JPH0586438A - 低温用構造用鋼 - Google Patents
低温用構造用鋼Info
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- JPH0586438A JPH0586438A JP8316192A JP8316192A JPH0586438A JP H0586438 A JPH0586438 A JP H0586438A JP 8316192 A JP8316192 A JP 8316192A JP 8316192 A JP8316192 A JP 8316192A JP H0586438 A JPH0586438 A JP H0586438A
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- Japan
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- steel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 厚肉の構造材への適用を可能とした低温用
構造用鋼を提供する。 【構成】 重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１２％、Ｍ
n ：０．５〜１．２％、Ｎi ：２〜３．５％、Ｃr ：２
％以下、Ｍo ：０．３〜０．６％、Ａl ：０．０１〜
０．０６％を含有し、さらに、Ｖ：０．０１〜０．０５
％、Ｎb ：０．０１〜０．０５％の１種または２種を含
有し、残部がＦe および不可避的不純物からなる。ま
た、不可避的不純物のうち、Ｓi ：０．１％以下、Ｓ：
０．００３％以下、Ｏ：０．００３％以下を許容含有量
とするのが望ましい。 【効果】 高強度で、優れた低温靱性、疲労特性、溶
接性を兼ね備えた低温用構造用鋼が得られ、厚肉構造材
への適用も可能となる。
構造用鋼を提供する。 【構成】 重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１２％、Ｍ
n ：０．５〜１．２％、Ｎi ：２〜３．５％、Ｃr ：２
％以下、Ｍo ：０．３〜０．６％、Ａl ：０．０１〜
０．０６％を含有し、さらに、Ｖ：０．０１〜０．０５
％、Ｎb ：０．０１〜０．０５％の１種または２種を含
有し、残部がＦe および不可避的不純物からなる。ま
た、不可避的不純物のうち、Ｓi ：０．１％以下、Ｓ：
０．００３％以下、Ｏ：０．００３％以下を許容含有量
とするのが望ましい。 【効果】 高強度で、優れた低温靱性、疲労特性、溶
接性を兼ね備えた低温用構造用鋼が得られ、厚肉構造材
への適用も可能となる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、海上プラットフォー
ムや橋梁の支柱材に好適な、疲労特性および溶接性に優
れた低温用構造用鋼に関するものである。
ムや橋梁の支柱材に好適な、疲労特性および溶接性に優
れた低温用構造用鋼に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】石油掘削のために、北洋海上に設置され
る深海用海上プラットフォームや橋梁などの支柱材に
は、構造物として高い強度（例えば、耐力５００ＭＰａ
以上、引張強さ５６０ＭＰａ以上）が必要とされ、ま
た、低温環境下での使用に耐え得るように、低温靱性
（例えば、−４０℃でシャルピ−吸収エネルギ７０Ｊ以
上）に優れている必要がある。さらに、海水と接触した
状態で使用されるので、海水中の陰極防食下で優れた疲
労特性を有することも要求される。従来、低温環境下で
使用される低温用構造用鋼としては、Ｎi−Ｃr−Ｍo 系
の低合金鋼が開発されており、上記要求に応えられる材
料として提供されている。
る深海用海上プラットフォームや橋梁などの支柱材に
は、構造物として高い強度（例えば、耐力５００ＭＰａ
以上、引張強さ５６０ＭＰａ以上）が必要とされ、ま
た、低温環境下での使用に耐え得るように、低温靱性
（例えば、−４０℃でシャルピ−吸収エネルギ７０Ｊ以
上）に優れている必要がある。さらに、海水と接触した
状態で使用されるので、海水中の陰極防食下で優れた疲
労特性を有することも要求される。従来、低温環境下で
使用される低温用構造用鋼としては、Ｎi−Ｃr−Ｍo 系
の低合金鋼が開発されており、上記要求に応えられる材
料として提供されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記設備で
は大型化の要請も強く、その支柱材には、例えば肉厚が
１００〜４５０ｍｍに至るものや直径が１００〜１００
０ｍｍに至るような厚肉のものが使用されることも多
い。このように厚肉の材料では、質量効果のために肉厚
中心部にまで十分に焼入れすることは容易ではない。こ
れに対しては、焼入れ性を向上させることにより、均等
で高い強度を確保することができる。しかし、従来、焼
入れ性を向上させた材料では、溶接性が十分ではなく、
また、前記した低温靱性、疲労特性も上記用途の材料と
しては不十分である。
は大型化の要請も強く、その支柱材には、例えば肉厚が
１００〜４５０ｍｍに至るものや直径が１００〜１００
０ｍｍに至るような厚肉のものが使用されることも多
い。このように厚肉の材料では、質量効果のために肉厚
中心部にまで十分に焼入れすることは容易ではない。こ
れに対しては、焼入れ性を向上させることにより、均等
で高い強度を確保することができる。しかし、従来、焼
入れ性を向上させた材料では、溶接性が十分ではなく、
また、前記した低温靱性、疲労特性も上記用途の材料と
しては不十分である。
【０００４】したがって、従来、優れた焼入れ性、溶接
性、低温靱性、疲労特性を兼ね備えた材料は開発されて
おらず、前記した従来材を、厚肉の構造材に使用した場
合には、中心部にまで十分に焼入れをすることができ
ず、全体として満足できる性能を得ることができないと
いう問題点がある。この発明は、上記事情を背景として
なされたものであり、高い強度と優れた低温靱性、溶接
性、疲労特性を有するとともに、これらの優れた特性を
維持したままで、厚肉の構造材へ適用することを可能と
した低温用構造用鋼を提供することを目的とするもので
ある。
性、低温靱性、疲労特性を兼ね備えた材料は開発されて
おらず、前記した従来材を、厚肉の構造材に使用した場
合には、中心部にまで十分に焼入れをすることができ
ず、全体として満足できる性能を得ることができないと
いう問題点がある。この発明は、上記事情を背景として
なされたものであり、高い強度と優れた低温靱性、溶接
性、疲労特性を有するとともに、これらの優れた特性を
維持したままで、厚肉の構造材へ適用することを可能と
した低温用構造用鋼を提供することを目的とするもので
ある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明の低温用構造用鋼のうち、第１の発明は、
重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１２％、Ｍn：０．５〜
１．２％、Ｎi ：２〜３．５％、Ｃr ：２％以下、Ｍo
：０．３〜０．６％、Ａl ：０．０１〜０．０６％を
含有し、さらに、Ｖ：０．０１〜０．０５％、Ｎb ：
０．０１〜０．０５％の１種または２種を含有し、残部
がＦe および不可避的不純物からなることを特徴とする
ものである。
め、本願発明の低温用構造用鋼のうち、第１の発明は、
重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１２％、Ｍn：０．５〜
１．２％、Ｎi ：２〜３．５％、Ｃr ：２％以下、Ｍo
：０．３〜０．６％、Ａl ：０．０１〜０．０６％を
含有し、さらに、Ｖ：０．０１〜０．０５％、Ｎb ：
０．０１〜０．０５％の１種または２種を含有し、残部
がＦe および不可避的不純物からなることを特徴とする
ものである。
【０００６】また、第２の発明は、第１の発明における
不可避的不純物のうち、重量％で、Ｓi ：０．１％以
下、Ｓ：０．００３％以下、Ｏ：０．００３％以下を許
容含有量とすることを特徴とするものである。
不可避的不純物のうち、重量％で、Ｓi ：０．１％以
下、Ｓ：０．００３％以下、Ｏ：０．００３％以下を許
容含有量とすることを特徴とするものである。
【０００７】
【作用】すなわち、本願発明によれば、高強度が確保さ
れるとともに、優れた低温靱性、溶接性が得られ、また
海中陰極防食下における疲労特性にも優れている。次
に、本願発明で各成分含有量を限定した理由を以下に述
べる。なお、以下に述べる含有量はいずれも重量％で示
す。
れるとともに、優れた低温靱性、溶接性が得られ、また
海中陰極防食下における疲労特性にも優れている。次
に、本願発明で各成分含有量を限定した理由を以下に述
べる。なお、以下に述べる含有量はいずれも重量％で示
す。
【０００８】Ｃ ：０．０３〜０．１２％ Ｃ含有量が多いと溶接性、低温靱性を損なうので、これ
ら特性を損なわないように、Ｃ含有量の上限を０．１２
％に定めた。ただし、所望の引張強さ、耐力を確保し、
他の成分との間で炭化物を生成させるために、０．０３
％以上の含有が必要とされる。Ｍn ：０．５〜１．２％ Ｍn は、焼入れ性を改善して強度を向上させるために添
加する。肉厚中心部まで十分な強度を確保するため、
０．５％以上含有させる必要がある。また、１．２％を
超えると、切欠き靱性を損なうので上記範囲とした。
ら特性を損なわないように、Ｃ含有量の上限を０．１２
％に定めた。ただし、所望の引張強さ、耐力を確保し、
他の成分との間で炭化物を生成させるために、０．０３
％以上の含有が必要とされる。Ｍn ：０．５〜１．２％ Ｍn は、焼入れ性を改善して強度を向上させるために添
加する。肉厚中心部まで十分な強度を確保するため、
０．５％以上含有させる必要がある。また、１．２％を
超えると、切欠き靱性を損なうので上記範囲とした。
【０００９】Ｎi ：２〜３．５％ Ｎi は、溶接性を損なうことなく、焼入れ性、強度を向
上させるために添加する。しかし、含有量が２％未満で
は、その作用は不十分であり、また、３．５％を超えて
添加しても、上記効果は飽和するので上記範囲とした。Ｃr ：２以下％、Ｍo ：０．３〜０．６％ Ｃr は、焼入れ性を改善して強度を向上させるために添
加される。ただし、０．３％未満のＭo 含有では、その
作用は不十分であり、また、Ｃr は２％、Ｍoは０．６
％を超えて含有させると、切欠き靱性および溶接性に悪
影響を与えるので上記範囲とした。
上させるために添加する。しかし、含有量が２％未満で
は、その作用は不十分であり、また、３．５％を超えて
添加しても、上記効果は飽和するので上記範囲とした。Ｃr ：２以下％、Ｍo ：０．３〜０．６％ Ｃr は、焼入れ性を改善して強度を向上させるために添
加される。ただし、０．３％未満のＭo 含有では、その
作用は不十分であり、また、Ｃr は２％、Ｍoは０．６
％を超えて含有させると、切欠き靱性および溶接性に悪
影響を与えるので上記範囲とした。
【００１０】Ａl ：０．０１〜０．０６％ ＡｌＮの生成により結晶粒を細粒化して、強度および低
温靱性を向上させる。ただし、０．０１％以下ではその
作用は不十分であり、０．０６％を超えると、非金属介
在物を形成して加工性を劣化させるため上記範囲とす
る。
温靱性を向上させる。ただし、０．０１％以下ではその
作用は不十分であり、０．０６％を超えると、非金属介
在物を形成して加工性を劣化させるため上記範囲とす
る。
【００１１】次に、選択的に含有されるＶおよびＮb の
限定理由について説明する。Ｖ：０．０１〜０．０５％、Ｎb ：０．０１〜０．０５
％ Ｖ、Ｎb は炭化物を形成し、オーステナイト結晶粒を細
粒化して切欠き靱性を向上させる。さらに、微細分散に
より引張り強度を向上させるので、強度確保のためにＣ
を多く含有させる必要がなく、溶接割れ感受性に影響の
大きいＣの含有量を低減して溶接性を向上させることが
できる。ただし、含有量が、それぞれ０．０１％未満の
場合にはその作用は不十分であり、また、それぞれ０．
０５％を超えると、切欠き靱性および溶接性を害するた
め上記範囲とした。
限定理由について説明する。Ｖ：０．０１〜０．０５％、Ｎb ：０．０１〜０．０５
％ Ｖ、Ｎb は炭化物を形成し、オーステナイト結晶粒を細
粒化して切欠き靱性を向上させる。さらに、微細分散に
より引張り強度を向上させるので、強度確保のためにＣ
を多く含有させる必要がなく、溶接割れ感受性に影響の
大きいＣの含有量を低減して溶接性を向上させることが
できる。ただし、含有量が、それぞれ０．０１％未満の
場合にはその作用は不十分であり、また、それぞれ０．
０５％を超えると、切欠き靱性および溶接性を害するた
め上記範囲とした。
【００１２】また、第２の発明における不可避的不純物
の限定理由を以下に述べる。Ｓi ：０．１％以下 Ｓi は、通常、脱酸剤として使用され、その場合の含有
量は、通常０．３０〜０．５０％程度である。この程度
のＳi を含有すると、大型鋼塊においてはマクロ偏析を
発生する。また、Ｓi 含有量が高いと、切欠靱性が損な
われるので０．１％を上限とした。
の限定理由を以下に述べる。Ｓi ：０．１％以下 Ｓi は、通常、脱酸剤として使用され、その場合の含有
量は、通常０．３０〜０．５０％程度である。この程度
のＳi を含有すると、大型鋼塊においてはマクロ偏析を
発生する。また、Ｓi 含有量が高いと、切欠靱性が損な
われるので０．１％を上限とした。
【００１３】Ｓ：０．００３％以下 Ｓは、厚肉鋼材においては、切欠き靱性を低下させると
ともに、溶接性を悪化させる。また、大型の鋼材では、
微量の含有でもＭnＳ等の非金属介在物を鋼中に形成
し、疲労限を著しく低下させるため、極力低減すること
が望ましく、現状の精錬技術レベルを考慮して、Ｓの許
容含有量を０．００３％以下に制限した。Ｏ：０．００３％以下 鋼中で非金属介在物を形成して切欠き靱性および疲労限
の低下を招くため極力低減するのが望ましいが、脱酸お
よび鋳込み条件の制約を考慮して上記上限を定めた。な
お、その他には、通常の製法によって不可避的に含まれ
る不純物が含有されるが、それらの含有量は特に限定さ
れるものではない。
ともに、溶接性を悪化させる。また、大型の鋼材では、
微量の含有でもＭnＳ等の非金属介在物を鋼中に形成
し、疲労限を著しく低下させるため、極力低減すること
が望ましく、現状の精錬技術レベルを考慮して、Ｓの許
容含有量を０．００３％以下に制限した。Ｏ：０．００３％以下 鋼中で非金属介在物を形成して切欠き靱性および疲労限
の低下を招くため極力低減するのが望ましいが、脱酸お
よび鋳込み条件の制約を考慮して上記上限を定めた。な
お、その他には、通常の製法によって不可避的に含まれ
る不純物が含有されるが、それらの含有量は特に限定さ
れるものではない。
【００１４】
【実施例】以下に、本発明の実施例（発明鋼）を、発明
の範囲外の比較鋼と比較して説明する。表１、２に示す
組成を有する供試鋼（発明鋼および比較鋼）を電炉で溶
解し、さらに、炉外精錬にて不純物を極力低減して清浄
度を高めて、８トンの鋼塊を得た。次に、この鋼塊に熱
間鍛造を行って、供試鋼Ｎｏ．１〜１０については、肉
厚３５０ｍｍの鍛造パイプを試作し、供試鋼Ｎｏ．１１
〜１９については、直径８００ｍｍの鍛造丸棒を試作し
た。その後、所定の熱処理（焼入れ、焼戻し）を行って
供試材を得た。各供試材から試験片を切り出して、鍛造
パイプについては、Ｔ／２部（Ｔ＝厚さ）、鍛造丸棒に
ついては、肉厚のＤ／４部（Ｄ＝直径）の機械的性質を
評価する試験を行い、その結果を表３、４に示した。
の範囲外の比較鋼と比較して説明する。表１、２に示す
組成を有する供試鋼（発明鋼および比較鋼）を電炉で溶
解し、さらに、炉外精錬にて不純物を極力低減して清浄
度を高めて、８トンの鋼塊を得た。次に、この鋼塊に熱
間鍛造を行って、供試鋼Ｎｏ．１〜１０については、肉
厚３５０ｍｍの鍛造パイプを試作し、供試鋼Ｎｏ．１１
〜１９については、直径８００ｍｍの鍛造丸棒を試作し
た。その後、所定の熱処理（焼入れ、焼戻し）を行って
供試材を得た。各供試材から試験片を切り出して、鍛造
パイプについては、Ｔ／２部（Ｔ＝厚さ）、鍛造丸棒に
ついては、肉厚のＤ／４部（Ｄ＝直径）の機械的性質を
評価する試験を行い、その結果を表３、４に示した。
【００１５】前記試験は、引張試験、衝撃試験、海水疲
労試験、溶接性試験からなる。なお、衝撃試験では、Ｖ
ノッチ試験片を用い、破面遷移温度と−５０℃（供試鋼
Ｎｏ．１〜１０）または−４０℃（供試鋼Ｎｏ．１１〜
１９）における吸収エネルギーを測定した。また、疲労
試験は、陰極防食（−１１００ｍＶ／ＡgＣl）を行った
人工海水中において、繰り返し応力０．４Ｈｚ、繰り返
し数１０7 の条件下で行った。
労試験、溶接性試験からなる。なお、衝撃試験では、Ｖ
ノッチ試験片を用い、破面遷移温度と−５０℃（供試鋼
Ｎｏ．１〜１０）または−４０℃（供試鋼Ｎｏ．１１〜
１９）における吸収エネルギーを測定した。また、疲労
試験は、陰極防食（−１１００ｍＶ／ＡgＣl）を行った
人工海水中において、繰り返し応力０．４Ｈｚ、繰り返
し数１０7 の条件下で行った。
【００１６】さらに、溶接性試験では、斜めＹ形拘束割
れ試験を行った。具体的には、供試材から５０ｍｍ厚の
試験片を切出し、拘束溶接を行ったＹ開先部を有する試
験片に被覆アーク溶接により試験ビードを溶接し、溶接
母材（試験片）の予熱温度をパラメータとして、断面割
れを観察した。なお、この溶接では、溶接に先立つて溶
接棒を高温で短時間乾燥（３５０℃、１時間）した。溶
接後に、ＪＩＳ Ｚ３１１３に従って溶接金属から放
出される水素量を測定したところ、０．８または０．９
ｍｍｌ／１００ｇであった。
れ試験を行った。具体的には、供試材から５０ｍｍ厚の
試験片を切出し、拘束溶接を行ったＹ開先部を有する試
験片に被覆アーク溶接により試験ビードを溶接し、溶接
母材（試験片）の予熱温度をパラメータとして、断面割
れを観察した。なお、この溶接では、溶接に先立つて溶
接棒を高温で短時間乾燥（３５０℃、１時間）した。溶
接後に、ＪＩＳ Ｚ３１１３に従って溶接金属から放
出される水素量を測定したところ、０．８または０．９
ｍｍｌ／１００ｇであった。
【００１７】上記断面割れ観察では、予熱温度が一定の
温度以上になった場合には、割れの発生が停止してお
り、この温度を断面割れ停止温度としてを表５、６に示
した。表３、４から明らかなように、発明鋼は、引張り
性質、衝撃性質、疲労限度の全てにおいて優れた数値を
示しており、また、溶接性試験においても割れ停止温度
が低く、溶接性に優れている。これに対し、比較鋼は、
衝撃性質、疲労限度が劣っており、また割れ停止温度も
高く、溶接性も劣っていた。
温度以上になった場合には、割れの発生が停止してお
り、この温度を断面割れ停止温度としてを表５、６に示
した。表３、４から明らかなように、発明鋼は、引張り
性質、衝撃性質、疲労限度の全てにおいて優れた数値を
示しており、また、溶接性試験においても割れ停止温度
が低く、溶接性に優れている。これに対し、比較鋼は、
衝撃性質、疲労限度が劣っており、また割れ停止温度も
高く、溶接性も劣っていた。
【００１８】したがって、発明鋼は、厚肉材への適用に
おいても、高強度で、優れた低温靱性、疲労特性、溶接
性を兼ね備えている。なお、上記実施例では、比較的肉
厚な試験材に適用し、その優れた性質を示したが、本願
発明としては、必ずしも厚肉材への適用に限定されるも
のではなく、厚肉材に拘らず、上記の優れた性質が得ら
れるものである。ただし、厚肉材への適用に対し、特に
有用である。
おいても、高強度で、優れた低温靱性、疲労特性、溶接
性を兼ね備えている。なお、上記実施例では、比較的肉
厚な試験材に適用し、その優れた性質を示したが、本願
発明としては、必ずしも厚肉材への適用に限定されるも
のではなく、厚肉材に拘らず、上記の優れた性質が得ら
れるものである。ただし、厚肉材への適用に対し、特に
有用である。
【００１９】
【表１】
【００２０】
【表２】
【００２１】
【表３】
【００２２】
【表４】
【００２３】
【表５】
【００２４】
【表６】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の低温用
構造用鋼によれば、重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１２
％、Ｍn ：０．５〜１．２％、Ｎi ：２〜３．５％、Ｃ
r ：２％以下、Ｍo ：０．３〜０．６％、Ａl ：０．０
１〜０．０６％を含有し、さらに、Ｖ：０．０１〜０．
０５％、Ｎb ：０．０１〜０．０５％の１種または２種
を含有し、残部がＦe および不可避的不純物からなるの
で、高強度で、しかも低温靱性、疲労特性、溶接性に優
れており、低温環境下で使用される構造物の材料として
好適である。さらに厚肉材への適用においても優れた特
性を得ることができ、厚肉な構造物の構築を促進できる
効果がある。さらに、不可避的不純物のうち、重量％
で、Ｓi ：０．１％以下、Ｓ：０．００３％以下、Ｏ：
０．００３％以下を許容含有量とすれば、低温の靱性が
さらに向上し、また経年劣化も抑制されるので、耐久性
が向上する効果がある。
構造用鋼によれば、重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１２
％、Ｍn ：０．５〜１．２％、Ｎi ：２〜３．５％、Ｃ
r ：２％以下、Ｍo ：０．３〜０．６％、Ａl ：０．０
１〜０．０６％を含有し、さらに、Ｖ：０．０１〜０．
０５％、Ｎb ：０．０１〜０．０５％の１種または２種
を含有し、残部がＦe および不可避的不純物からなるの
で、高強度で、しかも低温靱性、疲労特性、溶接性に優
れており、低温環境下で使用される構造物の材料として
好適である。さらに厚肉材への適用においても優れた特
性を得ることができ、厚肉な構造物の構築を促進できる
効果がある。さらに、不可避的不純物のうち、重量％
で、Ｓi ：０．１％以下、Ｓ：０．００３％以下、Ｏ：
０．００３％以下を許容含有量とすれば、低温の靱性が
さらに向上し、また経年劣化も抑制されるので、耐久性
が向上する効果がある。
フロントページの続き (72)発明者 深見 泰司 北海道室蘭市茶津町４番地 株式会社日本 製鋼所内
Claims (2)
- 【請求項１】 重量％で、Ｃ：０．０３〜０．１２
％、Ｍn ：０．５〜１．２％、Ｎi ：２〜３．５％、Ｃ
r ：２％以下、Ｍo：０．３〜０．６％、Ａl ：０．０
１〜０．０６％を含有し、さらに、Ｖ：０．０１〜０．
０５％、Ｎb ：０．０１〜０．０５％の１種または２種
を含有し、残部がＦe および不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする低温用構造用鋼 - 【請求項２】 不可避的不純物のうち、重量％で、Ｓ
i ：０．１％以下、Ｓ：０．００３％以下、Ｏ：０．０
０３％以下を許容含有量とする請求項１記載の低温用構
造用鋼
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4083161A JP2974846B2 (ja) | 1991-06-14 | 1992-03-05 | 低温用構造用鋼 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16898491 | 1991-06-14 | ||
| JP3-168984 | 1991-06-14 | ||
| JP4083161A JP2974846B2 (ja) | 1991-06-14 | 1992-03-05 | 低温用構造用鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0586438A true JPH0586438A (ja) | 1993-04-06 |
| JP2974846B2 JP2974846B2 (ja) | 1999-11-10 |
Family
ID=26424218
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4083161A Expired - Fee Related JP2974846B2 (ja) | 1991-06-14 | 1992-03-05 | 低温用構造用鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2974846B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011037210A1 (ja) * | 2009-09-25 | 2011-03-31 | 株式会社日本製鋼所 | 高強度高靭性鋳鋼材及びその製造方法 |
| CN105483542A (zh) * | 2016-01-27 | 2016-04-13 | 南京工程学院 | 一种深海采油装备用钢及其锻件的制造方法 |
| CN105671431A (zh) * | 2016-01-27 | 2016-06-15 | 南京工程学院 | 一种深海采油设备阀座用钢及其锻件的制造方法 |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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1992
- 1992-03-05 JP JP4083161A patent/JP2974846B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP2974846B2 (ja) | 1999-11-10 |
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