JPH05302360A - 木造軸組構造 - Google Patents

木造軸組構造

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JPH05302360A
JPH05302360A JP13586992A JP13586992A JPH05302360A JP H05302360 A JPH05302360 A JP H05302360A JP 13586992 A JP13586992 A JP 13586992A JP 13586992 A JP13586992 A JP 13586992A JP H05302360 A JPH05302360 A JP H05302360A
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pillar
steel rod
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floor
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JP13586992A
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Yuichiro Hayashi
有 一 郎 林
Keiji Sato
藤 圭 二 佐
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Hayashi Kensetsu Kogyo KK
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Hayashi Kensetsu Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多層階木造軸組構造における柱の引っ張り耐
力の増強に特徴のある新規な木造軸組構造を提供する。 【構成】 各階柱5の脚部と土台、梁、桁等、その直下
に位置する横架材3あるいは4との間に作業空間9を形
成する一方、この作業空間9を接続部とし得る長さに形
成された鋼棒8を各柱5に沿って縦設し、それら鋼棒
8,8相互間および鋼棒8とアンカーボルト1間を、夫
々の位置する作業空間9において緊結、一体化して柱5
に引っ張り耐力を付与してなる木造軸組構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、我が国固有の木造軸組構造
の改良に係わるものであり、特に2階建て、3階建てと
いった多層階木造軸組構造における柱の引っ張り耐力の
増強に特徴のある新規な木造軸組構造を提供しようとす
るものである。
【0002】
【従来技術】建築基準法の改正によって3階建て木造軸
組建造物が普通に建築可能となる等、それまでの木造軸
組構造に対する構造上の規制が大巾に緩和されることと
なった。その結果、木造軸組構造にも様々な可能性が生
まれ、今後一層の展開、普及が期待されている。このよ
うな流れを受け、既に本願出願人においては、特願平3
−86265号発明に代表される、横架材とその上方適
当間隔の作業空間を確保して補助横架材を並置するよう
にした全く新たな木造軸組構造を完成し、従前までの木
造軸組構造では対応しきれなかった部材の規格化や切り
出し加工の簡略化、ひいては仕口部の構造強度の増強化
までを可能とすることにより、改正された建築基準法に
則って、より堅牢で且つ経済的な木造建築物を提供する
可能性を見出だすことに成功した。
【0003】この発明は、上記した既に本願出願人本人
において開発済みの技術的思想を更に発展させ、木造軸
組構造で最も弱点となっている柱部材の浮き上がり現象
の防止(柱の引っ張り耐力の付与、増強)に有効な技術
の開発、完成を指向したものである。横架材で分断され
た柱は、水平力が加わることによって必ず浮き上がり現
象を惹起してしまう。特に、この現象で建造物としての
構造強度上、致命的な支障を来すこととなるのは、今般
の法改正で緩和された3階建木造建築物のような複数階
の建築物の場合であって、これらの防止策として、これ
まででは通し柱を要所要所に採用するというのが最も一
般的な解決手段であったが、3階建木造建築物となる
と、当然それに見合う部材長の通し柱を必要とし、それ
らの部材を確保する上で困難さが伴うことと、今般の法
改正で緩和された構造として金具を採用して上下の柱を
繋ぐ技術がそれに代替する技術として容認されたことか
ら、現状の殆どは、横架材を挾んで上下に配された柱の
根元、横架材、柱頭の三者を短冊状の平鋼板でボルト締
めして連結するようにした構造を採用している。
【0004】しかし、この現状採用されている構造で
は、上下柱の端部と横架材との水平方向のズレを防止で
きず、柱根元および柱頭にほぞ加工を施した上、横架材
のほぞ穴に嵌合するという仕口加工を必要としたことか
ら、当然それだけ加工手間が掛かるという不都合がある
上、部材の規格化の上で支障となっていた。また、横架
材を切り込むため、断面欠損による仕口強度上の問題も
無視することができないものであった。そこで、この発
明では、これら現状における幾つかの課題を解消する上
で、既に提案済みの本願出願人による前記した木造軸組
構造の利用が有効であるという知見に基づき、鋭意その
応用、展開を試みてきた結果、遂に極めて現実的な木造
軸組構造の完成を見たものであり、以下にその詳細を説
示するものである。
【0005】
【発明の構成】図面に示されている代表的な実施例から
も明確に理解されるように、この発明の木造軸組構は、
基本的に次のような構成から成るものである。即ち、各
階柱の脚部を、土台、梁、桁等横架材に対して介在片を
介して所定間隔上方に浮かせて並置してなる直下の補助
横架材上に接続することにより、各階柱の脚部と土台、
梁、桁等、その直下に位置する横架材との間に作業空間
を形成する一方、この作業空間を接続部とし得る長さに
形成された鋼棒を、各柱際に沿わせるか、あるいは各柱
断面内に食込み状に設けた縦溝もしくは各柱軸心を貫通
する小孔に嵌合もしくは挿通させて縦設し、それら鋼棒
相互間、および鋼棒と基礎から立ち上げたアンカーボル
ト間を、夫々の位置する作業空間において適宜手段で緊
結、一体化することにより、分断されて上下に配されて
いる柱に引っ張り耐力を付与してなる木造軸組構造とす
るものである.
【0006】柱および横架材は、2階建、3階建等建造
物の規模や種類等といった各種要因に従って一般的に算
出される部材断面の角材が採用されるものであり、ま
た、それらの仕口構造も、従前から採用されてきている
公知のものの外、既に本願出願人において開発済みの特
願平3−119482号発明等に見られるような特殊な
仕口構造の採用も可能である。また、それらの材質も、
木材の無垢材に限定されるものではなく、集成材や合せ
材によって形成されているものも当然包含される。そし
て、柱については、後述する鋼棒との組合せ構造をどの
ようにするかにより、例えば側面に予め縦溝を形成した
ものとしたり、あるいは、柱芯に上下に貫通する通孔を
穿設したものとすることになる。
【0007】これに対し、補助横架材は、本来の横架
材、即ち土台や梁、桁、胴差し、敷き桁、陸梁等の上
に、介在片を介した分だけの間隔を置いて並置される部
材であり、これらの部材断面は、本来の横架材断面に合
算されて一つの必要横架材断面強度が実現されるように
するものであり、したがって、所定の横架材、例えば梁
であれば、対象となる建造物の梁として構造強度上必要
となる断面を予め設定し、それから採用する補助横架材
断面を差し引いた部材断面が、本来の横架材に相当する
この発明の横架材の部材断面となるようにすればよい。
通常、この補助横架材の部材断面は、建て込む柱断面と
同寸の角材が採用されれば十分である。なお、これら横
架材、補助横架材に取り付く大引きや火打土台、根太掛
け等との仕口構造、および、建て込まれる柱下端との仕
口構造、更には、各横架材相互、補助横架材相互の継ぎ
手構造等については特に限定はなく、従前までの公知の
構造を含め、適宜構造が採用し得る。
【0008】介在片は、本来の横架材に相当する横架
材、即ち土台や梁、桁、胴差し、敷き桁、陸梁等と上記
した補助横架材との間に介在されて作業空間を構成する
と共に、垂直荷重を順次下方の横架材、あるいは基礎に
伝える上で支障を来すことのないよう、その材質や大き
さ、介在個数等が吟味されて採用されなければならな
い。また、これら介在片の介在位置、特に柱を建て込む
辺りに位置することとなる介在片の介在位置に関して
は、基礎と土台との間に配される介在片(場合によって
は採用されないこともある)、および横架材と補助横架
材との間に配される介在片とも、後述の鋼棒の組み込み
具合を考慮し、基礎から立ち上がるアンカーボルトとの
緊結、あるいは鋼棒相互の緊結に必要となる作業空間の
形性上支障がなく、且つ、垂直荷重の伝達に不都合を生
じさせない最適な配置を選択するようにしなければなら
ない。また、介在片の巾は、横架材および補助横架材の
巾寸法より所定寸法だけ大きめのものを採用し、横架材
と補助横架材の間に介在、固定された段階で、この介在
片が、横架材および補助横架材側面より突出状となるよ
うなものとすることもでき、その場合、その突出部分を
利用して、床パネルその他水平部材を載置、支持する機
能をも兼用し得るようなものとすることもできる。
【0009】アンカーボルトは、その上端ネジ切り部が
横架材である土台の上に確保されている作業空間に確実
に突出状となるのに十分な基礎上からの突出長さを有す
るよう規制して形成されなければならず、特に、基礎と
土台との間にも介在片を介在する構造を採用する場合、
従前までのものに比較し、基礎上端からの突出長は、介
在片を介在させる分だけ長めのものに予め設定して採用
することになる。基礎は、所謂従前からの現場打ちによ
る布基礎で十分であり、しかも、特に基礎と土台との間
にも介在片を介在する構造を採用する場合、その天端の
均し具合は、少なくともアンカーボルトの植設されてい
る辺りと、その間数箇所、即ち介在片を介在させる位置
の部分とだけが、所定の基準レベルに合致するように納
められていればよく、したがって、水糸を基準にして実
施する天端均し作業も、極端には上記指定箇所だけに限
って済ますことも可能である。
【0010】鋼棒は、形成する作業空間相互間に達する
長さの所要強度断面を有するものとし、両端にはネジ切
り加工その他、公知の鋼棒緊結手段に見合った加工が予
め施され、鋼棒相互および鋼棒とアンカーボルトとが、
作業空間において簡単に緊結可能となるようにする。な
お、最も上方にくる鋼棒の上端は、その位置に配された
横架材上面を支持部として固定されなければならないた
め、横架材上面への食い込みを防止する適宜手段、例え
ば横架材上面に載置する適宜厚さと大きさとを有する平
鋼板(鋼棒上端を挿通する通孔が所定位置に形成された
平鋼板)との組み合わせその他が採用可能なものに計画
されていなければならない。
【0011】以下、図面に示されているこの発明を代表
する1実施例に基づいて、より具体的にこの発明の木造
軸組構造を説示することとする。
【実施例1】図1の分解した状態で示す一部省略部分を
含む要部斜視図、図2の柱中間部を大巾に省略し、横架
材を中心とした組み合わせ構造で示す要部縦断面図から
も理解されるように、この実施例によって実現されるこ
の発明の土台廻り構造は、次のとおりのものである。
【0012】適宜天端均しの施された現場打ち布基礎B
には、所定の突出長さを有する如くしたアンカーボルト
1,1,……が多数植設され、その中の所定のアンカー
ボルト1,1,……だけは、立設すべき基準階の柱5根
元に近接した所定位置に規制され、対を成して(あるい
は、構造強度上問題がなければ1本でもよく、また、図
示の実施例ではなく、鋼棒8を柱5芯の通孔に挿通する
構造を採用した場合にも1本で済む)形成されるように
する。柱5の根元辺りに規制されて配されたアンカーボ
ルト1,1,……を除くその他のアンカーボルト1,
1,……(図中省略)には、土台二つ割り程度の厚さ
で、土台巾より大きくして土台側面より突出した部分を
規制床パネル載置部に兼用可能としたサイズの介在片
6,6,……を嵌合する一方、先の柱5根元辺りに配さ
れたアンカーボルト6,6には、近接させて同一厚の介
在片6,6,……を介在した上、それを支持部として土
台3を横たえ、該土台3から突出したアンカーボルト
1,1,……の中、柱5位置に対応させて配したアンカ
ーボルト1,1以外のアンカーボルト1,1,……の上
端ネジ切り部11,11,……に座金を被せ、ナット締
めすることにより、先ず最下部の横架材である土台3を
布基礎B上に強固に一体化する。その際、必要があれ
ば、介在片6,6……と土台3あるいは布基礎Bの何れ
かもしくは双方の間に接着剤やジベル等を採用するよう
にすれば、それら介在片6,6,……の定着がより確実
なものとなる。
【0013】続いて、上記の如くして固定された土台3
上に、次の介在片7,7,……を配することになるが、
柱5位置に対応させて配する介在片7,7,7以外の介
在片7,7,……については、その配置が先に取り付け
た介在片(柱5位置に対応させていない介在片)6,
6,……の取り付け位置と上下方向において重なり合わ
ないよう規制して配する一方、柱5位置に対応させて配
しなければならない介在片7,7,7については、対を
なして土台3を貫通、突出しているアンカーボルト1,
1に所定間隔を置いて配し、それら全ての介在片7,
7,……を支持部として補助横架材2を載置した後、ア
ンカーボルト1,1付近の介在片7,7,7を除いた介
在片7,7,……位置において、補助横架材2、介在片
7、土台3の、予め上下方向に合致させてある通孔に緊
結ボルト(図示せず)を貫通させ、その上下端に座金を
介してナット止めすることにより、最終的にこの補助横
架材2も介在片7、土台3、その下の介在片6を介して
布基礎B上に固定された構造を実現する。この際の、緊
結ボルトによる補助横架材2、介在片7、土台3の締結
作業は、布基礎B上端と土台3との間に介在片6,6,
……を介して作業空間9が確保されていることから実現
可能となるものである。
【0014】こうして、土台3から対を成して突出状と
なっているアンカーボルト1,1の周りには、図2の縦
断面図に示されているように、作業空間9が確保された
構造となる。同様にして、2階の床を支持する横架材
4、即ち梁もしくは桁の上にも、上記した土台3と補助
横架材2との組み合わせ構造と同じようにして介在片
7,7,……が配され、柱5位置に対応させてない介在
片7,7,……部分では、梁もしくは桁等の横架材4、
介在片7,7,……、補助横架材2を貫通させた緊結ボ
ルト(図示せず)でそれら三者を一体化する一方、柱5
位置に対応させた介在片7,7,7は、対を成して土台
3から突出状となっているアンカーボルト1,1の軸線
をそのまま上方に垂直に延ばした線上から所定間隔外れ
た位置に介在させることにより、2階床の横架材4と補
助横架材2との間にも作業空間9を確保する。図上では
省略している3階床においても同様とする。なお、対を
成して土台3から突出状となっているアンカーボルト
1,1の軸線をそのまま上方に垂直に延ばした線上に相
当する各横架材4,4,……、即ち土台3上に並置され
た補助横架材2、2階床(および3階建の場合は3階床
も)の梁もしくは桁、およびそれらに並置された補助横
架材2,2,……、更には小屋組の梁もしくは桁には、
全て鋼棒8を挿通し得る通孔23,23,……、および
42,42,……が予め形成されていなければならな
い。
【0015】各階の柱5,5,……は、夫々各階の床を
構成する補助横架材2,2,……の上に夫々柱脚を載置
して立設され、対を成して土台3から突出状となってい
るアンカーボルト1,1の軸線をそのまま上方に垂直に
延ばした線上に相当する部分が、水平断面において溝を
成すよう、縦溝51,51付きの柱5に形成されてい
る。図示した実施例では、補助横架材2の柱脚を載置す
る箇所、および横架材4の柱頭を受ける箇所が、夫々切
欠き加工21および41の施された構造に形成した例の
ものとしているが、必ずしもこの例のように加工する必
要はなく、単に載置状のもの(図2の縦断面図に示すも
のではこの例によるものとしている)とすることも勿論
可能である。図中、52は、柱5,5間に立設、配置す
る間柱を示すもので、その上下端は、梁もしくは桁等の
横架材4,4,……下面と補助横架材2上面とに夫々形
成した切欠き部22,22に嵌合、定着される。
【0016】こうして布基礎B上に組み立てられた軸組
構造の、1階床の作業空間9と2階床の作業空間9、2
階床の作業空間9と3階床の作業空間9、および3階床
の作業空間9と小屋組部分の横架材上面空間との間に相
当する長さで、両端がネジ切り部81,81に形成され
た鋼棒8,8,8を、夫々毎にその上下端ネジ切り部8
1,81から横架材4および補助横架材2に形成してあ
る通孔に差し込み、各鋼棒8の端部ネジ切り部81,8
1が、作業空間9,9,……において相対向状となるよ
うにした後、緊結用のコネクタ82,82,……で上下
に螺合、緊結する。その結果、布基礎Bに定着され、土
台3上に突出しているアンカーボルト1,1,……の上
端から最上階に配された鋼棒8の上端、小屋組部分の横
架材上面に支持された部分までが、完全に1本化された
鋼棒8,8,8となり、布基礎B上に組み上げられた各
横架材3および4,4、介在片6,6,……および7,
7,……、補助横架材2,2,……、および柱5,5,
……が完全に一体化され、恰も、コンクリート構造物に
おける鉄筋のように、この1本化された鋼棒8,8,8
が機能し、横架材4,4,……によって分断された柱5
の、横架材3および4,4,……からの浮き上がり現象
を確実に防止する構造を実現できる。
【0017】
【作用効果】以上のような構成からなるこの発明の木造
軸組構造は、各階の横架材3,および4,4,……の上
面に介在片6および7,7,……を介して補助横架材
2,2,……を配することにより、所定間隔の作業空間
9,9,……が各階床に形成される構造を実現し得たこ
とから、その作業空間9,9,……を利用した鋼棒8,
8,……の緊結が可能となり、その結果、鋼棒8,8,
……の配置箇所は、柱5の立設位置に影響されることな
く、自由な位置、即ち、柱5の軸芯部分でも、柱5側面
に食い込み形成したの縦溝51,51内でも、あるいは
また、柱5側面から適宜離れた位置でも自由に、所望す
る平面配置状の位置を選択できることになった。
【0018】したがって、これまでの軸組構造において
であれば、上下に1本化された鋼棒8,8,……を配
し、分断された柱5の浮き上がりを防止しようとすれ
ば、緊結作業上、その鋼棒8,8,……は、必ず柱5側
面から所定距離離れた位置に規制されてしまって全く選
択の自由がなかった(即ち、柱断面内への配置が不可能
である)から、柱周りの造作上、柱5から離れた位置に
鋼棒8が存在していたのでは邪魔となってしまうような
場合でも、それに対応することが全く不可能であったの
に対し、この発明の木造軸組構造であれば、簡単にその
対応が可能になり、柱5周りの造作に応じた最適な平面
配置上の位置に、この柱5の浮き上がり現象を阻止する
鋼棒8,8,……の配置ができるという秀れた特徴を発
揮することになる。
【0019】しかも、この鋼棒8は、各作業空間9部間
の寸法に相当する長さのもので取り扱うことができるた
め、部材の取り扱い作業性が極めて良好であり、且つ経
済的なものとなる一方、現状広く採用されている短冊状
の平鋼板で接続する構造に比較し、遥かに構造強度を高
めることができ、建造物の安全性を確保する上で大いに
その威力を発揮できるものとなる。
【0020】特に、図示したこの発明を代表する実施例
によるものの場合のように、柱5側面に食い込み状に形
成した縦溝51,51内に鋼棒8,8,……を嵌合させ
て上下に1本化する構造のものでは、柱5周りの造作に
何等の支障も生ぜず、従前までの木造軸組構造と全く変
わらぬ造作が可能となる上、鋼棒8,8,……の組み込
み作業も非常に簡単に実施でき、しかも、柱5の上下端
の横架材3あるいは4,4,……、および補助横架材2
への仕口にも、ほぞ加工を施す必要がなくなることか
ら、特種技能を有する大工職人の作業も省略でき、部材
の規格が容易になるという特筆すべき効果が発揮される
ことになる。
【0021】叙上の如く、この発明の木造軸組構造は、
緩和された木造軸組建造物の構造基準に合致した上、構
造強度上では3階建等の多層建築に必要な強度、特に柱
の引っ張り耐力の増強に大いに寄与し得るものとなって
おり、しかも、構造の簡素化にも有利なもので、我が国
古来からの木造軸組構造の規格化の推進にも役立ち、安
全で経済的な木造軸組建造物の実現を、将来に亘って保
証する秀れた発明ということができる。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明を代表する1実施例に基づくものであ
る。
【図 1】分解した状態で示す一部省略部分を含む要部
斜視図である。
【図 2】柱5中間部を大巾に省略し、横架材との組み
合わせ構造を中心にして示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 アンカーボルト 11 同ネジ切り部 2 補助横架材 21 同切り込み部 22 同間柱用切り込み部 23 同通孔 3 土台 31 同通孔 4 梁、桁等の横架材 41 同切り込み部 42 同通孔 5 柱 51 同縦溝 52 間柱 6 基礎上の介在片 7 横架材上の介在片 8 鋼棒 81 同ネジ切り部 82 同コネクタ 9 作業空間 B 布基礎

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各階柱の脚部を、土台、梁、桁等横架材
    に対して介在片を介して所定間隔上方に浮かせて並置し
    てなる直下の補助横架材上に接続することにより、各階
    柱の脚部と土台、梁、桁等、その直下に位置する横架材
    との間に作業空間を形成する一方、この作業空間を接続
    部とし得る長さに形成された鋼棒を、各柱際に沿わせる
    か、あるいは各柱断面内に食込み状に設けた縦溝もしく
    は各柱軸芯を貫通する小孔に嵌合もしくは挿通させて縦
    設し、それら鋼棒相互間、および鋼棒と基礎から立ち上
    げたアンカーボルト間を、夫々の位置する作業空間にお
    いて適宜手段で緊結、一体化することにより、分断され
    て上下に配されている柱に引っ張り耐力を付与してなる
    木造軸組構造。
  2. 【請求項2】 布基礎上に土台と補助横架材とを上下に
    並置すると共に、梁、桁、胴差し等横架材の上に上階用
    の補助横架材を並置し、布基礎と土台との間、および土
    台と補助横架材との間、ならびに梁、桁、胴差し等横架
    材と上階用の補助横架材との間に、夫々作業空間形成用
    の介在片を介する一方、柱側面に設けた縦溝には、作業
    空間を接続部とし得る長さに形成された鋼棒を嵌合し、
    最上位の鋼棒の上端は最上位の横架材を貫通させてその
    上面に支持させると共に、鋼棒のその他の上下端も横架
    材を貫通させて各作業空間に望ませ、最下位の鋼棒下端
    と基礎から立ち上げたアンカーボルトとの間、および鋼
    棒のその他の端部間を、夫々に予め形成されているネジ
    切り部にコネクターを螺合、緊結することにより、分断
    されて上下に配されている柱を実質的に基礎上に連結、
    一体化し、引っ張り耐力を付与してなる木造軸組構造。
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