JPH05296889A - プラント監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラント監視時のオペレータの精神的負担を
軽くするプラント監視装置を実現する。 【構成】 この発明のプラント監視装置では、監視対象
となるプラントの機器の状態、プラント量などの監視情
報を表示手段に表示する場合に、プラント状態判定手段
によって、入力プロセス量に基づいてプラントの正常、
異常を判定し、表示情報密度決定手段によって、プラン
ト状態判定手段がプラントを正常と判定する時に通常表
示を指示し、プラントを異常と判定する時にプロセス量
の詳細表示を指示し、こうして、通常状態では簡略化さ
れた通常監視情報を表示手段に表示させてプラント監視
に供し、プラント機器の故障、プロセス量の異常などが
発生する緊急時には、関連部分の詳細情報を表示手段に
表示させてオペレータの判断に供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばビル設備や上
下水道プラントのようなプラントを表示装置に表示され
たプロセス量をもとにして監視するプラント監視装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からビル設備や上下水道プラントな
どでは、グラフィックパネルやＣＲＴ表示装置を用いて
監視することが多く、オペレータは表示装置に表示され
るプラント情報を見ながらプラント全体を監視するよう
にしている。図２は一般的なプラント監視装置の構成を
示しているが、プラント１に対してプラントを構成する
各種機器の状態、プロセス量などの監視情報をプロセス
量として入力し、また各種機器に対する操作信号や操作
量などを出力するプロセス入出力装置２、このプロセス
入出力装置２の入出力動作制御、表示装置や外部入力装
置の制御、入力されるプロセス量の演算処理、状態判
定、出力信号の処理などの監視全般にわたる演算制御を
行なう制御装置３（この制御装置３はプロセス量のファ
イリング機能も含むものとする）、プロセス量をグラフ
ィック表示するＣＲＴ表示装置のような表示装置４、そ
してキーボード、押しボタン、ライトペンやタッチパネ
ルのようなポインティングデバイスなどで構成される入
力装置５から構成されている。

【０００３】このようなプラント監視装置では、表示装
置４の画面に監視対象とするプラント機器の状態、ある
いはプロセス量、履歴などが表示され、オペレータは入
力装置４を用いて表示画面を切り換えることにより、画
面上の情報からプラント状態を把握することができる。
そして、プラント機器に故障が発生し、あるいはプロセ
ス量に異常が発生したような場合には、制御装置３がオ
ペレータに対して警報を出力して注意を喚起したり、メ
ッセージを表示装置４へ表示してその内容を知らせたり
する。

【０００４】図６はこのような一般的なプラント監視装
置における制御装置３のプラント機器状態、プロセス量
などの従来の表示処理の機能ブロック図であり、プラン
ト１側からプラント機器の状態、プロセス量などの情報
がプロセス入出力装置２を介して制御装置３に入力さ
れ、制御装置３では、プラント機器状態入力、判定手段
３１が入力情報を読み込み、表示出力手段３２により表
示装置４に出力して表示するようにしていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のプラント監視装置では次のような問題点があっ
た。すなわち、プラント機器の故障発生、プロセス異常
の発生、あるいはその他の緊急時にオペレータは監視装
置側から提供されるプラント側の情報をもとにして状況
判断し、必要な対応をとることになるので、緊急時に対
応すべき箇所を明確に指示し、その情報も詳細に表わす
ことが必要であるが、通常時には緊急時と常に同じレベ
ルの情報を必要とするわけではなく、プラント運転に必
要な最低限度の情報が表示されていればよい。ところ
が、従来のプラント監視装置では、緊急時に対応がとれ
るように、不必要なまでに詳細な情報が通常の運転監視
時にも表示されており、情報過多のためにオペレータに
苦痛を与えていた。

【０００６】この発明は、このような従来の問題点に鑑
みなされたもので、通常運転時には比較的簡単に情報を
表示し、プラント機器の故障発生、プロセス量の異常発
生などの緊急時には必要な箇所の詳細情報が自動的に表
示装置に表示されるようにすることによって、プラント
の適正運転を確保しつつ、通常運転時のオペレータの負
担を軽減することができるプラント監視装置を提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明のプラント監視
装置は、プラント構成機器の状態、プロセス量などの監
視情報をプロセス量として入力するプロセス量入力手段
と、このプロセス量入力手段から入力されるプロセス量
を表示する表示手段と、前記プロセス量入力手段から入
力されるプロセス量に基づいてプラントの正常、異常を
判定するプラント状態判定手段と、このプラント状態判
定手段がプラントを正常と判定する時に通常表示を指示
し、プラントを異常と判定する時にプロセス量の詳細表
示を指示する表示情報密度決定手段と、この表示情報密
度決定手段の判定に基づいて、前記表示手段に表示させ
るプロセス量を通常表示／詳細表示の間で切り換える通
常／詳細表示切換手段とを備えたものである。

【０００８】

【作用】この発明のプラント監視装置では、プロセス量
入力手段から入力される監視対象となるプラントの機器
の状態、プラント量などの監視情報を表示手段に表示す
る場合に、プラント状態判定手段によって、プロセス量
入力手段から入力されるプロセス量に基づいてプラント
の正常、異常を判定し、表示情報密度決定手段によっ
て、前記プラント状態判定手段がプラントを正常と判定
する時に簡略化した通常表示を指示し、プラントを異常
と判定する時にプロセス量の詳細表示を指示する。そこ
で、通常／詳細表示切換手段が、この表示情報密度決定
手段の判定に基づいて、表示手段に表示させるプロセス
量を通常表示／詳細表示の間で切り換える。

【０００９】こうして、通常状態では簡略化された通常
監視情報を表示手段に表示させてプラント監視に供し、
プラント機器の故障、プロセス量の異常などが発生する
緊急時には、関連部分の詳細情報を表示手段に表示させ
てオペレータの判断に供する。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。

【００１１】図２は一般的なプラント監視装置のシステ
ム構成を示しており、プラント１の各種機器の運転状態
情報、各種プロセス量などの監視情報を入力し、またプ
ラント１の構成機器に対する操作指令、プロセス量操作
信号などの操作信号を出力するプロセス入出力装置２、
このプロセス入出力装置２からの運転状態情報、プロセ
ス量情報に基づいて必要な演算処理を行ない、プラント
の運転状態の正常、異常を判断し、またプラント１に対
して必要な操作指令、信号を出力するための演算処理を
行なう制御装置３（この制御装置３にはプロセス量を保
存するための記憶装置が内蔵されているものとする）、
この制御装置３からの出力を表示するＣＲＴ表示装置の
ような表示装置４、およびキーボード、ポインティング
デバイスなどのオペレータの要求を入力する入力装置５
から構成されている。

【００１２】そして、プラント監視制御を行なう制御装
置３は、内蔵するプログラムにしたがって種々の演算処
理を実行するのであるが、この発明に関連する部分とし
て通常表示／詳細表示を自動切換する機能を果たすため
に図２に示す構成の機能ブロックを備えている。

【００１３】すなわち、プラント１の各種機器の状態、
プロセス量などの監視情報をプロセス量として入力して
保存し、同時に入力されるプロセス量に基づいてプラン
トの正常、異常を判定するプラント機器状態入力、判定
部３１と、このプラント機器状態入力、判定部３１が入
力されるプロセス量に基づいてプラントを正常と判定す
る時に簡略化した通常表示を指示し、プラントを異常と
判定する時にプロセス量の詳細表示を指示する表示情報
密度決定部３３と、この表示情報密度決定部３３の判定
に基づいて、表示装置４に表示させるプロセス量を通常
表示／詳細表示の間で切り換える表示切換出力部３４
と、プロセス量入力データを保存するプロセス量保存部
３５を備えている。また、オペレータが入力装置５を通
して要求する時に通常表示／詳細表示の切換指令を表示
情報密度決定部３３に与えるオペレータ要求入力、判定
部３６を備えている。

【００１４】次に、上記の構成のプラント監視装置の動
作について説明する。

【００１５】プラント機器状態入力、判定部３１は通常
時に、プラント１からプロセス量を定期的にプロセス量
入出力装置２を通して取り込み、入力データをプロセス
量保存部３５に保存していく。そして、この場合、図３
に示すようにプロセス量保存部３５には、通常の運転監
視のための表示情報３５ａを時系列で保存していくと共
に、詳細監視の表示情報３５ｂを時系列であらかじめ定
めた機器あるいは設備ごとに保存していく。

【００１６】プラント機器状態入力、判定部３１はこの
データ保存と共に、プロセス量入力データに対してプラ
ント構成機器の状態を判定する。この状態判定は、故障
接点の有無、プロセス量および／またはその変化量の設
定値からの逸脱チェックなどにより行なわれる。

【００１７】そして図４のフローチャートに示すよう
に、プラント機器状態入力、判定部３１がステップＳ１
で異常なしと判定すれば、表示情報密度決定部３３に通
常状態判定を出力し、表示情報密度決定部３３は通常表
示としてプロセス量保存部３５に保存されている簡略化
された通常表示情報３５ａの出力を指令し、これを受け
て表示切換出力部３４が通常表示情報３５ａをプロセス
量保存部３５から取り出して表示装置４に出力し、表示
装置４に通常表示を行なう（ステップＳ２）。

【００１８】ところが、プラント機器状態入力、判定部
３１が入力されてくるプロセス量データからプラント機
器の故障、プロセス量の異常などの異常状態が発生した
ものと判定すれば、表示情報密度決定部３３は異常発生
箇所の周辺の詳細情報を出力する指令を出力し（ステッ
プＳ１）、表示切換出力部３４はこれを受けて、プロセ
ス量保存部３５に保存されている通常監視の表示情報３
５ａを呼び出すと共に（ステップＳ３）、異常発生箇所
の周辺の詳細監視の表示情報３５ｂも呼び出し（ステッ
プＳ４）、後述するようにあらかじめ定められた表示形
式で表示するように表示装置４に出力する（ステップＳ
５）。なお、この詳細情報の表示指令と共に、警報およ
びメッセージ出力を行なうようにすることもできる（図
示せず）。

【００１９】また、通常運転時であっても、オペレータ
が必要と判断して入力装置５から該当機器あるいは設備
を指定して詳細情報の表示指令を入力すれば、オペレー
タ要求入力、判定部３６がこの指令を表示情報密度決定
部３３に与え、異常発生時の詳細情報表示処理と同じよ
うにして、通常の表示画面情報に加えて、該当する部分
の詳細情報を表示装置４に表示させることができる。

【００２０】次に、簡略化された通常監視画面と異常発
生時の詳細監視画面との切換態様について説明する。

【００２１】通常監視においては、図５に示すような簡
略化された通常監視画面（ａ）が表示され、異常発生時
の詳細監視画面としては同図（ｂ）〜（ｄ）のような各
態様がある。

【００２２】その１つは、図５（ｂ）に示すように、通
常監視画面（ａ）とまったく別画面として詳細監視画面
をプラント機器の主要部分ごとに用意し、例えば、通常
監視画面（ａ）で複数台のポンプ全体を１つのポンプ記
号Ｐで代表しておき、故障が発生すれば、詳細監視画面
（ｂ）では各ポンプｐ１〜ｐ４ごとに詳細に表示し、故
障の発生したポンプｐ２についてフリッカ表示のような
識別表示を行なう方法である。

【００２３】他の１つは、図５（ｃ）に示すように、通
常監視画面（ａ）に対して、その画面構成を変えない
で、故障が発生した部分のみの詳細表示情報を重ねて表
わし、部分拡大表示する方法である。つまり、通常監視
画面（ａ）でポンプ部分Ｐが故障したとすれば、このポ
ンプＰの部分だけの詳細情報Ｐ′を拡大してもとの画面
と重ねて表示し、故障したポンプｐ２についてフリッカ
などの識別表示を行なわせるのである。

【００２４】さらに他の１つは、図５（ｄ）に示すよう
に、通常監視画面（ａ）に対して、故障発生箇所の詳細
監視画面をウィンドウ形式で重ねて表示する方法であ
る。つまり、通常監視画面（ａ）でポンプ部分Ｐが故障
したとすれば、このポンプＰの部分の詳細監視画面をウ
ィンドウＷに表示させ、故障したポンプｐ２についてフ
リッカなどの識別表示を行なわせるのである。

【００２５】なお、この発明は上記の実施例に限定され
ることはなく、任意に変更することができるものであ
り、例えば、通常監視画面では複数系統の配管図を一ま
とめにして１つの系統図で代表させ、重要な箇所につい
て合計流量、平均圧力その他のプロセス量を表示させ、
異常が発生した場合には、異常の発生した箇所の系統を
拡大して表示し、かつ故障箇所を識別できる態様で表示
したり、同じバルブ群が並べられている系統では、通常
表示画面では上記のポンプ群と同じ態様で１つバルブで
代表し、故障が発生すれば、当該バルブ部分を詳細に拡
大して表示するようにすることができる。

【００２６】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、通常状
態では簡略化された通常監視情報を表示手段に表示させ
てプラント監視に供し、プラント機器の故障、プロセス
量の異常などが発生した緊急時には関連部分の詳細情報
を表示手段に表示させてオペレータの判断に供するよう
にしているため、プラント全体を把握するための通常監
視情報の表示をベースとし、異常発生時には該当箇所の
詳細情報を自動的に表示することができ、オペレータに
異常発生時の対応を遅らせることなく、しかも通常運転
時の情報過多に起因する精神的負担を軽減することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例における制御装置の内部構
成を示す機能ブロック図。

【図２】上記実施例のシステム構成を示すブロック図。

【図３】上記実施例におけるプロセス量保存部の通常監
視表示情報と詳細監視表示情報との保存態様を示す説明
図。

【図４】上記実施例の動作を示すフローチャート。

【図５】上記実施例における通常監視画面と詳細監視画
面との切換態様を示す説明図。

【図６】従来例の機能ブロック図。

【符号の説明】

１ プラント ２ プロセス入出力装置 ３ 制御装置 ４ 表示装置 ５ 入力装置 ３１ プラント機器状態入力、判定部 ３３ 表示情報密度決定部 ３４ 表示切換出力部 ３５ プロセス量保存部 ３６ オペレータ要求入力、判定部 （ａ） 通常監視画面 （ｂ），（ｃ），（ｄ） 詳細監視画面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラント構成機器の状態、プロセス量な
   どの監視情報をプロセス量として入力するプロセス量入
   力手段と、 前記プロセス量入力手段から入力されるプロセス量を表
   示する表示手段と、 前記プロセス量入力手段から入力されるプロセス量に基
   づいてプラントの正常、異常を判定するプラント状態判
   定手段と、 前記プラント状態判定手段がプラントを正常と判定する
   時に通常表示を指示し、プラントを異常と判定する時に
   プロセス量の詳細表示を指示する表示情報密度決定手段
   と、 前記表示情報密度決定手段の判定に基づいて、前記表示
   手段に表示させるプロセス量を通常表示／詳細表示の間
   で切り換える通常／詳細表示切換手段とを備えて成るプ
   ラント監視装置。