JPH05297510A - フォトクロミック積層体 - Google Patents

フォトクロミック積層体

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Publication number
JPH05297510A
JPH05297510A JP4101328A JP10132892A JPH05297510A JP H05297510 A JPH05297510 A JP H05297510A JP 4101328 A JP4101328 A JP 4101328A JP 10132892 A JP10132892 A JP 10132892A JP H05297510 A JPH05297510 A JP H05297510A
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JP
Japan
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photochromic
group
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light
transparent support
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Pending
Application number
JP4101328A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Ito
仁 伊藤
Shuichi Maeda
修一 前田
Kazuo Mitsuhashi
和夫 三ツ橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Publication of JPH05297510A publication Critical patent/JPH05297510A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも2枚の透明支持体と該2枚の透明
支持体の間に、スピロオキサジン系化合物、ニトロキシ
フリーラジカル及び高分子物質を主成分として含有する
フォトクロミック層を挟んだフォトクロミック積層体に
おいて、該スピロオキサジン系化合物として、分子中の
5員環の窒素原子に置換する基が複素環を含む特定構造
の化合物を使用し、かつ紫外線吸収剤と高分子物質を含
有する紫外線吸収層を入射光側の透明支持体とフォトク
ロミック層との間に設けるかまたは入射光側の透明支持
体として紫外線を吸収する透明支持体を用いることによ
りフォトクロミック層に入射する光のうち350nmの
光の透過率が10〜70%とすることを特徴とするフォ
トクロミック積層体。 【効果】 本発明のフォトクロミック積層体は、発色濃
度が高く、著るしく耐光性が高く、光照射により劣化物
が生成して赤変する現象及びフォトクロミック色素の発
色性能の低下の少ないものであり、車載用および建築材
料等の調光材料、光学フィルター、マスキング用材料あ
るいは光量計等に使用するのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に耐光特性に優れた
フォトクロミック積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフォトクロミック感光性材料とし
ては、例えばスピロオキサジン系フォトクロミック化合
物を高分子化合物に分散させフィルム化したもの、また
は、ガラスまたは透明高分子板から成る基板上にフォト
クロミック化合物を含んだ高分子化合物のフィルムを被
着したもの、或いはフォトクロミック化合物を分散させ
た透明高分子フィルムを基板に挟みあわせて積層体とし
たもの(特開昭60−205429号公報)等が知られ
ている。しかしながら、このようなスピロオキサジン系
化合物を含有する従来のフォトクロミック積層体は、着
消色時に不可逆劣化物が生成しやすい状態となっている
ため長時間の光照射により劣化するという問題点があっ
たので、これを防止するために、先に本発明者らは、三
重項消光剤(ニトロキシフリーラジカル)を添加した耐
光特性に優れたフォトクロミック感光性材料を提案した
(特開平1−74285号公報)が、更に優れた耐光性
を有するものが求められている。
【0003】更に、一般的なスピロオキサジン系化合物
は紫外光を遮光すると発色性が低下し、実用性がなくな
るという問題があった。また、フォトクロミック層に対
し、光の入射側に紫外線吸収剤を含有する層を設ける方
法が提案(特開昭60−205429号公報、特開昭6
3−115138号公報)されているが、特殊なジチゾ
ン系フォトクロミック色素について記載されているだけ
のものや、色素自身の耐久性が劣るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
実情に鑑みてなされたものであって、ニトロキシフリー
ラジカルを含有するフォトクロミック積層体に於いて、
高い発色性能をもちながら、更に耐光特性を向上させる
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スピロオ
キサジン系化合物を含有するフォトクロミック感光層を
設けた積層体について、上記要求を満足すべく種々研究
の結果、特定の発色濃度(吸光度)以上のスピロオキサ
ジン系化合物と高分子物質を主成分とする感光層中にニ
トロキシフリーラジカルを含有させ、そしてフォトクロ
ミック感光層に入射する400nm以下の紫外光の量を
減らすために紫外線吸収剤を含有する層を入射光の側に
設けるか、または紫外線を吸収する透明支持体を用いる
こと、あるいは両者を併用して用いることにより、発色
消色反応時に好ましくない化合物が生成するのを防止し
得、それによって高い発色性をもちながら、長時間の光
照射による劣化を防止できることを見出し、またその
際、通常のスピロオキサジン系化合物を使用した場合よ
りも、発色性に優れかつ、耐光性に優れたスピロオキサ
ジン系化合物を使用することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、少なくとも、2枚
の透明支持体と、該2枚の透明支持体の間に、スピロオ
キサジン系化合物、ニトロキシフリーラジカル及び高分
子物質を主成分として含有するフォトクロミック層を挟
んだフォトクロミック積層体において、該スピロオキサ
ジン系化合物として下記一般式〔I〕で示される化合物
を用い、かつ紫外線吸収剤及び高分子物質を有する紫外
線吸収層を入射光側の透明支持体とフォトクロミック層
との間に設けるか、または、入射光側の透明支持体とし
て紫外線を吸収する透明支持体を用いること、あるいは
両者を併用して用いることにより、フォトクロミック層
に入射する光のうち350nmの光の透過率が10〜7
0%として耐光性を向上でき、しかも、発色性に優れた
特徴を有するフォトクロミック積層体にある。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
フォトクロミック層に用いる発色濃度0.6 (吸光度)
以上のスピロオキサジン系化合物としては、前記一般式
〔I〕で表わされる5員環窒素原子の置換基として複素
環を含有する化合物を使用する。前記一般式〔I〕で表
わされる化合物に於いてR1 は、水素原子またはメチル
基、エチル基、直鎖又は分岐鎖状のプロピル基等のC1
〜C3 のアルキル基を示し、R2 及びR3 としては炭素
数1〜28のアルキル基等のアルキル基;メトキシエチ
ル基、エトキシエチル基等のアルコキシアルキル基;シ
クロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル
基;4−メチルシクロヘキシル基、4−クロロシクロヘ
キシル基等の置換シクロアルキル基;シクロヘキシルメ
チル基、シクロヘキシルエチル基、シクロペンチルメチ
ル基等のシクロアルキルアルキル基;フェニル基、p−
メチルフェニル基、ナフチル基、m−メトキシフェニル
基等の置換又は非置換のアリール基;ベンジル基、フェ
ネチル基、p−クロロベンジル基、p−ニトロベンジル
基等の置換又は非置換のアリールアルキル基を示す。又
は、R2 及びR3 は互いに結合してシクロヘキシル基、
シクロペンチル基等の飽和脂肪族環を形成していてもよ
い。R4 としては水素原子;メチル基、エチル基等の炭
素数1〜5のアルキル基を示す。
【0008】環X、Yの置換されていても良い炭化水素
芳香環または複素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタ
レン環、キノリン環、フェナンスレン環等が挙げられ、
これらの環の置換基としては塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子などのハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル
基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、メトキシ
スルホニル基、エトキシスルホニル基等のアルコキシス
ルホニル基、シアノ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、
ニトロ基等が挙げられる。本発明のスピロオキサジン系
化合物において、特に、環Xがベンゼン環であり、環Y
がナフタレン環、キノリン環又はフェナンスレン環であ
る化合物が好ましい。Aのアルキレン基の例としては、
例えば下記のものが挙げられる。
【0009】
【化2】 Bは置換されていてもよい複素環を示し、複素環の例と
しては下記のものが挙げられる。
【0010】
【化3】
【0011】これらの環が有していてもよい置換基とし
ては、C1 〜C6 のアルキル基、水酸基、C1 〜C6
アルコキシ基、C2 〜C6 のアルコキシアルキル基、ハ
ロゲン原子、シクロアルキル基、アリール基、C2 〜C
7 のカルボキシアルキル基、C 1 〜C6 のヒドロキシア
ルキル基が挙げられる。)本発明に於いて、前記一般式
〔I〕で示される化合物のうち、次の一般式〔II〕で示
されるスピロオキサジン系化合物を使用するのが好まし
い。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1 、R4 、環X、Y、A及びB
は一般式〔I〕におけると同じ意義を有す。)ニトロキ
シフリーラジカルは、三重項消光剤であり、一般に、
【0014】
【化5】
【0015】の構造を持つ遊離基を言い、このうち本発
明のフォトクロミック積層体に用いられるニトロキシフ
リーラジカルは、安定で単離できるものである。このよ
うなニトロキシフリーラジカルとしては、具体的には、
下記一般式〔III 〕で表わすことができるものが挙げら
れる。
【0016】
【化6】
【0017】(式中のR5 およびR6 はそれぞれ独立し
て、置換もしくは非置換のアリール基、窒素原子に隣接
する炭素原子が、第3炭素原子又は第4炭素原子である
炭化水素基を示し、更に、R5 及びR6 が互いに結合し
て環を形成していてもよく、又その環は置換基を有して
いてもよい。)これらのニトロキシフリーラジカルの合
成は、「新実験化学講座(丸善(株)、日本化学会編、
14巻P.1594〜1598」に記載の方法等に準じ
て行なうことができる。
【0018】このほか、ブレット(Bredt)則によ
りニトロンまで酸化されないで、ニトロキシラジカルの
段階で止るビシクロ系ニトロキシフリーラジカル(例え
ば、
【0019】
【化7】
【0020】等)も含まれる。その他のニトロキシフリ
ーラジカルとしては、例えば、上記文献P.1597表
7.66に挙げられたものが使用できる。本発明に於い
て好ましく用いられるニトロキシフリーラジカルとして
は、耐熱性及び活性持続性の点から、例えば、次のもの
が挙げられる。
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】フォトクロミック層に用いる高分子物質し
ては、前記スピロオキサジン系化合物、ニトロキシフリ
ーラジカルと相溶性のよいもので、光学的に透明であ
り、かつ被膜形成能の優れたものであればよく、例えば
ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、酢酸セルロース、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリ
ロニトリル、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ
樹脂、ポリエステル等が挙げられるが、中でも、実用上
及び安全性からポリビニルブチラールが好ましい。
【0024】また、必要に応じて、可塑剤を含んだも
の、架橋したものでも良い。可塑剤としては、例えば、
ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートの様なフタ
レート系、ジオクチルアジペートのようなアジペート
系、トリクレジルフォスフェートのようなフォスフェー
ト系、ポリエステル系、ポリエーテル系、トリエチレン
グリコールジ−2−エチルブチレート系等が挙げられ、
これらの可塑剤は、単独又は混合して使用することがで
きる。
【0025】本発明のフォトクロミック層は、上記の成
分を適当な溶剤に溶解させることにより形成することが
できる。すなわち、溶解させた成分を中間膜として使用
できるプラスチックフィルム又は透明支持体等に塗布、
乾燥することなどが挙げられる。例えば、スピロオキサ
ジン系化合物とニトロキシフリーラジカル等の各種添加
剤を添加し、ポリビニルブチラール等の高分子物質を適
当な溶媒に溶解した溶液を、ポリビニルブチラール膜に
スクリーン印刷して、常圧、常温下で30分間乾燥し、
更に常圧下、80℃で30分乾燥させた後、2枚のクリ
アガラスの間に挟み、真空圧着することによって得られ
る。この時乾燥膜厚は、0.5μm〜1mmの範囲であ
ることが好ましく、更に好ましくは10〜500μmの
範囲で使用する。又実用的にはこの溶液を適当な透明中
間膜にキャスティングやスピンナーまたはスクリーン印
刷等を用いてコーティングして得られたものが好まし
い。透明中間膜は、熱可塑性重合体及び可塑剤を主成分
とするものであれば特に制限はされないが、具体的には
熱可塑性重合体として、ポリアクリル酸エステル、ポリ
スチレン、ポリビニルエステルまたはハライド、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアセタール等が挙げられ、可塑剤としては、例え
ば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートの様な
フタレート系、ジオクチルアジペートのようなアジペー
ト系、トリクレジルフォスフェートのようなフォスフェ
ート系、ポリエステル系、ポリエーテル系、トリエチレ
ングリコールジ−2−エチルブチレート系等が挙げられ
る。
【0026】本発明のスピロオキサジン系化合物の使用
量は、フォトクロミック層の高分子物質に対して、0.
1〜50重量%の範囲であることが好ましく、更には
0.3〜20重量%の範囲で使用する。スピロオキサジ
ン系化合物が0.1重量%未満では、フォトクロミック
色素が発色した場合に十分な光学濃度が得られず、また
50重量%を越えると光学濃度が一定になり、またコス
ト高になるので好ましくない。
【0027】ニトロキシフリーラジカルの使用量は、フ
ォトクロミック層の高分子物質に対して好ましくは0.
1〜50重量%の範囲に設定されるが、好ましくは0.
3〜20重量%の範囲で使用する。ニトロキシフリーラ
ジカルが0.1重量%未満では効果がなく、また、50
重量%より多く配合しても効果は一定でコスト高となり
好ましくない。
【0028】次に、本発明に於ける紫外線吸収層につい
て説明する。紫外線吸収剤としては、下記一般式〔I
V〕、〔V〕又は〔VI〕で示されるものが挙げられる。
【0029】
【化10】
【0030】(上記各式中、R7 、R8 、R9 、R10
11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R
19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25は、それ
ぞれ水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、シク
ロアルキル基またはアルケニル基、水酸基、アルコキシ
基、ハロゲン原子を表わす。R26は、置換もしくは非置
換のアルキル基、アルコキシアルキル基を示す。n=0
又は1を示す。)で示されるものが挙げられる。
【0031】紫外線吸収剤の中で好ましいものとして
は、400nm以下の波長に吸収を有する化合物が挙げ
られ、その具体例としては、次のものが挙げられる。
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】高分子物質としては、前記紫外線吸収剤と
相溶性のよいもので、光学的に透明であり、かつ被膜形
成能の優れたものであればよく、例えばポリメタクリル
酸メチル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
ブチラール、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエス
テル等が挙げられが、中でも、実用上及び安全性からポ
リビニルブチラールが好ましい。
【0035】また、必要に応じて、可塑剤を含んだも
の、架橋したものでも良い。可塑剤としては、例えば、
ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートの様なフタ
レート系、ジオクチルアジペートのようなアジペート
系、トリクレジルフォスフェートのようなフォスフェー
ト系、ポリエステル系、ポリエーテル系、トリエチレン
グリコールジ−2−エチルブチレート系等が挙げられ、
これらの可塑剤は、単独又は混合して使用することがで
きる。
【0036】本発明において、紫外線吸収層に於ける紫
外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収層とした場合に、光
の入射と反射側にあるフォトクロミック層に入射する光
のうち350nmの光の透過率を10〜70%とするこ
とのできる量で使用する必要がある。そしてそのような
量は、紫外線吸収剤が通常高分子物質に対して0.1〜
25重量%の範囲に設定するが、0.1重量%未満では
効果がなく、また、25重量%より多く配合するとフォ
トクロミック色素の発色性に悪影響を及ぼすので好まし
くない。
【0037】上記の紫外線吸収層は、上記の成分を適当
な溶媒に溶解させ、塗布することによって、形成するこ
とができる。本発明のフォトクロミック積層体は、ポリ
エチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリ
カーボネート、ポリアクリルエステル、ガラス等の透明
基板の間に、前記フォトクロミック層及び紫外線吸収層
を設けることによって得ることができる。尚、その場
合、熱可塑性重合体及び可塑剤を主成分とする透明中間
膜をフォトクロミック層及び紫外線吸収層の支持体とし
て設けるのが好ましい。つまり、透明中間膜を基材とし
て、片面にはフォトクロミック層、もう片面に紫外線吸
収層を設けるのである。
【0038】透明中間膜における熱可塑性重合体として
は、ポリエステル、ポリスチレン、ポリビニルエステル
またはハライド、ポリアクリルエステル、ポリウレタ
ン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等が
挙げられ、可塑剤としては例えば、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレートの様なフタレート系、ジオク
チルアジペートのようなアジペート系、トリクレジルフ
ォスフェートのようなフォスフェート系、ポリエステル
系、ポリエーテル系、トリエチレングリコールジ−2−
エチルブチレート系等が挙げられ、これらの可塑剤は、
単独又は混合して使用することができる。
【0039】例えば、透明中間膜上に前記フォトクロミ
ック層をコーティングにより形成し、次いで、フォトク
ロミック層の反対側に紫外線吸収層をコーティングし、
これを2枚の上記透明基板の間に挟み、真空圧着等の常
法の成型方法を用いることにより得ることができる。図
1〜3は、本発明のフォトクロミック積層体の一例の断
面模式図を示すものであって、図中、1は透明クリアガ
ラス基板、2はフォトクロミック層、3は透明中間膜、
4は紫外線吸収層、5はブルーガラス基板を示す。
【0040】一方、本発明に於ける紫外線を吸収する透
明支持体について説明する。紫外線を吸収する透明支持
体としては、ブルーガラス、ブロンズガラス、グレーガ
ラス等の色ガラス及び紫外線吸収剤を含有するポリエチ
レンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカー
ボネート、ポリアクリルエステル等の高分子で、330
nmの透過率が0〜30%かつ、360nmの透過率が
15〜80%である支持体が挙げられ、これらの少なく
とも1枚の基板をフォトクロミック層及び紫外線吸収層
に対して光の入射側に設けてフォトクロミック層を挟む
ことによってフォトクロミック積層体を得ることができ
る。
【0041】但し、紫外線吸収層を設けた場合は、通常
のクリアガラスを用いてもよく、また、紫外線を吸収す
る透明支持体を用いた場合は、紫外線吸収層を設けても
設けなくともどちらでもよい。いずれの場合も積層体の
形成方法は上記と同じである。
【0042】
【作用】本発明のフォトクロミック積層体は、それを使
用するに際して、フォトクロミック層に対して、紫外線
吸収層あるいは、紫外線を吸収する透明支持体側から光
が入射するように配置することが必要である。それによ
って、入射する紫外光をある程度遮断するので、光照射
による劣化物が生成して赤変する現象を防止することが
可能になり、また、光照射時のフォトクロミック色素の
発色性能の低下を防ぐことができる。更に、フォトクロ
ミック化合物として、前記一般式[I]で示すスピロオ
キサジン系化合物の使用により、比較的高濃度の発色性
を有することが可能である。
【0043】したがって、本発明のフォトクロミック積
層体は、車載用及び建築材料用調光ガラス等の調光材
料、光学フィルター、マスキング用材料あるいは光量計
等に対して使用することができる。
【0044】
【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例によって説
明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定され
るものではない。各実施例に於いて、初期発色濃度の測
定及び耐光性試験を行なった。初期発色濃度の測定は、
150Wのキセノンランプを光源とし、フィルター(東
芝ガラス製:V−350フィルター)を用い、20℃に
おいて紫外光を照射した時の吸光度を測定し、照射前と
後の吸光度の差を発色濃度とした。また、耐光性試験機
としては、スガ試験機(株)製のキセノンフェードメー
ターFAL−25AXを用いた。劣化物の生成量につい
ては、520nm付近の吸光度を測定し、試験前と後の
吸光度の差が0.04になった時間を限界として耐光性
を判定した。尚、本実施例において、使用する透明支持
体の透過スペクトルを測定して図5に示した。
【0045】実施例1 フォトクロミック感光性材料の作製 下記の構造を有するスピロオキサジン系化合物〔A〕:
1重量%
【0046】
【化13】
【0047】前記(N−1)の構造式を有するニトロキ
シフリーラジカル(2,2,5,5−テトラメチルピペ
リジニルオキシカルボキサミド):1重量%、及び可塑
剤(商品名:S−367,日本モンサント社製)を含ん
だポリビニルブチラール:10重量%を溶媒(エタノー
ル:トルエン:n−ブタノール50:45:5)に溶解
した。得られた溶液をポリビニルブチラール中間膜(商
品名:セーフレックスTG、日本モンサント社製)にス
クリーン印刷法によってコーティングした。このコーテ
ィング膜を常圧、常温下で30分間風乾した。
【0048】次に、前記構造式U−8を有する紫外線吸
収剤(商品名チヌビン−900)(チバガイギー社
製):0.25重量%、及び可塑剤を含んだポリビニル
ブチラール:10重量%を溶媒(エタノール:トルエ
ン:n−ブタノール50:45:5)に溶解した。得ら
れた溶液を、先にコーティングし、風乾した中間膜のコ
ーティングしてある裏側にスクリーン印刷法によってコ
ーティングした。これを常圧下、80℃で30分乾燥し
た後、2枚のクリアガラス板の間に挟み、真空圧着して
積層体のフォトクロミック積層体、実施例1を作製し
た。
【0049】〔初期発色濃度および耐光性の評価〕初期
発色濃度の測定は、150Wのキセノンランプを光源と
し、フィルター(東芝ガラス製:U−350フィルタ
ー)を用い、20℃において紫外光を照射した時の吸光
度を測定し、照射前と後の吸光度の差を発色濃度とし
た。また、耐光性試験機としては、スガ試験機(株)製
のキセノンフェードメーターFAL−25AXを用い
た。劣化物の生成量については、520nm付近の吸光
度を測定し、試験前と後の吸光度の差が0.04になっ
た時間を限界として耐光性を判定した。その結果、耐光
性が4000時間と向上し、初期発色濃度も0.81と
高いものが得られた。
【0050】比較例1 実施例1において、紫外線吸収剤を用いず、他は実施例
1と同様にして、フォトクロミック積層体を作製し、初
期発色濃度および耐光性の評価を行なった。その結果を
表−1に示す。初期発色濃度が1.30と高いが耐光性
は3000時間が限界であり、実施例1に比べて劣って
いた。
【0051】実施例2〜3 実施例1において、下記構造式を有するスピロオキサジ
ン系化合物〔B〕及び〔C〕を用いた以外は同様にし
て、実施例2〜3のフォトクロミック積層体を作製し
た。これらの積層体の初期発色濃度および耐光性の評価
を実施例1と同様にして調べ、その結果を表−1に示
す。
【0052】
【化14】
【0053】但し〔B〕は、R27=H、R28=CH3
化合物と、R27=CH3 、R28=Hの化合物を1:1の
割合で混合したものを表わす。
【0054】比較例2〜3 実施例2〜3において、紫外線吸収剤を用いず、他は実
施例2〜3と同様にして、フォトクロミック積層体を作
製し、初期発色濃度および耐光性の評価を行なった。そ
の結果を実施例2〜3と共に表−1に示す。
【0055】実施例4 フォトクロミック化合物としては、前記実施例2におけ
る構造式〔B〕のスピロオキサジン系化合物を用い、ニ
トロキシフリーラジカルとしては、下記構造を有するも
のを用いた外は実施例1と同様にしてフォトクロミック
層を印刷し、乾燥後、光の入射側にブルーガラス、もう
一方にはクリアガラスを用いた外は実施例1と同様にし
てフォトクロミック積層体を作製した。次に実施例1と
同様にして初期発色濃度および耐光性の評価を行った。
その結果を表−1に示す。
【0056】比較例4〜5 フォトクロミック化合物として下記構造を有するスピロ
オキサジン系化合物〔D〕(比較例4)又は〔T〕(比
較例5)を用いた外は実施例1と同様にしてフォトクロ
ミック積層体を作製した。この積層体の初期発色濃度お
よび耐光性の評価を実施例1と同様にして行い、結果を
表−1に示す。
【0057】
【化15】
【0058】(但し〔T〕は、R27=H、R28=CH3
の化合物と、R27=CH3 、R28=Hの化合物を1:1
の割合で混合したものを表わす。)
【0059】実施例5〜19 フォトクロミック化合物、ニトロキシフリーラジカル、
紫外線吸収剤及び透明支持体として表−1に示すものを
用い、それぞれのフォトクロミック積層体を作製した。
初期発色濃度及び耐光性評価の結果を表−1に示す。
【0060】比較例6〜7 フォトクロミック化合物、ニトロキシフリーラジカル、
紫外線吸収剤及び透明支持体として表−1に示すものを
用い、それぞれのフォトクロミック積層体を作製した。
初期発色濃度及び耐光性評価の結果を表−1に示す。
尚、表−1において、〔E〕〜〔S〕で示される色素は
それぞれ以下の構造式の色素を示す。 スピロオキサジン系化合物
【0061】
【化16】
【0062】
【化17】
【0063】
【化18】
【0064】
【化19】
【0065】
【化20】
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】本発明のフォトクロミック積層体は、著
るしく耐光性が高く、光照射により劣化物が生成して赤
変する現象及びフォトクロミック色素の発色性能の低下
の少ない、長時間の光照射による劣化を防止したもので
ある。したがって、本発明のフォトクロミック積層体
は、車載用および建築材料用調光ガラス等の調光材料、
光学フィルター、マスキング用材料あるいは光量計等に
対して使用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトクロミック積層体の層構成の一
例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明のフォトクロミック積層体の層構成の一
例を示す模式的断面図である。
【図3】本発明のフォトクロミック積層体の層構成の一
例を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の実施例1で使用した紫外線吸収層に使
用した紫外線吸収剤の吸収スペクトルを表す図面であ
る。
【図5】本発明の実施例で使用した各透明支持体の透過
スペクトルを表す図面である。
【符号の説明】 1 透明クリアガラス基板 2 フォトクロミック層 3 透明中間膜 4 紫外線吸収層 5 透明ブルーガラス基板 A クリアガラス B グレーガラス C ブロンズガラス D ブルーガラス E 実施例12のポリカーボネート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/675 A 8910−2H (72)発明者 三ツ橋 和夫 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2枚の透明支持体と該2枚の
    透明支持体の間に、スピロオキサジン系化合物、ニトロ
    キシフリーラジカル及び高分子物質を主成分として含有
    するフォトクロミック層を挟んだフォトクロミック積層
    体において、該スピロオキサジン系化合物として下記一
    般式〔I〕で示される化合物を用い、かつ紫外線吸収剤
    と高分子物質を含有する紫外線吸収層を入射光側の透明
    支持体とフォトクロミック層との間に設けるか、または
    入射光側の透明支持体として紫外線を吸収する透明支持
    体を用いることによりフォトクロミック層に入射する光
    のうち350nmの光の透過率が10〜70%とするこ
    とを特徴とするフォトクロミック積層体。 【化1】 (式中のmは0〜3を示し、nは0〜6の整数を示す。
    但し、m、nが同時に0を表すことはない。R1 は水素
    原子またはC1 〜C3 のアルキル基を示し、R2、R3
    はそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキル
    基、置換もしくは非置換のシクロアルキル基または置換
    もしくは非置換のアリール基を示し、またはR2 とR3
    は互いに結合し環化していてもよい。R4 は水素原子又
    は炭素数1〜5のアルキル基を示す。Aはアルキレン基
    を示し、Bは置換されていてもよい複素環を示し、環
    X、Yはそれぞれ独立して、置換されていても良い炭化
    水素芳香環又は複素芳香環を示す。Zは酸素原子または
    硫黄原子を示す。)
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤が、400nm以下の波長
    域に吸収を有することを特徴とする請求項1記載のフォ
    トクロミック積層体。
  3. 【請求項3】 紫外線を吸収する透明支持体が、400
    nm以下に吸収を有し、330nmの透過率が0〜30
    %かつ、360nmの透過率が15〜80%であること
    を特徴とする請求項1記載のフォトクロミック積層体。
  4. 【請求項4】 また、請求項3及び4の両者を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載のフォトクロミック積層
    体。
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