JPH0529971U - 梱包材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 上蓋と下蓋とが同一形状になるようにして、
成型金型を一種類だけ用意すれば済むようにする。被梱
包物を収納した後、多段に積み重ねて運搬する際に、重
ね合わせ部分にずれが生じないようにする。 【構成】 発泡スチロールからなる梱包材１ａには、被
梱包部品（図示した例では陰極線管）と接する側に被梱
包部品形状の凹部４が形成され、その背面側には中心線
に対して線対称となる位置に一対の連結穴２ａが形成さ
れている。梱包材１ａを積み重ねるときには、連結穴２
ａ内に連結柱３ａを挿入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、梱包材に関し、特に陰極線管等の物品を梱包するのに用いられる、 発泡スチロール等で形成された２枚１組の梱包材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４の（ａ）は、この種従来の梱包材として用いられる下蓋の平面図であり、 図４の（ｂ）はその背面図である。また図４の（ｃ）は上蓋の背面図である。

【０００３】 図４の（ａ）、（ｂ）に示されるように、下蓋５の被梱包物が収納される側に は物品（この例では陰極線管）を収納するために、その物品の形状に凹部４が形 成され、また背面側には凹部７と凸部８が形成されている。 図示されていないものの上蓋６の物品収納側には図５の（ａ）に示した凹部４ と同様の凹部が形成されておりまたその背面側には下蓋５の凹凸と噛み合う凹凸 が形成されている。

【０００４】 上蓋と下蓋とに互いに噛み合う凹凸を形成するのは、物品を収納した梱包材を 多段に積み重ねた際に梱包材の重ね合わせ部にずれが発生することのないように するためである。 図５の（ａ）と（ｂ）は、それぞれ陰極線管の梱包状態と梱包材の積み重ね状 態を示す正面図と側面図である。

【０００５】 図５に示すように、下蓋５と上蓋６とを用いて陰極線管９を挟み込むように梱 包した後、梱包体を数段積み上げる。ここで、仮に下蓋と上蓋の背面が平面とな っている場合には、輸送中や移載中の振動、衝撃等によりずれが生じその程度が 著しいときには陰極線管の破損を招く恐れがあるが、本従来例では上蓋と下蓋と が噛み合っているためこのような事故は防止できる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来例では、上蓋と下蓋とが別個の形状をしているので、発泡スチロ ール材を成型するのに２種類の金型が必要となり、そのため、コスト高となって いた。 また、運用面では、上蓋と下蓋とを１組として在庫管理しなければならず、ま た梱包工程への投入も組単位での管理が必要となるため、管理も煩雑さを伴うも のであった。また、上蓋、下蓋のいずれかが破損をした場合には、補充が必要と なるがそのために、両者の数量に差ができてしまう不都合もあった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の梱包材は、同一形状のもの２枚を１組として用いるものであって、そ の被梱包材と接する側の反対の面には中心線に対して対称な位置を占める１対乃 至複数対の連結穴（貫通孔である場合を含む）が形成されるものである。そして 積み重ね時には背中合わせの連結穴間に連結柱が挿入される。

【０００８】

【実施例】

次に本考案の実施例について図面を参照して説明する。 図１の（ａ）は本考案の第１の実施例を示す平面図、図１の（ｂ）はその側面 図である。また、図１の（ｃ）は積み重ね状態を示す側面図であり、図１の（ｄ ）は、積み重ね時に用いられる連結柱の斜視図である。

【０００９】 同図に示されるように、発泡スチロールの成型品よりなる梱包材１ａは、被梱 包物（この場合は陰極線管）と接する側にその形状に合わせた凹部４が形成され ており、その裏面には連結柱３ａが挿入される１対の連結穴２ａが形成されてい る。この対をなす連結穴は梱包材１ａの背面の中心線に対して互いに対称の位置 を占めるように配置されている。 梱包が終了した後、梱包体を積み重ねるには図１の（ｃ）に示されるように、 連結柱３ａが連結穴２ａに挿入される。

【００１０】 このような構造の梱包材は上蓋と下蓋との両方に用いることができるので、こ れを成型するための金型は一種類で済み、また、在庫管理の負担も軽減される。

【００１１】 図２の（ａ）乃至（ｄ）は、それぞれ本考案の第２の実施例の平面図、側面図 、積み重ね状態を示す側面図、積み重ね時に用いられる連結柱の斜視図である。 本実施例の梱包材１ｂでは、連結穴２ｂが貫通孔になされており、そのため連 結柱３ｂの長さは梱包材１ｂ２枚の厚さ分となっている。

【００１２】 本実施例では、梱包材を積み重ねた後、連結穴２ｂに連結柱３ｂを挿入するこ とができるので、作業が容易となる利点がある。

【００１３】 図３の（ａ）乃至（ｄ）は、それぞれ本考案の第３の実施例の平面図、側面図 、積み重ね状態を示す側面図、積み重ね時に用いられる連結柱の斜視図である。 この実施例の梱包材１ｃでは、２対の連結穴が形成されているが、これらの穴 はそれぞれの対ごとに、梱包材１ｃの中心線に対して線対称の位置に配置されて いる。

【００１４】 本実施例は、２対の連結穴が形成されたことにより大面積の梱包材の場合であ っても、積層体のずれを確実に防止することができる。なお、面積がさらに増大 した場合には必要に応じてより多くの連結穴を設けることができる。その場合、 各連結穴は、それぞれ対をなす連結穴と線対称の位置関係にあるように配置され る。

【００１５】 以上好ましい実施例について説明したが、本考案はこれら実施例に限定される ものではなく、各種変更が可能である。例えば、連続穴、連結柱の横断面形状は 六角あるいは丸等の形状のものとしてもよい。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の梱包材は、２枚を一組として使用するものであ って、その背面側の中心線に関し線対称となる２点に一対の連結穴を形成し、そ して積み重ねたときに背中合わせとなる梱包材を連結柱により接続するようにし たものであるので、本考案によれば２枚の梱包材に同一形状のものを用いること ができ、かつ積み重ね時にずれが発生しないようにすることができる。したがっ て、本考案によれば、梱包材を成型するための金型を一種類だけ用意すれば済み 、また梱包材が一種類だけとなるので在庫管理が容易となる。よって金型および 管理に要するコストを低減させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１の実施例を示す平面図と側面
図。

【図２】 本考案の第２の実施例を示す平面図と側面
図。

【図３】 本考案の第３の実施例を示す平面図と側面
図。

【図４】 従来例の平面図と背面図。

【図５】 従来例の積層状態を示す側面図。

【符号の説明】

１ａ、１ｂ、１ｃ…梱包材、 ２ａ、２ｂ…連結穴、
３ａ、３ｂ…連結柱、 ４…凹部、 ５…下
蓋、 ６…上蓋、 ７…凹部、 ８…凸部、９…
陰極線管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚１組で用いられる梱包材において、
   被梱包材と接触する側と反対側の面には、中心線に対し
   互いに対称の位置を占める１対または複数対の連結穴が
   設けられていることを特徴とする梱包材。