JPH05297327A - 高耐久性バネ丁番 - Google Patents

高耐久性バネ丁番

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JPH05297327A
JPH05297327A JP4097871A JP9787192A JPH05297327A JP H05297327 A JPH05297327 A JP H05297327A JP 4097871 A JP4097871 A JP 4097871A JP 9787192 A JP9787192 A JP 9787192A JP H05297327 A JPH05297327 A JP H05297327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spring
temple
durability
time
opening
Prior art date
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Pending
Application number
JP4097871A
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English (en)
Inventor
Shigeru Nishiyama
西山  茂
Tadashi Ichikawa
正 市川
Atsushi Sano
篤 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Publication of JPH05297327A publication Critical patent/JPH05297327A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バネ丁番の摺動接触部分に溶射による耐久性被
膜を形成することで耐久性の向上を可能とする。 【構成】バネ丁番を備えた眼鏡枠において、テンプルの
開閉時に摺動する部材の摺動部に、溶射による高耐久性
被膜を有することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は眼鏡枠に使用するバネ丁
番に関するものである。
【0002】
【従来の技術】眼鏡枠に使用するバネ丁番にはシングル
アクション型とダブルアクション型の二種類がある。シ
ングルアクション型は、テンプルの開閉時においてはバ
ネの付勢力が働かず、テンプルを開いた時に働く構造に
なっている。また、ダブルアクション型は、テンプルの
開閉時及び開いた時もバネの付勢力が働く構造になって
いる。現在の市場ではシングルアクション型よりもダブ
ルアクション型の方が評価が高く、その流通量も多い。
【0003】そして、シングルアクション型、ダブルア
クション型は、共にバネによる付勢力をうける摺動部を
有しており、その摺動部の強弱が眼鏡枠の耐久性を左右
する大きな要因となる。そのために、摺動部を構成する
部材に耐磨耗性、剛性を備えた部材、例えばステンレス
鋼を用い、潤滑油を塗布することによって耐磨耗性の向
上に対応している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
において、 とくに市場での評価の高いダブルアクショ
ン型のバネ丁番は、摺動部がカム構造になっているので
必然的に摺動面が存在し、その摺動面は当然ながら高い
耐久性が要求される。耐久性を向上させるために、高硬
度の材料を選択して使用すればよいわけであるが、バネ
丁番の摺動部材に使用できる材料は、加工性,耐触性等
の観点からの制限を受け、現状では銅系合金やステンレ
ス鋼が一般に使用されている。
【0005】しかしながら、銅系合金の場合、熱処理を
施すことによって高硬度にしても、その後の加工工程で
あるロウ付け工程において、軟化してしまうという問題
点があった。そのために、ロウ付け工程を省略すべく、
ヨロイと手丁番を一体化すると、顔の形状に合わせて調
整するための曲げが出来なくなるという不都合が生じ、
眼鏡枠の基本品質を低下させるという問題点がさけられ
なった。
【0006】また、高硬度のステンレス鋼を使用して
も、必ずしも満足できる耐磨耗性を得ることが出来ず、
材料面での耐久性の確保は容易ではなかった。それ故に
現状では、例えば潤滑油を摺動面に注油して耐久性をも
たせるように対処しているが、これとて、眼鏡の長期の
装用を通して、あるいは眼鏡を洗浄すること等により油
切れが起きると摺動面の磨耗が生じるという問題点があ
った。
【0007】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは高耐久性のある摺動
面を有するバネ丁番の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的のために本発明
では、眼鏡枠のバネ丁番において、テンプル開閉時に摺
動する部材の摺動部に、溶射による高耐久性被膜を有す
ることを課題解決の手段とするものである。
【0009】
【作用】本発明においては、従来、ロケット,人工衛星
に象徴される宇宙工学の分野で活用されている、溶射に
よって形成された耐熱被覆を、眼鏡枠のバネ丁番を構成
する摺動部の耐久性被膜として活用している。その結
果、当初の予想を上回る高耐久性をもったバネ丁番を得
ることができたものである。
【0010】そこで溶射について若干説明する。ここで
言う溶射とはプラズマ溶射で代表する。その機構は、プ
ラズマ流に粉末を送給し、加熱しながら加速して、被加
工面に衝突、積層させていくものである。そして、粉末
材料ですぐれた溶射被膜を作ろうとするときは、その最
低条件として、粉末粒子が均等で適正な温度に加熱さ
れ、緻密に積層していくに足る充分な運動エネルギーを
もち、溶射材料,素地いずれにも酸化,窒化などの質的
変化が生じない、等が必要である。
【0011】溶射は、広範な種類の金属,合金,セラミ
ックス,プラスチックス及びそれらの混合材を材料とし
て選択でき、対象物の形状や寸法による制約も少なく、
更に、他の表面被覆法に比較してかなり速い成膜速度が
得られる等の特徴を有している。プラズマジェット中で
加熱され、溶融された材料粒子は高速で機材表面に衝
突、偏平化されると同時に、急冷凝固され堆積層を形成
する。そして一般的な溶射組織として、層状に堆積され
たスプラット(偏平粒子)群からなる被膜、それと基材
の界面並びにスプラット層の内部への雰囲気の巻き込み
による気孔、あるいはスプラットの堆積の幾何学的不連
続性により生じた気孔、さらに材料粒子の酸化物や一部
に未溶融粒子を混入した組織がえられる。これらの溶射
組織の性格が、被膜特性に反映される。
【0012】溶射被膜の密着強さ、すなわち素地と溶射
被膜との結合の強さは一般にかなり低い。この密着力が
小さいことの原因は、これのほとんどが投錨効果によっ
ており、且つ被膜内には多くの気孔や粒子間の未結合部
が存在するためであると理解されている。しかしなが
ら、減圧プラズマ溶射では雰囲気ガスの巻き込みが避け
られ、爆発溶射や高速フレーム溶射では溶射粒子の飛行
速度がより高速化され、気孔が減少し、密着強さの改善
や被膜の密度の向上に効果がある。また、減圧溶射では
素材の酸化が回避される利点を活かし、基材の予熱温度
を400°C以上に高め、溶射被膜と基材間の原子の拡
散反応による結合の効果を促して密着強さを飛躍的に改
善されている。
【0013】溶射被膜の硬さについては、以下の傾向が
認められる。即ち、純金属の溶射被膜の硬さはいずれも
焼鈍された金属の標準値より大である。このことは溶射
粒子が基材に衝突した後、急速な偏平化による変形と急
冷作用を受け内部に歪みを残留した状態で成膜される点
が主に原因しているほか、混入が避けられない酸化物に
よる分散効果も加わった溶射特有の組織の性質を反映し
ていると考えられている。
【0014】耐磨耗特性については、例えば超硬合金,
サーメット,セラミックスなど硬質材の溶射被膜は典型
的な耐磨耗被膜となる。上記の如き溶射の技術を眼鏡フ
レームに適用させるべく鋭意努力の結果、バネ丁番の摺
動部材の摺動面に金属酸化物をはじめとする化合物をそ
の素材表面に溶射することができた。
【0015】その溶射された部分は、耐磨耗性に富み、
高耐久性が得られた。その結果、摺動部に使用する材質
の選択肢が広がり、設計上の対応が容易になると共に、
構造的強度の問題点が解消される。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図1
は本発明の実施例であって,テンプルを眼鏡装用状態
(開いた状態)になした、バネ丁番の片側のみの部分概
略断面図である。図1において、フロント両端部に構成
される智と一体となすカム丁番部材2には、テンプルと
一体のバネボックス部材1が、両者を貫通しカム丁番部
材2を基準として、揺動自在に開閉軸3によって軸支さ
れている。バネボックス部材1の内部にはバネボックス
1’が形成されており、その中にはバネ4と押圧コマ5
が挿入されている。開閉軸3による軸支によって、テン
プル開閉のために揺動するバネボックス部材1に内装さ
れた押圧コマ5の端面7と、その端面にテンプルの開閉
揺動時及び保持固定時に当接するカム丁番の当接部6に
は、それぞれ溶射による耐磨耗性の高いセラミックスの
高耐久性被膜7’6’が施されている。
【0017】上記の如く構成されたバネ丁番は、開時、
閉時におけるテンプルの固定状態保持のため、バネ4に
よって常に付勢されている押圧コマ5端面の高耐久性被
膜7’によってカム丁番部材2の高耐久性被膜6’を押
圧している。よって、開閉時のテンプルの所定位置が確
保される。本発明に先立ち、前記押圧コマ5の端面7と
カム丁番の当接部6からなる摺動部分に、その部分をセ
ラミック化するために、薄片の接着、イオン窒化、イオ
ンプレーティング、真空蒸着、溶射によってそれぞれの
被膜を施して比較した。その結果、溶射を除く他の方法
は耐久性、作業性において満足が得られなかった。イオ
ン窒化、イオンプレーティング、真空蒸着は、ロウ付け
時にその加熱により膜の物性品質が劣化してしまい、耐
久性の向上が認められなかった。また、薄片の硝子接着
は物性品質の劣化はみられないものの、処理する対象物
である部品形状が余りにも小さくて作業性が非常に悪か
った。尚、潤滑性塗料の利用も試みたが、塗膜が柔らか
すぎて耐久性の向上には寄与しなかった。
【0018】これらに対して、溶射による被膜はその膜
厚を、所望の厚さに制御し易く、ロウ付け時の劣化もみ
られず、高耐久性がえられた。バネ丁番の被摺動部材は
小さく、比較的加工の難度の高いものであるが、その形
状を棒やブロック状にして加工性を向上している。それ
に加えて摺動部に溶射被膜を施すことにより、部品の加
工性が更に向上し、その耐久性は高度のものとなった。
【0019】
【発明の効果】本発明では、眼鏡枠のバネ丁番におい
て、テンプル開閉時に摺動する部材の摺動部に、溶射に
よる耐久性被膜を形成したので、従来にない高耐久性を
持ったバネ丁番を得ることができる効果がある。また、
眼鏡枠を加工する段階で必要な工程であるロウ付け作業
を行う時に、それによって発生する熱に注意しなくても
済むので、加工が容易になる効果もある。それによっ
て、製品の歩留りにも寄与する効果が付帯する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であって,テンプルを眼鏡装用
状態(開いた状態)になした、バネ丁番の片側のみの部
分概略断面図である。
【符号の説明】
1 バネボックス部材 1’ バネボックス 2 カム丁番部材 3 開閉軸 4 バネ 5 押圧コマ 6 当接部 6’ 高耐久性被膜 7 端面 7’ 高耐久性被膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テンプル開閉時に摺動する部材の摺動部
    に、溶射による高耐久性被膜を有することを特徴とする
    眼鏡枠のバネ丁番。
JP4097871A 1992-04-17 1992-04-17 高耐久性バネ丁番 Pending JPH05297327A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4097871A JPH05297327A (ja) 1992-04-17 1992-04-17 高耐久性バネ丁番

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4097871A JPH05297327A (ja) 1992-04-17 1992-04-17 高耐久性バネ丁番

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05297327A true JPH05297327A (ja) 1993-11-12

Family

ID=14203813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4097871A Pending JPH05297327A (ja) 1992-04-17 1992-04-17 高耐久性バネ丁番

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JP (1) JPH05297327A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6412943B2 (en) * 2000-03-21 2002-07-02 Kwang-Nam Kim Spectacle frame having rotatable temples

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6412943B2 (en) * 2000-03-21 2002-07-02 Kwang-Nam Kim Spectacle frame having rotatable temples

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