JP2717881B2 - 高耐食性強磁性型制振合金 - Google Patents
高耐食性強磁性型制振合金Info
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- JP2717881B2 JP2717881B2 JP31420190A JP31420190A JP2717881B2 JP 2717881 B2 JP2717881 B2 JP 2717881B2 JP 31420190 A JP31420190 A JP 31420190A JP 31420190 A JP31420190 A JP 31420190A JP 2717881 B2 JP2717881 B2 JP 2717881B2
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- Japan
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- corrosion resistance
- present
- alloy
- vibration damping
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高速旅客艇や湾岸立地型超高層建築物用構
造材料として、強度，耐海水腐食性と同時に高い制振性
を有した高Cr系フェライトの制振合金に関するものであ
る。
造材料として、強度，耐海水腐食性と同時に高い制振性
を有した高Cr系フェライトの制振合金に関するものであ
る。
最近高速旅客艇や都市の湾岸に立地する超高層用建築
物の構造材料として、強度と耐海水腐食性に加え、居住
性と免震性という付加価値が同時に要求されてきてい
る。
物の構造材料として、強度と耐海水腐食性に加え、居住
性と免震性という付加価値が同時に要求されてきてい
る。
すなわち海上操行中に、波浪やエンジン稼動に起因し
た振動を受ける高速旅客艇の構造材料や、海水を含有す
る風や霧の影響を受け、且つ高い免震性が要求される建
築用材料のニーズが強く、これらの材料の開発が都市機
能の発展の中核を担っていると言っても過言ではない。
た振動を受ける高速旅客艇の構造材料や、海水を含有す
る風や霧の影響を受け、且つ高い免震性が要求される建
築用材料のニーズが強く、これらの材料の開発が都市機
能の発展の中核を担っていると言っても過言ではない。
従来、制振性を目的とした部材に供される材料として
は、強磁性型高Cr系制振合金（特開昭52−6326号や特開
昭52−10820号）などがある。
は、強磁性型高Cr系制振合金（特開昭52−6326号や特開
昭52−10820号）などがある。
しかしながらこれらの合金は、制振性が十分ではある
が耐海水腐食性や強度が不足しているため、基本的に海
洋性の構造材料として使用することはできない。
が耐海水腐食性や強度が不足しているため、基本的に海
洋性の構造材料として使用することはできない。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、強磁
性型の高Cr系フェライト合金に適切なバランスのCrとN,
及びMo,Wを添加することにより、優れた制振性に加えて
高い耐海水腐食性と強度を具備した高耐食性強磁性型制
振合金を提供する。
性型の高Cr系フェライト合金に適切なバランスのCrとN,
及びMo,Wを添加することにより、優れた制振性に加えて
高い耐海水腐食性と強度を具備した高耐食性強磁性型制
振合金を提供する。
本発明合金の特徴とするところは、 重量比で以下の５元素を、 C :0.05％以下， Si:0.05〜0.1％， Mn:0.05〜0.1％， Mo:1〜３％， W :1〜３％， に制限し且つCrとＮを、 Cr:9〜15％， N :0.005〜0.05％ の制限内において、その積が Cr×Ｎ≦0.5 となるようなバランスで含み、残部Fe及び不可避的不純
物からなる成分系を有し、高い耐海水腐食性と高い強度
を同時に兼ね備え、且つ、フェライト系強磁性型ダンピ
ング機構により高い制振性を有する高耐食性強磁性型制
振合金である。
物からなる成分系を有し、高い耐海水腐食性と高い強度
を同時に兼ね備え、且つ、フェライト系強磁性型ダンピ
ング機構により高い制振性を有する高耐食性強磁性型制
振合金である。
本発明では、振動による交番応力作用下での磁区移動
のヒステリシスにより制振特性を得て、且つ高耐食性を
も得るために高Cr系フェライト合金を基本成分系とし、
Ｎをバランスよく添加して耐孔食腐食性を一段と高め、
さらに耐孔食腐食性と高強度を同時に達成できる元素と
してMoとＷを添加することによって、耐食性、強度及び
制振性を具備させることを特徴とする。
のヒステリシスにより制振特性を得て、且つ高耐食性を
も得るために高Cr系フェライト合金を基本成分系とし、
Ｎをバランスよく添加して耐孔食腐食性を一段と高め、
さらに耐孔食腐食性と高強度を同時に達成できる元素と
してMoとＷを添加することによって、耐食性、強度及び
制振性を具備させることを特徴とする。
本発明のポイントは以下の通りである。
本発明合金は、マトリックスの磁性向上と耐食性のた
め高Crをベースとし、且つ耐孔食腐食性を確保するため
にＮを添加する。この場合Ｎは、微細窒化物として高密
度に析出すると磁区移動を妨げ、制振性を大きく損なう
ため、CrとＮの添加バランスには制限がある。一方Moと
Ｗは、強度向上と耐孔食腐食性という二つの目的から同
時に添加されるが、過剰添加は析出物の微細分散をまね
き、やはり磁区移動を阻害する。
め高Crをベースとし、且つ耐孔食腐食性を確保するため
にＮを添加する。この場合Ｎは、微細窒化物として高密
度に析出すると磁区移動を妨げ、制振性を大きく損なう
ため、CrとＮの添加バランスには制限がある。一方Moと
Ｗは、強度向上と耐孔食腐食性という二つの目的から同
時に添加されるが、過剰添加は析出物の微細分散をまね
き、やはり磁区移動を阻害する。
次に本発明の限定理由を説明する。
まずＣは、固溶状態でもまたMo及びＷと化合して微細
炭化物として析出しても、磁区移動の障害として作用し
て制振性を低下させるため、上限を0.05％とする。
炭化物として析出しても、磁区移動の障害として作用し
て制振性を低下させるため、上限を0.05％とする。
Siは、脱酸材として重要であるため最低0.05％が必要
であるが、0.1％を超えて添加すると磁区移動の障害効
果が著しくなるため、上限を0.1％とする。
であるが、0.1％を超えて添加すると磁区移動の障害効
果が著しくなるため、上限を0.1％とする。
Mnは、脱酸のため最低0.05％を確保する必要がある
が、0.1％以上の添加では制振性の低下が起こる。この
ためMn量は0.05〜0.1％とする。
が、0.1％以上の添加では制振性の低下が起こる。この
ためMn量は0.05〜0.1％とする。
Mo及びＷは、耐孔食腐食性および固溶強化元素として
重要である。最低１％を必要とするが、３％を超えて添
加すると析出物の微細分散をまねき著しく制振特性を損
なう。したがってMoとＷの添加範囲はそれぞれ１〜３％
とする。
重要である。最低１％を必要とするが、３％を超えて添
加すると析出物の微細分散をまねき著しく制振特性を損
なう。したがってMoとＷの添加範囲はそれぞれ１〜３％
とする。
CrとＮは本発明の重要な元素である。
Crは強磁性フェライトを得る元素としてマトリックス
の基本的な磁性向上及びフェライト・フォーマーとして
重要である。また耐食性を著しく向上させる元素として
も重要である。そのため最低９％必要であるが、15％を
超えると磁区移動に有害なσ相を析出させるため、制振
性上かえって不利である。したがってCr量は９〜15％と
する。
の基本的な磁性向上及びフェライト・フォーマーとして
重要である。また耐食性を著しく向上させる元素として
も重要である。そのため最低９％必要であるが、15％を
超えると磁区移動に有害なσ相を析出させるため、制振
性上かえって不利である。したがってCr量は９〜15％と
する。
Ｎは基地中に固溶して合金の耐孔食腐食性を向上させ
る重要な元素である。そのため最低0.005％以上を必要
とするが、0.05％を超えて添加すると窒化物として多量
に析出して制振性を損なうようになる。したがってＮの
添加範囲は0.005〜0.05％とする。
る重要な元素である。そのため最低0.005％以上を必要
とするが、0.05％を超えて添加すると窒化物として多量
に析出して制振性を損なうようになる。したがってＮの
添加範囲は0.005〜0.05％とする。
さらにCrとＮは化学親和力が強く、Cr窒化物を形成し
やすいので、制振性の確保のためその添加量の積が制限
される。そこでCrとＮの添加バランスを検討したとこ
ろ、その積が0.5以下であれば高い制振性を維持できる
ことがわかった。すなわちCrとＮの添加バランスは、Cr
×Ｎ≦0.5に制限される。
やすいので、制振性の確保のためその添加量の積が制限
される。そこでCrとＮの添加バランスを検討したとこ
ろ、その積が0.5以下であれば高い制振性を維持できる
ことがわかった。すなわちCrとＮの添加バランスは、Cr
×Ｎ≦0.5に制限される。
先ず第１表に示す成分範囲の供試合金を作製し、これ
より20mm厚×40mm幅×200mm長さの板状試験片を加工
し、機械インピーダンス法による制振性測定、及び3.5
％NaCl水溶液（模擬海水）での浸漬試験を６ヵ月間行な
った。浸漬試験終了後、平均孔食深さを測定した。一
方、室温での引張試験も併せて行なった。
より20mm厚×40mm幅×200mm長さの板状試験片を加工
し、機械インピーダンス法による制振性測定、及び3.5
％NaCl水溶液（模擬海水）での浸漬試験を６ヵ月間行な
った。浸漬試験終了後、平均孔食深さを測定した。一
方、室温での引張試験も併せて行なった。
第１表に示す合金のうちNo.1〜No.4は本発明の成分範
囲の合金であり、No.5〜No.19は本発明の成分範囲外の
比較合金である。
囲の合金であり、No.5〜No.19は本発明の成分範囲外の
比較合金である。
比較例合金No.5,No.6及びNo.7はそれぞれC,Si及びMn
が本発明以上である。
が本発明以上である。
比較例合金No.8はMoが本発明以下、No.9及びNo.10は
本発明以上である。
本発明以上である。
比較例合金No.11はＷが本発明以下、No.12及びNo.13
は本発明以上である。
は本発明以上である。
また比較例合金No.14はCrが本発明以下であり、No.15
は本発明以上である。
は本発明以上である。
比較例合金No.16はＮが本発明以下であり、No.17は本
発明以上である。
発明以上である。
また、比較例合金No.18及びNo.19はCrとＮが単独では
本発明範囲内であるが、そのバランスが本発明外であ
る。
本発明範囲内であるが、そのバランスが本発明外であ
る。
比較例合金No.5〜No.7はそれぞれＣ、Si及びMnの過剰
添加による磁区移動の阻害効果によって制振性が低い。
添加による磁区移動の阻害効果によって制振性が低い。
比較例合金No.8及びNo.11は、それぞれ、MoとＷが少
なすぎるため、強度が低い上に耐孔食腐食性も低い。
なすぎるため、強度が低い上に耐孔食腐食性も低い。
No.9とNo.10及びNo.12とNo.13は、それぞれ、MoとＷ
が本発明を上回って添加されているため、強度と耐孔食
腐食性は十分であるが、制振性が劣る。
が本発明を上回って添加されているため、強度と耐孔食
腐食性は十分であるが、制振性が劣る。
No.14はCrが少なすぎるため制振性と耐食性が低い。
No.15は逆にCr過剰によるσ相の異常析出によりかえ
って制振性が低い。
って制振性が低い。
比較例合金No.16はＮが低いため耐孔食腐食性が低
く、No.17は過剰なため制振性が低い。
く、No.17は過剰なため制振性が低い。
一方比較例合金No.18及びNo.19は、CrとＮの添加バラ
ンスが不適切なため制振性が低い。
ンスが不適切なため制振性が低い。
これらに対し、本発明例合金No.1〜No.4は制振性、強
度とも十分な特性を示す。
度とも十分な特性を示す。
本発明により、耐食性、強度及び制振性が同時に要求
される高速旅客艇や湾岸に立地する高層建築等に適した
材料の供給が可能となり、構造物の性能の向上とともに
ニーズに応え得る材料として未来都市機能に与える効果
は極めて大きい。
される高速旅客艇や湾岸に立地する高層建築等に適した
材料の供給が可能となり、構造物の性能の向上とともに
ニーズに応え得る材料として未来都市機能に与える効果
は極めて大きい。
Claims (1)
- 【請求項１】重量比で以下の５元素を、 C :0.05％以下， Si:0.05〜0.1％， Mn:0.05〜0.1％， Mo:1〜３％， W :1〜３％， に制限し、且つCrとＮを、 Cr:9〜15％， N :0.005〜0.05％ の制限内において、その積が Cr×Ｎ≦0.5 となるようなバランスで含み、残部Fe及び不可避的不純
物からなる成分系を有し、高い耐海水腐食性と強度を同
時に兼ね備えた高耐食性強磁性型制振合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31420190A JP2717881B2 (ja) | 1990-11-21 | 1990-11-21 | 高耐食性強磁性型制振合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31420190A JP2717881B2 (ja) | 1990-11-21 | 1990-11-21 | 高耐食性強磁性型制振合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04187743A JPH04187743A (ja) | 1992-07-06 |
| JP2717881B2 true JP2717881B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=18050488
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31420190A Expired - Lifetime JP2717881B2 (ja) | 1990-11-21 | 1990-11-21 | 高耐食性強磁性型制振合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2717881B2 (ja) |
-
1990
- 1990-11-21 JP JP31420190A patent/JP2717881B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04187743A (ja) | 1992-07-06 |
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