JPH05302525A - エンジンの回転速度変動抑制装置 - Google Patents

エンジンの回転速度変動抑制装置

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JPH05302525A
JPH05302525A JP10504692A JP10504692A JPH05302525A JP H05302525 A JPH05302525 A JP H05302525A JP 10504692 A JP10504692 A JP 10504692A JP 10504692 A JP10504692 A JP 10504692A JP H05302525 A JPH05302525 A JP H05302525A
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JP
Japan
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torque
engine
generator motor
rotation speed
battery
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Application number
JP10504692A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Nakai
一弘 中井
Katsuhiko Kawai
勝彦 川合
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バッテリの過放電・過充電を防止しながらエ
ンジン回転速度の変動を効果的に抑制する。 【構成】 エンジン1のクランクシャフト2に連結され
たロータリエンコーダ12の出力パルス信号をECU1
3に入力することによって、クランク角とエンジン1の
回転速度を検出する。ECU13は、検出したエンジン
1の回転速度をフィードバックして発電電動機5が発生
すべきトルクを演算し、この演算トルクをバッテリ21
の充電状態に応じて補正して、そのデータを電流コント
ローラ20と制御回路17に出力することにより、発電
電動機5の界磁巻線8に流す電流値If 及び発電電動機
5の動作モードの切換タイミングを制御する。このた
め、発電電動機5の発生トルクの制御がバッテリ21の
充電状態とエンジン1の回転速度の双方を考慮した理想
的なものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン回転速度の変
動を発電電動機の発生トルクにより抑制するようにした
エンジンの回転速度変動抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエンジンの回転速度変動抑制装置
は、例えば特開昭61−135936号公報のように、
エンジンの回転速度(角速度)が平均的な回転速度より
も高い期間は、エンジンの出力トルクで発電電動機を駆
動して発電電動機を発電機として動作させることにより
エンジンに逆トルクを付加し、エンジン回転速度が平均
回転速度よりも低い期間は、発電電動機を電動機として
動作させることによりエンジンに正トルクを付加するよ
うになっていた。この場合、発電電動機の動作モードの
切換タイミングは、上記公報の第7図に示すように、エ
ンジンのクランク角により決められていた。更に、バッ
テリの過放電を防止するために、バッテリ電圧が低下し
ているときには、発電時間を長くするように発電電動機
の動作モードの切換タイミングを変更するようになって
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報の
第6図に示すように、エンジン回転速度(角速度)は刻
々と変化するため、エンジン回転速度の変動を最も効果
的に抑制するには、エンジン回転速度の変動に合わせ
て、発電電動機の発生トルクを刻々と変化させることが
理想的である。
【0004】しかしながら、上記公報のものでは、単
に、発電電動機の動作モードをエンジンのクランク角に
より切り換えるだけで、発電電動機の発生トルクは何ら
制御されていないため、刻々と変化するエンジン回転速
度に対して発電電動機の発生トルクが必ずしも適合した
ものにならず、回転速度変動抑制効果も低下してしまう
欠点がある。しかも、バッテリの過放電を防止するため
に、バッテリ電圧に応じて発電電動機の動作モードの切
換タイミングを変更するだけであるので、バッテリ電圧
の低下時には、発電電動機の発生トルクが益々不適当な
ものとなり、回転速度変動抑制効果も益々低下してしま
う欠点がある。
【0005】本発明はこの様な事情を考慮してなされた
もので、その目的は、バッテリの充電状態とエンジン回
転速度の双方を考慮しながら発電電動機の発生トルクを
能動的(アクティブ)に制御することができて、バッテ
リの過放電・過充電を防止しながらエンジン回転速度の
変動を効果的に抑制できるエンジンの回転速度変動抑制
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のエンジンの回転速度変動抑制装置は、エン
ジン回転速度の変動を発電電動機の発生トルクにより抑
制するようにしたものにおいて、エンジン回転速度を検
出する回転速度検出手段と、前記発電電動機により充電
されるバッテリの充電状態を検出する充電状態検出手段
と、前記回転速度検出手段により検出したエンジン回転
速度をフィードバックして前記発電電動機が発生すべき
トルクを演算する発生トルク演算手段と、この発生トル
ク演算手段により演算したトルクを前記充電状態検出手
段により検出したバッテリの充電状態に応じて補正する
トルク補正手段と、このトルク補正手段により補正され
たトルクを発生するように前記発電電動機の運転を制御
する制御手段とを備えた構成としたものである。
【0007】
【作用】上記構成によれば、回転速度検出手段によりエ
ンジン回転速度を検出し、この検出値をフィードバック
して発電電動機が発生すべきトルクを発生トルク演算手
段により演算する。更に、充電状態検出手段によりバッ
テリの充電状態を検出し、その充電状態に応じて上記演
算トルクをトルク補正手段により補正し、この補正され
たトルクを発生するように制御手段により発電電動機の
運転を制御する。このため、バッテリの充電状態とエン
ジン回転速度の双方を考慮しながら発電電動機の発生ト
ルクが能動的(アクティブ)に制御され、バッテリの過
放電・過充電を防止しながらエンジン回転速度の変動が
効果的に抑制される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。まず、図1及び図2を参照して全体の機械的構
成を説明する。エンジン1は例えば4サイクルのガソリ
ンエンジンであり、そのクランクシャフト2の一端側に
はトランスミッション3のトルクコンバータ4が連結さ
れている。このトルクコンバータ4とエンジン1との間
の位置(本来フライホイールを装着すへき位置)に発電
電動機5が配置され、この発電電動機5のロータコア6
がボルト7を介してクランクシャフト2に固定されてい
る。このロータコア6はその内側に配置された界磁巻線
8(ロータコイル)によって励磁されるようになってい
る。
【0009】この発電電動機5の外周囲を覆うハウジン
グ9は、エンジン1の側面に固定され、このハウジング
9の内側にステータコア10がロータコア6の外周囲を
取り巻くように固定されている。このステータコア10
のスロット10aには、3相のステータコイル11a,
11b,11cが装着されている。
【0010】一方、エンジン1のクランクシャフト2の
他端側には、ロータリエンコーダ12のロータ(図示せ
ず)が連結されている。このロータリエンコーダ12
は、クランクシャフト2の回転角度(クランク角)が一
定角度(例えば10°CA若しくはそれ以下の角度)に
達するごとにパルス信号を発生し、このパルス信号を電
子コントロールユニット(以下「ECU」という)13
が計数することによってクランク角を検出すると共に、
そのパルス信号の時間間隔を計測することによってエン
ジン1の回転速度を検出するようになっている。従っ
て、本実施例では、ロータリエンコーダ12とECU1
3とによって、エンジン1の回転速度を検出する回転速
度検出手段が構成されている。
【0011】また、ECU13には、自動車の車速に応
じた車速信号を発生する車速センサ14と、アクセル
(図示せず)がオフされている時にスロットル全閉信号
を発生するアイドルスイッチ15が接続されている。こ
のECU13は、アイドル時には、上記車速信号とスロ
ットル全閉信号とからアイドル状態を判断し、アイドル
スピードコントロールアクチュエータ(以下「ISCア
クチュエータ」という)16を制御することにより、ス
ロットルバルブ(図示せず)の開度を調節してアイドル
回転速度を安定化するようになっている。
【0012】このECU13は、制御回路17と駆動回
路18を介して発電電動機5の運転も制御する。以下、
この制御系の電気回路を図3に基づいて説明する。
【0013】上記駆動回路18は、インバータ/コンバ
ータ19と界磁巻線8に流す電流値If を制御する電流
コントローラ20とから構成されている。上記インバー
タ/コンバータ19は、6個のトランジスタTx ,Ty
,Tz ,Tu ,Tv ,Tw を3相ブリッジ接続すると
共に、各トランジスタTx ,Ty ,Tz ,Tu ,Tv ,
Tw にそれぞれダイオードDx ,Dy ,Dz ,Du ,D
v ,Dw を逆並列接続して構成されている。このインバ
ータ/コンバータ19の各相の接続端子U,V,Wは、
各相のステータコイル11a,11b,11cに接続さ
れている。
【0014】そして、発電電動機5を電動機として動作
させる場合には、制御回路17によって各トランジスタ
Tx ,Ty ,Tz ,Tu ,Tv ,Tw のオン・オフを制
御することによって、バッテリ21から供給される直流
電力を3相の交流電力に変換し、この交流電力により各
相のステータコイル11a,11b,11cを励磁し
て、ロータコア6を回転させる。この場合には、各ダイ
オードDx ,Dy ,Dz,Du ,Dv ,Dw はフライホ
イールダイオードとして作用することになる。
【0015】一方、発電電動機5を発電機として動作さ
せる場合には、制御回路17によって全てのトランジス
タTx ,Ty ,Tz ,Tu ,Tv ,Tw をオフさせた状
態にすることによって、各相のステータコイル11a,
11b,11cで誘起された交流電力を各ダイオードD
x ,Dy ,Dz ,Du ,Dv ,Dw を通して整流してバ
ッテリ21を充電する。この場合には、各ダイオードD
x ,Dy ,Dz ,Du,Dv ,Dw は整流ダイオードと
して作用することになる。
【0016】これに対し、電流コントローラ20は、発
電電動機5の界磁巻線8に流す電流値If を制御するこ
とによって、発電機としての発電量(負の発生トルク)
や電動機としての回転速度(正の発生トルク)を制御す
る。
【0017】この場合、制御回路17及び電流コントロ
ーラ20はECU13によって制御される。このECU
13は、バッテリ21の端子電圧を検出してバッテリの
充電状態を検出する充電状態検出手段として機能する。
更に、このECU13は、後述する図4及び図5の各ル
ーチンを実行することにより、エンジン1の回転速度を
フィードバックして発電電動機5が発生すべきトルクを
演算する発生トルク演算手段として機能すると共に、こ
の演算したトルクをバッテリの充電状態に応じて補正す
るトルク補正手段としても機能する。このECU13に
よって制御される制御回路17及び電流コントローラ2
0は、上記トルク補正手段により補正されたトルクを発
生するように発電電動機5の運転を制御する制御手段と
して機能する。以下、この制御内容を図4及び図5のフ
ローチャートに従って具体的に説明する。
【0018】図4のエンジン運転状態判定ルーチンは、
ロータリエンコーダ12の出力パルス信号に基づいて、
エンジン1のクランク角が例えば30°CA進むごとに
割込み処理により実行される。
【0019】このエンジン運転状態判定ルーチンでは、
まず、ステップS1で、キースイッチ(図示せず)がス
タート位置に回動操作されているか否か、即ち、エンジ
ン1の始動操作中であるか否かが判断され、「YES」
であれば、ステップS2に移行して、エンジン1の回転
速度Neが所定値nよりも低いか否かが判断される。上
記所定値nは、エンジン1が完爆状態になったときの回
転速度であり、もし、エンジン1の回転速度が所定値n
に達していなければ、ステップS2で「YES」と判断
されて、ステップS3に移行し、界磁巻線8に流す電流
値If を例えば6Aにセットして、発電電動機1を電動
機(スターター)として動作させる。この場合には、実
行判定フラグXSIDLを「0」にセットして(ステッ
プS5)、このルーチンを終了する。上記実行判定フラ
グXSIDLは、回転速度変動抑制制御(図5のステッ
プS12〜S19の処理)を実行するか否かを判定する
フラグであり、「0」のときにはその制御を行わず、
「1」のときのみその制御を行うことになる。
【0020】そして、エンジン1の始動操作中(ステッ
プS1が「YES」のとき)に、エンジン1の回転速度
Neが所定値n以上になってしまえば、ステップS2で
「NO」と判断されて、ステップS4に移行し、界磁巻
線8に流す電流値If を例えば−2Aにセットして、発
電電動機1を発電機として動作させる。この場合にも、
上述と同じく、実行判定フラグXSIDLを「0」にセ
ットして(ステップS5)、このルーチンを終了する。
【0021】一方、ステップS1で「NO」と判断され
た場合、即ち、エンジン1の始動操作中でない場合に
は、ステップS6〜S9によりエンジン1の回転速度
(平均値)が安定的なアイドル回転状態になっているか
否かが次のようにして判断される。まず、ステップ6
で、エンジン1の回転速度Neが所定値nよりも低いか
否かが判断される。もし、エンジン1の回転速度が所定
値nよりも低ければ、ステップS6で「YES」と判断
されて、ステップS7に移行し、アイドルスイッチ15
がオン状態でスロットル全閉信号が出力されているか否
か、即ちアクセル(図示せず)がオフされているか否か
が判断される。もし、このステップ7でも「YES」と
判断されれば、ステップS8に移行して、車速センサ1
4の出力信号レベルが0V以下か否か、即ち自動車が停
止しているか否かが判断される。
【0022】このステップS8でも、「YES」と判断
されれば、ステップS9に移行して、ISCアクチュエ
ータ16のフィードバック制御中(アイドル回転速度の
フィードバック制御中)であるか否かが判断される。も
し、このステップS9でも、「YES」と判断されれ
ば、ステップS10に移行して、実行判定フラグXSI
DLを「1」にセットして、このルーチンを終了する。
【0023】一方、ステップS6,S7,S8,S9の
いずれか一つでも判断が「NO」となる場合には、エン
ジン1の回転速度が安定的なアイドル回転状態にまで低
下していないので、ステップS4に移行して、界磁巻線
8に流す電流値If を例えば−2Aにセットして、発電
電動機1を発電機として動作させると共に、実行判定フ
ラグXSIDLを「0」にセットして(ステップS
5)、このルーチンを終了する。
【0024】ここで、ステップS6の判断が「NO」と
なるときは、エンジン1の回転速度が所定値n以上にな
っている場合であり、ステップS7の判断が「NO」と
なるときは、アイドルスイッチ15がオフ状態でスロッ
トル全閉信号が出力されていない(アクセルが踏み込ま
れている)場合である。また、ステップS8の判断が
「NO」となるときは、車速センサ14の出力信号レベ
ルが0Vより大きい(自動車が停止していない)場合で
ある。更に、ステップS9の判断が「NO」となるとき
は、ISCアクチュエータ16をフィードバック制御し
ていないときである。
【0025】一方、図5の回転速度変動抑制制御ルーチ
ンは、ロータリエンコーダ12の出力パルス信号に基づ
いて、エンジン1のクランク角が例えば10°CA進む
ごとに割込み処理により実行される。このルーチンで
は、まず、ステップS11で、実行判定フラグXSID
Lが「1」であるか否かが判断され、「NO」の場合に
は以下の回転速度変動抑制制御(ステップS12〜S1
9の処理)を実行せずにメインプログラムに戻る。
【0026】もし、実行判定フラグXSIDLが「1」
であれば、ステップS11の判断が「YES」となっ
て、ステップS12に移行し、発電電動機5が発生すべ
きトルクTD(i)を次の(1)式により演算する。
【0027】
【数1】 ここで、TD(i)は、現時点iで必要とするトルクで
あり、TD(i−1)は、現時点iより1ステップ前
(10°CA前)の時点(i−1)で必要としたトルク
である。そして、Ne(i)は、現時点iのエンジン1
の回転速度[単位はrpm ]であり、Ne(i−1)は、
現時点iより1ステップ前の時点(i−1)のエンジン
1の回転速度[単位はrpm ]である。また、Kは次の
(2)式で決定される定数である。
【0028】
【数2】 ここで、Δθは制御周期(本実施例では10°CA)で
あり、Jは発電電動機5の回転系の慣性モーメントであ
る。
【0029】上述したトルクTD(i)の演算式(1)
は、図6に示すアイドル制振制御検討シュミレーション
により次のようにして導き出されたものである。
【0030】A.回転系ダイナミクス
【数3】 ここで、ωはクランク角速度[rad/sec ]、Teはエン
ジン1の発生トルク、TDは発電電動機5の発生トル
ク、Tfは摺動摩擦によりロスするフリクショントルク
である。
【0031】本実施例では、発電電動機5の運転をエン
ジン1のクランク角で制御するので、(4)式の時間微
分をクランク角微分に変換すると、
【数4】
【0032】B.制振制御法 ω=(2π/60)Neを(7)式に代入し、(3)式
のαを用いて整理すると、
【数5】 この場合、エンジン1の回転速度の変動を無くすために
は、 Te(i)+TD(i)−Tf(i)=0 …(11) となるように、TD(i)を決定する制御法が必要とな
る。
【0033】(11)式より、 TD(i)=−Te(i)+Tf(i) …(12) となるが、現時点iでのTe(i)とTf(i)を知る
ことは困難であるので、
【数6】 と仮定して、現時点iより1ステップ前(10°CA
前)の−Te(i−1)+Tf(i−1)を既知信号か
ら推定する方法を採用する。
【0034】(10)式より、
【数7】 となり、−Te(i−1)+Tf(i−1)を既知信号
から推定することが可能である。従って、(14)式に
(16)式を代入すると、
【数8】 この(17)式に(2)式を代入することにより、発電
電動機5が発生すべきトルクTD(i)を求める演算式
(1)が導き出される。
【0035】この演算式(1)を用いて、回転速度変動
抑制制御ルーチンのステップS12でトルクTD(i)
を演算した後、ステップS13に移行し、バッテリ21
の端子電圧を検出して図7のオフセットトルク特性から
オフセットトルク量Toff を求める。図7のオフセット
トルク特性はバッテリ21の端子電圧とオフセットトル
ク量Toff との関係を表したものであり、バッテリ21
の端子電圧が正常値よりも低ければ(過放電ぎみであれ
ば)、オフセットトルク量Toff は負の値となり、逆
に、バッテリ21の端子電圧が正常値よりも高ければ
(過充電ぎみであれば)、オフセットトルク量Toff は
正の値となる。この図7のオフセットトルク特性がデー
タテーブル或は関数としてECU13のROM(図示せ
ず)に記憶されている。
【0036】この様にして、ステップS13でオフセッ
トトルク量Toff が求められたならば、ステップS14
に移行し、前述した(1)式により演算したトルクTD
(i)にオフセットトルク量Toff を加算し、その加算
値を新たなトルクTD(i)とする。これにより、トル
クTD(i)がバッテリ21の端子電圧(充電状態)に
応じて補正されることになる。
【0037】この後、ステップS15に移行し、トルク
TD(i)が正(+),負(−),零(0)のいずれに
該当するかが判断される。ここで、もし、トルクTD
(i)が零(0)であれば、発電電動機5は発電及び電
動動作を行う必要がないので、界磁巻線8に流す電流値
If を0Aにセットする(ステップS17)。
【0038】一方、トルクTD(i)が正(+)のとき
には、発電電動機5を電動機として動作させる必要があ
るため、ステップS16に移行して、図8の電動機トル
ク特性より正の電流値If を求める。図8の電動機トル
ク特性は電流値If =0,2,4,6[A]についてエ
ンジン1の回転速度Neと発電電動機5の発生トルクT
Dとの関係を表したものである。この図8の電動機トル
ク特性から電流値Ifを求める方法は、電流値If =
0,2,4,6[A]のトルクカーブの中から、現時点
iの回転速度Ne(i)とトルクTD(i)の条件を満
たすものを選択する。尚、図8の電動機トルク特性はデ
ータテーブル或は関数としてECU13のROM(図示
せず)に記憶されている。
【0039】また、トルクTD(i)が負(−)のとき
には、発電電動機5を発電機として動作させる必要があ
るため、ステップS18に移行し、図9の発電機トルク
特性より上述と同じ方法で負の電流値If を求める。図
9の発電機トルク特性は電流値If =0,−1,−2,
−4,−6[A]についてエンジン1の回転速度Neと
発電電動機5の入力トルクTDとの関係を表したもの
である。この場合、発電電動機5の発生トルクTDは負
の値となり、TD=−TDとなる。尚、図9の電動機
トルク特性もデータテーブル或は関数としてECU13
のROM(図示せず)に記憶されている。
【0040】以上のようにして、ステップS16〜S1
8で求められた電流値If のデータを、ECU13から
電流コントローラ20に出力する(ステップS19)。
これにより、電流コントローラ20は、発電電動機5の
界磁巻線8に流す電流値Ifを制御することによって、
発電機としての発電量(負の発生トルク)や電動機とし
ての回転速度(正の発生トルク)を制御する。
【0041】この際、発電電動機5を電動機として動作
させる場合(電流値If が正の場合)には、制御回路1
7によって、各トランジスタTx ,Ty ,Tz ,Tu ,
Tv,Tw のオン・オフを制御することによって、バッ
テリ21から供給される直流電力を3相の交流電力に変
換し、この交流電力により各相のステータコイル11
a,11b,11cを励磁して、ロータコア6を回転さ
せる。一方、発電電動機5を発電機として動作させる場
合(電流値If が負の場合)には、制御回路17によっ
て全てのトランジスタTx ,Ty ,Tz ,Tu ,Tv ,
Tw をオフさせた状態にすることによって、各相のステ
ータコイル11a,11b,11cで誘起された交流電
力を各ダイオードDx ,Dy ,Dz ,Du ,Dv ,Dw
を通して整流して、バッテリ21を充電する。
【0042】この様にして、回転速度変動抑制制御を例
えば4気筒の4サイクルのガソリンエンジン1について
実行したときの挙動を図10及び図11に示す。図10
は制御周期が10°CAであり、図11は制御周期が3
0°CAである。いずれの場合も、バッテリ21の充電
状態とエンジン1の回転速度の双方を考慮しながら発電
電動機5の発生トルクが能動的(アクティブ)に制御さ
れるので、発電電動機5の発生トルクは、バッテリ21
の充電状態を良好に維持しつつエンジン1の発生トルク
(回転速度Ne)の変動を打ち消すように制御され、発
電電動機5の発生トルクがエンジン1の回転速度Neの
変動(トルク変動)に適合したものとなる。これによ
り、発電電動機5の発生トルクの制御が、バッテリ21
の充電状態とエンジン1の回転速度の双方を考慮した理
想的なものとなり、従来に比して回転速度変動抑制効果
を向上できると共に、バッテリ21の過放電・過充電も
防止できる。
【0043】この場合、図10と図11のグラフを比較
すれば明らかなように、制御周期を短くするほど、回転
速度変動抑制効果が一層大きくなり、エンジン1の回転
速度Neが益々安定する。
【0044】尚、本実施例では、ECU13でバッテリ
21の端子電圧を検出することによりバッテリ21の充
電状態を検出するようにしたが、バッテリ21の容量を
検出するバッテリ容量センサを設け、このバッテリ容量
センサの出力信号によりバッテリ21の充電状態を検出
するようにしても良い。
【0045】また、本実施例では、エンジン1の発生ト
ルクを制御するために発電電動機5の界磁巻線8に流す
電流値If を段階的に切り換えるようにしたが、これを
連続的に変化させるようにしても良く、或は界磁巻線8
に印加する電圧や通電率(オンオフデューティ比)を制
御するようにしたり、インバータ/コンバータ19をP
WM制御するようにしても良い。
【0046】また、本実施例では、クランクシャフト2
に連結されたロータリエンコーダ12の出力パルス信号
をECU13に入力することによって、クランク角とエ
ンジン1の回転速度を検出するようにしたが、例えば、
点火ディストリビュータ内に設けるクランク角センサの
出力パルス信号を高周波数化してエンジン1の一回転当
たり例えば36パルス以上の信号を出力するように構成
し、このパルス信号をECU13に入力することによっ
て、クランク角とエンジン1の回転速度を検出するよう
にしても良い。
【0047】また、制御周期も10°CA,30°CA
に限定されず、例えば15°CA,20°CA等、他の
クランク角であっても良いことは言うまでもない。
【0048】その他、本発明の適用範囲は、4気筒エン
ジンに限定されず、3気筒、5気筒、6気筒、8気筒
等、他の気筒数のエンジンにも適用可能であり、また、
4サイクル又は2サイクルのガソリンエンジンに限ら
ず、ディーゼルエンジンにも適用可能であり、更には発
電電動機5の構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱
しない範囲内で種々変形して実施できる。
【0049】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、検出したエンジン回転速度をフィードバックして、
発電電動機が発生すべきトルクを演算し、この演算トル
クをバッテリの充電状態に応じて補正して発電電動機の
運転を制御するようにしたので、バッテリの充電状態と
エンジン回転速度の双方を考慮しながら発電電動機の発
生トルクを能動的(アクティブ)に制御することができ
て、バッテリの過放電・過充電を防止しながらエンジン
回転速度の変動を効果的に抑制できるという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回転速度変動抑制装置
の概略的構成図
【図2】発電電動機の部分断面図
【図3】主要部の電気回路図
【図4】エンジン運転状態判定ルーチンの処理内容を示
すフローチャート
【図5】回転速度変動抑制ルーチンの処理内容を示すフ
ローチャート
【図6】アイドル制振制御検討シュミレーションの概要
を示す図
【図7】オフセットトルク特性を示すグラフ
【図8】電動機トルク特性を示すグラフ
【図9】発電機トルク特性を示すグラフ
【図10】制御周期10°CAで制御したときの挙動を
示すグラフ
【図11】制御周期30°CAで制御したときの挙動を
示すグラフ
【符号の説明】
1はエンジン、5は発電電動機、8は界磁巻線、11a
〜11cはステータコイル、12はロータリエンコーダ
(回転速度検出手段)、13はECU(回転速度検出手
段,充電状態検出手段,発生トルク演算手段,トルク補
正手段)、14は車速センサ、15はアイドルスイッ
チ、17は制御回路(制御手段)、19はインバータ/
コンバータ、20は電流コントローラ(制御手段)、2
1はバッテリである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転速度の変動を発電電動機の
    発生トルクにより抑制するようにしたものにおいて、 エンジン回転速度を検出する回転速度検出手段と、 前記発電電動機により充電されるバッテリの充電状態を
    検出する充電状態検出手段と、 前記回転速度検出手段により検出したエンジン回転速度
    をフィードバックして前記発電電動機が発生すべきトル
    クを演算する発生トルク演算手段と、 この発生トルク演算手段により演算したトルクを前記充
    電状態検出手段により検出したバッテリの充電状態に応
    じて補正するトルク補正手段と、 このトルク補正手段により補正されたトルクを発生する
    ように前記発電電動機の運転を制御する制御手段とを備
    えたことを特徴とするエンジンの回転速度変動抑制装
    置。
JP10504692A 1992-04-24 1992-04-24 エンジンの回転速度変動抑制装置 Pending JPH05302525A (ja)

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