JPH0530129Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、自動車やエンジン等の環境試験を行
なうための環境試験装置に関し、特に環境試験に
必要な試験条件を効率よく作り出すことができる
環境試験装置に関する。

［従来の技術］ 従来、種々の環境条件での走行、運転を想定し
た自動車やエンジンの環境試験は、試験室全体を
試験に必要な温度、湿度条件に設定して、試験室
内の空気をエンジンに吸気させ性能試験を行なう
ようにしていた。

第２図には従来の環境試験装置が示されてい
る。同図で、エンジンダイナモ３３に接続された
エンジン３２等が設置される試験室３１には、主
空気調和器３７において環境試験に必要な温度と
湿度に調整された空気がダクト３８を介して供給
される。外気処理機４１から外気を取り込むこの
主空気調和器３７は、冷却熱源３７ａ、ヒータ３
７ｂ、加湿スチーム３７ｃおよび送風機３７ｄか
らなる。試験室３１内の空気を取り込み主空気調
和器３７に接続される吸入側のダクト３９には、
除湿熱源４０ａと送風機４０ｂを備えた除湿機４
０が並列に接続されている。なおエンジン３２の
排気ガスは、排気ガスフアン３５によつて試験室
３１外に排出される。

［考案が解決しようとする問題点］ このような従来の環境試験装置では、大きな空
間の試験室３１全体を環境試験に必要な温度と湿
度に設定しているため、主空気調和器３７等で試
験室３１内の空気調和を行なうのに大きなエネル
ギが必要となるという問題点がある。特に試験に
必要な湿度条件を作り出すには、空気温度を必要
以上に冷却する必要があり、大きなエネルギ消費
を伴うようになる。

本考案は、このような従来の問題点を解決する
ために提案されたものであり、環境試験に必要な
試験条件を大きなエネルギを消費することなく作
り出すことができる環境試験装置を提供すること
を目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この目的を達成するために本考案による環境試
験装置は、自動車やエンジン等の原動機を設置し
て各種環境条件下での試験を行なうための環境試
験室と、上記環境試験室内全体の空気温度を環境
試験に必要な温度条件に調整するための主空気調
和器と、前記原動機の空気取入口に供給する空気
を環境試験に必要な温度条件および湿度条件に調
整するための原動機用空気調和器とを備える構成
のものとしてある。

［作用］ 上述の構成によれば、主空気調和器においては
大きな容積の環境試験室内全体の空気の温度調整
のみを行ない、他方の空気調和器では少ない空気
量であるエンジン吸入用空気の温度および湿度の
調整を行なうようにしているので、環境試験室内
全体の空気の温度および湿度の調整を行なう場合
と比較して少ないエネルギにより環境試験に必要
な条件を作り出すことができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第１図には、本考案による一実施例の環境試験
装置が示されている。

同図で、環境試験室１には環境試験が行なわれ
るたとえばエンジン２等が設置されており、この
エンジン２の出力軸は性能計測用のエンジンダイ
ナモ３に接続されている。エンジン２の排気管４
は中途部に排気ガスフアン５を設けた通気管６に
接続されており、エンジン２の排気ガスが試験室
１外に排出されるようになつている。

主空気調和器７と環境試験室１は、吐出ダクト
８および吸入ダクト９により接続されており、試
験室１の空気が主空気調和器７を通して循環され
るようになつている。吸入ダクト９には、外気取
入口１０を有する外気処理機１１が接続されてお
り、外気処理機１１を通過した外気が主空気調和
器７に供給される。

主空気調和器７は、冷却熱源１２、ヒータ１３
および送風機１４から構成されており、この主空
気調和器７によつて環境試験室１内の空気温度の
みが環境試験に必要な温度条件に調整され、空調
された空気が試験室１に供給される。

また上記吐出ダクト８とエンジン吸気用空気調
和器１５の吸入側は、外気取入口１６を設けた通
気管１７により接続されており、この空気調和器
１５の吐出側に接続された通気管１８の先端部の
ラツパ状吹出口１９は、エンジン２のエアクリー
ナ２０の空気取入口２０ａを覆うように開口して
いる。なお通気管１８の吹出口１９とエアクリー
ナ２０の空気取入口２０ａとを完全に接続するよ
うにしてもよい。

エンジン吸気用空気調和器１５は、冷却熱源２
５、除湿熱源２１、ヒータ２２、加湿源２３およ
び送風機２４から構成されており、吐出ダクト８
と外気取入口１６から取り込まれた空気が、この
空気調和器１５において環境試験に必要な温度条
件および湿度条件に調整され、空調された空気が
通気管１８の吹出口１９からエンジン２の空気取
入口２０ａに向かつて吹き出される。

このようにして上記環境試験装置では、エンジ
ン２等からの発熱（顕熱）を冷却し環境試験室１
内の空気温度を環境試験に必要な所定の温度に調
整するための主空気調和器７と、エンジン吸入用
空気を環境試験に必要な所定の温度および湿度に
調整し燃焼用空気としてエンジン２の空気取入口
２０ａに供給するための空気調和器１５とを分離
独立させた構成となつており、大きな容積の試験
室１全体の空気は温度のみを調整し、小容積のエ
ンジン吸入用空気は温度と湿度の両方の調整を行
なうようにしている。

したがつて従来のように大きな空間の環境試験
室１全体の温度と湿度の両方を調整する必要がな
く、効率よく環境試験に必要な試験条件を作り出
すことができる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案では環境試験室内
の空気は温度のみを調整し、エンジン吸入用空気
は温度と湿度の両方を調整するようにしており、
主空気調和器を通過する試験室内の空気循環量は
通常500〜1500m³／min程度であるが、エンジン
吸入用空気は通常５〜15m³／min程度であつてわ
ずかな空気量の温度と湿度の調整を行なえばよ
い。

したがつて従来のように環境試験室全体の空気
の温度と湿度を調整する必要がなく、空気調和器
の運転エネルギの低減および設備コストの低減を
図ることができる。

また環境試験室内の空気を調整する主空気調和
器では、湿度制御を行なつていないので、低温下
試験条件のばあいに冷却器の着霜量が少なくなる
という利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による一実施例の環境試験装置
の構成図、第２図は従来の環境試験装置の構成図
である。 図中、１……環境試験室、２……エンジン、３
……エンジンダイナモ、４……排気管、５……排
気ガスフアン、６……通気管、７……主空気調和
器、８……吐出ダクト、９……吸入ダクト、１
０，１６……外気取入口、１１……外気処理機、
１２……冷却熱源、１３，２２……ヒータ、１
４，２４……送風機、１５……エンジン吸入用空
気調和器、１７，１８……通気管、１９……吹出
口、２０……エアクリーナ、２０ａ……空気取入
口、２１……除湿熱源、２３……加湿源、２４…
…送風機、２５……冷却熱源。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 自動車やエンジン等の原動機を設置して各種
   環境条件下での試験を行なうための環境試験室 (b) 上記環境試験室内全体の空気温度を環境試験
   に必要な温度条件に調整するための主空気調和
   器 (c) 前記原動機の空気取入口に供給する空気を環
   境試験に必要な温度条件および湿度条件に調整
   するための原動機用空気調和器 とを備える環境試験装置。