JPH0530293Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、両極に取付脚（タブ）を有するリチ
ウム電池に関する。

〔従来技術〕

電子機器のバツクアツプ用電源には種々あり、
停電時に機器そのものを動作させることはできな
いがメモリ装置の部分のみを受け持つメモリバツ
クアツプ用の電池の一つにリチウム電池（二酸化
マンガン・リチウム電池）がある。

このリチウム電池は、その外形形状がコイン形
であり、装置への組み込み方法として、時計用の
ようにスナツプでサンドイツチ状に挟持させる方
法、電池ホルダ（ソケツト）により保持する方
法、或いは回路に半田付けにより固定する方法等
がある。

そして、回路に半田付けする方法の中で頻繁に
使用されるのは、第２図に示すように、正極側取
付脚２と負極側取付脚３をスポツト溶接して使用
する方法である。１は電池本体である。

ところで、この取付脚は、誤取付防止のために
正極側取付脚２は２本脚（又は幅の広い脚）、負
極側取付脚３は１本脚（又は幅の狭い脚）となつ
ている。

この取付脚２，３は、電池本体１のシエルの材
質（ニツケル合金）にローコストで溶接する関係
から、そのシエル材質と同等の0.15〜0.20mm厚の
ニツケル板又はニツケルメツキしたステンレス
（SUS）板を材質としてしいる。

しかし、この材質はコストが高く、また半田付
けに対する馴染みが良好でなかつた。特に、通常
の片面のプリント配線板ではパンチ穴に電池を取
り付ける構造となるので、半田付け不良が多発し
ている。

半田付けの妨げとなるニツケル板の酸化被膜
は、民生用の電子装置組み立てで使用する活性度
の低いフラツクスでは被膜除去ができないからで
ある。そこで酸化被膜を除去できる強力なフラツ
クスを使用することも考えられるが、この場合は
半田付け終了後に洗浄を行う必要があり、新たな
工程が必要となつてコスト高を招く。更に、ニツ
ケル板に予備半田を施しておくことも考えられる
が、上記同様にコストアツプを招く。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、低コストでしかも半田付け性
能が向上した取付脚を有するリチウム電池を提供
することである。

〔考案の構成〕

このために本考案のリチウム電池は、両極にス
ポツト溶接される取付脚を有するリチウム電池に
おいて、該取付脚を電池本体側の材質がニツケ
ル、半田付け側の材質が黄銅の複合材料により構
成した。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について説明する。第１
図はその一実施例の取付脚の材質の説明図であ
る。本実施例では、ニツケル板又はニツケルメツ
キしたステンレス板部１０と銅合金（錫メツキ
付）部１１でなるコイル状の複合材料板１２を使
用する。即ち、このコイル状複合材料板１２を斜
線で示すようにカツト分離して、正電極側取付脚
２（負電極側取付脚３も全く同様に形成するが図
示しなかつた。）とする。そしてこのとき、電池
本体１に溶接する側をニツケル板部１０とし、半
田付けする側を銅合金部１１とする。

この結果、電池本体３への接続は従来と同様な
溶接により行うことができる。異種金属相互の接
続部に電解液が付着すると電食発生の恐れがある
が、ニツケル板部１０は電池本体３と同様の材質
となるので、このような事態が発生することはな
い。また、プリント配線板に半田付けする側は半
田親和性の良好な銅合金であるので、その半田付
けに問題が生じることもない。

〔考案の効果〕

以上から本考案によれば、電池本体側と反対側
が半田親和性の良好な材質となるので、極めて良
好な半田付けが行われるようになり、装置の信頼
性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の取付脚形成用のコ
イル状複合材料板の説明図、第２図ａは取付脚付
リチウム電池の正面図、ｂは側面図である。 １……電池本体、２，３……取付脚、１０……
ニツケル板部、１１……銅合金部１１、１２……
コイル状複合材料板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 両極にスポツト溶接される取付脚を有するリ
   チウム電池において、該取付脚を電池本体側の
   材質がニツケル、半田付け側の材質が黄銅の複
   合材料により構成したことを特徴とするリチウ
   ム電池。 (2) 上記複合材料が、帯状に上記ニツケルと上記
   黄銅とが形成されたコイル板を裁断して形成さ
   れていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のリチウム電池。