JPH0530128Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本考案は車両試験用ターンテーブル装置に関
し、特に自動車の電波試験をする際に用いて有用
である。

Ｂ 考案の概要 本考案は、支持部で支持された円板状のテーブ
ル部を、油圧モータを用いた回転駆動部により回
転させ、排気ガスを前記テーブル部及び支持部内
を通して外部に排気し得るようにしたものであ
る。

Ｃ 従来の技術 自動車には種々の電気装置が使用されており、
これらが作動する場合、雑音電波を発生し、道路
近辺の家庭のテレビなどの放送通信機器に悪影響
をおよぼし公害の原因となることもある。一方、
自動車には電子部品が多く採用されつつあり、こ
れらが外来の強力な電波により機能障害を起すこ
ともある。

上述したような問題解明に関して、放射電波雑
音の防止技術の開発の場合として、また、外来電
波によつて生じる電子機器の機能障害に対する防
止技術の開発の場として、電波シールド室が用い
られている。

電波シールド室とは、金属の閉曲面によつてそ
の内部と外部の空間の電磁界を分ち、相互に干渉
なからしめる部屋であり、60dB（1μV／ｍ＝
0dB）以上の電磁シールド効果を持つ。通常の電
波シールド室としては、室内に銅めつき鋼板また
は電解銅箔等のシールド層を張り巡らして内外の
電波をしやへいすることを基本とし、これに換気
設備、空調設備、内部照明等を付加したものが多
く用いられている。

自動車の電波試験をするには、電波シールド室
内に自動車を入れ、自動車エンジンをかけて各種
電波試験を行なつている。

Ｄ 考案が解決しようとする問題点 ところで従来では、自動車の設置位置は固定さ
れていた。したがつて自動車をある特定の方向か
ら見たときの電波試験はできるものの、自動車の
周囲のあらゆる角度から見たときの電波試験を行
なうことはできなかつた。

本考案は、上記従来技術に鑑み、自動車を水平
面内で回転させ任意の角度から電波試験を行うこ
とができるようにする車両試験用ターンテーブル
装置を提供するものである。

Ｅ 問題点を解決するための手段 上記問題点を解決する本考案の構成は、円板状
をなして水平に配置されるととともに、上面には
孔が形成され内部はガスが周縁から中央に向い流
通し得る構造となつているテーブル部と、 テーブル部をその底面中央部で回転自在に支持
するとともに、テーブル部内を流通してテーブル
部中央に至つたガスを下方に流通し得る内部構造
となつている支持部と、 油圧モータを駆動源としてテーブル部を回転さ
せる回転駆動部と、を有することを特徴とする。

Ｆ 実施例 以下に本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
はその平面図である。両図に示すように、本実施
例に係る車両用試験用ターンテーブル装置は、テ
ーブル部１０と支持部２０と回転駆動部３０とで
構成されており、電波シールド室４０内に設置さ
れる。

テーブル部１０では、中空の円板状のテーブル
１１がその底面中央で支持部２０により回転自在
に支持されておりテーブル１１はフラツトフロア
４１の高さに合せている。テーブル１１の上面に
は２つの孔１２，１２が形成されるとともに、テ
ーブル１１の内部には、孔１２，１２の位置から
テーブル１１中央にまで延びるダクト１３が設置
されており、ダクト１３はテーブル中央で下方に
折れ曲がつている。またテーブル１１の底面には
８個の荷重支持ローラ１４が転接している。

支持部２０は、第３図に示すように、外部フレ
ーム２１が軸受２２を介してテーブル１１を回転
自在に支持している。また、テーブル１１ととも
に回転するダクト１３の先端は、固定設置された
固定ダクト２３に接続されている。もちろんダク
ト１３が回転してもダクト１３，２３間の接続部
の気密性は保持される。そして固定ダクト２３の
下端は排気トンネル４２内に位置している。排気
トネル４２は地下を通りその先端は電波シールド
室４０外の大気につながつている。

回転駆動部３０は油圧モータ３１を駆動源とす
るものであり、油圧モータ３１の回転力は、減速
機３２、フレキシブルカツプリング３３、伝達ロ
ツド３４、フレキシブルカツプリング３５、ベベ
ルギヤ３６（第２図参照）を介してテーブル１１
に伝わる。したがつて油圧モータ３１を正逆方向
に駆動することにより、テーブル１１が時計方向
及び反時計方向に回転する。なお、伝達ロツド３
４はピローブロツク３７により回転自在に支持さ
れている。また、フレキシブルカツプリング３
３，３５があるため、テーブル１１上に自動車４
３が載つてテーブル１１が若干傾いても、その応
力が吸収されて伝達ロツド３４や油圧モータ３１
等に無理な力が加わることはない。

上記構成の車両試験用ターンテーブル装置によ
り自動車の電波試験を行なうには、第１図に示す
ように、自動車４３をテーブル１１上に載せ、更
に、自動車４３の排気管にホース４４を接続し、
ホース４４の先を一方の孔１２内に挿入し、他方
の孔１２にはふたをしておく。このとき、自動車
４３の排気管が車両の右側にあるか左側にあるか
に応じて、孔１２，１２のうち排気管に近い方に
ホース４４を挿入する。しかも、ホース４４と孔
１２との間には漏れが生じないようにしておく。

この状態で油圧モータ３１を駆動するとテーブ
ル１１が回転するため、自動車を水平面内におい
て所要の角度まで回転移動することができ、その
角度における電波試験が行なえる。また、テーブ
ルを連続的に回転させながら電波試験を行なうこ
ともできる。

このような電波試験において、自動車４３のギ
アをニユートラルにしてエンジンをかけた状態で
電波試験をしてもよい。このときには、排気ガス
は自動車の排気管→ホース４４→ダクト１３→固
定ダクト２３→排気トンネル４２の経路を通つて
電波シールド室４０外に排出される。このため電
波シールド室４０内が排気ガスで汚染されること
はない。またホース４４は短かいものでよく、作
業の邪魔にならない。

更に本装置では、回転駆動部３０の駆動源が油
圧モータ３１を用いているので、電気モータと異
なり、雑音となる電波を生ずることはなく、精度
よく電波試験ができる。

なお上記実施例ではダクト１３，２３を設置し
ているが、これを用いることなく、テーブル１１
内及び支持部２０の外部フレーム２１内を中空に
して両者を連通する構造とし、排気ガスをテーブ
ル１１内及び外部フレーム２１内を通して排出す
るようにしてもよい。

Ｇ 考案の効果 以上実施例とともに具体的に説明したように本
考案によれば、雑音電波を発生することなく自動
車の水平面内で回転させつつ電波試験ができる。
しかも排気ガスによる汚染を生ずることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
はその平面図、第３図は支持部近傍の構成を示す
構造図である。 図面中、１０はテーブル部、１１はテーブル、
１２は孔、１３はダクト、２０は支持部、２２は
軸受、２３は固定ダクト、３０は回転駆動部、３
１は油圧モータ、３６はベベルギアである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 円板状をなして水平に配置されるととともに、
   上面には孔が形成され内部はガスが周縁から中央
   に向い流通し得る構造となつているテーブル部
   と、 テーブル部をその底面中央部で回転自在に支持
   するとともに、テーブル部内を流通してテーブル
   部中央に至つたガスを下方に流通し得る内部構造
   となつている支持部と、 油圧モータを駆動源としてテーブル部を回転さ
   せる回転駆動部と、を有することを特徴とする車
   両試験用ターンテーブル装置。