JP2000309857A - ステンレス鋼 - Google Patents
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Abstract
いて優れた耐食性を有する、より実用的なステンレス鋼
を提供する。 【解決手段】 化学組成として、第1成分のFeと、第
2成分以下の、少なくともCr:15〜30重量%、N
i:25重量%以下、Mo:1〜10重量%、及びN:
0.3〜1.5重量%を必須成分として含有するととも
に、不可避不純物をも含み、耐食性指数(PRE)=C
rの重量%+Moの重量%×3+Nの重量%×10と規
定したとき、耐食性指数(PRE)と鋼中非金属介在物
の面積占有率(A%)の関係が、PRE>150×Aの
(1)式を満足し、かつ、前記耐食性指数(PRE)と
鋼中非金属介在物の直径(Dμm、ただし、長径と短径
が存在する場合には、長径をDとする。)の関係が、P
RE>3.5×Dの(2)式を満足する。
Description
ス鋼に関するものであり、さらに詳しくは、海水環境下
において優れた耐食性(耐すき間耐食性)を有する、よ
り実用的なステンレス鋼に関するものである。
いて安定な不動態皮膜を形成し、優れた耐食性を有する
ことが知られている。しかし、海水のような塩化物水溶
液の環境下では、孔食、すき間腐食等の局部腐食が生じ
る場合がある。特にすき間腐食は、孔食等他に比較して
生じ易いため、海水環境ではすき間腐食の抑制が、ステ
ンレス鋼使用上の重要なキーとなる。従来から、海水環
境下において構造材料等として、オーステナイト単相の
SUS316系、又はオーステナイトとフェライトの2
相からなるSUS329系のステンレス鋼がしばしば使
用される。しかし、上記の通り、局部腐食の問題からそ
の使用は制限されているのが実情である。
れらステンレス鋼の化学成分であり、耐食性を有するク
ロム(Cr)およびモリブデン(Mo)の含有量を増量
し、さらに窒素(N)を添加することが試みられてい
る。たとえば、Crの重量%+Moの重量%×3+Nの
重量%×10で規定される耐食指数(PRE)が38以
上のスーパーステンレスと呼ばれる各種の高耐食鋼が開
発されている。また、これまでに、Mo含有量をより高
めたニッケル基合金及びチタン等の使用も検討されてい
る。
を多量に含むため、熱間加工性が阻害され、また、熱処
理時にσ相等の金属間化合物が析出して、耐食性、機械
的性質の劣化を招きやすいなどの問題がある。また、N
の添加は、CrおよびMnの含有量を高めることにより
1%程度までのNを含有させることも可能であるが、M
nの含有量が高い場合には良好な耐食性は得られない。
このため、実用できるステンレス鋼におけるNの含有量
は、高々0.2〜0.3重量%程度にとどまっている。
う問題がある。そのため、これらを改善したステンレス
鋼の開発が望まれているのが現状である。この出願の発
明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、
従来のステンレス鋼の欠点を解消し、海水環境において
優れた耐食性を有する、より実用的なステンレス鋼を提
供することを目的としている。
の課題を解決するものとして、第1には、化学組成とし
て、第1成分のFeと、第2成分以下で、少なくともC
r:15〜30重量%、Ni:25重量%以下、Mo:
1〜10重量%、及び、N:0.3〜1.5重量%を必
須成分として含有するとともに、不可避不純物を含有し
てもよいステンレス鋼であって、耐食性指数(PRE)
=Crの重量%+Moの重量%×3+Nの重量%×10
と規定したとき、鋼中非金属介在物の面積占有率(A
%)及び鋼中非金属介在物の直径(Dμm、ただし、長
径と短径が存在する場合には、長径をDとする。)がそ
れぞれ次の関係式(1)、(2) PRE>150×A (1) PRE>3.5×D (2) を満足することを特徴とするステンレス鋼を提供する。
項1の化学組成として、さらに、次の添加成分群 C:0.02重量%以下、Si:0.5重量%以下、M
n:0.2重量%以下、P:0.01重量%以下、S:
0.002重量%以下、Al:0.03〜0.10重量
%、O:0.003重量%以下の少なくともいずれか一
種または二種以上を含有するステンレス鋼を提供するも
のである。
学組成成分として、Cu:0.05〜2.0重量%をも
含有することを特徴とするステンレス鋼を提供する。さ
らにまた、第4には、この出願の発明は、化学組成成分
として、さらに、次の添加成分群 W:1〜10重量%、V:1〜10重量%、Ce:0.
01〜0.10重量%、Ca:0.001〜0.010
重量%の少なくともいずれか一種または二種以上を含有
するステンレス鋼を提供するものである。
レス鋼の化学組成と含有量範囲を規定するとともに、耐
食指数(PRE=1×%Cr+3×%Mo+10×%
N)と鋼中の非金属介在物の面積占有率及び非金属介在
物の大きさ(直径)との関係を規定することにより、耐
すき間腐食性の向上するステンレス鋼を提供するもので
ある。
のステンレス鋼についてさらに詳しく説明する。
は、上記の通りの、(i)所定範囲の化学組成とそれら
の所定範囲の含有量及び(ii)耐食性指数と、鋼中金属
介在物の面積占有率及び直径との間の所定の関係を有す
るものであるが、その限定理由は、以下の通りである。
て述べる。 〈I〉Cr,Ni,Mo.Nについて Crは、ステンレス鋼の耐食性上重要な元素であり、良
好な耐海水腐食性、すなわち海水環境下における耐局部
腐食の抑制を実現するためには、15%以上の含有は必
要である。しかしながら、その一方で、Crは、フェラ
イト生成元素でもあり、多量に含有すると、σ相等の金
属間化合物の析出がし易くなり、鋼の脆化を招くため、
30重量%を超えることはできない。
上に有効な元素であるが、多量となると、溶接性が阻害
されるため、25重量%を上限とする。Moは、ステン
レス鋼の耐食性を向上させる元素である。だが1重量%
未満の含有ではその効果は十分ではない。Moは、ま
た、Crと同様にフェライト生成元素でもあり、含有量
が10重量%を超えると、金属間化合物の生成が著しく
なり、鋼の脆化を招く。このため、Moの含有量は、1
〜10重量%とする。
織の調整に効果的な元素である。しかしながら、0.3
重量%未満では耐海水腐食性向上の効果は小さい。一
方、1.5重量%を超えると、窒化物の生成が助長さ
れ、その結果として、耐海水耐食性が却って低下する。
そこでNの含有量は0.3〜1.5重量%とする。な
お、このNに関し、0.3〜1.5重量%という含有量
は、耐海水腐食性を有するステンレス鋼では高含有量で
あり、これまで全く類を見ない。0.3〜1.5重量%
の高含有量のNは、たとえば、 Fe−Cr窒化物、Cr窒化物等の鉱物を添加して溶
解する方法。
し、Nを吸収させる方法。 等により実現し得る。の方法では鉱物の添加により、
の方法では加熱温度によりNの含有量をコントロール
することができる。また鋼中のNの固溶量は雰囲気の圧
力にも依存するため、N雰囲気下で圧力を高めることを
上記、等の方法と組み合わせると、さらに良好にN
の含有量をコントロールすることができ、また、上記重
量%範囲の高い側のN含有量を容易に達成することがで
きる。
元素を必須化学成分とし、その含有量を所定範囲内に制
限して含有し、特性の維持を図ることができる。 〈II〉C、Si、Mn、P、S、Al、Oについて 上記の場合、以下のC、Si、Mn、P、S、Al及び
Oなる所定範囲の元素を、所定の含有量の範囲内におい
て、そのいずれか一種または二種以上を添加し、含有す
ることによって特性改善を図ることができる。
量は少ない方が好ましい。そこで、製造性を考慮して上
限を0.02重量%とする。Si(ケイ素)は、脱酸剤
として有効な元素である。その一方で、Siは、非金属
介在物の成長を助長し、耐食性の低下を招くため、0.
5重量%を上限とする。
して有効な元素である。だが、Mnは、非金属介在物を
生成し易く、耐食性の低下を招くため、含有量は少ない
方が好ましい。製造性を考慮すると、上限は、0.2重
量%である。P(リン)は、結晶粒界に偏析し、耐食性
の低下を招きやすい。したがって、含有量は少ない方が
好ましい。製造性を考慮すれば、上限は、0.01重量
%である。
を低下させる。このため、含有量は少ない方が好まし
く、製造性を考慮して0.002重量%未満とする。A
l(アルミニウム)は、Si及びMnと同様に脱酸剤と
して有効な元素である。だが、含有量が0.03重量%
未満ではその効果は小さい。一方、0.10重量%を超
えると、非金属介在物の成長を助長し、耐食性の低下を
招く。したがって、Alの含有量は、0.03〜0.1
0重量%とする。
し、耐食性の低下を招くため、含有量は少ない方が好ま
しい。製造性を考慮して0.003重量%を上限とす
る。〈III〉CuについてCu(銅)は、海水環境での
ステンレス鋼の局部腐食の抑制に有効な元素であるが、
0.05重量%未満ではその効果が十分ではなく、2.
0重量%を超えて添加してもその効果は飽和し増大しな
い。また、多量のCu添加は熱間加工性を阻害するので
Cu添加量は0.05〜2.0重量%とする。
分としてCuを加味する上記の元素を含有し、その含有
量を所定範囲内に制限し、特性の維持を図ることができ
るが、特性改善のための化学組成として、C,Si,M
n,P,S,Al,Oの添加元素を包含することができ
る。 〈IV〉W,V,Ce,Caについて さらに、この出願の発明においては、上記組成に、W,
V,Ce,Caをも含有することができる。
Mn,P,S,Al,Oの含有量について、所定範囲と
する理由は、前述の第1実施例の場合と同様であり、さ
らに含有する組成成分の添加元素、W,V,Ce,Ca
の含有量を所定範囲とする理由は次の通りである。W
(タングステン)は、ステンレス鋼の耐食性を向上させ
る元素であるが、1%未満ではその効果が十分ではな
い。Wも、Crと同様に、フェライト生成元素であり1
0%を超えると金属間化合物の生成が著しくなり鋼の脆
化を招く。よって、Wの含有量は1〜10%とする。
る元素であるが、1%未満ではその効果が十分ではな
い。多量の添加は熱間加工性を阻害する。よって,V含
有量は1〜10%とする。Ce(セリウム)は、脱酸剤
及び脱硫剤として有効であるが、0.01%未満ではそ
の効果が十分ではない。多量の添加は、熱間加工性を阻
害する。よって,Ce含有量は0.01〜0.1%とす
る。なお、Ceの添加に当たっては他のランタノイド元
素(La、Nd等)を含む混合物(ミッシュメタル)を
使用してもよい。
として有効であるが、0.001%未満ではその効果が
十分ではない。多量の添加は、非金属介在物の生成を助
長し耐食性の劣化を招く。よって,Ca含有量は0.0
01〜0.010%とする。次に、(ii)耐食性指数と
鋼中非金属介在物の面積占有率および直径との関係につ
いて詳しく説明する。
膜を生成するため、耐海水腐食性を有する。しかしなが
ら、鋼中に酸化物、硫化物等の非金属介在物が存在する
と、この非金属介在物が皮膜欠陥となり、耐海水腐食性
を劣化させる原因となる。その程度は、Crの重量%+
Moの重量%×3+Nの重量%×10で規定される耐食
性指数(PRE)と、鋼中非金属介在物の面積占有率
(A%)及び鋼中非金属介在物の直径(Dμm;ただ
し、長径と短径が存在する場合には、長径をDとす
る。)とに依存する。
的なものとする良好な耐海水腐食性は、次の(1)式及
び(2)式をともに満足する場合である。すなわち、耐
食性指数(PRE)を鋼中非金属介在物の面積占有率
(A%)との関係において、 PRE>150×A・・・(1)を満足し、 耐食性指数(PRE)を鋼中非金属介在物の直径(D)
との関係において、 PRE>3.5×D・・・(2)を満足する ものである。
必要がある。即ち、Cr、Mo、及びNを多量に含有す
ると、ステンレス鋼の製造性、加工性、及び溶接性の低
下を招くので性質に少なからず影響を与えることであ
り、また、ステンレス鋼の価格が高価であって価格に反
映することである。耐食性指数(PRE)の値は、その
意味において小さい方が好ましい。
基づき、鋼中非金属介在物の面積占有率(A)並びに直
径(D)で条件付けられる。すなわち、 A<0.3%、 かつ D<15μm であることが好ましい。
て、さらに詳細に説明をする。
Ni,MoおよびNの成分、そして、C,Si,Mn,
P,S,Al,Oの成分割合を変えて、次の表1に示し
た化学組成を有する、発明材1〜4及び比較材1〜3
の、合計7種類のステンレス鋼の試験片を作製して、す
き間腐食試験を行った。
鋼50Kgを真空誘導炉で溶解した。次いで、熱間鍛造、
熱間圧延、及び冷間圧延を行い、板厚 3.5mmの板材とし
た後に、これを1150℃で固溶化熱処理した。この板材か
ら50mm×50mm×3.5mm の試験片を切り出し、その表面を
600 番エメリー紙を用いて湿式研磨した。なお、試験片
には、その中央部に、ASTM(アメリカ材料試験協
会)G78に準拠するすき間形成治具を取り付けるため
の直径10mmの穴を開けた。
めに、すき間腐食試験を行った。すなわち、ポリサルホ
ン製樹脂をすき間形成材として用い、チタン製のボル
ト、ナット、及びワッシャーを締めつけ、試験片にすき
間を形成した。この試験片を15℃の人工海水に浸漬
し、浸漬電位から0.001 V/min の速度で設定電位まで掃
引した後に、この設定電位に48時間保持し、すき間腐
食の認められない最も貴な電位を腐食電位とした。つま
り、所定の設定電位に48時間保持し、この電位におい
て腐食が認められない場合には、 0.025V貴な電位に設
定し、また、48時間保持する。これを順次繰り返し、
すき間腐食が認められない最も貴な電位をすき間腐食電
位とした。すき間腐食電位が貴であればある程耐すき間
腐食性に優れることを意味する。
は、以下の溶媒及び溶質からなるものとした。 〔1〕溶媒:純水 〔2〕溶質:塩化ナトリウム(NaCl) 24.53 g/l (グラム/リットル) 塩化マグネシウム(MgCl2) 5.20 g/l 硫酸ナトリウム(Na2SO4) 4.10 g/l 塩化カルシウム(CaCl2) 1.16 g/l 塩化カリウム (KCl) 0.70 g/l 炭酸水素ナトリウム(NaHCO3) 0.20 g/l 臭化カリウム (KBr) 0.10 g/L 塩化ストロンチウム(SrCl2) 0.025g/l ホウ酸 (H3BO3) 0.027g/l フッ化ナトリウム(NaF) 0.003g/l 表2は、以上のすき間腐食試験の結果を示している。
生成した非金属介在物の面積占有率及び直径を以下の通
りに測定した。すなわち、圧延方向に平行な断面を研磨
し、光学顕微鏡を用い、倍率1000倍、視野数150 視野に
おいて、視野中最大の介在物の直径(Dμm)を測定
し、また、その画像の画像解析から面積占有率(A%)
を求めた。その結果を表2に合わせて示した。この表2
には、表1に示した化学組成から求められる、Crの重
量%+Moの重量%×3+Nの重量%×10で規定され
る耐食性指数(PRE)も示した。これら表1及び表2
において、表中に*印を付した数値は、この出願の発明
のステンレス鋼において必須要件としている、化学組成
の含有量、150 ×A値並びに3.5×D値が所定範囲を
越える数値であることを意味している。
〜3の比較により、上記の特許請求の範囲1 、2 に記載
の通りの特定範囲内の化学組成を有し、PRE>150 ×
A、かつPRE>3.5 ×Dを満たす場合に、十分な耐す
き間腐食性が得られることが確認される。この出願の発
明のステンレス鋼は、海水環境下において優れた耐海水
耐食性を有する、より実用的なステンレス鋼であること
が確認される。 (実施例2)第2実施例においては、Cr,Ni,M
o,N並びにCuの成分、そして、C,Si,Mn,
P,S,Al,O,W,V,CeおよびCaの成分割合
を変えた化学組成を有する試験片が、発明材5〜9及び
比較材4〜6として、表3に示される。
〜9及び比較材4〜6の、合計8種類のステンレス鋼の
試験片を、実施例1と同様の方法で作製し、すき間腐食
試験を行った。まず、ステンレス鋼50Kgを真空誘導炉
で溶解し、熱間鍛造、熱間圧延及び冷間圧延を施し、板
厚 3.5mmの板材とした。その後、これを1150℃で固溶化
熱処理した。この板材から50mm×50mm×3.5mm の試験片
を切り出し、表面を湿式600 番エメリー紙で研磨してす
き間腐食試験に供した。なお、試験片の中央部には、す
き間形成治具を取り付けるための直径10mmの穴を開け
た。
き間形成材として用い、チタン製のボルト、ナット及び
ワッシャーにより締めつけることによって行った。耐す
き間腐食性はすき間腐食電位測定により評価する。試験
溶液には人工海水を用いて、浸漬電位から0.001 V/min
の速度で設定電位まで掃引した後に、この設定電位に4
8時間保持し、すき間腐食の認められない最も貴な電位
をすき間腐食電位とした。即ち、すき間腐食電位が貴な
方が耐すき間腐食性に優れる。
断面を研磨後、光学顕微鏡を用い、倍率1000倍、視
野数150視野として、視野中最大の介在物の直径を求
めると共に画像解析により面積占有率を求めた。15℃
でのすき間腐食電位測定結果を表4に示す。
位を得るためには鋼組織の適正化とともに、PRE>15
0 A(%)及びPRE>3.5×D(μm)の関係を満
足する必要があることがわかる。表3及び表4におい
て、表中に*印を付した数値は、実施例1の場合と同
様、この出願の発明のステンレス鋼において必須要件と
している、化学組成の含有量、150 ×A値並びに3.5
×D値が所定範囲を越える数値である。
1、2によって限定されるものではない。作製及び試験
条件等の細部については様々な態様が可能であることは
言うまでもない。
明によって、海水環境下において優れた耐海水腐食性を
有するステンレス鋼が提供され、さらに、高窒素化を図
る中で、主要合金元素のCr、Mo、Ni等の貴重な鉱
物資源を窒素添加と清浄化で代替でき、資源の有効利用
を図ることができるとともに、原材料の面から経済性に
優れ、より実用的なステンレス鋼が提供される。
Claims (4)
- 【請求項1】 化学組成として、第1成分のFeと、第
2成分以下で、少なくとも、Cr:15〜30重量% Ni:25重量%以下、 Mo:1〜10重量%、 及び、N:0.3〜1.5重量%とを必須成分として含
有するとともに、不可避不純物を含有してもよいステン
レス鋼であって、耐食性指数(PRE)=Crの重量%
+Moの重量%×3+Nの重量%×10と規定すると
き、鋼中非金属介在物の面積占有率(A%)および鋼中
非金属介在物の直径(Dμm:ただし、Dは、長径と短
径が存在する場合には、長径をDとする。)が、耐食性
指数(PRE)との関係で、次の式(1)、(2) PRE>150×A・・・(1) PRE>3.5×D・・・(2) を満足することを特徴とするステンレス鋼。 - 【請求項2】 請求項1において、化学組成として、さ
らに次の添加成分群C:0.02重量%以下、 Si:0.5重量%以下、 Mn:0.2重量%以下、 P:0.01重量%以下、 S:0.002重量%以下、 Al:0.03〜0.10重量%、 O:0.003重量%以下、の少なくともいずれか一種
または二種以上を含有するステンレス鋼。 - 【請求項3】 請求項1または2において、化学組成成
分として、Cu:0.05〜2.0重量%をも含有する
ことを特徴とするステンレス鋼。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
化学組成として、さらに次の添加成分群 W:1〜10重量%、 V:1〜10重量%、 Ce:0.01〜0.10重量%、 Ca:0.001〜0.010重量%の少なくともいず
れか一種または二種以上を含有することを特徴とするス
テンレス鋼。
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1999
- 1999-11-24 JP JP33281999A patent/JP3598364B2/ja not_active Expired - Lifetime
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