JPH05302148A - 高耐食性強磁性型制振合金 - Google Patents
高耐食性強磁性型制振合金Info
- Publication number
- JPH05302148A JPH05302148A JP13132892A JP13132892A JPH05302148A JP H05302148 A JPH05302148 A JP H05302148A JP 13132892 A JP13132892 A JP 13132892A JP 13132892 A JP13132892 A JP 13132892A JP H05302148 A JPH05302148 A JP H05302148A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- corrosion resistance
- corrosion
- alloy
- present
- damping alloy
- Prior art date
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- Withdrawn
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- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 強度、制振性、耐海水性が同時に優れた構造
材料用制振合金。 【構成】 重量比で、C:0.02%以下、Si:0.
5〜2%、Mn:0.05〜0.1%、P:0.01〜
0.2%、Cr:1〜5%、Al:0.5〜3%、N:
0.005〜0.05%を含有し、残部Fe及び不可避
的不純物からなる高耐食性強磁性型制振合金。 【効果】 TS≧40kgf/mm2 、損失係数≧0.
02、海水散布下平均腐食減量が0.5mm/年以下を
満足する合金を提供できる。
材料用制振合金。 【構成】 重量比で、C:0.02%以下、Si:0.
5〜2%、Mn:0.05〜0.1%、P:0.01〜
0.2%、Cr:1〜5%、Al:0.5〜3%、N:
0.005〜0.05%を含有し、残部Fe及び不可避
的不純物からなる高耐食性強磁性型制振合金。 【効果】 TS≧40kgf/mm2 、損失係数≧0.
02、海水散布下平均腐食減量が0.5mm/年以下を
満足する合金を提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、橋梁や産業機械用構造
材料としての強度と耐食性を満足し、同時に、高い制振
性を有する制振合金に係わるものである。
材料としての強度と耐食性を満足し、同時に、高い制振
性を有する制振合金に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】最近、新鉄道の橋梁及び産業機械はその
立地及び使用場所が海浜地域である場合が多く、その材
料には、構造材料の基本特性である強度に加え高い制振
性と耐食性が同時に要求される傾向にある。すなわち、
橋梁上の高速車両走行時及び大規模土木作業時の騒音を
構造材料そのものの制振効果で抑え、且つ海浜における
経年劣化を極力低くすることによって、周辺環境への影
響低減且つメンテナンスフリーという命題を解決しよう
というものである。
立地及び使用場所が海浜地域である場合が多く、その材
料には、構造材料の基本特性である強度に加え高い制振
性と耐食性が同時に要求される傾向にある。すなわち、
橋梁上の高速車両走行時及び大規模土木作業時の騒音を
構造材料そのものの制振効果で抑え、且つ海浜における
経年劣化を極力低くすることによって、周辺環境への影
響低減且つメンテナンスフリーという命題を解決しよう
というものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、制振性を目的と
した部材に供される材料としては、特開平3−1837
41号公報記載の強磁性型制振合金などがある。しかし
ながら、これらの合金は制振性及び強度については十分
であるが、上記材料としての耐食性に対する考慮が十分
になされていない。
した部材に供される材料としては、特開平3−1837
41号公報記載の強磁性型制振合金などがある。しかし
ながら、これらの合金は制振性及び強度については十分
であるが、上記材料としての耐食性に対する考慮が十分
になされていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、重量比
で、C:0.02%以下、Si:0.5〜2%、Mn:
0.05〜0.1%、P:0.01〜0.2%、Cr:
1〜5%、Al:0.5〜3%、N:0.005〜0.
05%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる
高耐食性強磁性型制振合金である。
で、C:0.02%以下、Si:0.5〜2%、Mn:
0.05〜0.1%、P:0.01〜0.2%、Cr:
1〜5%、Al:0.5〜3%、N:0.005〜0.
05%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる
高耐食性強磁性型制振合金である。
【0005】
【作用】本発明は、強磁性型のFe系フェライト合金
に、強力なフェライトフォーマーであり固溶強化及び耐
食性に有効なCrとSi、且つフェライトフォーマーで
あって固溶強化元素であるAl、さらに耐食性に有効な
P及びNを同時添加することにより、優れた制振性に加
えて強度及び耐海水腐食性を有する合金を得ることに成
功した。
に、強力なフェライトフォーマーであり固溶強化及び耐
食性に有効なCrとSi、且つフェライトフォーマーで
あって固溶強化元素であるAl、さらに耐食性に有効な
P及びNを同時添加することにより、優れた制振性に加
えて強度及び耐海水腐食性を有する合金を得ることに成
功した。
【0006】本発明は、振動による交番応力作用下での
磁壁移動の非可逆運動によるヒステリシスに起因した高
い制振特性を得るために適度のフェライトフォーマーを
有するフェライト相を基本とし、フェライトフォーマー
及び固溶強化元素であり耐食性に有効なCrとSi、そ
して耐食性に有効なPとNの添加によって、制振性、強
度及び耐海水腐食性を同時に満足させる。
磁壁移動の非可逆運動によるヒステリシスに起因した高
い制振特性を得るために適度のフェライトフォーマーを
有するフェライト相を基本とし、フェライトフォーマー
及び固溶強化元素であり耐食性に有効なCrとSi、そ
して耐食性に有効なPとNの添加によって、制振性、強
度及び耐海水腐食性を同時に満足させる。
【0007】本発明合金は、マトリックスの磁性向上と
強度向上のためフェライトフォーマーを添加するが、過
剰の添加は介在物や析出物の生成をまねき、磁壁移動を
妨げ、制振性を大きく損なうため上限がある。一方、P
とNは耐食性向上の目的から添加されるが、過剰添加は
やはり介在物や析出物の生成をまねき、磁壁移動を妨げ
制振性を大きく損なうため上限がある。
強度向上のためフェライトフォーマーを添加するが、過
剰の添加は介在物や析出物の生成をまねき、磁壁移動を
妨げ、制振性を大きく損なうため上限がある。一方、P
とNは耐食性向上の目的から添加されるが、過剰添加は
やはり介在物や析出物の生成をまねき、磁壁移動を妨げ
制振性を大きく損なうため上限がある。
【0008】次に、本発明の限定理由を説明する。
【0009】まずCは、固溶状態でも炭化物として析出
しても磁壁移動の障害として作用して制振性を低下させ
るため、上限を0.02%とする。
しても磁壁移動の障害として作用して制振性を低下させ
るため、上限を0.02%とする。
【0010】Siは脱酸材として重要である以外に、重
要なフェライトフォーマー且つ固溶強化元素であるだけ
でなく、耐食性上も重要であるため最低0.5%が必要
である。一方、2%を超えて添加すると磁壁移動の障害
効果が著しくなるため上限を2%とする。
要なフェライトフォーマー且つ固溶強化元素であるだけ
でなく、耐食性上も重要であるため最低0.5%が必要
である。一方、2%を超えて添加すると磁壁移動の障害
効果が著しくなるため上限を2%とする。
【0011】Mnは脱酸のため最低0.05%を確保す
る必要があるが、0.1%超の添加では制振性の低下が
起こる。このためMn量は0.05〜0.1%とする。
る必要があるが、0.1%超の添加では制振性の低下が
起こる。このためMn量は0.05〜0.1%とする。
【0012】Pは耐食性上重要な元素である。その効果
を発揮するため最低0.01%を必要とするが、0.2
%超の添加では析出物の生成により制振性が低下する。
したがってPの添加範囲は0.01〜0.2%とする。
を発揮するため最低0.01%を必要とするが、0.2
%超の添加では析出物の生成により制振性が低下する。
したがってPの添加範囲は0.01〜0.2%とする。
【0013】Crは重要な元素である。Crは重要なフ
ェライトフォーマーであり、耐食性向上及び強化元素と
して重要である。そのため最低1%必要であるが、5%
を超えると磁壁移動に有害な析出物が生じるため制振性
が低下する。したがってCr量は1〜5%とする。
ェライトフォーマーであり、耐食性向上及び強化元素と
して重要である。そのため最低1%必要であるが、5%
を超えると磁壁移動に有害な析出物が生じるため制振性
が低下する。したがってCr量は1〜5%とする。
【0014】AlはSi同様脱酸材として重要であり、
且つ重要なフェライトフォーマー及び固溶強化元素であ
るため最低0.5%が必要である。一方、3%を超えて
添加すると磁壁移動の障害効果が著しくなるため上限を
3%とする。
且つ重要なフェライトフォーマー及び固溶強化元素であ
るため最低0.5%が必要である。一方、3%を超えて
添加すると磁壁移動の障害効果が著しくなるため上限を
3%とする。
【0015】Nは耐食性上不可欠であり、最低0.00
5%が必要である。一方、多量の添加は析出物の生成を
まねき、制振性を著しく低下させるので、その上限は
0.05%である。よってNの添加範囲は0.005〜
0.05%である。
5%が必要である。一方、多量の添加は析出物の生成を
まねき、制振性を著しく低下させるので、その上限は
0.05%である。よってNの添加範囲は0.005〜
0.05%である。
【0016】
【実施例】まず表1に示す成分範囲の供試合金を作製
し、これより20mm厚×40mm幅×200mm長さ
の板状試験片を加工し、機械インピーダンス法による制
振性測定を行った。また、5%NaCl水溶液(模擬海
水)を散布して合金の腐食減量を1年後に測定する試験
を行った。
し、これより20mm厚×40mm幅×200mm長さ
の板状試験片を加工し、機械インピーダンス法による制
振性測定を行った。また、5%NaCl水溶液(模擬海
水)を散布して合金の腐食減量を1年後に測定する試験
を行った。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示す合金のうちNo.1〜No.4
は本発明の成分範囲の合金であり、No.5〜No.1
8は本発明の成分範囲外の比較例合金である。
は本発明の成分範囲の合金であり、No.5〜No.1
8は本発明の成分範囲外の比較例合金である。
【0019】比較例合金No.5及びNo.6はそれぞ
れC及びMnが本発明の上限を超えている。
れC及びMnが本発明の上限を超えている。
【0020】比較例合金No.7はSiが本発明の下限
を下回り、No.8は上限を超えている。
を下回り、No.8は上限を超えている。
【0021】比較例合金No.9及びNo.10はPが
本発明の下限を下回り、No.11は本発明の上限を超
えている。
本発明の下限を下回り、No.11は本発明の上限を超
えている。
【0022】比較例合金No.12及びNo.13はC
rが本発明の下限を下回り、No.14は本発明の上限
を超えている。
rが本発明の下限を下回り、No.14は本発明の上限
を超えている。
【0023】比較例合金No.15はAlが本発明の下
限を下回り、No.16は上限を超えている。
限を下回り、No.16は上限を超えている。
【0024】比較例合金No.17はNが本発明の下限
を下回り、No.18は上限を超えている。
を下回り、No.18は上限を超えている。
【0025】比較例合金No.5、No.6、No.
8、No.11、No.14、No.16、No.18
は、それぞれC、Si、Mn、P、Cr、Al、Nの過
剰添加による磁壁移動の阻害効果によって制振性が低
い。
8、No.11、No.14、No.16、No.18
は、それぞれC、Si、Mn、P、Cr、Al、Nの過
剰添加による磁壁移動の阻害効果によって制振性が低
い。
【0026】比較例合金No.7はSi、No.12及
びNo.13はCrが本発明の下限を下回るため制振
性、強度及び耐食性全て劣る。
びNo.13はCrが本発明の下限を下回るため制振
性、強度及び耐食性全て劣る。
【0027】比較例合金No.9とNo.10はPが本
発明の下限を下回るため耐食性が劣る。
発明の下限を下回るため耐食性が劣る。
【0028】比較例合金No.15はAlが本発明の下
限を下回るため制振性及び強度が劣る。
限を下回るため制振性及び強度が劣る。
【0029】比較例合金No.17はNが本発明の下限
を下回るため耐食性が劣る。
を下回るため耐食性が劣る。
【0030】これらに対し、本発明例合金No.1〜N
o.4は制振性、強度及び耐食性全てが申し分ない特性
を示す。
o.4は制振性、強度及び耐食性全てが申し分ない特性
を示す。
【0031】
【発明の効果】本発明により、強度、靱性、制振性が同
時に要求される橋梁や産業機械用構造物材料の供給が可
能となり、工業界に与える効果は極めて大きい。
時に要求される橋梁や産業機械用構造物材料の供給が可
能となり、工業界に与える効果は極めて大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比で、 C :0.02%以下、 Si:0.5〜2%、 Mn:0.05〜0.1%、 P :0.01〜0.2%、 Cr:1〜5%、 Al:0.5〜3%、 N :0.005〜0.05% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる高耐食
性強磁性型制振合金。 - 【請求項2】 損失係数が0.02以上、引張強度が4
0kgf/mm2 以上、且つ海水散布下での平均腐食減
量が0.5mm/年以下の特性を具備する請求項1記載
の高耐食性強磁性型制振合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13132892A JPH05302148A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | 高耐食性強磁性型制振合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13132892A JPH05302148A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | 高耐食性強磁性型制振合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05302148A true JPH05302148A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=15055385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13132892A Withdrawn JPH05302148A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | 高耐食性強磁性型制振合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05302148A (ja) |
-
1992
- 1992-04-27 JP JP13132892A patent/JPH05302148A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990706 |