート１０は前板４に一
側部を回動可能すなわち扉式に取り付けられてい
るもので、その回動中心となる支軸が、この軸受
部３５に挿入されるようになつているものであ
る。なお操作スイツチ２２は、フロントプレート
１０の表面で軸受部３５に近接し、かつ、上皿１
３の上部近接位置に取り付けられている。これに
より操作スイツチ２２から上記制御回路にわたる
上記信号線が、操作スイツチ２２及び軸受部３５
間で無用に伸張化されることを防止でき、かつ、
パチンコ遊技中に操作スイツチ２２を容易に目視
確認できる。

以上のように構成されたパチンコ機は次の様な
特有の効果がある。

操作スイツチ２２を上皿１３の左上部分の斜
め側方に設けたことから、上皿１３に手を載せ
たまま操作スイツチ２２を操作できるので、そ
のタイミングが狙い易く、また疲れない。

また、フロントプレート１０は扉式に取り付
けてあることから、操作スイツチ２２が故障し
たときなどにはその修理交換が行い易い。

操作スイツチ２２はタツチスイツチで構成さ
れているため、無接点であり壊れにくく、また
スイツチ形状が平面的であり、飾りとしてごく
自然な感じでマツチさせることができるという
意匠的効果がある。

（考案の効果） 以上述べて来たように本考案によれば、操作ス
イツチをフロントプレートと共に取り付け及び取
り外しを行うことができるので、ケーシングの扉
板やその他の部分に取り付け用の加工を施す必要
がなく、また取り外し跡を残すこともないため、
操作スイツチの不要な機種との組み換えであつて
もデメリツトを生ずることなくケーシングを利用
することができるという効果を奏する。これによ
り、機種にかかわりなくケーシングを共通化する
ことに対する一助となる。さらに操作スイツチか
ら上記制御回路にわたる上記信号線が、操作スイ
ツチ及び軸受部間で無用に伸張化されることを防
止でき、かつ、パチンコ遊技中に操作スイツチを
容易に目視確認できるので、操作スイツチ及び回
動軸間における信号線の引き回し作業の能率が向
上し、同時に同区間での無用に長い信号線に起因
する美観の低下及びフロントプレートの開閉に起
因する信号線の断線を容易に防止することができ
る。

また操作スイツチが上皿の上部近接位置に設け
られているので、パチンコ遊技中に操作スイツチ
を容易に目視確認できる。このためパチンコ遊技
に対する集中力を損なうことなく容易・迅速に対
応でき、遊技意欲の低下及び有用な機会を逃すこ
とが防止される。

また、フロントプレートに操作スイツチを取り
付けるにあたつても、フロントプレートにその取
り付用のパンチ孔を加工するだけで良いため、容
易かつ短時間にして組み付けを行うことができ
る。

さらに、上皿と操作スイツチが共にフロントプ
レート上にあるためデザイン設計が容易に行え
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るパチンコ機の正面図、第
２図はその要部拡大図、第３図は第２図の−
線に沿う断面図、第４図は第２図の−線に沿
う断面図、第５図は操作スイツチの取り付けに用
いるスピードナツトの斜視図、第６図はそのスピ
ドナツトを用いた取付構造を示す図、第７図は従
来のパチンコ機の正面図、第８図はその斜視図、
第９図はその一部分解構造図、である。 １……パチンコ機、２……ケーシング、４……
前板（扉板）、５……開口部、９……遊技盤、１
０……フロントプレート、２２……操作スイツ
チ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ケーシングの扉板の開口部に遊技盤と一側部
   を前記扉板に対して回動可能に取り付けるため
   の回動軸及び賞品球の払い出しを受ける上皿を
   有するフロントプレートとを設け、 該遊技盤上には、操作スイツチを操作するこ
   とによつて入賞条件を変化させることが可能と
   された入賞装置を配設すると共に、 前記フロントプレートの表面で前記回動軸に
   近接しかつ前記上皿の上部近接位置には前記入
   賞装置の入賞条件を変化させるための操作スイ
   ツチを取り付けたことを特徴とするパチンコ
   機。 (2) 前記操作スイツチを、前記フロントプレート
   上の前記上皿に手を乗せたまま操作できる位置
   に配設したことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載のパチンコ機。 (3) 前記操作スイツチをタツチスイツチで構成し
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載のパチンコ機。