JPH0529987U - 電子部品の収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 装着ヘッドが電子部品の受取後ＸＹ方向に移
動する際，電子部品の自動供給装置に立付け装備される
収納ケースのケース本体が邪魔とならないよう電子部品
の取出口を工夫し，且つ，その取出口を開閉するシャッ
ターが電子部品の送出しに支障を来さないよう取付け位
置を工夫する。 【構成】 電子部品の取出口３をケース本体１の上部寄
り周側面に開口位置し，その取出口３の内部にストッパ
片４ｂを出没する取出口開閉用のシャッター４を収納溝
２の最外周よりも上側に位置することにより取出口３の
開放時に電子部品がストッパ片４ｂに引掛らないようシ
ャッター４をケース本体１に取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，表面実装型の電子部品を複数個梱包する包装手段として，また，電 子部品をプリント基板に実装する装着ヘッドに対して電子部品を個々に送り出す 供給手段として用いられる電子部品の収納ケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来，この種の電子部品の収納ケースとしてはスパイラル状に連続した電子部 品の収納溝をケース本体の内部に設け，その収納溝に連通する圧送エアーの送込 孔をケース本体の下部寄り周側面に設けると共に，収納溝の終端から連続配列さ せてケース本体の下部寄り周側面に電子部品の取出口を設けたものが既に提案さ れている（実開平２ー１１１６８２）。

【０００３】 この電子部品の収納ケースは，複数個の電子部品を収納溝に整列させて挿填す るからケース本体をコンパクトに形成できると共に，圧送エアーを収納溝に送込 むだけで電子部品を取出口に個々に送り出せて装着ヘッドに供給できる等の利点 を有する。

【０００４】 然し，その電子部品の収納ケースは電子部品の取出口をケース本体の下部寄り 周側面に設けて側方に開口位置することにより圧送エアーの送込み機構等を含む 電子部品の供給装置に立付け装備されている。このため，電子部品の取出口に向 けてノズル先端を下降動する装着ヘッドが電子部品の受取位置よりプリント基板 に対する電子部品の装着位置に移動するには少なくとも収納ケースが立付け装備 された高さよりも装着ヘッドを上昇動させることが必要であり，プリント基板を 搭載するＸＹテーブルの配設位置が収納ケースの装備位置との関係から制約され てしまう。

【０００５】 また，上述した電子部品の収納ケースにおいては電子部品を個々に分離供給で きるようにするべく，圧送エアーの間歇的な吹込みに伴って取出口を開閉するス トッパ片を持ったシャッターが装備されている。このシャッターは電子部品の取 出口がケース本体の下部寄り周側面に開口形成されていることとの関係から，電 子部品が走行する収納溝の下面側からストッパ片を取出口の内部に出没するよう ケース本体に取付けられている。そのシャッターでは取出口の開放時に，ストッ パ片が電子部品の走行面から完全に退却しないで電子部品が引掛ることにより， 電子部品の送出しに支障を来す虞れがある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は，装着ヘッドがケース本体で電子部品の受取位置から制約を受けずに ＸＹ方向のいずれにも移動できると共に，シャッターが電子部品の送出しに支障 を来さないよう改良した電子部品の収納ケースを提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る電子部品の収納ケースにおいては，電子部品の取出口をケース本 体の上部寄り周側面に開口形成し，その取出口の内部にストッパ片を出没する取 出口開閉用のシャッターを収納溝の最外周よりも上方に位置させてケース本体に 取付けることにより構成されている。

【０００８】

【作用】

この電子部品の収納ケースでは電子部品の取出口をケース本体の上部寄り周側 面に開口成形するから，ケース本体を装着ヘッドがＸＹ方向に移動する走行路よ りも下方に位置させて装備でき，その取出口から電子部品を受取って装着ヘッド がＸＹ方向に移動するのに少なくともケース本体の装備高さで制約を受けること がない。また，シャッターはストッパ片が収納溝の上方から取出口の内部出没す るよう取付けられて電子部品の走行面に位置しないから，電子部品が引掛るのを 防げて電子部品を個々に円滑に送り出せるようになる。

【０００９】

【実施例】 この電子部品の収納ケースは後に詳述する如くケース本体の内部に設けられた スパイラル状の収納溝でチップ型の電子部品を複数個整列させて挿填し，その電 子部品の収納溝に送込まれる圧送エアーで電子部品を収納溝に沿って移動すると 共に，この収納溝の終端でケース本体の上部寄り周側面に開口する取出口から電 子部品の装着ヘッドに電子部品を供給できるよう形成されている。

【００１０】 図１は電子部品の自動供給装置に収納ケースを装備した状態を示すものであり ，図中，１は収納ケースのケース本体，２は電子部品の収納溝，３は電子部品の 取出口，４はシャッター，１０は電子部品の自動供給装置側の基台，１１は基台 １０に装備された圧送エアーの送込み機構，１２ａ，１２ｂは収納ケースのケー ス本体１を基台１０の板面上に立付け支持するスタンド支枠，Ｈはプリント基板 に電子部品を実装する装着ヘッドを示す。

【００１１】 電子部品の収納ケースは基台１０の板面上取付けられた左右のスタンド支枠１ ２ａ，１２ｂで，ケース本体１を挟込み支持することにより基台１０に立付け装 備されている。そのケース本体１には電子部品の取出口３が収納溝２の終端位置 で上部寄り周側面に開口するよう設けられ，この取出口３から電子部品を取り出 す装着ヘッドＨが基台１０に装備されたケース本体１の上方でＸＹ方向に移動で きるよう設計されている。また，圧送エアーの送込み機構は後述するエアー送込 孔に対応させてケース本体１に宛てがい装着するカップリング１３ａ，１３ｂを 備えている。そのカップリング１３ａ，１３ｂにはエアーバルブ１１ａから継手 １１ｂ，１１ｃと接続パイプ１１ｄ並びに分岐パイプ１１ｅを介して圧送エアー を間欠的に送込み，この圧送エアーをケース本体１のエアー送込孔から電子部品 の収納溝に送込むことにより電子部品を取出口３に向けて効率よく送り出せるよ う構成されている。

【００１２】 図２は収納ケースのケース本体１を横断面で示すものであり，このケース本体 １は互いに嵌合わせ固定されたケース蓋板部１ａとケース基板部１ｂとから形成 されている。その各部１ａ，１ｂはいずれもプラスチック材料で形成され，少な くともケース蓋板部１ａは内部の透視可能な透明なプラスチック材料で形成され ている。また，ケース基板部１ｂにはスパイラル状の連続した凹溝が付形成形さ れ，その凹溝がケース蓋板部１ｂの嵌合わせで電子部品の収納溝２として形成さ れている。

【００１３】 図３は透明なプラスチック材料で形成されたケース蓋板部１ａから見て透視可 能な内部構造を含めて各部構造を明示するものであり，この収納ケースにおいて は収納溝２の最外周に位置する螺旋条２ｎから直線路２ｐを経て上述した電子部 品の取出口３がケース本体１の上部寄り周側面に開口するよう形成されている。 その取出口３の近傍に位置させて，取出口３を開閉するシャッター４が取付けら れている。

【００１４】 図４はシャッター４の詳細を示すものであり，このシャッター４は略中間辺を 支軸４ａで枢支させてケース本体１の上部寄り周側面に設けられた凹溝１ｃの内 部に組付け配置することにより収納溝２の最外周２ｎよりも上方位置でケース本 体１に取付けられている。その支軸４ａを介し，電子部品の取出口３側には取出 口３を開閉するストッパ４ｂを下方に突出させて備え，このストッパ片４ｂがシ ャッター４の取付位置から収納溝２に連通する開口を介して取出口３の内部に出 没できるよう配置されている。また，支軸４ａを介した他端部側にはシャッター ４の下部面とケース本体１の受溝面との間に掛渡し配置することによりコンプレ ッションスプリング４ｃが組付けられている。そのコンプレッションスプリング ４ｃは，ストッパ片４ｂを取出口３の内部に常時突出位置させるよう支軸４ａを 介してシャッター４をスプリング偏位自在に付勢支持する。また，このコンプレ ッションスプリング４ｃで付勢支持するシャッター４の端部側に対応位置させて ，上述した圧送エアーの送込み機構１１と同期駆動するソレノイド等の突押しピ ン１４が電子部品の供給装置側の機構部として上方に装備されている。その突押 しピン１４は凹溝１ｃの内部に入り込み，コンプレッションスプリング４ｃに対 してシャッター４の片端側を押圧することによりストッパ片４ｂを取出口３の内 部から退却動するよう備付けられている。

【００１５】 この収納ケースにおいては収納溝２の各螺旋条２ａ…２ｎに対応させて，ケー ス外側面から収納溝２の内部に連通するエアー送込孔５ａ…５ｎがケース基板部 １ｂに設けられている。それと同様に，ケース蓋板部１ａには電子部品の収納溝 ２に送込まれた圧送エアーを排出するエアー抜き孔６ａ…６ｎが設けられている 。エアー送込孔５ａ…５ｎは各孔から収納溝２の各螺旋条２ａ…２ｎに圧送エア ーを相対向きに送込み，この反動で電子部品を上方の送出し口３に向かう直線路 ２ｐに電子部品を効率よく送り込めるようケース本体１の下部側に位置させてケ ース中心より所定角開くことにより二列設けられている。また，エアー排出孔６ ａ…６ｎは上述した圧送エアーの送込みで相対方向から向かい合って上方に旋回 動する各電子部品が極度な衝撃を受けるのを防止するべく，各エアー送込孔５ａ …５ｎに対応させてケース本体１の上部側に夫々位置することにより複数列設け られている。なお，エアー送込孔５ａ…５ｎにはカップリング１３ａ，１３ｂを 被せて圧送エアーを供給するべく，ケースの基板部１ｂの外側面にはカップリン グ１３ａ，１３ｂを嵌込み固定するＯリング状の立上がりリブがエアー送込孔５ ａ…５ｎを取り囲むように突出成形されている。

【００１６】 このように構成する電子部品の収納ケースでは電子部品の取出口３がケース本 体１を電子部品の自動供給装置に立付け装備したときにケース本体１の上部寄り 周側面に開口位置するから，その取出口３より電子部品を受取った装着ヘッドＨ は大きく昇降動させなくてもプリント基板を搭載するＸＹテーブルの配置位置に 向かってＸＹ方向に速やかに移動させることができる。また，圧送エアーの送込 みに同期させて取出口３を開放するシャッター４は電子部品の収納溝２よりも上 方に取付けることにより電子部品の走行面となる収納溝２の下面側に配置されて いないため，電子部品がストッパ片４ｂに引掛る如き事態が生ずるもの避けられ る。

【００１７】

【考案の効果】

以上の如く，本考案に係る電子部品の収納ケースに依れば，電子部品を取出口 から円滑に送り出せて装着ヘッドでプリント基板に能率よく実装するよう取出す ことが設計できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る電子部品の収納ケースを含み，そ
の収納ケースを装備する電子部品の自動供給装置を示す
説明図である。

【図２】同収納ケースを横断面で示す説明図である。

【図３】同収納ケースを側面で示す説明図である。

【図４】同収納ケースに装備するシャッターの説明図で
ある。

【符号の説明】

１ ケース本体 ２ 電子部品の収納溝 ３ 電子部品の取出口 ４ シャッター ４ｂ ストッパ片 Ｈ 装着ヘッド

フロントページの続き (72)考案者 伊藤 武 東京都中央区日本橋一丁目13番１号 テイ ーデイーケイ株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケース本体の内部に連続するスパイラル
   状の収納溝で複数個の電子部品を整列挿填し，その電子
   部品の収納溝に送込まれる圧送エアーで電子部品を収納
   溝に沿って移動すると共に，この収納溝から連続配列さ
   せてケース本体の周側面に開口する取出口から電子部品
   を個々に送り出すことにより装着ヘッドに供給する電子
   部品の収納ケースにおいて，上記ケース本体の装備位置
   上方でＸＹ方向に移動可能な装着ヘッドに電子部品を供
   給するよう電子部品の取出口をケース本体の上部寄り周
   側面に開口形成し，その取出口の溝内部にストッパ片を
   出没する取出口開閉用のシャッターを収納溝の最外周よ
   りも上側に位置させてケース本体に取付けたことを特徴
   とする電子部品の収納ケース。