JPH05303727A - ドラム組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】固定ドラムに組み込まれた上、下ベアリングの
同軸度を調整できるようにして、軸の倒れを改善し、磁
気記録再生装置の記録テープの互換性を改善すると共
に、薄型化、小型化、軽量化を可能にするドラム組立体
を提供する。 【構成】固定ドラム１に、上、下のベアリング２、３を
組み込む上下ベアリング組込み部１ａ、１ｂを有するド
ラム組立体において、固定ドラムの下ベアリング組込み
部に、固定ドラム中心より放射状にねじ穴を設け、この
ねじ穴に組付けた押ねじ１２によって、下ベアリングの
外周に力を加えることにより、固定ドラムの上ベアリン
グに対する下ベアリングの位置を移動調整できるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＶＴＲ、ＤＡＴ等の走
行する磁気テープに対して、情報を記録又は再生する磁
気記録再生装置のドラム組立体に関してであり、より詳
しくは軸を介して回転ドラムを支持する固定ドラムに組
み込まれた上、下ベアリングの同軸度を改善する技術に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来のドラム組立体の断面図を示
す。一般にＶＴＲやＤＡＴ等の磁気記録再生装置に使用
されているドラム組立体は、図５に示すように固定ドラ
ム１に組み込まれた上ベアリング２、下ベアリング３を
中心に軸４と一体に回転するように、回転ドラム６がフ
ランジ５を介して取り付けられている。

【０００３】このドラム組立体の固定ドラム１の底面に
対する軸４の倒れは、固定ドラム１の機械加工精度、つ
まり上ベアリング２と下ベアリング３が組み込まれる部
分の同軸度、真円度及び部品精度、つまり軸４の外径と
上ベアリング２、下ベアリング３の内径の隙間により決
定する。

【０００４】また、図６の他の従来のドラム組立体は、
上ベアリング２を固定ドラム１に組み込み、下ベアリン
グ３をベアリングハウジング１５に組み込み、２つの部
品で組立調整を行う構造である。

【０００５】しかし、図５に示すドラム組立体では、機
械加工で固定ドラム１の上ベアリング２、下ベアリング
３を組み込む上、下ベアリング組込み部の同軸度を１μ
ｍ以下の精度にするのは困難であり、固定ドラム１底面
に対する軸４の倒れを改善するには、上ベアリング２と
下ベアリング３の距離を長くする必要があった。

【０００６】また、図６に示すドラム組立体では、固定
ドラム組立を構成する部品が固定ドラム１とベアリング
ハウジング１５と分かれているため、構造が複雑になる
という問題点があり、高密度記録再生装置の小型化、軽
量化を妨げる原因の一つになっていた。

【０００７】この固定ドラム１底面に対する軸４の倒れ
が大きいと、磁気記録再生装置の記録テープの互換性が
ないという問題点が発生する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点を解消するためになされたものであって、
軸を介して回転ドラムを支持する固定ドラムに組み込ま
れた上、下ベアリングの同軸度を調整できるようにし
て、軸の倒れを改善することにより、磁気記録再生装置
の記録テープの互換性を改善することができると共に、
単純な構造なので、磁気記録再生装置の薄型化、小型
化、軽量化を可能にするドラム組立体を提供することを
課題にしている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を達成するために、上、下ベアリングを組み込む上、
下ベアリング組込み部を有する固定ドラムと、この固定
ドラムの上部に回転可能に支持された回転ドラムと、こ
の回転ドラムの下部の固定ドラムとの間隙に装着された
磁気ヘッドと、これらの回転ドラムと磁気ヘッドと共に
一体回転し、前記上、下ベアリングにより支持される軸
と、この軸を回転させるドラム駆動用モータを有するド
ラム組立体において、前記固定ドラムの下ベアリング組
込み部に、固定ドラム中心より放射状にねじ穴を設け、
このねじ穴に組付けた押ねじによって、前記下ベアリン
グの外周に力を加えることにより、前記固定ドラムの上
ベアリングに対する下ベアリングの位置を移動調整する
ことを特徴とする。

【００１０】

【作用】本発明は、このように固定ドラムの下ベアリン
グ組込み部に、固定ドラム中心より放射状にねじ穴を設
け、このねじ穴に押ねじを組付け、この押ねじにより下
ベアリングの外周に力を加えることにより、上ベアリン
グに対する下ベアリングの同軸度を調整し、固定ドラム
の底面に対する軸の倒れを改善する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明のドラム組立体の一実施例を図
１〜図４を参照して説明する。図１は、本発明のドラム
組立体の一実施例の断面図であって、図２は、本発明の
一実施例の固定ドラムの下面図である。図３は、本発明
のドラム組立体の他の実施例の断面図であって、図４
は、本発明の他の実施例の固定ドラムの下面図である。
従来例と同じものは、同じ符号を付す。

【００１２】図１及び図２において、本発明のドラム組
立体の一実施例は、固定ドラム１を有し、この固定ドラ
ム１の上下両端には、上ベアリング組込み部１ａと下ベ
アリング組込み部１ｂが設けられていて、この上ベアリ
ング組込み部１ａと下ベアリング組込み部１ｂに、上ベ
アリング２と下ベアリング３がそれぞれ圧入されてい
る。

【００１３】固定ドラム１の上部には、回転ドラム６が
回転可能に支持されている。この回転ドラム６の下面
に、外周よりわずか突出するように磁気ヘッド７が取り
付けられており、回転ドラム６は、軸４にフランジ５を
介して回転するように取り付けられている。

【００１４】上ベアリング２と下ベアリング３は、軸４
と一体回転するフランジ５とリング８で、軸方向に予圧
を加えることにより、軸４の回転振れを最小となるよう
になっている。回転ドラム６は、固定ドラム１の下側に
取り付けられたドラムモータ９により、リング８、軸
４、フランジ５を介して一体回転する。ロータリートラ
ンス１０は、磁気ヘッド７と磁気記録再生装置間の信号
伝達に使用される。

【００１５】以上からわかるように、固定ドラム１底面
に対する軸４の倒れは、上ベアリング２と下ベアリング
３の位置関係により決定される。このことから、図１に
示す固定ドラム１の下ベアリング組込み部１ｂに、図２
に示すように、固定ドラム１の中心より放射状にねじ穴
１１を設け、このねじ穴１１に組付けた押ねじ１２によ
って、下ベアリング３の外周に力を加えることにより、
固定ドラム１の上ベアリング２に対する下ベアリング３
の位置の移動調整を行い、固定ドラム１の底面に対する
軸４の倒れを改善する。

【００１６】本発明のドラム組立体の他の実施例を図３
及び図４に示す。基本構造は図１及び図２に示した一実
施例と同じなので、重複説明は省略する。他の実施例で
は、図３に示すように、固定ドラム１の下ベアリング３
が圧入される下ベアリング組込み部１ｂの固定ドラム側
の断面幅を他の部分より薄くするために外周に溝１３が
設けられている。溝１３を設けることにより、下ベアリ
ング３の外周を押ねじ１２で押し、下ベアリング３の位
置調整を行う場合に、固定ドラム１の下ベアリング組込
み部１ｂが変形しやすい構造となるので、下ベアリング
３の変形を軽減する。

【００１７】また、図４に示すように、固定ドラム１の
下ベアリング３が圧入される下ベアリング組込み部１ｂ
の内周に、下ベアリングの外周が部分的に接触させるた
めの切り欠き１４を設け、下ベアリング３の位置調整を
行う場合の下ベアリングの変形を軽減する。

【００１８】以上、図２及び図４には、固定ドラム１の
下ベアリング組込み部１ｂに、それぞれ４ヶ所、３ヶ所
のねじ穴１１を設けた例を示したが、実際には固定ドラ
ム１の底面に対する軸４の倒れ方向により、１ヶ所以上
設けることにより同様な効果が得られる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、本発明のドラム組立体
は、固定ドラムの下ベアリング組込み部に、固定ドラム
中心より放射状にねじ穴を設け、このねじ穴に押ねじを
組付け、この押ねじにより下ベアリング外周に力を加え
ることにより、上ベアリングに対する下ベアリングの同
軸度を調整できるようにして、軸の倒れを改善すること
により、磁気記録再生装置の記録テープの互換性を改善
することができると共に、単純な構造なので、磁気記録
再生装置の薄型化、小型化、軽量化を可能にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のドラム組立体の一実施例の断面図で
ある。

【図２】 本発明の一実施例の固定ドラムの下面図であ
る。

【図３】 本発明のドラム組立体の他の実施例の断面図
である。

【図４】 本発明の他の実施例の固定ドラムの下面図で
ある。

【図５】 従来のドラム組立体の断面図である。

【図６】 他の従来のドラム組立体の断面図である。

【符号の説明】

１ 固定ドラム １ａ 上ベアリング組込み部 １ｂ 下ベアリング組込み部 ２ 上ベアリング ３ 下ベアリング ４ 軸 ５ フランジ ６ 回転ドラム ７ 磁気ヘッド ８ リング ９ ドラムモータ １０ ロータリートランス １１ ねじ穴 １２ 押ねじ １３ 溝 １４ 切り欠き １５ ベアリングハウジング

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上、下ベアリングと、該上、下ベアリン
   グを組み込む上、下ベアリング組込み部を有する固定ド
   ラムと、該固定ドラムの上部に回転可能に支持された回
   転ドラムと、該回転ドラムの下部に前記固定ドラムとの
   間隙に介在して装着された磁気ヘッドと、前記回転ドラ
   ムと磁気ヘッドと共に一体回転し、前記固定ドラムの
   上、下ベアリング組込み部に組み込まれた上、下ベアリ
   ングにより支持される軸と、前記軸を回転させるドラム
   駆動用モータを有するドラム組立体において、 前記固定ドラムの下ベアリング組込み部に、固定ドラム
   中心より放射状にねじ穴を設け、該ねじ穴に組付けた押
   ねじによって、前記下ベアリングの外周に力を加えるこ
   とにより、前記固定ドラムの上ベアリングに対する下ベ
   アリングの位置を移動調整することを特徴とするドラム
   組立体。
2. 【請求項２】 固定ドラムの下ベアリング組込み部に下
   ベアリングを圧入するドラム組立台において、 下ベアリング組込み部の固定ドラム側の断面幅を他の部
   分より薄くする溝又は切り欠きを設けたことを特徴とす
   る請求項１記載のドラム組立台。
3. 【請求項３】 固定ドラムの下ベアリング組込み部に下
   ベアリングを圧入するドラム組立台において、 前記下ベアリング組込み部の内周に、前記下ベアリング
   の外周が部分的に接触する溝又は切り欠きを設けたこと
   を特徴とする請求項１記載のドラム組立台。